【令和8年熊本地震】「仮設風呂があっても入れない人がいる」再び熊本へ 寝たまま洗髪・洗体できる清潔ケア機器無償貸与の調整を開始
”寝たきり・車いす利用者など、一般の入浴支援が届きにくい人”を取り残さないために 京都の社員8名メーカーが「ラプレシャンプースチーマー」の支援準備へ

「お客様の欲しいモノ」を形にする電気機器メーカー、株式会社ティ.アイ.プロス(京都府宇治市)は、2026年7月28日に発生した「令和8年熊本地震」の被災地に向け、寝たまま・車いすに座ったまま洗髪・洗体ができる清潔ケア機器「ラプレシャンプースチーマー」の無償貸与に向けた調整を開始しました。被災自治体や支援関係機関の意向、現地の受け入れ態勢、必要とされる清潔ケアの内容を確認し、一般的な入浴支援を利用することが難しい方への活用を想定しています。
■被災された皆さまへ 心よりお見舞い申し上げます
令和8年熊本地震により亡くなられた方々に謹んでお悔やみを申し上げるとともに、被災された皆さま、そのご家族、支援活動にあたられている皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。
猛暑が続く中、現在も避難所の運営やライフラインの復旧、被災した建物や道路の撤去・復旧作業などに、多くの方々が携わっています。当社は、現地の活動を妨げることのないよう、被災自治体や支援関係機関の意向と受け入れ態勢を最優先に、無償貸与に向けた調整を進めます。
■ 仮設風呂があっても入れない人がいる
被災地に設置される自衛隊の仮設風呂や支援団体による入浴設備は、多くの被災者の暮らしと心身を支える重要な支援です。
一方で、仮設風呂が設置されても、すべての人が利用できるわけではありません。
寝たきりの方や車いすを利用する方、けがをしている方、持病や医療上の理由で移動が難しい方、避難生活によって体力が低下している方などにとって、浴室までの移動、服の着脱、浴槽への出入りは、身体への大きな負担を伴います。

そのため、
入浴設備が身近にありながら利用できず、髪や身体を十分に洗えない状態が続くことがあります。
こうした方々が抱えているのは、支援がないのではなく、
既存の支援を利用することが難しいという「見えにくい清潔ケアの課題」です。
■ 清拭だけでは難しい、おむつ使用者の清潔ケア

特に慎重な対応が必要となるのが、寝たきりでおむつを使用している方の清潔ケアです。
断水や入浴設備の不足によって十分に洗うことができない状態が続くと、便や尿などの排泄物が皮膚に残った状態が続くことがあります。しかし、汚れを落とそうとして皮膚を強くこすると、高齢者などの弱くなった皮膚を傷つけてしまうおそれがあるのです。
床ずれや皮膚トラブルがある方の場合は、
より慎重な対応が必要です。タオルなどで身体を拭く「清拭」だけでは汚れを取り除くことが難しく、繰り返し拭くことが本人の痛みや苦痛につながる場合もあります。
日本褥瘡学会は、尿や便の失禁によって皮膚が湿った状態や、排泄物が長時間付着した状態が続くと、皮膚への刺激によるトラブルから褥瘡の発生につながりやすくなると説明しています。また、皮膚の洗浄時には強くこすらず、優しく丁寧に洗うことが大切だとしています。
※出典:一般社団法人日本褥瘡学会「褥瘡の予防について―4.スキンケア」
■ 熊本の洗髪支援から、平時の医療・介護現場で洗体、そして能登の清潔ケアへ
2016年の熊本地震当時、「ラプレシャンプースチーマー」は発売に向けた準備段階にあり、病院・介護施設向けの新商品として「京都府チャレンジ・バイ認定制度」という、京都府が府内中小企業の優れた新商品を認定し、販路開拓を支援する認定を受けていました。
認定商品の一つとして、当時の山田京都府知事の目に留まり、京都府の橋渡しによって熊本県への無償貸与が実現。断水が続いていた益城町と西原村の避難所に1台ずつ、計2台を貸与し、避難者の洗髪に活用されました。
被災状況が少し落ち着いた同年8月末には、当社の担当者が京都府職員とともに熊本県庁を訪問。熊本県副知事をはじめ、県の関係者に機器を説明し、副知事自身にも洗髪を体験いただきました。
特に心に残っているのは、当初は県職員が避難者の洗髪を行っていましたが、その後、避難されている方々が自然に互いの髪を洗い合うようになったと伺ったことです。
限られた水しか使えない避難生活の中で、髪を洗うことができない方々の清潔をどのように守るか。
機器を届けるだけではなく、その場所にいる人と人との助け合いによって清潔ケアが支えられることを知ったこの経験は、当社が災害時の清潔ケアについて考え続ける原点の一つとなりました。

