ヨーロッパ家具を中心とした新ブランドの新たな展開！業界の常識を変える?!話題のコーティングイベントに潜入

東京都日本橋茅場町にショールームを構える家具ブランドTOWARDS (トーズ)。オープン半年を節目に新事業の展開をみせるコーティングのデモンストレーションを兼ねたレセプションパーティーが開催された。
TOWARDSは株式会社アイクマインドが展開する、ヨーロッパテイストの家具を中心としたオリジナルブランドだ。長年使い込んだようなアンティーク調の仕上げを職人の手により一つ一つ製作し、受け継がれてきた伝統の意匠を生かしながら、現代の暮らしに馴染むデザインへとアレンジしている。

当ビルは古く、築60年ほど経過する佇まいに昭和の趣が残る。外観からは想像し難い別世界。たっぷりと光を取り入れる全面窓、粗さを残すスケルトン天井、シンプルなモルタル塗り床など、あえて意匠性の高い家具とのコントラストを考慮した、上質なしっとりと落ち着いた空間が目の前に広がる。
当夜の会場は、バーテンダーセレクトによるお酒、熟成生ハムやフィンガーフードが振る舞われ、来場者の中には建築家の玄・ベルトー・進来氏、作品を展示されているアーティストの鶴園哲美氏、雑誌マリクレール編集長の田居克人氏、店舗設計やディスプレイ会社、造作家具メーカー、革製品のプロデュース、販売している方など、様々な業界の方々が参加し、和やかに会場を盛り上げていた。

皆デザインに対する感度が高く「常に新しいもの、面白いものに触れてインプットする機会を増やしたい」という。だが、大きな展示会以外ではこういったイベントを提供する場があまりなく、同じような目的を共有するこのような交流の場は珍しいようだ。当ブランドは日本にはあまりない商品、ディティールにこだわりクオリティを追求した仕上げを行っている為、「こんなものは作れるか」「こんなことは一緒に出来ないか」など各々熱の入った情報交換をしていた。
レセプションも終盤に近づき、今回の目玉となるガラスコーティングのデモンストレーションが行われ、複数のサンプル、実際に使用している椅子に半分コーティングをし、防汚、耐衝撃性、撥水効果を実践してみせた。コーティングをすると表面の仕上がりがどうなるか気になっていたが、革やファブリックなど柔らかい素材や木材に対して、質感が変わらないようだ。更に、水に弱いティッシュペーパーでさえもコーティングの効果がしっかり現れていたことには衝撃を受けた。
一方、素材によって発揮できる効果も異なり、フローリングの場合は傷や汚れなどの経年劣化を抑えるだけでなく、抗菌、防滑性も向上し、ペットや子供に対しても安心して使うことが出来る。

デモンストレーションを通し、仕事での有用性だけではなく、身近なものとして、自宅の内装や大切なカバン、財布、革靴などにコーティングをしてもらいたいと感じた。
コーティングという新しい未来―。家具だけではなく内装材など幅広い素材に対応が出来るため、今まで飲食店や公共施設など、ネガティブな要素を理由に諦めていた素材にも新しい選択が生まれるだろう。
コーティングと重ね、リペア事業も展開するトーズ。「古くなったら買えばいい」という現代の消費という常識に警鐘を鳴らし、次世代へと受け継がれる家具の在り方、新たな価値を提案し続けたい、という。

 

そんなトーズでは家具や照明に加え、コペンハーゲンで限定発行されているアート雑誌  “プレソラマガジン”や現代アート、アルミや和紙を使ったさまざまな作家の作品も展示販売され、一般的な家具屋とは一味違う展開が印象的。今後は立ち上げ当初からコンセプトを共有したMensLeatherアイテムを取り扱うブランドと新しい試み、プロダクトを展開するそう。

 

家具の企画デザイン、特注製作(OEM)、販売、レンタル、コーティングサービス、リペア(修理)まで一貫したすべてのサポートを充実させているトーズ。「今回のイベント、コーティングという一つの事業をきっかけに、まずは私たちの取組みを知ってもらいたい。小さな波紋が広がっていく中で新しい可能性が生まれ。その先にはその人(会社)にとって必ず良い出会いに繋がる。」「一人一人のお客様と長く深く関わることを大切にしたい。」と重ねて語っていた。肩肘張らない異業種交流、情報提供が出来るリアルな場は非常に有意義な試みだ。次回も定期的にイベントを開催するとの事、今後の展開が楽しみである。