『ヴェノム』ブルーレイ&DVD 3月6日(水)リリース!デジタル先行配信中!ヴェノムはなぜ生まれたのか?原作者が明かす誕生秘話とは?!“ヴェノムの生みの親”トッド・マクファーレンのインタビュー到着!
スパイダーマンの宿敵でアメコミ史上屈指の人気を誇るダーク・ヒーロー“ヴェノム”。待望の映画『ヴェノム』のブルーレイ&DVDが、3月6日(水)にリリースとなります。(デジタル先行配信中)
主人公エディ役には『ダークナイト ライジング』『マッドマックス 怒りのデスロード』に代表される実力派俳優トム・ハーディ。ヒロインのアン役は『マンチェスター・バイ・ザ・シー』『グレイテスト・ショーマン』のミシェル・ウィリアムズ、そして、『ジェイソン・ボーン』『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』のリズ・アーメッドが圧倒的と評された演技力で脇を固めます。
ブルーレイ&DVDには、1時間を超える豪華特典映像を収録!アクションシーンやVFXなどの撮影の舞台裏を描いたメイキング、未公開シーン集をはじめ、エミネムによる主題歌「Venom」のミュージック・ビデオなど、ファン必見の映像が満載です。
★このたび、“ヴェノムの生みの親”として知られるコミック・アーティストのトッド・マクファーレンのインタビューが到着致しました!ダーク・ヒーロー“ヴェノム”の誕生秘話や実写映画化となった感想、さらに注目を集める『スポーン』の近況についても語っています。
――ヴェノムというキャラクターはどのようにして生まれたのでしょうか。
ヴェノムはコミック『The Amazing Spider-Man』のヴィランとして生まれました。私がスパイダーマンの絵を描くアーティストとして参加することになった当時、ピーター・パーカーは黒いコスチュームを着ていました。でも私は黒いコスチュームを描きたくなかった。私にとって黒いコスチュームなんてスパイダーマンじゃない。
スパイダーマンといえば赤と青のコスチュームだと思っていました。だからマーベルに、「黒のコスチュームをやめてもいいなら、スパイダーマンを描くよ」と言ったんです。でも彼らは、黒いコスチュームを気に入っていて、却下されてしまいました。
なので「じゃあ、ピーター・パーカーから黒のコスチュームを脱がせよう。それで別のキャラクターを作るから」と提案したんです。そうしたら、黒いコスチュームのキャラクターが手に入るし、私は赤と青のコスチュームを着たピーター・パーカーが描けますからね。
マーベルはこの案に賛成してくれたので、私は黒のコスチュームならエイリアンや何かしらのクリーチャーだろうと思って、大きなモンスターのスケッチを描きました。そして、それに大きな目と曲がった背中、大きな口を与えました。舌はあるんだけど、最初の頃は今みたいに分厚くなかったですね。そのデザインをライターに渡して、ヴェノムという名前のキャラクターが誕生しました。しかし後になって、ヴェノムの中にはエディ・ブロックっていう男が入るんだ、って言われてね。でも私がデザインした時はただのモンスターだと思っていて、そのデザインを変えたくなかったから、「じゃあ、このコスチュームがエディ・ブロックを呑み込む設定にしよう」と答えました。そうすれば巨大な身体のままにできる。例えばインクレディブル・ハルクみたいに、ヴェノムになると巨大化するような。しかもヴェノムはもっと大きくなったから、ピーター・パーカー/スパイダーマンが殴り合いで倒せるような相手じゃなく、倒すためにはより知恵を使わなきゃいけないキャラクターになりました。
いま振り返ると、トッド・マクファーレンという若きアーティストが、黒いコスチュームのピーター・パーカーを喜んで描いていたら、ヴェノムは生まれていなかったかもしれませんね。でもたぶん、みんな当時の私が未熟で子どもっぽいアーティストだったことをちょっと喜んでくれるんじゃないかな?描きたくないと言ったからこそ、いまこうしてヴェノムっていうクールなキャラクターがいるんだから。
――最初にヴェノムのデザインはどこから思いついたのですか?また描き上げる際、どんなことを意識されましたか?
