宿泊PR、着手金なしで 熊本の3社が10社限定支援 支払いは12月

熊本県内外の宿泊・観光事業者10社が対象。9月30日まで募集し、10月30日までに縦型ショート動画や写真を納品します。請求は2026年11月30日、支払期日は12月25日で、全案件共通です。

一朶の雲株式会社

一朶の雲株式会社(熊本県山鹿市、代表取締役:田中慎太朗)、株式会社あはい(熊本県熊本市、代表取締役:山脇竜馬)、ローカルプレイス株式会社(熊本県熊本市、代表取締役:後藤伸幸)の3社は、熊本県内の宿泊・観光事業者を対象に、動画と写真の制作を着手金なしで請け負うPR支援を共同で始めます。10月1日の宿泊分から始まる「九州ふっこう応援割」を前に、今こそ集客に力を入れたいと考えながら、資金繰りを理由に発信を強化できずにいる事業者を減らすことが狙いです。募集は9月30日までの先着10社。請求は2026年11月30日、支払期日は12月25日で、全案件共通です。

必要な人ほど頼みやすいよう、支払いを後払いに。

撮影を外部に頼もうとすると、費用が先に出ていきます。キャンセルで手元資金が細っている時期に、数十万円を先に払う判断は簡単ではありません。必要としている事業者ほど、頼みにくい。

そこで3社は、着手金と前払いを不要としました。請求は2026年11月30日、支払期日は12月25日。納品や放映の時期にかかわらず、全案件で同じ日付になります。12月25日まで、支払いは発生しません。WAO!VISIONについても、先に放映し、請求は後日です。プレミアムプランのみ、2026年12月25日と2027年1月31日の2回に分けたお支払いを選べます。キャンセルで手元資金が細っている事業者に、先に費用を負担させない。3社が決めたのは、それだけです。

※本プランの費用は、九州ふっこう応援割の補助対象ではありません。同制度の対象は旅行・宿泊料金です。

※後払いの条件は3社が独自に定めたものであり、九州ふっこう応援割の入金や精算とは関係ありません。

宿泊施設「営業しているが、届いていない」

熊本県内の多くの宿泊施設は、令和8年熊本地震(2026年熊本地震)のあとも通常どおり宿泊客を迎えています。応援割を前に需要は動き始めており、阿蘇では南小国町が発行する商品券の先行予約販売分がすでに売り切れました。ただ、戻り方には差があります。すでに知られている宿から先に埋まる一方、発信の手が回っていない宿では、予約はまだ戻っていません。キャンセルの連絡は入るのに、「やっています」という情報が旅行者に届く経路がないためです。

発信に回せる手も限られています。宿泊業は現場に人手を割く仕事です。動画を撮り、SNSに投稿し、写真を整える時間は、どうしても後回しになります。

熊本県内の宿泊施設のキャンセルは、8月21日時点で約19万人・約27億円にのぼっています。うち阿蘇地域が約6万人・約10億円で、県全体のおよそ3分の1を占めます。

一方で観光庁は、地震の影響がなかった観光施設・宿泊施設・飲食店は営業しており、通常どおりの観光ができる状況だと公表しています。「今、熊本に行っても大丈夫なのか」と迷う人がいるものの、訪れることが熊本の応援になると各県が発信しています。

阿蘇市観光協会も、宿泊できることを正確に発信し、宿泊客の不安を減らす必要があるとしています。

10月1日に応援割が始まれば、旅行者はさらに動きます。そのとき、自分の宿を選んでもらうための材料が手元にあるかどうかで、差はもっと開きます。

旅行者が迷っているのは、3つのことです

熊本に行こうか迷っている人が抱えているのは、おおむね次の3つです。

ひとつは、アクセスです。飛行機は飛んでいるのか。新幹線や高速道路は通れるのか。一般道は使えるのか。現地まで安全にたどり着けるのか。九州新幹線は9月18日に全線で運行を再開する予定で、鹿児島線の宇土-八代は10月中旬ごろの再開を目指すとされています。交通の状況は日々変わっており、旅行者が自分で最新の情報を追うのは簡単ではありません。