その後、平常時に病院や医療・介護施設で活用される中、医療・介護関係者から「髪だけでなく、身体も洗えるようにならないか」という声が寄せられました。その声を受け、機器で使用できる専用ボディーソープを開発。洗髪だけでなく、寝たまま・車いすに座ったままでの洗体にも対応できるよう改良を重ね、現在は病院や介護施設などで身体の清潔ケアにも活用されています。


そのような中で発生したのが、2024年の能登半島地震です。
「ラプレシャンプースチーマー」を知っていた七尾市職員で、同市中島町の避難所「中島小学校」の運営責任者から、「おむつを使用し、寝たきりの状態にある避難者の清潔ケアに困っている」という声が寄せられました。当社は同避難所へ機器を無償貸与し、仮設風呂を利用することが難しい方の洗髪・洗体などの清潔ケアに活用いただきました。


熊本での洗髪支援から、平常時の医療・介護現場における洗体、そして能登での寝たきりの方への清潔ケアへ。現場から寄せられた一つひとつの声が、現在の「ラプレシャンプースチーマー」につながっています。
■ 水場がなくても、寝たまま・座ったまま洗髪・洗体が可能
「ラプレシャンプースチーマー」は、“近くは濡れて、遠くは濡れない”独自の特殊スチーム技術(特許取得)により、浴室や排水設備がない場所でも洗髪・洗体ができる入浴支援機器です。
約40℃の温かいスチームを使用し、寝たまま、または車いすに座ったまま清潔ケアを受けることができます。



【ラプレシャンプースチーマーの主な特長】
● 寝たまま、車いすに座ったまま使用できる
● 洗髪だけであれば、服を着たまま受けられる
● 浴室や排水設備がない場所でも使用できる
● 1人分の洗髪に使用する水量の目安は約300~400cc
● 約40℃の温かいスチームで洗髪・洗体ができる
● 衣服や周囲を大きく濡らさずに使用できる
● 介助者1人でも施術しやすい
※使用水量は、髪の長さや施術内容などによって異なります。
※床ずれや皮膚トラブル等がある方への使用は、医師・看護師等による皮膚状態の確認や判断のもとで行います。
現在、2府16県41か所の病院、介護施設、在宅介護等の現場で活用され、
2026年4月には「介護テクノロジー」の入浴支援分野として認定されました。
■ 災害時に清潔ケアを必要とする人が取り残されない支援を目指します
髪や身体を洗うことは、単に汚れを落とすだけではありません。感染や皮膚トラブルを防ぎ、不快感を和らげ、その人らしさや尊厳を守るために欠かせないケアです。
「浴室へ移動できない」「清拭だけでは十分なケアが難しい」という、一般には見えにくい困りごとに目を向け、災害時にも清潔ケアを必要とする人が取り残されない支援を目指します。

■ ティ.アイ.プロス社の想い
10年前の熊本地震では、当時まだ試作段階だったシャンプースチーマーを益城町と西原村の避難所で活用いただきました。その熊本で再び大きな地震が発生したことに、言葉では言い表せない思いがあり、社員一同、心を痛めております。
被災地では今、命と暮らしを守るための支援が最優先で進められています。仮設風呂は、多くの被災者の方々を支える大切な支援です。その一方で、その仮設風呂まで移動できない方や、身体の状態によって利用できない方がいることを、私たちは熊本や能登での経験から知りました。
現地の負担や混乱を増やすことのないよう、自治体や支援関係機関のご判断に沿って、寝たきりの方、車いすを利用されている方、けがや持病などにより一般的な入浴支援を利用することが難しい方々の清潔ケアに役立てていただければと願っています。

■ 無償貸与に関するお問い合わせについて
被災自治体、避難所運営者、医療・福祉施設、災害支援団体等からの情報をもとに調整します。
●お問い合わせ窓口:https://www.tipros.co.jp/contact/

■ 会社概要
●会社名:株式会社ティ.アイ.プロス
●代表者:代表取締役 杉本洋一
●宇治工場/事務所 〒611-0041 京都府宇治市槇島町落合144-7 プロニクスビル3F
●設立:1995年7月
●事業内容:理美容電気機具・業務用電気機具の開発、製造、販売
●公式サイト: https://www.tipros.co.jp/

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