とにかく、すごく身体が大きなキャラクターにしたいという気持ちはありました。なぜなら、スパイダーマンがやってきて、スウィングしながらヴェノムを蹴って、蜘蛛の糸で縛って、刑務所送りにできるようなキャラクターにはしたくなかった。そんなの簡単すぎる。片方がずっと大きくて、例えるなら私がサイと対決するようなもの。サイを力で押し倒そうとしたって無理ですよね?巨大すぎるし、重すぎる。つまり、いま私がサイを地面にひっくり返そうとするなら、力でなんとかするんじゃなく、頭を使って何か別の方法を思いつかなきゃいけない。ヴェノムを作ったときも同じです。ピーター・パーカーが頭を使わないと倒せないような、巨大な敵にしたかったんです。
それに、私はストーリーを書いてるわけじゃなく、絵を描いているので、アートを興味深いものにする必要がある。スパイダーマンという小さな痩せた男がヴェノムという鉤爪を持った巨大なクリーチャーの前に立ち、「うわ、どうやったら倒せる?」って考えている姿を描くのが面白かったし、そのストーリー展開の答えをライターに委ねるのは楽しかったですね。ライターはスパイダーマンがヴェノムを倒す方法を思いつく必要に迫られたけれど、私は描くだけだから。
――スパイダーマンを描いていた頃についてお話しいただけますか?スパイダーマンでは伝説的なアーティストの一人ですが、当時の思い出など何かありますか?
私がスパイダーマンを描いていたときは、さっきも言ったように赤と青のクラシックなコスチュームのスパイダーマンを描きたかったんです。でも同時に、それまで30年の間にいろんな人がやっていたことを繰り返したくはなかった。
たぶん、あまり理解されていないと思うのですが、アーティストやライターっていうのは、話し相手がいないから、ほとんどの時間一人で部屋に座っているんだ。つまり、机に向かって仕事をする時に自分で自分を楽しませるしかない。だから、スパイダーマンを引き継いだときにはこう思った。「何を描いたら楽しいだろう?どうしたら締め切りに耐えられるだろう?」と。つまり完結に言うと、私が本を手にとってスパイダーマンを見ると、スパイダーマンという単語の“マン”、人間の部分が強調されている気がしたんだ。でも、「いや、違う、俺なら“スパイダー”、蜘蛛の部分を強調する」と思った。私からすると、いったんコスチュームを着ると、もうそれは“マン”じゃないんだよ。だからこそ変なポーズをさせたし、虫みたいに目を大きくした。手首から糸を放てるようにもして、もっと蜘蛛っぽくしたんだ。クールだったし、そうやって自分で楽しんでいた。それで厄介な事態にもなったけど(笑)。「このアイコニックなキャラクターをいじりすぎるな」と上から言われてね。私としてはただ楽しもうとしてただけだったんだけどね。でも幸いにもコミックの売上げは上がる一方だった。つまり、ファンが私に仕事を続けさせてくれたんだ。私が考えるスパイダーマンをいいと思ってくれた。
とはいえ、しばらくすると「そこまでクリエイティブにならないでくれ」と言われるようになった。それで疲れてしまって、マーベルを辞めることにしたんです。残念な話だけど。スパイダーマンは描いていて楽しいキャラクターだったし、今でも描きたくなります。
――映画『ヴェノム』は世界中で大ヒットの映画となりました。映画を見てどう思われましたか?
ラッキーなことに、ワールド・プレミアに参加できたので、一般の皆さんと一緒に鑑賞しました。私は最初にこのキャラクターをデザインしたアーティストとして、何よりもまず……巨大なキャラクターを大きなスクリーンで観たかった。ほんとそれだけ。ライターであり共同クリエイターのデイヴィッド・ミケライニーは、何かしらストーリー的な要素を楽しみにしてたと思うけど。でも私はストーリーのことは心配していませんでした。クールなものをたくさん観たかっただけで、実際観られました。とにかく巨大なヴェノムをスクリーンで観たいって思っていたし、それが観られて満足だった。映画『スパイダーマンTM3』(2007)に出てきたヴェノムはあんまり大きくなかったでしょ?私は個人的に、巨大なキャラクターを作った人間として、あれにはちょっとがっかりしたんだ。でもトム・ハーディが演じた今回の『ヴェノム』は、「イエー!」って感じだったね。「私が描いたヴェノムにずっと近いじゃないか」って。他の人たちがどう思ったかは代弁できないけど、私はハッピーだったよ。
――『ヴェノム』は初めてヴィランを主役にしたアメコミ映画です。ヴィランを主役にした物語として重要なポイントは何ですか?
