買って着るから、自分でつくって長く着るへ。「布を使い切る」服づくりを学ぶワークショップが スタート
石徹白に伝わる「たつけ」と手ぬぐいリメイクを通じて、昔ながらの知恵からこれからの衣生活を考える
静岡県島田市で、オリジナル注染手ぬぐいの企画・販売や手ぬぐいリメイク、初心者向け洋裁教室「恋衣洋裁倶楽部」などを展開するkoigoromo(コイゴロモ)は、2026年10月より、自社アトリエにて新たな服づくりワークショップをスタートします。
メインとなるのは、岐阜県郡上市・石徹白(いとしろ)の地域に伝わる「たつけ」を自分の手で仕立てる教室です。
たつけに用いられる昔ながらの直線裁断の考え方に学びながら、自分の好きな生地を選び、自分の身体や好みに合わせた一着を完成させます。
また、手ぬぐいを使ったスカートやブラウスをつくるリメイク教室も展開。「布を余らせない」「自分でつくる」「気に入った服を長く着る」という昔ながらの知恵を、現代の暮らしの中で楽しみながら体験できる場を目指します。

洋裁で生まれる「端切れ」。布を使い切る方法を探して出会った「たつけ」
koigoromoが「たつけ」と出会った原点には、日々の仕立ての中で感じていたある疑問がありました。
人の身体に沿う洋服をつくるためには、曲線を用いた裁断が多くなります。その結果、どうしても生地の端に小さな端切れが残ります。
布が好きだからこそ、その端切れを捨ててしまうことに抵抗がありました。
「できるだけ無駄を出さず、布を使い切る方法はないだろうか」。
そうした技法を探していく中で出会ったのが、岐阜県郡上市白鳥町石徹白に伝わる「たつけ」でした。
石徹白洋品店では、地域に伝わる服として「たつけ」を現在も製作・販売し、先人から学んだ直線裁断をものづくりのベースの一つとしています。
その考え方に惹かれたkoigoromoは、実際に岐阜県 石徹白洋品店のワークショップへ参加。技法だけではなく、その背景にある暮らしや文化について学び、石徹白民衣「たつけ」の認定講師となりました。


各家庭で、お母さんたちが家族のズボンをつくっていた。その暮らしに触れて感じたこと
石徹白で学ぶ中で特に心を動かされたのは、「たつけ」が特別な作品としてではなく、かつて暮らしの中で当たり前につくられていた服だったことです。
各家庭で、お母さんたちが家族のためにたつけを仕立てる。
服を自分たちの手でつくり、傷んでも修繕して大切に使い続ける。
実際に、長年着用され、ぼろぼろになるまで使われた昔のたつけも目にしました。
ものがあふれ、欲しい服を簡単に買える現代とは異なる、「必要なものを自分でつくり、大切に使い続ける」という暮らし。
その姿に触れたことで、koigoromoは、たつけの技法だけではなく、その背景にある「ものを大切にする心」まで伝えたいと考えるようになりました。
「昔の人たちが当たり前にしていた暮らしに触れて、本当に素晴らしいと感じました。服を自分でつくり、ぼろぼろになるまで大切に使う。今とは時代も価値観も違いますが、その中に今の暮らしにも取り入れられるものがあると思います。私自身が感じた感動を多くの人に伝え、暮らしの中で活かしてもらいたいと思ったことが、教室を始めるきっかけです。」
1日約1,300トンの衣服が焼却・埋め立てへ。「長く着る」が改めて求められる時代
一方、現代のファッションを取り巻く環境では、大量生産・大量消費・大量廃棄が社会的な課題となっています。
環境省によると、2025年に家庭から手放された衣服のうち、リユース・リサイクルされる割合は約42%。残る58%は焼却等によって処分されています。リユース・リサイクルされず焼却・埋め立て等される衣服は年間約46万トンにのぼり、1日あたりでは約1,300トン、大型トラック約130台分に相当します。
国も2030年度までに、家庭から手放される衣料品のうち廃棄されるものを2020年度比で25%削減する目標を掲げ、「使えるものは長く使う」ことなどを推進しています。
そんな時代だからこそ、koigoromoが提案するのは、新しい服を「買わない」ということではありません。
自分でつくるという選択肢を持つこと。そして、気に入った一着を長く楽しむこと。
昔ながらの服づくりから、これからの衣生活を考えるきっかけを届けます。
好きな生地で、自分が「心地よい」と思える一着を
たつけ教室では、参加者自身が好きな生地を持ち込み、一着のたつけを完成させます。
大切にするのは、「体型に合った服」の基準を作り手側から押し付けないことです。
身体にフィットした服が好きな人もいれば、ゆったりとしたオーバーサイズを好む人もいます。
着る本人が「自分の身体に合っている」「心地よい」と思えること。
その感覚を大切にしながら、一人ひとりの好みに合わせて仕立てていきます。
「自分でつくった服は、着心地がよいだけでなく、自然と愛着が湧きます。着る時間が長くなるほど、さらに愛着も増えていく。だからこそ長く大切にしたいと思えるのだと思います」
服を完成させることだけでなく、その服と長く付き合っていく時間まで含めた服づくりを提案します。


