手刻み同好会 korekara会議「手刻みと手刻み同好会の“これから”を問います」
-これからを担う価値ある大工技術の継承とは-住まいに必要な手加工の技術の再定義と大工の社会的価値をあげる動きを皆で広げたい。
2018年に発足した手刻み同好会。これまで試行錯誤しながら、優れた日本の大工技術を次世代につなげるべく様々な活動を行ってきました。それは決して派手なものではありませんでしたが、少しずつ世の中に認知され、会員も増えてきました。またこのたび、手刻みの価値やいまの時代における位置を客観的視点でまとめた『手刻みで家をつくることについて』という小冊子を発行する運びとなりました。このあたりで助走期間は終わったとして次に向かうために、「大工、手刻み、ものづくり、これからの住まい、日本の森林活用」といったことに関心を持った方々にお集まりいただき、一緒に手刻みと手刻み同好会のこれからを考えたいと思います。 野池政宏
【プログラム】
■手刻み同好会のこれまで 代表:野池政宏(住まいと環境社)
■手刻みの価値と課題 副代表:羽根信一(羽根建築工房)
■トークセッション-手刻みと手刻み同好会のこれから-
幅允孝氏(ブックディレクター)、山辺豊彦氏(山辺構造設計事務所/当会顧問)、
堀部安嗣氏(堀部安嗣建築設計事務所/当会顧問)、羽根信一、野池政宏(進行)
【日時、会場】
2025年2月7日(金) 新大阪丸ビル別館-1F(新大阪駅東口から徒歩5分)
13:00開場/13:30~17:30終了予定
※オンラインも参加可能
【参加費】無料
【申し込み方法】
ピーティックスにて受付
https://tekizamikorekarakaigi.peatix.com/
【お問い合わせ】
tekizamidoukoukai@gmail.com 手刻み同好会事務局
なぜ今、手で刻む技術の継承が必要なのか。
大工不足と職人の高齢化は、日本の建設業界、ひいては社会全体が抱える深刻な問題です。 特に手刻み技術を習得できる機会も減少しており、手刻み大工の減少は、日本の文化や歴史の損失につながる深刻な問題です。 社会全体でこの問題に関心を持ち、多様な主体が協力して解決策を見つけていくことが求められています。
手で刻むと書く「てきざみ」とは、家づくりに使う木材の接合部分を手仕事で加工する大工の技術を指します。新築はもちろんのこと、とりわけ、住宅の改修において、古い部材と新しい部材を接合する際などに材木や家の癖に合わせた手加工が必要となり手刻みの知識と技術が必要となります。
かつて「山をみて家を建てる」と言われたように、大工の役割は、古くから継承されてきた職人の知恵と現代を生きる感覚に基づいて、自然をよみ、木を目利きし、加工することで四季を通した理想の暮らしを実現することにありました。
地域の大工が、人々や環境に合わせて家を建て、暮らしを診ていく。サステナビリティやトレーサビリティが求められる昨今ですが、実は遥か昔から、日本人は、ごく自然にこのような文化、ものづくりの精神を継承してきました。近年、日本の住宅市場において、ストック住宅(既存住宅・中古住宅)はすでに総世帯数を超え、空き家問題が課題となっています。
また、環境への配慮やサステナビリティを志向する若い生活者も増えてゆく中で、リフォームの需要は益々高まっていくことが考えられます。パッシブデザイン、耐震など様々な観点から、手刻み技術の時代に合わせた継承と発展は、住宅業界にとって重要事項だと考えられます。
手刻み同好会活動趣旨
これからの時代、手刻み技術に対する需要は高まっていくように思えるにもかかわらず、住宅産業の合理化の流れの中で、手刻みを行う地域の工務店も大幅に減少、熟練大工の高齢化もあいまって、技術継承は窮地に立たされています。戦後の住宅建築で主流となったプレカットの工法と比較してみると、手刻みは、工務店や大工にとって手間と技術を要します。それゆえに、これからの時代日本建築の担い手である若手大工の技術習得や実践の機会も益々少なくなりつつあるのです。また、建築業界においても、デザイン性、健康面、エネルギー効率、耐震、環境負荷など様々な視点から、その良さを言語化し発信することは十分にできているとは言えない状況です。
私たち、手刻み同好会は、人と家、地域と大工文化、暮らしと自然の関係性を今一度見直し、これからの時代にこそ必要とされるこの技術をPRしていきたいという思いから、全国の有志の工務店、建築関係者で結成されました。各参加者が自らの地域、生業にもちかえることができるような技術と知恵を交換し、若手にもひらかれた学びと実践の場づくりを行うことで、日本全体の大工技術、住宅建築の水準をあげることに貢献したいと考えています。
<YouTube活動PR動画>
