東北大学とサスメド、慢性腎臓病患者向けの治療用アプリの共同開発を開始
〜日本腎臓リハビリテーション学会の支援のもと共同開発〜
2021年2月24日、東北大学大学院医学系研究科 内部障害学分野、日本腎臓リハビリテーション学会並びにサスメド株式会社は、慢性腎臓病患者向けの治療用アプリの共同開発を開始いたしましたのでお知らせいたします。
東北大学大学院医学系研究科 内部障害学分野(以下、「東北大学内部障害学分野」)、日本腎臓リハビリテーション学会並びにサスメド株式会社(以下、「サスメド」)は、慢性腎臓病患者向けの治療用アプリの共同開発を開始いたしました。
慢性腎臓病は心不全・心筋梗塞・脳血管障害などのリスク因子であり、日本国内で1,330万人が罹患していると推計されています。慢性腎臓病患者の発症要因としては糖尿病や高血圧などの生活習慣病が挙げられ、生活習慣の変化とともに患者数が増加しています。また、日本国内の透析患者は34万人を超え、透析治療の医療費は患者一人当たり年間500万円と高額なことから、透析にかかる医療費は総医療費の4%(およそ1兆7,000億円)を占め、日本の社会保障費の適正化を図る上では、慢性腎臓病患者の透析への移行を食い止めることが喫緊の課題となっています。
近年、慢性腎臓病患者の腎機能の改善もしくは悪化抑制において、腎臓リハビリテーション(以下、「腎臓リハビリ」)が有効であることが示され、保存期の慢性腎臓病患者において、運動療法をはじめとする腎臓リハビリが推奨されています。2011年には日本腎臓リハビリテーション学会が設立され、腎臓リハビリテーションガイドラインも発刊されています。一方で、腎臓リハビリの普及にあたっては、各医療機関での医師や理学療法士などによる腎臓リハビリの実施では限界があり、さらに新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、医療機関への受診抑制も相まって、新たな解決策が求められている状況です。
一方で、医療の質と効率性の向上の両立を目的として、情報技術の活用が求められ、ソフトウェア医療機器を用いた疾患の治療が進められています。スマートフォンは急速に普及が進み、60歳以上の世帯保有率でも81.3%を占め、今後さらに普及率が増加していくことが予想されています(令和2年内閣府消費動向調査)。今般、東北大学内部障害学分野、日本腎臓リハビリテーション学会並びにサスメドの三者は、スマートフォンの今後の普及率増加と医療者不足の課題に鑑み、治療用アプリを通じた腎臓リハビリテーションの提供がより一層医療ニーズに合致したものになると考え、慢性腎臓病患者向けの治療用アプリの共同開発を開始するに至りました。
今後、日本腎臓リハビリテーション学会の支援のもと、東北大学内部障害学分野のこれまでの腎臓機能障害に関する研究実績とサスメドの治療用アプリの開発経験・特許技術を活かし、慢性腎臓病患者向けの治療用アプリの製品化を目指し開発を行って参ります。
<東北大学大学院医学系研究科 内部障害学分野について>
東北大学大学院医学系研究科内部障害学分野は、呼吸循環、代謝、腎、消化器などの内部機能障害について研究する日本初の講座(1994年開設)です。当教室で特に力を入れている領域は、心臓・呼吸・腎臓機能障害、脳・代謝障害などであり、その予防やリハビリテーションに関する診療と教育・研究を行っています。
URL: http://www.naibu.med.tohoku.ac.jp/
<日本腎臓リハビリテーション学会について>
日本の腎臓リハビリに携わる医師、医療従事者を対象として包括的腎臓リハビリの確立、腎臓リハビリ関連各分野の学術水準向上をはかり、これらによる腎臓障害患者のQOL向上を通じて日本の医療・福祉の向上に寄与することを目的として設立された学会です。
URL: https://jsrr.jimdofree.com/
<サスメド株式会社について>
サスメド株式会社は、デジタル医療を推進する研究開発型企業です。臨床開発支援システムのほか、医療用アプリ開発の汎用プラットフォーム、不眠症治療用アプリ開発及びAI自動分析システムの提供を行っています。ブロックチェーン技術の医療応用や医療用アプリについての各種特許を取得するなど、技術に立脚しデジタル医療を推進しています。
URL : https://www.susmed.co.jp/
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