ふたつめは、地震後の状況です。宿や観光施設は営業しているのか。被害や余震の影響はどの程度なのか。

みっつめは、周辺の状況です。宿は開いていても、その周りはどうなっているのか。食事のできる店はあるのか。

この3つは、文字だけで伝えるのが難しいものです。「通常どおり営業しています」と書いても、道路の様子も、街の空気も、そこにいる人の顔も見えません。

動画であれば、実際の道路の状況、現地の空気感、営業している宿や観光地、働く人の表情、いつもどおりの熊本の風景を、そのまま見せられます。判断の材料を、旅行者の側に渡すことができます。

3社が担当することと、納品するもの

一朶の雲株式会社が企画・取材・PR設計を、株式会社あはいが映像制作を、ローカルプレイス株式会社が広告出稿を担当します。納品するのは、縦型ショート動画(30〜60秒)、横型のプロモーション動画(60秒)、写真、SNS投稿文です。スタンダード・プレミアムプランでは、WAO!VISIONで放映する15秒動画もあわせて制作します。Instagramリール、TikTok、YouTubeショート、自社サイト、OTA、Googleビジネスプロフィールなどで使えます。

ローカルプレイス株式会社が扱う「WAO!VISION」は、熊本市電・通町筋電停前(熊本市中央区上通町)と新市街(熊本市中央区新市街)に設置された屋外大型ビジョンです。通町筋電停前は232インチ(横4.48メートル×縦2.88メートル、12.9平方メートル)、新市街は横3.5メートル×縦2メートル。放映時間はいずれも毎日7時から22時までです。

2カ所を合わせた月間の推定視認者数は、約46万5000人です。これは2カ所全体の数字で、本プランの映像がこの人数に視聴されるという意味ではありません。通町筋電停前は市電の電停と横断歩道に面しており、信号待ちの時間は約3分あります。本プランでは、通町筋電停前で15秒の映像を1カ月間に300回放映します。新市街でも、広告出稿数に応じた追加放映枠をご用意する場合があります。

納品するもの(WAO!VISIONでの放映は対象プランのみ)

プラン(すべて税別)

  • ライト 300,000円 / 60秒プロモーション動画(横)1本/縦型ショート動画(30〜60秒)1本/写真10〜20点/SNS投稿文

  • スタンダード 600,000円 / ライトの内容に、WAO!VISION放映用の15秒動画の制作と、WAO!VISIONでの放映(15秒×300回・1カ月)を加えたもの

  • プレミアム 900,000円 / スタンダードの内容に、縦型ショート動画をもう1本(計2本)と、復興応援インタビュー動画(3分)を加えたもの

いずれのプランも、請求は2026年11月30日、支払期日は2026年12月25日です。納品や放映の時期にかかわらず、全案件で同じ日付になります。プレミアムプランのみ、2026年12月25日と2027年1月31日の2回に分けたお支払いを選べます。

募集要項

対象:熊本県内の宿泊・観光事業者(県外の事業者もお申し込みいただけます。その場合、交通費として高速道路利用料およびガソリン代の実費を別途申し受けます)

募集:先着10社(定員に達し次第、募集を終了します)。募集期間は2026年9月30日まで

納品:2026年10月30日まで(撮影スケジュールにより前後する場合があります)

詳細・お申し込み:特設ページ https://ichidanokumo.jp/kyushu-pr/

プランの詳細、納品物の内容、制作の流れ、よくあるご質問は、特設ページ(https://ichidanokumo.jp/kyushu-pr/)に掲載しています。お申し込みとご相談も同ページから受け付けています。プランを決めていない段階のご相談でも構いません。応援割は10月1日の宿泊分から始まりますが、終了日は各県が決めるため未定です。10月中の納品でも、期間を通して使えます。10月1日の開始に間に合わせたい場合は、9月上旬までのお申し込みを目安にしてください。