まずひとつには、キャラクターがクールに見えなければいけない。ヴェノムはクールなんだ!大きな目がある巨大な黒のキャラクター。10歳でそれが嫌いな子なんていないでしょう?
そしてもうひとつは、ゾッとするし気持ち悪いところ!そこに重要な要素があると思う。パニッシャーやバットマン、ウルヴァリンが人気者になったのも同じ理由。平気でルールを破るようなキャラクターがみんな好きなんだよ。私にとってのヴェノムは、やりたい放題なキャラクターだが、自分が考える正しいことをやろうとする。でも、その途中で何かが壊れても気にしない。そこが他の多くの行儀がいいスーパーヒーローと違うところだね。でも、そうじゃないキャラクターが好きな子どもも大勢いると思う。『X-MEN』でウルヴァリンが一番人気な理由も、彼が一番荒くれ者だったから。ヴェノムは、ピーター・パーカー/スパイダーマンなら絶対しないようなこともする。行儀のいいピーター・パーカーにはできないんだ。でもヴェノムだったら、「なんだ?そいつの首を折るんなら、俺がへし折ってやるよ」って、それで終わり。そういうところが私たちのような子どもたちにとっては、変な意味ですごく面白いんです。
――映画『ヴェノム』は早くも続編製作が期待されていまが、あなたが続編に期待することは?
正式に決まったのかはまだ分からないですが、私が観たいのは、本作の最後に登場したあのキャラクターです。カーネイジですよ。あれこそヴェノムのミソロジー(神話体系)におけるネクスト・ステップとして完璧だと思います。あのキャラクターを出したのは大正解。しかもウディ・ハレルソンのようないい俳優があの役を演じるのを観るのは、素晴らしかった!ウディ・ハレルソンとトム・ハーディが会話しているのを、私も観たいから。
ほとんどのスーパーヒーロー映画の一作目って、オリジン(ヒーローになるまでの物語)を描かれるでしょ?そうなると、ストーリーの半分はキャラクターの成り立ちに描くことに費やさなくてはなりません。でも続編では、お膳立てをしなくて済むから初っ端からクールなことをやればいいんだ。みんながこのキャラクターについてもっといろんなことを知ることになる。作る側もスクリーンでカッコよく魅せる方法が前よりわかってるだろうしね。だから、続編は一作目よりさらにいい映画になると思うよ。
――原作を手がける『スポーン』の再映画化の方はどうですか?今はどのような状況ですか?
今は製作費の資金調達に動いています。それが上手くいけば、パートナーとなるスタジオを見つけて、最終的なゴーサインが出ることになるんだ。『ヴェノム』の成功が追い風になればいいと思います。そうすれば、予告編の最初に「ヴェノムの共同クリエイターが贈る・・・」という文字が出せるからね!
あと、これは叶うかどうかわからないけど、私の願いとしては『スポーン』をソニー・ピクチャーズで作りたいと思っています。そうしたら、スポーンとヴェノムが共演できるかもしれないでしょ。もしかすると、将来的に二つのキャラクターが実際出会うかもしれない。『スポーン』を監督できたら、私自身がその映画を監督できるかもしれないし、それが私の夢ですね!今後『スポーン』が上手くいったら、すでに成功している『ヴェノム』とのクロスオーバーができる。現実的には不可能かもしれないけど、そうなったらクールですよね?
――映画『ヴェノム』の大ヒットで、日本でもヴェノムのコスプレをする人が増えて人気が高まりました。日本のヴェノム・ファンに何かメッセージをいただけますか?
