オフィスケイワン、電線共同溝自動設計システムの開発着手 2022年5月より提供開始
~3D計画システムにより管路線形など設計業務を大幅に効率化/無電柱化事業の推進に貢献~
オフィスケイワン株式会社(本社:大阪市西区、代表取締役:保田敬一)は、国土交通省の「無電柱化推進計画」策定により、業務量の増加が見込まれる電線共同溝設計の3次元化および生産性向上を支援する「電線共同溝自動設計システム」の開発を着手しました。橋梁向けBIM/CIMシステム開発のノウハウを道路分野にも広げることで、建設DX実現に貢献します。
1.開発の背景
これまで、国や地方自治体による無電柱化施策は、「景観・観光」、「安全・快適」、「防災」の観点から推進されてきました。一方で、近年の台風や豪雨など災害の多発により、電柱の倒壊、停電・通信障害が長時間に及ぶことも多く、国土強靭化の観点からも無電柱化への期待が高まっています。電線類地中化の代表的手法である電線共同溝の設計業務においては、上下水道やガスなどの既設埋設物の位置把握、新たに設置する地上機器の位置決定、地中に埋設する特殊部、管路の線形計画、必要土被りなど設計基準とのチェックが重要となります。また電線管理者・利害関係者との調整・協議・合意形成の効率化や、計画から設計、工事に平均7年を要する事業期間の短縮も課題となっています。従来の2次元CADによる設計では平面図・縦断図・断面図の整合性確保や、協議後の変更による図面や数量の修正作業に多大な労力を要していました。
そこでオフィスケイワンは、橋梁向けBIM/CIMシステム開発やICTサービスなどで培った3次元活用技術を生かし、電線共同溝の設計業務を効率化する3次元設計システム「Click-CCBOX」の開発に着手し、フェーズ1(3D計画システム)の開発を完了しました。フェーズ2(BIM/CIMモデル・数量出力)開発完了予定の2022年5月にリリースいたします。提供方法は、橋梁CIMシステムと同様に年間サブスクリプション契約(価格は未定)を予定しています。
(1)3D計画システムによる設計業務の効率化
3D計画システムにより、埋設物(支障物)の設定、地上機器、特殊部、管路、引き込み管の配置計画の作成、および配置計画の3Dビュー機能で設計業務や合意形成の効率化を実現します。また、調整後の計画変更や試掘調査による埋設物位置の変更、支障物の移設計画にも対応可能なシステムを目指します。
道路面の3次元データ(メッシュデータ)を読み込むことで、現地に一致した高精度なBIM/CIMモデルを作成することができます。
(2)自動照査機能による設計品質の向上
特殊部の間隔や、管路の必要土被り・曲げ角度の総和制限・最小半径、支障物との干渉・近接チェックなどを自動で照査します。これにより基準を満足し整合性のとれた高品質な設計成果を実現し、工事の際の手戻りの削減、工事期間の短縮にも貢献します。
(3)BIM/CIMモデル・図面・数量の出力
3D計画システムからAutoCADとExcelにBIM/CIMモデルと図面・数量を自動出力します。モデル詳細度は300に対応します。
(4)ICTシステムとの連係
市場シェアの高い汎用3DCAD(AutoCAD、Navisworks)やCIM-PDFに連係するため、関係者とのデータ交換・合意形成を支援します。また開発システムは、設計ワークフローの変革の実現に加えて、xR技術(AR、VR)やBIM/CIMクラウド活用による生産性向上、地下情報のデジタルツイン化の推進など、建設DXにも積極的に対応してまいります。
3.無電柱化とは
平成7年「電線共同溝法」が成立し、道路の掘り返し防止・道路景観の観点や、情報化社会に向けた光ファイバー網等の整備に対応するため、道路管理者が電線の収容空間を建設し、電力・通信事業者等に占有を許可する仕組みが整備されました。平成28年には無電柱化の推進に関する法律が施行され、国・自治体は無電柱化施策の策定、事業者は電線・電柱の設置抑制・撤去、技術開発を進めてきました。
令和3年5月に策定された新たな推進計画では、「新設電柱を増やさない」「徹底したコスト縮減を推進」「事業の更なるスピードアップを図る」を3つの柱とし、①約2割のコスト縮減、②無電柱化の完了までの事業期間を半減、③今後5年間で約4000kmの新たな無電柱化に着手する、などの数値目標が盛り込まれました。
4.電線共同溝とは
電線共同溝は、道路の地下空間を活用して電力線、通信線等をまとめて収容する無電柱化の手法です。沿道の各戸へは地下から電力線や通信線等を引き込む仕組みになっています。主に地上機器(電力、通信、CATV)や特殊部(電力、通信)、管路(電力、通信)などの埋設物で構成されます。
