BNCT(ホウ素中性子捕捉療法)コラム「知っておきたい“がんの種類”で変わるBNCT治療の選び方」を公開
~機器の特性から見る江戸川病院が 乳がん治療 に注力する背景~
社会福祉法人 仁生社 江戸川病院(所在地:東京都江戸川区、院長:加藤 正二郎、以下当院)は、当院公式サイトのBNCTページ内にコラム欄を新たに開設し、『知っておきたい、“がんの種類”で変わるBNCT治療の選び方~機器のタイプによる違い~』を公開いたしました。
BNCTは、がん細胞に取り込まれやすいホウ素化合物を投与し、中性子照射によりがん細胞をピンポイントで破壊する放射線治療の一種です。現在、国内では当院を含め6つの施設にBNCTの設備がありますが、機器によって中性子の照射方向や中性子の発生方式が異なり、照射しやすい部位や主な治療対象となるがん種に違いがあります。
本コラムでは、「どのがんに、どの機器が適しているのか」という視点から機器の違いを解説し、当院が縦型機器の特性を活かして乳がん治療に注力する理由について紹介しています。
■最新コラム概要
①同じBNCTでも機器によって“得意ながん”に違いがある
・国内には複数のBNCT機器が導入されており、中性子の発生方式や照射設計が異なる。
・そのため、「BNCTならどこでも同じ治療」というわけではなく、機器ごとに対応しやすいがん種が異なる。
②照射方向は大きく「縦型」と「横型」の2種
・縦型:上から下へ中性子を照射。
・横型:横方向に中性子を照射。


③中性子の発生方式は「リチウムターゲット型」と「ベリリウムターゲット型」の2種
・リチウムターゲット型:比較的エネルギーの低い中性子が発生。体の表面に近い病変の治療に適しており、病変より深い位置にある正常組織への影響を抑えやすい。
・ベリリウムターゲット型:より高いエネルギーを含む中性子が発生。体の深い位置にある病変まで中性子を届けやすい。その反面、正常組織への影響が大きくなる可能性がある。
④縦型×リチウムターゲット型のBNCT機器/“乳がん”に適している理由
・江戸川病院では、国立がん研究センターと同じ縦型×リチウムターゲット型の機器を導入。
・仰向けになった患者の体表に照射口を向ける=乳房に照射口を近づけやすい。上下左右の細かな位置調整も可能で、乳房の病変を狙いやすい。
・乳がんは体表に近い位置に発生することが多い疾患であるため、リチウムターゲット型の比較的エネルギーの低い中性子を用いることによって、病変にはアプローチしつつもより深い位置にある正常組織への影響を抑えることもできる。
→この機器の特性を活かして江戸川病院は乳がんへのBNCTを臨床研究で進め、2024年12月から自由診療として乳がんに対するBNCTの提供を開始。
→現在は、もう一方の横型×ベリリウムターゲット型の機器での治療が主流の頭頚部がんのほか、脳腫瘍、肺がんなどにも対応しているが、最も多い治療実績は乳がんとなっている。

⑤横型×ベリリウムターゲット型のBNCT機器
・他の4つの施設では、横型×ベリリウムターゲット型の機器が導入されている。
・治療部位に応じて患者の体位(横になった状態・座位・立位など)を調整して照射する。
・主に頭頸部がんへの展開が進んでおり、局所進行・再発頭頸部がんでは保険診療にも用いられている。
⑥まとめ―がんに合った機器選び
・BNCTは、機器によって照射しやすい部位や主な治療対象となるがん種が異なる。
・そのため「どのような機器で治療を受けるのか」を知ることも、治療を選択する上で大切な視点。
・江戸川病院では縦型機器を導入し、その特性を活かして乳がんを中心としたBNCTを提供している。
【江戸川病院が導入するBNCTとは】
BNCTは、ホウ素を含む薬剤を体内に取り込み、中性子線を照射することで、がん細胞のみを選択的に破壊する放射線治療です。2泊3日の入院期間で治療プロセスが終了し、患者の身体的負担も軽減可能といった特性があります。BNCTが保険適用となる「頭頚部がん」に対する治療や治験としてBNCTを実施している医療機関は存在しますが、江戸川病院では主に「乳がん」に対して自由診療でBNCTを実施しています。

江戸川病院では、BNCT装置を院内に保有し、放射線治療後の再発乳がんを対象とした特定臨床研究を実施しました。現在は、身体への負担を抑え、再照射も可能な「低侵襲な乳がん治療」としてBNCT(ホウ素中性子捕捉療法)を自由診療にて提供しています。
※都内には江戸川病院の他に国立がん研究センターがBNCT装置を有しています。
※江戸川病院のBNCT治療
◇流れ、期間
治療の約2週間前:事前のチェック(診察、検査、CT撮影)
治療の約1週間前:治療計画(CTから中性子線の投与線量、照射位置を計算)
治療 :基本的には2泊3日の入院
1日目 入院、治療当日のリハーサル
2日目 ホウ素製剤を点滴投与(約2時間)
BNCT装置で中性子線を照射(治療時間は約1時間)
3日目 治療後の診察、退院
照射の約1ヶ月後:定期的な経過観察(MRIや超音波検査など)
◇治療回数
1回の照射(2泊3日)で完了
◇費用
通常税込440万円程(自由診療、見込み金額となり場合によって異なる)
◇医学的見地に基づきBNCT 治療により予測される副作用・リスク
放射線性肺炎、皮膚疼痛、多汗症、乏汗症、クレアチニン増加、腫瘍崩壊症候群、皮膚欠損、吐気、食欲不振、部分脱毛等
※江戸川病院のBNCTの装置・医薬品について
江戸川病院のBNCT治療で使用される医療機器(BNCT装置)・医薬品(ホウ素製剤)は医薬品医療機器等法上、未承認となります。万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。

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BNCT装置 |
ホウ素製剤 |
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江戸川病院で使用している機器・薬品の承認の有無 |
なし |
なし |
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江戸川病院で使用している機器・薬品の入手経路 |
国内の株式会社CICS製の装置を導入 |
台湾の台湾製薬株式会社製の製剤を江戸川病院で個人輸入 ※個人輸入された医薬品等の使用リスクに関する情報は下記をご確認ください。 |
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国内の承認医薬品・装置の有無 |
あり(住友重機械工業株式会社製) |
あり(ステラファーマ株式会社製) |
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諸外国における安全性等に係る情報 |
諸外国でも未承認のため、重大なリスクが明らかになっていない可能性があります。 |
諸外国でも未承認のため、重大なリスクが明らかになっていない可能性があります。 |
【江戸川病院について】
江戸川病院は、地域に根ざした総合医療機関として、24時間体制の二次救急医療や急性期治療に加え、がん医療・予防医療・在宅支援に力を注ぐとともに、動物やアートに囲まれた温かな環境づくりを通じて、快適な療養環境づくりに取り組んでいます。
がん治療分野では、手術・放射線・薬物療法を診察科の枠を超え連携して行うチーム医療を展開しています。2023年には「新外来化学療法センター」を開設し、外来での抗がん剤治療を快適に受けていただくためのがん治療環境を整備。さらに、放射線治療機器3台体制で19時までの放射線治療に対応しているほか、BNCTをはじめとする高度ながん治療の臨床研究にも積極的に取り組んでいます。

ホームページ:https://www.edogawa.or.jp/
【本件に関する問い合わせ】
江戸川病院 BNCTセンター(患者様・ご家族・一般の方専用)担当:植松、田雑
TEL:03-3673-1221 / Mail:cureBNCT@edogawa.or.jp
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