プロギングによる「持続的な幸福度向上」を科学的に実証。全34項目の向上と13項目での統計的有意差を確認。
〜武蔵野大学 前野教授らが提唱する「幸せの4つの因子」に基づき、社会関係資本を醸成する独自の構造を解明〜

一般社団法人プロギングジャパン(本部:東京都渋谷区、代表理事:常田英一朗)は、株式会社はぴテック(本社:東京都目黒区、代表:太田雄介)および一般社団法人ウェルビーイングデザイン ウェルビーイングリサーチセンター 本研究チーム(榛村純一、白石純也、三塚義治)との共同研究により、プロギング(ジョギングとゴミ拾いと交流を掛け合わせた活動)が参加者の幸福度(ウェルビーイング)に与える影響を科学的に検証しました。
本研究の最大の特徴は、プロギングイベント直後に測定したものではなく、約2ヶ月間(事前・事後診断の間隔約60日)での幸福度の変化を測定している点にあります。国内最大級の幸福度診断ツール「Well-Being Circle」を用いた多角的な分析の結果、プロギングが、単なる環境活動やフィットネスに留まらず、参加者の心に持続的な充足感をもたらすことが今回の調査で明らかになりました。具体的には、測定した全34項目すべてでスコアが向上し、主観的幸福度(人生の満足度)を測る「キャントリルラダー」の改善とともに、一過性ではない日常の幸福度が底上げされる独自の構造が示唆されました。
【プロギングとは】
プロギング(Plogging)は、スウェーデン語の「plocka upp(拾う)」と英語の「jogging(走る)」を合わせた造語で、2016年にスウェーデンから始まった新しいフィットネスです。ゴミ拾いという社会貢献と運動の組み合わせに加え、ごみを拾うという不確定要素から複数人でプロギングを行う際に、自然な会話が生まれることが特徴です。
【本研究で明らかになった主要な知見】
1. 全34項目の向上と、13項目における統計的有意差
武蔵野大学ウェルビーイング学部 学部長・慶應義塾大学名誉教授の前野隆司教授らが提唱する「幸せの4つの因子」をベースとした「Well-Being Circle」で分析を実施。34項目すべてで平均スコアが向上し、うち13項目で統計的に有意な差(p < 0.05)を確認しました。
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有意差が確認された主な項目: 信頼関係のある地域、ストレスの低さ、実績、コミュニケーション能力、まじめ力、満喫力、楽観力など。
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人生の評価(キャントリルラダー)の改善: 自身の人生を0から10の階層で評価する「キャントリルラダー」においても、プロギング実施によるポジティブな変化が確認されました。


2. 「快楽順応」を乗り越える「スルメ効果」
一般的に、単調な習慣は脳が慣れてしまい、幸福度が頭打ちになる「快楽順応(ヘドニック・トレッドミル現象)」が起こります。
しかし本研究では、プロギングの経験回数を重ねるほど幸福度が上昇し続ける傾向、通称「スルメ効果(噛めば噛むほど味が出る)」があることが示唆されました。

3. 社会関係資本(つながり)を醸成する階層的変化
参加回数に応じて、幸福の質が進化するプロセスが示唆されました。
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初参加(ストレス解消): 「ストレスの低さ」が大きく向上し、即時的なリフレッシュ効果が現れました。
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継続参加(つながりの醸成): 回数を重ねるほど「信頼関係のある地域」のスコアが向上。プロギングが、単なる個人の運動を超えて、信頼やネットワークといった「社会関係資本(ソーシャルキャピタル)」を醸成する有力な手段であることが裏付けられました。

【考察:なぜプロギングでは幸福度が向上し続けるのか?】
本研究で示唆された「日常の幸福度の底上げ」という結果は、最新のウェルビーイング研究の知見とも強く合致しています。
2026年1月2日に学術雑誌『Nature Human Behaviour』に掲載された最新のネットワークメタ分析論文「A systematic review and network meta-analysis of randomized controlled trials of well-being-focused interventions(Lowri Wilkieら)」によれば、183件の無作為化比較試験を分析した結果、「身体活動(運動)」と「心理学的介入」を組み合わせたアプローチが、成人の幸福度向上において最も高い効果を示すことが報告されています。
プロギングは、まさにこの「運動」と「ポジティブ心理学的な要素(社会貢献、他者交流、地域・環境への意識など)」が自然な形で統合された活動です。本実証研究で確認されたスコアの持続的な向上は、この最新の学術的理論を現実の社会活動において体現したものであると考えられます。
加えて、本研究チームは、プロギングが「快楽順応」を乗り越える背景に、以下のメカニズムがあると考察しています。
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「宝探し」のような新鮮な刺激: ゴミを拾うという「非定型」な活動が脳に常に新しい刺激を与え、単調な運動によるマンネリ化を防ぎます。
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「利他」と「称賛」の循環: 街を綺麗にする利他的な行動に対し、参加者同士が「ナイス!」「サンキュー!」と称賛し合うことで、持続的な社会的報酬がもたらされます。
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「予期せぬ出会い」による親近感と刺激: 活動を続ける中で加わる新しい参加者との対話から、仕事・故郷・趣味などの意外な共通点が見つかり親近感が増す一方で、普段の生活では出会えない他者との新鮮な出会いも生まれます。これらの出会いが新たな視点や暮らしのスパイスとなり、単なる「ゴミ拾い」を超えたコミュニティとしての楽しみが継続の原動力となります。
【今後の展望】
一般社団法人プロギングジャパンは、本共同研究で得られた知見を基に学術論文の発表なども通じ、アカデミックな領域でもウェルビーイングの普及に貢献してまいります。
私たちは、「ポジティブな力で足元から世界を変える」というスローガンのもと、足元のゴミを拾うという一人ひとりの小さなアクションを起点に、自分、他者、地域社会、そして地球環境もウェルビーイングであるようこの活動を育んでいきます。
プロギングを、心身の健康や周りとの繋がり、地域への貢献、環境配慮、これらを同時に高める包括的なウェルビーイング施策として社会実装することで、今よりも社会が明るくなり、すべての生きとし生けるものが調和の中で満たされる世界を目指して、自治体や企業、市民の皆様と共に、情熱を持って歩んでまいります。
【調査概要】
調査参加総数: 135名
有効回答数: 79名(事前・事後の両診断を完了した対象者を抽出)
実証期間: 事前・事後診断の間隔 平均約60日間
調査手法: 幸福度診断ツール「Well-Being Circle」を用いたインターネット調査およびアンケート
分析協力: 株式会社はぴテック
【共同研究団体】
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一般社団法人プロギングジャパン
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株式会社はぴテック
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一般社団法人ウェルビーイングデザイン ウェルビーイングリサーチセンター 研究チーム:榛村純一、白石純也、三塚義治
【活動協力・協賛】
本研究のベースとなるプロギングの普及活動は、以下の企業の皆様に支えられています。

森永製菓株式会社

住友生命保険相互会社
【一般社団法人プロギングジャパン】
一般社団法人プロギングジャパンは、世界のプロギングコミュニティと連携しながら、日本全国でプロギングの普及を推進する公式協会です。プロギングは、ジョギングとごみ拾いをかけ合わせたスウェーデン発祥のフィットネスで、健康づくりやストレスの解消、人や街との繋がりを生み出しつつ、環境美化にも貢献できるのが魅力です。企業・自治体・学校と連携したイベント開催や、認定リーダーの育成を通じて、誰もが楽しみながら社会に良い影響を与えられる機会を創出。「ポジティブな力で足元から世界を変える」を合言葉に、笑顔が広がる社会づくりに取り組んでいます。
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