無償の支援から、事業として続ける形へ

一朶の雲は、発災直後から被災地の取材と撮影を続け、その映像をメディアに提供してきました。一般社団法人・熊本支援チームの広報も担当しています。

ローカルプレイスは、熊本支援チームとBRIDGE KUMAMOTOの15秒CMを、WAO!VISIONで無償で放映してきました。熊本市街地のお店を応援する「いつも通りをいつも通りに」も立ち上げています。

あはいは、一朶の雲と中長期でプロジェクトを組んできた若手クリエイターのチームです。

今回を有償にしたのは、無償の支援では数と期間が限られるからです。宿の予約が戻るところまで付き合うには、事業として成立させる必要があります。そのうえで、費用の負担が理由で頼めない事業者が出ないよう、支払いを後ろにずらしました。

[参考]九州ふっこう応援割と、市町の独自支援

以下は本プランの背景となる制度・支援策の概要です。出典は末尾に記載しています。

九州ふっこう応援割(10月1日の宿泊分から)

国土交通相は8月28日の閣議後記者会見で、九州地方への旅行代金を割り引く「九州ふっこう応援割」を実施すると発表しました。同地震の影響でキャンセルが相次ぐ九州地方全域が対象で、10月1日の宿泊分から適用されます。「九州応援割」とも呼ばれます。

補助率は、熊本県と鹿児島県が1人1泊あたり6割、ほかの5県が5割。補助の上限は、宿泊のみと交通付きが1泊2万円、2泊以上が3万円、2県以上に泊まる周遊型が3万5千円です。2026年度予備費から151億円が充てられます。実際の開始日は各県が決めます。

市町の独自支援(9月から動き出すもの)

阿蘇郡市の7市町村は、国の支援策を待たずに、9月7日から月末まで独自の旅行割引策「阿蘇ふっこう割」を実施します。8月27日の7市町村長による共同宣言を受けたもので、条件は自治体によって異なり、割引率は最大50%となる見通しです。10月1日に始まる九州ふっこう応援割に切れ目なくつなげる狙いです。阿蘇市は1万円以上の宿泊で5000円を割り引き、市内の飲食店などで使えるクーポン2000円分も発行します(宿泊施設への直接予約のみが対象)。高森町は最大50%(1人1万円上限)の割引を町内20施設で実施。南小国町は1万円で2万円分利用できる商品券を発行し、町内約140軒で使えます。阿蘇地域は宿泊のキャンセルによる損失が約10億円にのぼっています。

上天草市は8月28日、観光・飲食業の支援策を発表しました。9月は4〜30日の宿泊を対象に、2万円を上限として宿泊費の2分の1を助成します。市内55施設で実施予定で、1日から各施設が予約を受け付けます。10月1日からは、1口1000円で2000円分の食事に使える「デジタルお食事券」を販売します。1人あたり10口まで購入でき、利用は2027年1月31日までです。

水俣市は、市内の旅館やホテルの宿泊料金を1人1泊につき最大1万円補助する「でかくっか水俣キャンペーン」を、9月19日の宿泊分から始めます。1人1泊につき1000円分の買い物チケットも贈ります。同市では地震後、8月6日までに8つの宿泊施設で2536泊分・4340万円のキャンセルが発生していました。

10月の応援割の前に、9月から動き出す支援もあります。事業者にとっては、告知の材料が要る時期が前倒しで来ています。

各社コメント

一朶の雲株式会社 代表取締役 田中慎太朗

「新聞記者だったころ、災害のあとに現場へ行くと、いつも同じことが起きていました。被害の大きかった場所には人が集まり、無事だった場所の話は誰も書かない。無事であることは、ニュースにならないからです。

今の熊本も、それに近い状態だと思っています。営業している宿はたくさんあるのに、その事実が旅行者に届いていない。ならば、届けるための材料をこちらで作るしかない。

費用を後払いにしたのは、資金が細っている時期に先払いを求めれば、必要としている人ほど頼めなくなるからです。10月1日から応援割が始まります。それまでに、選ばれるための材料を手元に置いてもらえればと考えています」

