WireGuardを用いたP2P型VPN通信セキュリティー提供「Runetale」、米国投資家Carbide VenturesとDelight Venturesなどから総額9000万円の資金調達を実施

~招待制でRunetale正式版のサービス提供を開始、オープンソース化し事業のグローバル展開とエンジニアを中心とした採用を推進~

Runetale株式会社

Peer-to-peer型フルメッシュプライベートネットワーク(VPN)で、複雑化するインターネットの仕組みをシンプルにすることを目指すRunetale株式会社(ルーンテイル、本社:東京都港区、代表取締役: 奥村晋太郎、以下「当社」)はCarbide Ventures、Delight Venturesをリード投資家に、エンジェル投資家として石塚亮氏(メルカリ共同創業者)、Hua Hu氏(元Mercari US Head of Engineering)等から、銀行融資含む総額9000万円の資金調達を実施したことをお知らせします。

また、本調達と共に「Runetale」正式版Waitlistの受付開始とソースコードのオープンソース化をご報告いたします。

Waitlist登録はこちら (15秒で登録可能): https://runetale.com/jp/signup
オープンソース: https://github.com/runetale/runetale


■ Runetaleの解決する課題:「20年前」のVPN体験から生まれる、全ての企業のセキュリティーリスク


リモートワーク、インフラのクラウド移行、IoTデバイスの普及に伴い、企業セキュリティーの根幹を長年担うVPN(Virtual Private Network)の重要性は、あらゆる企業でより一層増しています。法人VPNの普及率はグローバルで93%に達し、市場規模は2022年で約6兆円、2028年には20兆円を超えると予測されています。


しかし、従来型VPNはオンプレミスを前提とした2000年代の設計思想に基づいており、「リモートワークなどの新しい働き方」・「AWS/GCP/Azure等のクラウド」等の現代社会におけるインフラ構成を前提としていません。

<従来型VPNのオンプレミスを前提とした通信方法: Hub-and-spoke方式>

そのため、現在多くの企業で採用されるVPN(従来型)は、通信元と通信先の間にVPN Gatewayという仲介者を置くHub-and-spoke方式を採用しています。しかし、この設計は「遅い」・「脆弱」・「複雑」といった課題発生の根源となっています。


  • 同時接続数が多くなるほど、通信速度の大幅な遅延が避けられない

  • 単一障害点による、セキュリティーの脆弱性が避けられない(VPN Gatewayに悪意ある攻撃)

  • 企業規模が大きいほど、運用面で複雑化、結果運用コストが高い


企業セキュリティーの中枢を担うVPNがこのような状態にも関わらず、企業のデジタル化は急速に進んでいます。特にコロナウイルスの影響でリモートワークが一般化した副作用で、VPNの脆弱性を起因としたサイバー攻撃は国内・国外・業種・業界を問わず、1年で2000%増加と、深刻な問題です(2021/2022年比較)。


デジタル化が進み社会が便利になる一方、データを取り扱う企業にとってはより一層セキュリティー・コンプライアンス確保が求められますが、既存のVPNは解決策として適していません。そのため、従来型VPNが抱える課題を根本から解決し、現代インフラに最適化した解決策が必要です。



■ VPNを再定義する、直接繋がる新しい通信体験「Runetale」の概要


Runetale(https://www.runetale.com/jp/)はデジタル化する企業セキュリティーを通信から守る、ゼロトラスト型のフルメッシュVPNサービスです。通信プロトコルにはWireGuardを採用世界のどこからでもPeer-to-peer(P2P)に「直接繋がる」通信網を実現しています。


従来型VPNのボトルネックであったVPN Gatewayを必要としないため、デバイス・クラウド・アプリケーション等の種類や物理的場所に関わらず直接通信する高速なメッシュネットワークを構築します。


