NUKEM設計の放射性廃棄物処理施設がチェルノブイリ原子力発電所で正式稼働へ

ウクライナ国家原子力規制検査庁（SNRIU）が正式認可、長期的な環境保護に貢献

当社グループ会社であるNUKEM Technologies Engineering Services GmbH（本社：ドイツ・カールシュタイン／代表：Thomas Seipolt　以下、NUKEM）が設計・供給した放射性廃棄物の回収・処理施設が、チェルノブイリ原子力発電所敷地内で正式に運用を開始することが承認されました。

 

本施設は、発電所の廃炉に伴い発生する固体放射性廃棄物の安全な処理を目的とし、ウクライナ国家原子力規制検査庁（SNRIU）による正式認可を受け、本格的な稼働が決定しました。本プロジェクトは長年にわたり準備が進められており、安全基準の確立、施設の耐久性評価、環境への影響を最小限に抑えるための技術革新が随時導入されてきました。

 

 本施設の稼働により、チェルノブイリ原発の廃炉プロセスがさらに進展し、放射性廃棄物の管理が一層効率的かつ安全に行われることが期待されます。これにより、周辺環境のリスク低減が図られ、地域住民や環境に配慮した廃棄物管理の実現に寄与します。

■ICSRMの概要と役割

本施設は「固体放射性廃棄物管理産業コンプレックス（ICSRM）」 として、発電所の廃止措置に伴う放射性廃棄物を安全かつ効率的に管理するために設計されました。

ICSRMの構成施設

中間貯蔵施設　：発電所から排出される放射性廃棄物を一時的に保管し、最適な処理方法を選択する役割を担います。

既存貯蔵施設からの廃棄物回収施設　：過去の廃棄物を安全に回収し、最新の処理技術を適用することで放射線リスクの低減を図ります。

廃棄物処理施設　：焼却、圧縮、セメント固化などの処理技術を組み合わせ、長期的な安全管理を可能にします。

低・中レベル短寿命廃棄物用の貯蔵施設　：廃棄物を適切に分類し、長期貯蔵することで周辺環境への影響を最小限に抑えます。

本プロジェクトは欧州連合（EU）の資金支援のもと、G7とウクライナ政府の合意に基づき整備されました。国際的な協力のもとで進められたこのプロジェクトは、安全かつ持続可能な廃棄物管理の模範例となるものです。

■NUKEMの技術貢献と実績

NUKEMは、EUのTACISプログラムの下で、設計・建設、設備調達・据付、試運転、スタッフ研修の業務を包括的に担当しました。2009年に施設の引き渡しを完了し、2015年にはホット試運転を成功裡に完了しています。これにより、実際の放射性廃棄物を用いた試験運用が無事完了し、安全基準を満たしていることが証明されました。

NUKEMのトーマス・ザイポルトCEOは、「NUKEMの設計・供給する設備は、炉の解体に不可欠なインフラとなり、長期的な環境被害の軽減に貢献します。これは、放射性廃棄物の安全な処分と環境保護に向けた大きな前進です。」とコメントしています。さらに、これまでの技術的な蓄積と国際的な知見を活かし、今後も原子力施設の安全な廃止措置や廃棄物管理に取り組んでいく方針を示しました。

■NUKEMについて

NUKEMは、60年以上にわたり、放射性廃棄物・使用済み燃料管理、原子力施設の廃止措置の分野において、最先端の技術と高品質なソリューションを提供してきました。長年の経験を活かし、世界各国で原子力関連プロジェクトを支援し、安全かつ効率的な廃棄物管理の実現に努めています。

 

NUKEMは今後もグループの持つ技術力と国際的なネットワークを活かし、より安全で持続可能な放射性廃棄物管理の実現と原子力産業の発展に貢献してまいります。

・本社所在地：Zeche Gustav 6 63791 Karlstein am Main Federal Republic of Germany

・代表　　　　：Thomas Seipolt

・設立　　　　：1960年

・URL　　　　：https://www.nukemtechnologies.de/

・事業内容　：放射性廃棄物と使用済み燃料の管理

　　　　　　　  原子力エンジニアリング及びコンサルティング事業

本件に関するお問い合わせ

NUKEM Technologies Engineering Services GmbH

Yvonne Amend

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株式会社ムロオシステムズ

 [担当者]社長室　広報担当

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