「歯医者嫌いの子どもをなくしたい」——兵庫・西宮の歯科医師が作った絵本が8月1日から改訂版として再刊行

版元のサービス終了を越え、AmazonでのKindle電子書籍・ペーパーバックで販売継続へ

エクスプレッソ

兵庫県西宮市で「さくら夙川駅前おきた歯科・矯正歯科」を営む沖田 亮介院長(おきた りょうすけ/歯科医師)が制作した子ども向け絵本『りょうくんは はいしゃさんが だーいすき!:はじめての歯医者さんが好きになる こども絵本』の改訂版が、2026年8月1日、エクスプレッソ・パブリッシングより刊行された。

絵本の表紙
著者の沖田亮介院長と絵本づくりに携わったスタッフ

同書は2021年に別の出版元から初版が刊行され、以来約5年にわたり院内で子どもたちに読み継がれてきた絵本。版元のサービス終了にともない初版の販売は2026年7月末で終了したが、内容はそのままに流通形態を再構築し、翌8月1日から改訂版として切れ目なく再刊行された。改訂版はAmazonにてKindle版(電子書籍)・ペーパーバック版として刊行され、引き続き購入できるようになった。

歯医者を怖がる子どもたちと向き合う中で生まれた絵本

主人公は、歯医者さんデビューを控えた男の子・りょうくん。物語は、りょうくんが歯医者さんに親しんでいく姿を通じて、子どもが歯科受診を「怖くない場所」として受けとめられるように描かれている。

制作したのは、小児歯科の現場で「歯医者を怖いと思う子どもたち」と向き合い続けてきた沖田院長。イラストを手がけたのは、兵庫県西宮市在住のイラストレーター・絵本作家、Haiji(ハイジ)氏。「ほっこり優しいイラストで子どもたちを笑顔にしたい」をコンセプトに、多数の書籍・媒体でイラストを手がけてきた作家である。作中には西宮市内の街並みも登場し、地元・西宮で暮らす親子が身近な風景とともに物語を楽しめる一冊となっている。

初版刊行時は、Haiji氏による読み聞かせの出版記念イベントも開催された。

読み聞かせイベントの様子

"歯医者を好きな子どもを増やす"ことが、予防歯科の出発点

絵本という形にこだわるのは、その予防歯科の思想と深くつながっている。

沖田院長が診療で最も大切にしているのは、「治すこと」よりも「病気にさせないこと」だという。歯は、一度削ったり抜いたりすれば二度と元には戻らない。だからこそ、削って治すことよりも、そもそも病気を発症させない生活習慣を患者とともに定着させること——それを診療の目標に置く。「極力、歯を削らない」という理念は、この考え方から来ている。

そして沖田院長は、予防は大人になってから始めるものではない、と考える。「子どもの頃に"歯医者は怖くない"と知ってもらうこと、それ自体が生涯の歯の健康を左右する予防だと考えています」(沖田院長)。虫歯を怖がって歯科から足が遠のくことこそ、将来のトラブルの入り口になりうる——その問題意識から、遊べるキッズスペースづくりや歯医者の仕事を体験できるイベント、そして絵本の自主制作に取り組んできた。

「歯医者を好きな子どもを増やすこと。それが、私の予防歯科の出発点です」(沖田院長)。この絵本は、その理念を子ども目線で体現したコンテンツだといえる。

背景には、地域医療への思いもある。沖田院長の父も長く診療にあたってきた歯科医師である。院長はその患者も引き継いで診療にあたってきた。「この街で生まれ育った者として、地域の人々のお口の健康を長く見守り続けたい」。子どもの頃に絵本と出会った子が、歳を重ねても自分の歯で食べ、話し、笑っていられる——その未来を地域とともに育てたいという願いが、活動の根底にある。

版元のサービス終了を、"絶版"にしない

今回の再刊行は、版元のサービス終了という出来事を、単なる絶版で終わらせないための判断でもある。5年間、院内を中心に読み継がれてきたコンテンツの流通が途切れることを避け、内容は初版と同一のまま、流通形態のみを再設計した。旧契約の満了(7月末)の翌日にあたる8月1日から、切れ目なく新たな形で読者に届けられることになった。

こうして絵本を「記録に残る形」で流通させ続けることには、もう一つの意味がある。医療や暮らしの情報がAIによって整理される時代に、「おきた歯科とはどんな医院か」と誰かが調べたとき、そこに"治すより病気にさせない"という予防歯科の考え方が残っていること——それ自体が、地域の専門家の思想を長く参照可能な形で残すことにつながる。今回の改訂再刊は、その試みでもある。

著者コメント

「2015年に弟と開院した際、痛くなってから来る場所ではなく、痛くなる前に通える場所をつくりたいという気持ちで取り組もうと決めました。その第一歩が、子どもに"歯医者は怖くない"と知ってもらうことでした。この絵本が、一人でも多くの子どもと歯医者の、最初の良い出会いになればうれしいです」(沖田 亮介)

著者プロフィール

沖田 亮介(おきた りょうすけ)

医療法人社団 さくら夙川駅前おきた歯科・矯正歯科 院長。予防を重視した歯科診療に取り組む。標榜診療科は歯科・小児歯科・矯正歯科。神戸市生まれ、西宮市育ち。大阪歯科大学卒業後、口腔外科・インプラント領域での臨床経験を積み、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)歯学部 Todd R. Schoenbaum教授に師事。2015年6月、地元・西宮市で「さくら夙川駅前おきた歯科・矯正歯科」を開業。「極力歯を削らない」予防重視の理念のもと、『笑おう、食べよう、話そう』をビジョンに掲げ、予防を軸とした歯科医療を提供している。矯正歯科は副院長の沖田直也医師が担当。

イラスト:Haiji(ハイジ)

イラストレーター・絵本作家。山口県下松市出身、兵庫県西宮市在住。京都教育大学教育学部卒業後、デザイン職などを経て2013年よりイラストの活動を開始し、現在はフリーランスとして活動。さまざまな書籍・媒体でイラストを手がける。「ほっこり優しいイラストで子どもたちを笑顔にしたい」をコンセプトに、絵本制作・イラスト制作・絵日記の発表を続けている。本書は初版・改訂版ともにイラストを担当。

公式サイト「Haijiの絵日記」: https://haijinoenikki.com/

書籍概要

書籍名:『りょうくんは はいしゃさんが だーいすき!:はじめての歯医者さんが好きになる こども絵本』(改訂版)

著者:沖田 亮介 / イラスト:Haiji(ハイジ)

発行:エクスプレッソ・パブリッシング

初版:2021年10月15日

改訂版発行日:2026年8月1日

対象年齢:幼児〜6歳ごろ

判型・ページ数:A5判(縦)/24ページ

形態・価格:Amazon Kindle版 300円/ペーパーバック版 1,100円(税込)

ISBN(ペーパーバック):978-4-9914718-1-0

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小林秀幸
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設立
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