日本のファンの皆さんも世界中のファンの皆さんと何も変わりません。人間は、みんな同じことに反応するんです。ヴェノムが日本で好かれているのも、世界中の人々が好いている理由と同じですよ。ヴェノムは、ただクールなんです!そうでしょ?日本でもみんな、『クール』が何かはわかりますよね?巨大なデカいやつが鉤爪を振り回しながら、大勢をなぎ倒していくのを見たくない人がどこにいます?しかもこいつには巨大な目と歯があって、鉄棒も曲げられるくらいの怪力で、すごくないですか?12歳でヴェノムを好きにならない子なんていない。だから、日本特有ってことじゃないと思う。たぶん、みんな、ちょっとした攻撃性が好きなんだな。ある種のアピールがあるんです。
――日本にいらっしゃる予定はありますか?
「日本には行きたいですね!でも、まずは『スポーン』の映画を完成させたい。そしたら日本でいろんなクールなものを観せられたり、話したりできるし、出演者と一緒に行けるかもしれない。もちろん、今すぐにでも行くことはできるけど、もっと大きなことがしたい。日本には興奮を持っていきたいです。だから、『スポーン』が完成したら日本でプレミア上映をすることを約束しましょう。アメリカだけじゃなく、普段プレミアが開かれないような国を5、6ヶ国回りたい。自腹を切ることになってもやりますよ!
――最後に、映画『ヴェノム』をブルーレイ&DVDで観る日本のファンに向けて一言お願いします。
『ヴェノム』のブルーレイ&DVDには1時間を越える映像特典が入ってる。これは重要ですよ。おそらく、映画を観た人たちには、原作コミックを読んだことがないという人が多数いると思います。ヴェノムというキャラクターをよく知らない人でも、この映像特典を観れば、トッド・マクファーレン並みにヴェノムのエキスパートになれますよ!
『ヴェノム』ブルーレイ&DVD 3月6日(水)発売&レンタル開始! ※デジタル先行配信中!
■ブルーレイ&DVDセット 4,743円+税
■4K ULTRA HD & ブルーレイセット【初回生産限定】 6,800円+税
■日本限定プレミアム・スチールブック・エディション【完全数量限定】 9,200円+税
発売元・販売元:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
© 2018 Columbia Pictures Industries, Inc. and Tencent Pictures (USA) LLC. All Rights Reserved. | MARVEL and all related character names: © & TM 2019 MARVEL.
本作は、日本、全米、中国などで初登場1位を記録し世界中で記録的大ヒットのヒーロー・アクションムービー!残虐で“最悪”かつ異形の存在でありながら、ユニークかつユーモアに富むダーク・ヒーロー”ヴェノム”の誕生と活躍を規格外のアクションと最新のVFXで描きます。
主人公エディ役には『ダークナイト ライジング』『マッドマックス 怒りのデスロード』に代表される実力派俳優トム・ハーディ。ヒロインのアン役は『マンチェスター・バイ・ザ・シー』『グレイテスト・ショーマン』のミシェル・ウィリアムズ、そして、『ジェイソン・ボーン』『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』のリズ・アーメッドが圧倒的と評された演技力で脇を固めます。
ブルーレイ&DVDには、1時間を超える豪華特典映像を収録!アクションシーンやVFXなどの撮影の舞台裏を描いたメイキング、未公開シーン集をはじめ、エミネムによる主題歌「Venom」のミュージック・ビデオなど、ファン必見の映像が満載です。
★このたび、“ヴェノムの生みの親”として知られるコミック・アーティストのトッド・マクファーレンのインタビューが到着致しました!ダーク・ヒーロー“ヴェノム”の誕生秘話や実写映画化となった感想、さらに注目を集める『スポーン』の近況についても語っています。