初心者でも「完成まで見捨てない」。すべてマンツーマンで実施
今回のワークショップは、すべてマンツーマンの完全個人レッスンです。
人によって体型も違えば、洋裁経験や作業スピード、つまずくポイントも異なります。
そのため、大人数へ同じ方法を一斉に教えるのではなく、一人ひとりの身体や技量、進捗に合わせて細かくサポートできる形式を採用しました。
洋裁経験は問いません。
「決められた回数で完成できなかったらどうしよう」という不安に対しても、個々の技量を見ながら進捗を確認し、完成まで伴走します。
koigoromoが大切にしているのは、「完成まで見捨てない」こと。
初めて洋服をつくる人にも、「自分の手で一着を完成させた」という喜びを味わってもらうことを目指しています。

「服は自己表現」。欲しい服がなければ、自分でつくる
koigoromo自身にとって、服は生活になくてはならない存在であり、自己表現の一つです。
その日の気分によって着たい色も、柄も変わる。
「こんな服が着たい」と思ったときには、自分の好みやイメージにぴったり合うものを探し続けるより、自分でつくった方が早いと感じることもあります。
既製品も購入しますが、自分でつくった服と組み合わせるためのアイテムの一つ。
人と会う日には、できるだけ自分でつくった服を選んでいます。
「自分でつくった服を着ていると、『その服、つくったの?』と声をかけていただくことがあります。服は、自分を表現する方法の一つだと思っています。だからこそ、自分が本当に着たいものを、自分に合う形でつくる楽しさを知ってほしいのです。」
koigoromoのオンラインショップでも、オリジナルのお茶柄注染手ぬぐいや、手ぬぐいを使った大人服・子ども服などを展開しており、「丁寧な暮らしを楽しむ、日々のアート」を掲げています。

汗かきだった自分がたどり着いた「手ぬぐい」。スカートとブラウスへ
今回のワークショップでは、たつけに加え、手ぬぐいを使ったスカートとブラウスづくりも展開します。
手ぬぐいを使い始めたきっかけも、koigoromo自身の暮らしの中にありました。
もともと汗かきで、自分にとって心地よく使えるものを探していく中でたどり着いたのが手ぬぐいでした。
使ってみると、心地よさだけでなく、豊富な色や柄にも魅力を感じるようになり、現在ではオリジナル手ぬぐいの商品開発や、手ぬぐいを活用した服づくりにも取り組んでいます。koigoromoでは現在、注染手ぬぐいの販売に加え、大人向けのシャツ、ワンピース、パンツ、スカートなどの手ぬぐいリメイク商品も展開しています。
今回のワークショップでは、保有する型紙の中から、できるだけ端切れが少なく、効率よく布を活用できるものとして「スカート」と「ブラウス」を選びました。
色や柄を選びながら、手ぬぐいが一着の服へ変わっていく過程そのものを楽しむことができます。



ワークショップ概要
石徹白民衣「たつけ」コース
内容
好きな生地を持ち込み、自分の身体や好みに合わせた「たつけ」をマンツーマンで仕立てます。
開催回数
2時間×4回
料金
29,150円
料金に含まれるもの
テキスト代、指導料
※生地代は含まれません。参加者自身でお好みの生地をご用意いただきます。
手ぬぐいスカート コース
内容
好きな柄の手ぬぐいを選び、スカートを制作します。
開催回数
2時間×3回
料金
30,690円
料金に含まれるもの
手ぬぐい8本、指導料
手ぬぐいブラウス コース
内容
好きな柄の手ぬぐいを選び、ブラウスを制作します。
開催回数
2時間×3回
料金
22,770円
料金に含まれるもの
手ぬぐい4本、指導料
開始時期:2026年10月
開催場所:koigoromo自社アトリエ(静岡県島田市)
開催形式:完全予約制・マンツーマン
対象:中学生以上の女性
洋裁経験:初心者歓迎
申込方法:koigoromo公式LINEよりメッセージにて受付
※開催日時は申込時に個別に調整します。
5年後、生徒さんの作品を集めた「作品展」を
今回のワークショップでは、まず毎月5人程度の利用を目標に、一人ひとりと向き合いながら教室を育てていきます。
その先に思い描いているのが、参加した生徒たちによる作品展です。
同じ型紙を使っても、選ぶ布も色も柄も、好みのサイズ感も違います。
一人ひとりが自分で考え、自分の手でつくった服が集まれば、そこには同じものが一つとしてない作品が並びます。
「5年後には、生徒さんたちがつくった服を集めた作品展を開いてみたいです。自分でつくった服を着ること、ものを大切にすることを通じて、生徒さんの生活そのものが少し豊かになってくれたら嬉しい。『着ることを楽しむ暮らし』を、この教室から広げていきたいと思っています。」
買って、着て、次の服へ。
それだけではなく、
自分でつくり、着て、愛着を重ねながら長く付き合っていく。
石徹白に受け継がれてきた知恵と、koigoromoが大切にしてきた「もったいない」「布を使い切る」という想いをつなぎながら、これからの服との付き合い方を提案していきます。
koigoromo(コイゴロモ)について
静岡県島田市を拠点に、「丁寧な暮らしを楽しむ、日々のアート」をテーマとして活動。島田で出会った茶畑から着想を得たオリジナルお茶柄注染手ぬぐいの企画・販売をはじめ、「茶Shirts®・ティーシャツ」の制作、手ぬぐいリメイク、初心者向け洋裁教室「恋衣洋裁倶楽部」などを展開しています。
【会社概要】
屋号:koigoromo
所在地:〒428-0007 静岡県島田市島523の1
代表:渡邉 美和
事業内容:オリジナルお茶柄注染手ぬぐい茶Shirtsの製造販売、洋裁教室
開業:2003年
オンラインショップ:https://koigoromo.thebase.in/

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