株式会社あはい 代表取締役 山脇竜馬

「平成28年熊本地震のときは高校生でした。令和2年7月豪雨のときは学生として、被災地でボランティアに入りました。そして今は、熊本で会社を営む立場で、再び大きな災害に向き合っています。

立場は変わりましたが、そのたびに感じてきたのは、地域に長く残るのは直接の被害だけではないということです。そのあとに広がる『静かな自粛』で人の流れが止まり、営業を続けている宿や観光事業者にも影響が及びます。

応援割は、旅行者が熊本に足を運ぶきっかけになると思います。ただ、数ある宿や観光地から選んでもらうには、割引だけでは足りません。そこでどんな時間を過ごせるのかが伝わっている必要があります。

だから、施設の美しさだけを切り取るつもりはありません。そこで働く人の姿や、その土地の空気、訪れた人が過ごす時間まで撮ります。今回つくるものが、応援割が終わったあとも使える発信の資産になればと思っています」

ローカルプレイス株式会社 代表取締役 後藤伸幸

「通町筋の大型ビジョンは、街を行き交う人に必要な情報が届く、地域の情報インフラだと位置づけています。行政や地域のイベントの告知も流しますし、令和8年熊本地震の支援団体の活動を後押しするCMを無料で放映したり、市街地のお店を応援する企画を独自に立ち上げたりもしてきました。

今回も同じです。営業している宿があるという事実を、まず熊本の街に流します。県内で知られることが、県外に届く発信の下地になると考えています。

ビジョンに何が流れているかで、街の空気は変わります。暗い話ばかりが続けば、街は静かになる。だから、開いている店や宿が映っている状態を保ちたい。それが、この場所を預かっている人間の仕事だと思っています」

各社概要

一朶の雲株式会社

代表者:代表取締役 田中 慎太朗/所在地:熊本県山鹿市鹿央町千田4187/事業内容:広報・採用広報支援、PR戦略設計、取材・記事制作、映像制作、SNS・YouTube運用/URL:https://ichidanokumo.jp

株式会社あはい

代表者:代表取締役 山脇 竜馬/所在地:熊本市中央区帯山1丁目24-25 オビハウスB-2/設立:2023年7月/事業内容:企画・設計、撮影・編集、デザイン制作、ブランドコミュニケーション設計/URL:https://ahai-inc.com

ローカルプレイス株式会社

代表者:代表取締役 後藤 伸幸/所在地:〒860-0804 熊本市中央区辛島町69番地 LAMONTE1 4F/設立:2026年2月27日/事業内容:屋外広告、クーポン事業、イベント運営/URL:https://www.linect.jp/wao-vision

出典

九州ふっこう応援割の内容、宿泊キャンセルの人数・金額:熊本日日新聞 2026年8月28日 https://kumanichi.com/articles/2030059

熊本県内の観光・宿泊施設の状況:観光庁「令和8年熊本地震 関連情報」 https://www.mlit.go.jp/kankocho/topics04_00093.html

阿蘇市観光協会の見解、県内観光への影響:熊本日日新聞 2026年8月8日「<2026年熊本地震>夏休み直撃、県内観光に打撃」

阿蘇郡市7市町村「阿蘇ふっこう割」:熊本日日新聞 2026年9月1日 https://kumanichi.com/articles/2031411

上天草市の支援策:熊本日日新聞 2026年8月28日 https://kumanichi.com/articles/2029976

水俣市「でかくっか水俣キャンペーン」:熊本日日新聞 2026年8月20日(Yahoo!ニュース配信)https://news.yahoo.co.jp/articles/c01f8bd86e29a1ec09e438c30950f0ecea13ee91

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会社概要

一朶の雲株式会社

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URL
https://ichidanokumo.jp/
業種
サービス業
本社所在地
熊本県山鹿市鹿央町千田 4187
電話番号
-
代表者名
田中 慎太朗
上場
未上場
資本金
100万円
設立
2025年06月