――ヴェノムというキャラクターはどのようにして生まれたのでしょうか。
ヴェノムはコミック『The Amazing Spider-Man』のヴィランとして生まれました。私がスパイダーマンの絵を描くアーティストとして参加することになった当時、ピーター・パーカーは黒いコスチュームを着ていました。でも私は黒いコスチュームを描きたくなかった。私にとって黒いコスチュームなんてスパイダーマンじゃない。
スパイダーマンといえば赤と青のコスチュームだと思っていました。だからマーベルに、「黒のコスチュームをやめてもいいなら、スパイダーマンを描くよ」と言ったんです。でも彼らは、黒いコスチュームを気に入っていて、却下されてしまいました。
なので「じゃあ、ピーター・パーカーから黒のコスチュームを脱がせよう。それで別のキャラクターを作るから」と提案したんです。そうしたら、黒いコスチュームのキャラクターが手に入るし、私は赤と青のコスチュームを着たピーター・パーカーが描けますからね。
マーベルはこの案に賛成してくれたので、私は黒のコスチュームならエイリアンや何かしらのクリーチャーだろうと思って、大きなモンスターのスケッチを描きました。そして、それに大きな目と曲がった背中、大きな口を与えました。舌はあるんだけど、最初の頃は今みたいに分厚くなかったですね。そのデザインをライターに渡して、ヴェノムという名前のキャラクターが誕生しました。しかし後になって、ヴェノムの中にはエディ・ブロックっていう男が入るんだ、って言われてね。でも私がデザインした時はただのモンスターだと思っていて、そのデザインを変えたくなかったから、「じゃあ、このコスチュームがエディ・ブロックを呑み込む設定にしよう」と答えました。そうすれば巨大な身体のままにできる。例えばインクレディブル・ハルクみたいに、ヴェノムになると巨大化するような。しかもヴェノムはもっと大きくなったから、ピーター・パーカー/スパイダーマンが殴り合いで倒せるような相手じゃなく、倒すためにはより知恵を使わなきゃいけないキャラクターになりました。
いま振り返ると、トッド・マクファーレンという若きアーティストが、黒いコスチュームのピーター・パーカーを喜んで描いていたら、ヴェノムは生まれていなかったかもしれませんね。でもたぶん、みんな当時の私が未熟で子どもっぽいアーティストだったことをちょっと喜んでくれるんじゃないかな?描きたくないと言ったからこそ、いまこうしてヴェノムっていうクールなキャラクターがいるんだから。
――最初にヴェノムのデザインはどこから思いついたのですか?また描き上げる際、どんなことを意識されましたか?
とにかく、すごく身体が大きなキャラクターにしたいという気持ちはありました。なぜなら、スパイダーマンがやってきて、スウィングしながらヴェノムを蹴って、蜘蛛の糸で縛って、刑務所送りにできるようなキャラクターにはしたくなかった。そんなの簡単すぎる。片方がずっと大きくて、例えるなら私がサイと対決するようなもの。サイを力で押し倒そうとしたって無理ですよね?巨大すぎるし、重すぎる。つまり、いま私がサイを地面にひっくり返そうとするなら、力でなんとかするんじゃなく、頭を使って何か別の方法を思いつかなきゃいけない。ヴェノムを作ったときも同じです。ピーター・パーカーが頭を使わないと倒せないような、巨大な敵にしたかったんです。
それに、私はストーリーを書いてるわけじゃなく、絵を描いているので、アートを興味深いものにする必要がある。スパイダーマンという小さな痩せた男がヴェノムという鉤爪を持った巨大なクリーチャーの前に立ち、「うわ、どうやったら倒せる?」って考えている姿を描くのが面白かったし、そのストーリー展開の答えをライターに委ねるのは楽しかったですね。ライターはスパイダーマンがヴェノムを倒す方法を思いつく必要に迫られたけれど、私は描くだけだから。
――スパイダーマンを描いていた頃についてお話しいただけますか?スパイダーマンでは伝説的なアーティストの一人ですが、当時の思い出など何かありますか?