<RunetaleのP2Pメッシュネットワーク通信>

初期導入は2ステップで完結、ファイアウォール、証明書、NAT、ポート開放、鍵管理などの複雑なネットワーク管理も必要ありません。


<初期導入2ステップ>

  1. デスクトップ・モバイルデバイスに、クライアントをインストール

  2. Google WorkspaceやAzureADなど、日常的に利用するIDでSSOログイン


運用面においても、役職・部署・チームごとにアクセス制御が可能なRBAC (Role-based Access Control、7月後半リリース予定)や、DNSでの管理(8月リリース予定)など、企業セキュリティーを通信からシンプルかつセキュアにする機能を一貫して提供できるよう、開発を進めています。


サービス利用にご興味のある企業様や、VPNに関するセキュリティーについてのご相談は、下記よりお気軽にお問い合わせください。



■ 「Runetale」正式版公開へ向け、よくあるユースケースと直近事業状況のご紹介


昨年のクローズドβ版リリース以降、エンジニアのクラウドアクセスや、リモートワーク用の新しいVPNなど、国内外にて業界を絞らず様々なユースケースで実証実験を進めてきました。


<ユースケース例> 

  • リモートワーク用のVPNとして利用し、ゼロトラスト環境の推進

  • 本社と支社等を繋ぐ拠点間VPN(Site-to-site VPN)として利用

  • クラウド接続に利用する、従量課金型のAWS Client VPNなどから乗り換え

  • IoTデバイスとクラウド間の暗号化通信に利用


企業インフラへVPN導入時には多くの検討事項や要件がありますが、Runetaleは従来型VPNのIPSecやOpenVPNとは根本から異なる通信プロトコルWireGuardを利用しているため、既存のVPN環境に変更を加えることなく段階的導入を実現できます。


そのため、既にお使いのVPNを並行運用しながら、部門・部署・プロジェクトごとにRunetaleを試験的にご利用いただけることは、他VPNやゼロトラスト製品にはない特徴となっています。


■ シードラウンド投資家からのコメント


Carbide Ventures パートナー 芳川 裕誠 氏


企業の成功にはヒト・モノ・カネがタイミング良く揃うことが必要で、それが三位一体で運を呼び込み、その後の成長に繋がります。この「運」のうち、スタートアップが自らコントロールできない最大の要素がマーケットタイミングです。要素技術が揃っていてもマーケットがまだそれを求めていない、あるいはニーズが顕在化していても技術・製品開発が追いつかないといった事例は、枚挙に暇がありません。

 インターネットの成長に伴いVPNが一般に普及してから20年以上が経ちますが、その間、ネットワークインフラやそれをつなぐ計算機技術は急激な進歩を遂げている一方、VPNの基盤アーキテクチャは、根本的な進化ができていませんでした。急増するデータ漏えいやハッキング犯罪等に対応するべく、通信プロトコルとしてWireGuardを活用するRunetaleの新たなプロダクトは、VPNマーケットを根本的に進化させるプロダクトとなると確信しています。



Carbide Ventures パートナー Dan Weirich 氏


From 1996 to 2014, I worked in the telecommunications and Internet infrastructure industries and watched communications move from circuit switched to IP. In 2004 (before iPhone and smartphones), we went to the FCC (Federal Communications Commission) to meet Chairman Michael Powell. We put a videophone on his desk in Washington DC, plugged in an ethernet connection to the public Internet and gave him a phone number to call in Santa Clara, CA. He dialed the phone number and had a video call with someone in California. When he put the phone down, he looked over at us and said "this is not a telecom service, this is IP" and subsequently decided not a regulate VoIP (voice over Internet Protocol) allowing the proliferation of communication services we use today such as Zoom, Whatsapp, LINE, etc.

When I saw Runetale, it reminded me of the value created by moving from circuit switched to IP then to IP Peer-to-Peer that unlocked the opportunity for today's communications market. As the world moves to a remote workplace, the traditional VPN infrastructure does not scale and Runetale's decentralizing VPN product will materially improve customer experience and use cases similar what has happened in the communications industry over the past 20 years!