5.BIM/CIMとは
BIM/CIMは、計画、調査、設計段階から3次元モデルを導入することにより、その後の施工、維持管理の各段階においても3次元モデルを連携・発展させて事業全体にわたる関係者間の情報共有を容易にし、一連の建設生産・管理システムの効率化・高度化を図ることを目的としています。
6.モデル詳細度とは
3次元モデルの作り込みのレベルを表したもので100~500までの5段階あり「BIM/CIM活用ガイドライン(案)」(国土交通省 令和3年3月発行)で定義されています。詳細度300は対象の外形形状を正確に表現したモデルとされ、ガイドライン第6編機械設備編では「主要装置・機器・主要配管の配置及び大きさを正確に表し、土木・建築構造との取合い、施工方法、維持管理方法の確認ができるモデル」と定められています。
7.建設DXとは
建設DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、社会生活を支えるインフラ構造物の設計・施工・維持管理において、クラウド、xR、AI、IoTなど最新のデジタル技術を活用してワークフローを変革し、企業風土や働き方の改革、競争力向上、利益の確保によって、国土の持続的発展に貢献する考え方です。
8.オフィスケイワンについて
2014年の創業以来、橋梁向けのBIM/CIMシステムの開発・販売、3次元設計サービス、3次元モデルの利活用研究を中心に事業展開し、橋梁建設現場での生産性向上の取り組みにより、日建連表彰2020 第1回土木賞 特別賞を受賞するなど、設計と施工をつなぐICTベンダーとして建設DXに貢献します。
公式サイト https://www.office-k1.co.jp/
橋梁CIMシステム https://cim-system.com/
橋梁の建設現場におけるオープンイノベーション https://prism.office-k1.co.jp/
9.お問合せ先
オフィスケイワン株式会社 TEL.06-6567-8951 保田または松田まで
〒550-0013 大阪府大阪市西区新町1丁目10-2 https://www.office-k1.co.jp/contact
※記載の会社名、製品名はそれぞれの会社の商標または登録商標です。用語などは国土交通省HPを参照しています。
※開発システムの機能、リリース時期は予告なしに変更となる場合があります。
これまで、国や地方自治体による無電柱化施策は、「景観・観光」、「安全・快適」、「防災」の観点から推進されてきました。一方で、近年の台風や豪雨など災害の多発により、電柱の倒壊、停電・通信障害が長時間に及ぶことも多く、国土強靭化の観点からも無電柱化への期待が高まっています。電線類地中化の代表的手法である電線共同溝の設計業務においては、上下水道やガスなどの既設埋設物の位置把握、新たに設置する地上機器の位置決定、地中に埋設する特殊部、管路の線形計画、必要土被りなど設計基準とのチェックが重要となります。また電線管理者・利害関係者との調整・協議・合意形成の効率化や、計画から設計、工事に平均7年を要する事業期間の短縮も課題となっています。従来の2次元CADによる設計では平面図・縦断図・断面図の整合性確保や、協議後の変更による図面や数量の修正作業に多大な労力を要していました。
そこでオフィスケイワンは、橋梁向けBIM/CIMシステム開発やICTサービスなどで培った3次元活用技術を生かし、電線共同溝の設計業務を効率化する3次元設計システム「Click-CCBOX」の開発に着手し、フェーズ1(3D計画システム)の開発を完了しました。フェーズ2(BIM/CIMモデル・数量出力)開発完了予定の2022年5月にリリースいたします。提供方法は、橋梁CIMシステムと同様に年間サブスクリプション契約(価格は未定)を予定しています。
2.開発システムの特長
(1)3D計画システムによる設計業務の効率化
3D計画システムにより、埋設物(支障物)の設定、地上機器、特殊部、管路、引き込み管の配置計画の作成、および配置計画の3Dビュー機能で設計業務や合意形成の効率化を実現します。また、調整後の計画変更や試掘調査による埋設物位置の変更、支障物の移設計画にも対応可能なシステムを目指します。
道路面の3次元データ(メッシュデータ)を読み込むことで、現地に一致した高精度なBIM/CIMモデルを作成することができます。
(2)自動照査機能による設計品質の向上