私がスパイダーマンを描いていたときは、さっきも言ったように赤と青のクラシックなコスチュームのスパイダーマンを描きたかったんです。でも同時に、それまで30年の間にいろんな人がやっていたことを繰り返したくはなかった。
たぶん、あまり理解されていないと思うのですが、アーティストやライターっていうのは、話し相手がいないから、ほとんどの時間一人で部屋に座っているんだ。つまり、机に向かって仕事をする時に自分で自分を楽しませるしかない。だから、スパイダーマンを引き継いだときにはこう思った。「何を描いたら楽しいだろう?どうしたら締め切りに耐えられるだろう?」と。つまり完結に言うと、私が本を手にとってスパイダーマンを見ると、スパイダーマンという単語の“マン”、人間の部分が強調されている気がしたんだ。でも、「いや、違う、俺なら“スパイダー”、蜘蛛の部分を強調する」と思った。私からすると、いったんコスチュームを着ると、もうそれは“マン”じゃないんだよ。だからこそ変なポーズをさせたし、虫みたいに目を大きくした。手首から糸を放てるようにもして、もっと蜘蛛っぽくしたんだ。クールだったし、そうやって自分で楽しんでいた。それで厄介な事態にもなったけど(笑)。「このアイコニックなキャラクターをいじりすぎるな」と上から言われてね。私としてはただ楽しもうとしてただけだったんだけどね。でも幸いにもコミックの売上げは上がる一方だった。つまり、ファンが私に仕事を続けさせてくれたんだ。私が考えるスパイダーマンをいいと思ってくれた。
とはいえ、しばらくすると「そこまでクリエイティブにならないでくれ」と言われるようになった。それで疲れてしまって、マーベルを辞めることにしたんです。残念な話だけど。スパイダーマンは描いていて楽しいキャラクターだったし、今でも描きたくなります。
――映画『ヴェノム』は世界中で大ヒットの映画となりました。映画を見てどう思われましたか?
ラッキーなことに、ワールド・プレミアに参加できたので、一般の皆さんと一緒に鑑賞しました。私は最初にこのキャラクターをデザインしたアーティストとして、何よりもまず……巨大なキャラクターを大きなスクリーンで観たかった。ほんとそれだけ。ライターであり共同クリエイターのデイヴィッド・ミケライニーは、何かしらストーリー的な要素を楽しみにしてたと思うけど。でも私はストーリーのことは心配していませんでした。クールなものをたくさん観たかっただけで、実際観られました。とにかく巨大なヴェノムをスクリーンで観たいって思っていたし、それが観られて満足だった。映画『スパイダーマンTM3』(2007)に出てきたヴェノムはあんまり大きくなかったでしょ?私は個人的に、巨大なキャラクターを作った人間として、あれにはちょっとがっかりしたんだ。でもトム・ハーディが演じた今回の『ヴェノム』は、「イエー!」って感じだったね。「私が描いたヴェノムにずっと近いじゃないか」って。他の人たちがどう思ったかは代弁できないけど、私はハッピーだったよ。
――『ヴェノム』は初めてヴィランを主役にしたアメコミ映画です。ヴィランを主役にした物語として重要なポイントは何ですか?
まずひとつには、キャラクターがクールに見えなければいけない。ヴェノムはクールなんだ!大きな目がある巨大な黒のキャラクター。10歳でそれが嫌いな子なんていないでしょう?
そしてもうひとつは、ゾッとするし気持ち悪いところ!そこに重要な要素があると思う。パニッシャーやバットマン、ウルヴァリンが人気者になったのも同じ理由。平気でルールを破るようなキャラクターがみんな好きなんだよ。私にとってのヴェノムは、やりたい放題なキャラクターだが、自分が考える正しいことをやろうとする。でも、その途中で何かが壊れても気にしない。そこが他の多くの行儀がいいスーパーヒーローと違うところだね。でも、そうじゃないキャラクターが好きな子どもも大勢いると思う。『X-MEN』でウルヴァリンが一番人気な理由も、彼が一番荒くれ者だったから。ヴェノムは、ピーター・パーカー/スパイダーマンなら絶対しないようなこともする。行儀のいいピーター・パーカーにはできないんだ。でもヴェノムだったら、「なんだ?そいつの首を折るんなら、俺がへし折ってやるよ」って、それで終わり。そういうところが私たちのような子どもたちにとっては、変な意味ですごく面白いんです。
――映画『ヴェノム』は早くも続編製作が期待されていまが、あなたが続編に期待することは?