Delight Ventures パートナー 南場智子 氏


働く環境変化に伴う通信量の増加や企業のセキュリティの脆弱性の課題に向き合うRunetale社は、次代を担う若き経営チームで組成されており、日本だけではなくアジア圏を中心に本気でグローバルでの挑戦をしていく会社です。


リモートワークの推進や通信量の増大によって従来型VPNが直面する速度遅延やセキュリティリスクを克服する為に、VPN Hubを通さずアプローチする当社サービスは、技術的難易度も高いですが、完成度の高いプロダクトを作ってくれると期待しております。日本に閉じることなく、大きな挑戦ができるよう全力で支援していきます。



Delight Ventures パートナー 渡辺大 氏


ユーザの観点で、リモートワーク・IoTなどサイバーセキュリティに対する要求が年々高度化・複雑化しているのは自明です。他方その脅威として、ハッカーはもちろん、強権的な一部の国家によるデータプライバシーの侵害も現実化しており、地政学的にもこの分野の受ける影響は膨大です。


そうした文脈でも、通信セキュリティの革新は世界的なバーニングニーズであり、国内外の民間部門・公共部門ともに投資の急増は間違いないでしょう。Runetaleが提供するゼロトラスト・フルメッシュ型のVPNソリューションは、高い効率性・適応性・信頼性を実現し、セキュリティの未来を日本から変えていく力を持っていると期待しています。



メルカリ共同創業者 石塚亮 氏


リモートワークが普及することによって、セキュリティー・信頼性・使いやすさを追求した新たなVPN技術が今後求められていくと考えられます。


そういったマーケットニーズに応えようとするRunetaleは高い技術力とグローバルマインドを兼ね備えており、創業当初から日本だけでなくグローバルで戦おうとする彼らの挑戦を応援できるのを楽しみにしています。






元Mercari US Head of Enigneering Hua Hu 氏


従来のVPN技術は、すべての通信が中央のVPNサーバーを通過する必然性がオンプレミスの思想から一般的でした。その結果、仲介役として存在するVPNサーバーがボトルネックとなり、経費が増え、権限の管理が困難になり、スケーリングも難しくなります。


アメリカでは、ゼロトラストを基盤としたP2P VPNシステムが注目を集めていますが、日本ではまだ多くの企業が従来のVPN技術を採用しています。リモートワークが盛んになる中で、VPNへの需要は急増しています。Runetale社の製品を通じて、日本におけるVPN技術のイノベーションを達成することが可能だと確信しています。



■ 今後の展開: 企業インフラを守る通信セキュリティーとしての定着と、新しいインターネットの価値創出


私たちは「Rebuild the small internet - 小さなインターネット再構築する」をミッションに掲げています。小さなインターネットとは、個人・家族・企業、それぞれの用途や環境に応じて最適化されたインターネットです。

本来、インターネットは安全性の不安なく便利で使いやすい最適化された(初期のインターネットはP2P)ものでした。しかし、大きなインターネットへのスケール化が進む流れの中(1G~5G)、パフォーマンスやセキュリティーの問題により、現在の複雑な設計に辿り着いています。


VPN本来の役割である「セキュリティー」の本質的改善は当然に、Runetaleではメッシュネットワークを中心に本来インターネットが持つ価値を、誰もが享受できる世界を目指しています。


初手のリモートワークにおける活用事例としても、セキュリティー要素に加え、実際にVPNを使うエンドユーザーに焦点を当てたコラボレーティブ性高い体験を提供してきます。(8月中旬提供開始予定)


また、中長期的にはリモートワーク以外にも、例えばローカル5Gやエッジコンピューティング、IoTデバイス、 GPT-4などの大規模言語処理と組み合わせた価値提供を通信インフラから提供していく予定です。



■ We are hiring - 「小さなインターネットを再構築する」仲間を募集しています!

今回の資金調達を通し、Runetaleが提供するVPNの主要機能開発・パフォーマンス強化、エンタープライズの要件に応えるためのForward-deployedエンジニア ・サポートエンジニア・システムエンジニアなど、開発組織の拡充を進めていきます。また、プロダクトのグローバル展開に向けたEnterprise Sales、PLG (Product-led growth)を加速させるProduct Marketing等ビジネスサイドの体制構築も推進していきます。


詳細は下記ポジション別のリンクより、ご確認いただけますと幸いです。小さなインターネットを作る、未来の仲間の応募をお待ちしています!