https://www.youtube.com/watch?v=n5A1N4a_Pvw
<note手刻み同好会>https://note.com/tekizami_2021/
<インスタグラム>https://www.instagram.com/te_kizami/
今までの活動記録
木構造実験会の実施の様子
「Hut to Tekizami 」(手刻みの小さな小屋の建て方ライブイベント)の様子
-手刻みで刻んだ材料で建方と解体をライブ形式で見学してもらい手刻みの認知を広める活動-
軸組模型勉強会の様子
-大工が軸組の設計をして構造をスキルアップする-
木構造勉強会の様子
工務店見学と交流の様子
建物見学会の様子
手刻みのこれからを考えるトークディスカッション
<主な会員>順不同敬称略にて
代 表:野池 政宏「 住まいと環境社」(大阪府)
副代表:羽根 信一「羽根建築工房」(大阪府)
想造の家仲谷建設(滋賀県)、大彦(和歌山県)、のりぞう工務店(高知県)、Buku暮らしの中のデザイン室(奈良県)、清水工務店(和歌山県)、アトリエクーシェ一級建築事務所(大阪府)、土手加藤材木店(東京都)、橋本工務店(静岡県)、野沢工務店(静岡県)、内山工務店(青森県)、鴨川建築工房(京都府)、こいずみ木工場(神奈川県)、友美堂(兵庫県)、ハンドワークス(兵庫県)、木又工務店(大阪府)、梅田工務店(奈良県)、隆匠工務店(滋賀県)、榊本工務店(奈良県)、長峰建築(新潟県)、RYUKEN(高知市)、宮内建築(滋賀県)、造家工房(三重県)、扇建築工房(静岡県)、ツキデ工務店(京都府)、杢工舎(大阪府)、スタシヂオA.I.A.(三重県)、輝建設(大阪府)
(団体会員)MOKスクール (協賛企業)株式会社イケダコーポレーション その他準会員19名
顧 問:山辺豊彦「山辺構造設計事務所」
顧 問:堀部安嗣「堀部安嗣建築設計事務所」
<登壇者プロフィール>
幅允孝氏 Yoshitaka Haba
ブックディレクター。1976年、愛知県生まれ。慶應義塾大学法学部卒業後、青山ブックセンター六本木店などを経て2005年に有限会社BACH(バッハ)を設立。人と本の距離を縮めるため、公共図書館や病院、学校、ホテル、オフィスなど様々な場所でライブラリーの制作をしている。安藤忠雄氏の建築による「こども本の森 中之島」ではクリエイティブ・ディレクションを担当。現在、東京と手刻みで建てた京都の家で二拠点生活をされている。手刻み同好会(準会員)
山辺豊彦氏 Toyohiko Yamabe
構造家。1946年、石川県出身。山辺構造設計事務所取締役会長。住宅医協会代表理事、日本建築構造技術者協会 関東甲信越支部 東京サテライト顧問、東京地方裁判所専門委員・調停委員。 石川県出身。現在も木構造の専門家としてトップランナーであり続けている。著書『ヤマベの木構造』はベストセラーとなっており、木構造の基本を学ぶためのバイブル的存在である。 手刻み同好会(顧問)
堀部安嗣氏 Yasushi Horibe
建築家。1967年生まれ、筑波大学芸術専門学群環境デザインコース卒。益子アトリエにて益子義弘に師事、1994年堀部建築設計事務所設立。2002年「牛久のギャラリー」で吉岡賞受賞。2016年「竹林寺納骨堂」で日本建築学会賞(作品)受賞、2020年毎日デザイン賞受賞。2007-2024年京都芸術大学大学院教授、2022年より放送大学教授。手刻み同好会(顧問)
野池政宏 Masahiro Noike
1960年生まれ。岡山大学理学部物理学科卒
住まいと環境社 代表、株式会社暮らしエネルギー研究所 代表取締役
温熱・省エネ・パッシブデザインに関する講演・講義、
工務店・メーカーへのコンサルティング、執筆活動や各種媒体への情報提供を行う。
著書には、本当にすごいエコ住宅をつくる方法(エクスナレッジ)
パッシブデザイン講義改訂版(Passive Design Technical Forum)
小さなエネルギーで豊かに暮らせる住まいをつくる(学芸出版社)他多数。
手刻み同好会(代表)
羽根信一 Nobukazu Hane
1954年生まれ。三重県熊野市出身。「人の手と心で造りこむ、温かい美しい木の家」をモットーに、羽根建築工房の代表。小学生の頃から将来の夢の作文に「大工さんになりたい」と書いていたそうだ。18歳で奈良で大工として弟子入りし住宅をメインに活動。20代半ばからは大阪の工務店に従事、大工・現場監督そして取締役を勤め44歳で独立。現在は著名な建築家から指名が絶えないプロに人気の手刻みで建てる工務店として活躍中。手刻み同好会(副代表)
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