正式に決まったのかはまだ分からないですが、私が観たいのは、本作の最後に登場したあのキャラクターです。カーネイジですよ。あれこそヴェノムのミソロジー(神話体系)におけるネクスト・ステップとして完璧だと思います。あのキャラクターを出したのは大正解。しかもウディ・ハレルソンのようないい俳優があの役を演じるのを観るのは、素晴らしかった!ウディ・ハレルソンとトム・ハーディが会話しているのを、私も観たいから。
ほとんどのスーパーヒーロー映画の一作目って、オリジン(ヒーローになるまでの物語)を描かれるでしょ?そうなると、ストーリーの半分はキャラクターの成り立ちに描くことに費やさなくてはなりません。でも続編では、お膳立てをしなくて済むから初っ端からクールなことをやればいいんだ。みんながこのキャラクターについてもっといろんなことを知ることになる。作る側もスクリーンでカッコよく魅せる方法が前よりわかってるだろうしね。だから、続編は一作目よりさらにいい映画になると思うよ。
――原作を手がける『スポーン』の再映画化の方はどうですか?今はどのような状況ですか?
今は製作費の資金調達に動いています。それが上手くいけば、パートナーとなるスタジオを見つけて、最終的なゴーサインが出ることになるんだ。『ヴェノム』の成功が追い風になればいいと思います。そうすれば、予告編の最初に「ヴェノムの共同クリエイターが贈る・・・」という文字が出せるからね!
あと、これは叶うかどうかわからないけど、私の願いとしては『スポーン』をソニー・ピクチャーズで作りたいと思っています。そうしたら、スポーンとヴェノムが共演できるかもしれないでしょ。もしかすると、将来的に二つのキャラクターが実際出会うかもしれない。『スポーン』を監督できたら、私自身がその映画を監督できるかもしれないし、それが私の夢ですね!今後『スポーン』が上手くいったら、すでに成功している『ヴェノム』とのクロスオーバーができる。現実的には不可能かもしれないけど、そうなったらクールですよね?
――映画『ヴェノム』の大ヒットで、日本でもヴェノムのコスプレをする人が増えて人気が高まりました。日本のヴェノム・ファンに何かメッセージをいただけますか?
日本のファンの皆さんも世界中のファンの皆さんと何も変わりません。人間は、みんな同じことに反応するんです。ヴェノムが日本で好かれているのも、世界中の人々が好いている理由と同じですよ。ヴェノムは、ただクールなんです!そうでしょ?日本でもみんな、『クール』が何かはわかりますよね?巨大なデカいやつが鉤爪を振り回しながら、大勢をなぎ倒していくのを見たくない人がどこにいます?しかもこいつには巨大な目と歯があって、鉄棒も曲げられるくらいの怪力で、すごくないですか?12歳でヴェノムを好きにならない子なんていない。だから、日本特有ってことじゃないと思う。たぶん、みんな、ちょっとした攻撃性が好きなんだな。ある種のアピールがあるんです。
――日本にいらっしゃる予定はありますか?
「日本には行きたいですね!でも、まずは『スポーン』の映画を完成させたい。そしたら日本でいろんなクールなものを観せられたり、話したりできるし、出演者と一緒に行けるかもしれない。もちろん、今すぐにでも行くことはできるけど、もっと大きなことがしたい。日本には興奮を持っていきたいです。だから、『スポーン』が完成したら日本でプレミア上映をすることを約束しましょう。アメリカだけじゃなく、普段プレミアが開かれないような国を5、6ヶ国回りたい。自腹を切ることになってもやりますよ!
――最後に、映画『ヴェノム』をブルーレイ&DVDで観る日本のファンに向けて一言お願いします。
『ヴェノム』のブルーレイ&DVDには1時間を越える映像特典が入ってる。これは重要ですよ。おそらく、映画を観た人たちには、原作コミックを読んだことがないという人が多数いると思います。ヴェノムというキャラクターをよく知らない人でも、この映像特典を観れば、トッド・マクファーレン並みにヴェノムのエキスパートになれますよ!
『ヴェノム』ブルーレイ&DVD 3月6日(水)発売&レンタル開始! ※デジタル先行配信中!
■ブルーレイ&DVDセット 4,743円+税
■4K ULTRA HD & ブルーレイセット【初回生産限定】 6,800円+税
■日本限定プレミアム・スチールブック・エディション【完全数量限定】 9,200円+税
発売元・販売元:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
© 2018 Columbia Pictures Industries, Inc. and Tencent Pictures (USA) LLC. All Rights Reserved. | MARVEL and all related character names: © & TM 2019 MARVEL.
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