刀研機構、文化財防災センターと協働し文化財防災事業を開始
このたび一般社団法人 刀剣文化研究保全機構(刀研機構)は、国立文化財機構 文化財防災センターとの協働により、文化財防災に関わる取り組みに着手します。
地震、台風、豪雨等の天災に見舞われることの多いわが国では、文化財が災害に遭わないようにするための減災、被災した文化財をできるだけ迅速に救援するための体制づくりと技術開発、そして災害時の文化財の救援活動に対する支援という3つの使命を掲げ、2020年に独立行政法人国立文化財機構の本部施設として、文化財防災センターが設置されました。刀研機構では、その活動を広範な側面から支援するため、まず文化財防災センター内に設けられた、災害発生時における被災文化財救援活動の実施および体制整備を目的とした「文化財防災救援基金」へ、定期的な寄付を行います。本年は「令和8年熊本地震」の発災を受け、緊急支援として8月7日に1000万円を寄付しました。今後は毎年500万円を目安として継続的に寄付を行ってまいります。
さらに刀研機構では、寄付による支援に加え、日本刀の発見・登録や災害時レスキューに関するマニュアル整備事業にも取り組みます。刀剣類は、銃砲刀剣類等取締法(銃刀法)など法令の定める制度や手続きの詳細が一般に周知されていないこと、また素材的特性の観点からも文化財レスキューに際して取り扱いに注意を要することなどから、平時・非常時における俯瞰的・網羅的なマニュアルの整備が求められていました。
刀研機構・文化財防災センターは、2026年春に文化財防災センター長の高妻洋成氏を委員長とするワーキンググループを設置。有識者による諮問を経て、災害時だけでなく、平時に刀剣が発見された際の適切な対応まで含めた、全国で活用できる実務マニュアルの整備を目指します。またその内容については、文化庁ほか関連する行政機関からも協力・監修を仰ぎ、法的・制度的に遺漏のないよう整備した上で、各自治体の教育委員会、警察署、博物館や大学等、平時・非常時にかかわらず刀剣類を扱う可能性のある現場で広く活用いただけるようにします。
1. 冊子の内容
フローチャート
第1部 平時
- 銃刀法を含む関連法制度、登録・相続・発見時の行政手続きなど
- 発掘時の行政手続きなど
- 譲渡、廃棄、売り渡し、輸出等に際しての手続きなど
- 修理、手入れについて
第2部 災害時
- 災害発生時の初動対応、養生、状態別の対応手順など
付録:
関連法令集(銃刀法)
相談・連絡窓口 都道府県教育委員会、日本美術刀剣保存協会、国立博物館
※刀装具にかかわる素材・技術について、将来的に内容を増補する可能性がある。
2. 冊子の配布方法(紙版・PDF版)
- 紙版は各都道府県教育委員会、博物館・美術館、関連団体等へ無償で配布する
- PDF版は刀研機構、文化財防災センターのウェブサイトから、CC BY-NC-ND (*1)で無償ダウンロードできるものとする
- 配布後の運用、普及促進については今後の検討課題とする
3. ワーキンググループ メンバー(50音順)
伊東哲夫(渡辺美術館 学芸部⻑)
栗原祐司(国⽴科学博物館 副館⻑)
⾼妻洋成(国⽴⽂化財機構 ⽂化財防災センター⻑)※委員長
末兼俊彦(京都国立博物館 主任研究員)
⽥代亜紀⼦(北海道⼤学⼤学院 准教授)
オブザーバー:
建⽯徹(文化庁 美術学芸課長)
事務局:
橋本麻里(刀研機構 業務執行理事)
鈴木悠希子(刀研機構 研究員)
4. 一般社団法人 刀剣文化研究保全機構について
「一般社団法人 刀剣文化研究保全機構」は、刀剣にかかわる文化・学術研究の支援、刀剣文化の振興などをミッションとして、ゲーム「刀剣乱舞ONLINE」の寄付金つき会費(*2)を原資に、2025年3月に設立された非営利の一般社団法人である。以下に列記するミッションに基づき、事業を実施している。
- 美術館及び博物館職員等の刀剣文化等に関する調査研究への助成
- 刀剣等の修復及び新作に関する助成
- 文化資源及び学術資源の利活用に関する調査研究への助成
代表理事 小坂崇氣(株式会社ニトロプラス代表取締役社長)
業務執行理事 橋本麻里
*1著作者情報を表示する必要がある。利用は非営利に限られる。改変は禁じる。
*2「本丸刀剣保存会」。ゲームは通常の利用について課金不要だが、有料会員になると利用できる機能が増える。その会費である月額880円、もしくは年額8,800円から10%が刀研機構への寄付に充てられる。会員数は2026年5月末日現在、10万人超。
問い合わせ先
一般社団法人 刀剣文化研究保全機構
103-0023 東京都中央区日本橋本町2-2-2
日本橋本町YSビル7F
info@toukenkikou.or.jp

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