■ Rune + Taleの由来

Runetale(ルーンテイル)は、「インターネットの本質的価値を、魔法のような驚きと共に届ける」という想いに起因しています。Rune Alphabetと呼ばれるルーン文字は、ヴァイキング時代に北欧を中心にゲルマン人が使用していた、「秘密」を意味するゴート語のrunaを起源とする共通言語です。


私たちは、通信プロトコルとしての「共通言語」を創り上げ、誰もが当然のように本来インターネットが持つ魔法のような体験を得られるような社会を目指しています。VPNというと、セキュリティーのように難しく、専門的というイメージが先走りますが、Runetaleがインターフェースとしてインターネットの価値を物語として語り継ぐ(Tale)ことで、ライフスタイルそのものに変化を起こすことを目指します。



■ WireGuardについて

WireGuardは、Linux Kernelにも組み込まれるOSSのVPNプロトコルです。従来型VPNプロトコルとして一般的であったIPSecやOpenVPN、Ethernetなどと比較して、楕円曲線アルゴリズム.・ChaCha20/Poly35・HKDFなどのモダンな暗号技術を採用しています。


大きな特徴は、ハンドシェイク時や鍵交換時の通信暗号化にNoise Protocol Famework (以下、Noise)を活用している点です。Noiseは2017年に初めて提唱された、Diffie-Hellmanを主軸としたインターネット空間の二者間を安全に通信する仕組みです。WireGuard以外にも、Facebook社のWhatsAppや、ビットコインのLightning Networkなど秘匿性が特に重要視されるサービス内部で採用されている暗号化技術です。


しかしあくまで、WireGuardはOSSプロジェクトでありLinux Kernelに組み込まれコミュニティー主導で開発が進められています。同じくLinux Kernelに組み込まれるWi-Fi・Bluetooth・NFCなどのように世界標準の通信プロトコルとなる可能性が高い一方、WireGuard単体では個人が細かな設定ファイルを定義し、ネットワークを構築する必要があり特に法人での運用には適していません。


Runetaleは、WireGuardの価値を100%活かしながらも、誰もがシンプルに利用できるようインターフェースとなり価値提供をしています。



■ 各引受先について

  • Carbide Ventures (カーバイドベンチャーズ)

Treasure Data Inc.の創業者が中心となり設立されたベンチャーキャピタルで、主に次世代コアテクノロジー(5G、AI、ロボティクス、量子コンピュータ、エッジコンピューティング等)を活用した企業への投資を展開。 シリコンバレーと東京の両拠点から、「日本から世界へ、世界から日本へ」を目指し、優れた製品や技術のグローバル展開をサポート。 最先端の優れたテクノロジーへのアクセスとジャッジ、ビジネスとのネットワーキング、 創業・企業経営の実務家としてのノウハウを有するメンバーによるチーム構成を強みにしている。


  • Delight Ventures (デライト・ベンチャーズ)

デライト・ベンチャーズは、起業家・南場智子と起業や経営経験のあるメンバーが立ち上げた独立系のベンチャーキャピタルです。実務経験に基づいた圧倒的な起業家ファーストの支援を通して、大きな課題解決に挑戦する起業家が世界で活躍できるよう全力で応援します。シード期を含むアーリーステージのスタートアップに投資を行います。


■ 本件に関するお問い合わせ先について
Runetaleご利用に関するご相談や、取材申し込み、提携のご連絡は、hello@runetaleまたは以下リンクよりご連絡ください。

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会社概要

Runetale株式会社

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URL
https://www.runetale.com/jp
業種
情報通信
本社所在地
東京都港区六本木7-3-12 六本木インターナショナルビル5B
電話番号
070-4104-4431
代表者名
奥村晋太郎
上場
未上場
資本金
1000万円
設立
2021年03月