特殊部の間隔や、管路の必要土被り・曲げ角度の総和制限・最小半径、支障物との干渉・近接チェックなどを自動で照査します。これにより基準を満足し整合性のとれた高品質な設計成果を実現し、工事の際の手戻りの削減、工事期間の短縮にも貢献します。
(3)BIM/CIMモデル・図面・数量の出力
3D計画システムからAutoCADとExcelにBIM/CIMモデルと図面・数量を自動出力します。モデル詳細度は300に対応します。
(4)ICTシステムとの連係
市場シェアの高い汎用3DCAD(AutoCAD、Navisworks)やCIM-PDFに連係するため、関係者とのデータ交換・合意形成を支援します。また開発システムは、設計ワークフローの変革の実現に加えて、xR技術(AR、VR)やBIM/CIMクラウド活用による生産性向上、地下情報のデジタルツイン化の推進など、建設DXにも積極的に対応してまいります。
3.無電柱化とは
平成7年「電線共同溝法」が成立し、道路の掘り返し防止・道路景観の観点や、情報化社会に向けた光ファイバー網等の整備に対応するため、道路管理者が電線の収容空間を建設し、電力・通信事業者等に占有を許可する仕組みが整備されました。平成28年には無電柱化の推進に関する法律が施行され、国・自治体は無電柱化施策の策定、事業者は電線・電柱の設置抑制・撤去、技術開発を進めてきました。
令和3年5月に策定された新たな推進計画では、「新設電柱を増やさない」「徹底したコスト縮減を推進」「事業の更なるスピードアップを図る」を3つの柱とし、①約2割のコスト縮減、②無電柱化の完了までの事業期間を半減、③今後5年間で約4000kmの新たな無電柱化に着手する、などの数値目標が盛り込まれました。
4.電線共同溝とは
電線共同溝は、道路の地下空間を活用して電力線、通信線等をまとめて収容する無電柱化の手法です。沿道の各戸へは地下から電力線や通信線等を引き込む仕組みになっています。主に地上機器(電力、通信、CATV)や特殊部(電力、通信)、管路(電力、通信)などの埋設物で構成されます。
5.BIM/CIMとは
BIM/CIMは、計画、調査、設計段階から3次元モデルを導入することにより、その後の施工、維持管理の各段階においても3次元モデルを連携・発展させて事業全体にわたる関係者間の情報共有を容易にし、一連の建設生産・管理システムの効率化・高度化を図ることを目的としています。
6.モデル詳細度とは
3次元モデルの作り込みのレベルを表したもので100~500までの5段階あり「BIM/CIM活用ガイドライン(案)」(国土交通省 令和3年3月発行)で定義されています。詳細度300は対象の外形形状を正確に表現したモデルとされ、ガイドライン第6編機械設備編では「主要装置・機器・主要配管の配置及び大きさを正確に表し、土木・建築構造との取合い、施工方法、維持管理方法の確認ができるモデル」と定められています。
7.建設DXとは
建設DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、社会生活を支えるインフラ構造物の設計・施工・維持管理において、クラウド、xR、AI、IoTなど最新のデジタル技術を活用してワークフローを変革し、企業風土や働き方の改革、競争力向上、利益の確保によって、国土の持続的発展に貢献する考え方です。
8.オフィスケイワンについて
2014年の創業以来、橋梁向けのBIM/CIMシステムの開発・販売、3次元設計サービス、3次元モデルの利活用研究を中心に事業展開し、橋梁建設現場での生産性向上の取り組みにより、日建連表彰2020 第1回土木賞 特別賞を受賞するなど、設計と施工をつなぐICTベンダーとして建設DXに貢献します。
公式サイト https://www.office-k1.co.jp/
橋梁CIMシステム https://cim-system.com/
橋梁の建設現場におけるオープンイノベーション https://prism.office-k1.co.jp/
9.お問合せ先
オフィスケイワン株式会社 TEL.06-6567-8951 保田または松田まで
〒550-0013 大阪府大阪市西区新町1丁目10-2 https://www.office-k1.co.jp/contact
※記載の会社名、製品名はそれぞれの会社の商標または登録商標です。用語などは国土交通省HPを参照しています。
※開発システムの機能、リリース時期は予告なしに変更となる場合があります。
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