株式会社アジャイルエナジーX、「太陽光発電追従型コンテナ型データセンター」による再生可能エネルギーの有効活用に関する実証を開始
〜「連系待ち」・「出力制御」の回避により再エネ導入を促進する革新的ソリューションの確立へ〜
株式会社アジャイルエナジーX、「太陽光発電追従型コンテナ型データセンター」による再生可能エネルギーの有効活用に関する実証を開始
〜「連系待ち」・「出力制御」の回避により再エネ導入を促進する革新的ソリューションの確立へ〜
2023年12月6日
株式会社アジャイルエナジーX
「分散コンピューティング」を主軸とした先端技術の融合により、電力から「デジタル価値」や「環境価値」等を生み出すことでエネルギーに関する社会課題を解決する「ソリューション・インテグレーター」である「株式会社アジャイルエナジーX(エックス)」(本社:東京都港区港南/代表取締役社長 立岩 健二)は、群馬県昭和村において、再生可能エネルギー(以下、「再エネ」)に追従して稼働するコンテナ型データセンターを構築し、本年8月に運転を開始しました。
本事業を通じて、再エネ主力電源化の実現に向けた課題として顕在化している、系統混雑に伴う再エネの連系待ちおよび出力制御に伴う機会損失の回避に資するソリューションの早期確立を目指します。
■再エネの「連系待ち」と「出力制御」回避に資する「変動再エネに追従可能な分散エネルギーリソース」を実現
アジャイルエナジーXは、再エネの連系待ちおよび出力制御に伴う再エネ導入の機会損失回避に向け、柔軟に電力需要を創出可能な分散エネルギーリソース(DER)として、分散コンピューティングの一種である「ビットコイン・マイニング」に着目しました。
暗号計算の実行によりデジタル価値を生み出す際に大量の電力を消費するビットコイン・マイニングの特性を生かし、再エネを余すところなく有効活用するという、逆転の発想に基づくソリューションです。
アジャイルエナジーXは、東京電力リニューアブルパワー株式会社(東京電力ホールディングス株式会社100%子会社、以下、「東京電力RP」)が群馬県昭和村に新設した太陽光発電所の敷地内に、「追従型マイニングコントロール」 (Adaptive Mining Control) システムを搭載したコンテナ型データセンターを構築しました。
当システムの利用により、1日の中で刻一刻と変化し続ける太陽光発電量をリアルタイムで監視し、その発電量に追従しながら、ビットコイン・マイニング装置の稼働台数(負荷容量)を遠隔で自動制御することにより、太陽光電力を系統に逆潮流させることなく、自家消費で全量活用することが可能となりました。
なお、当システムの開発・導入は、先端半導体や分散型データセンター開発を手掛ける株式会社TRIPLE-1の技術協力により実現しました。
ビットコイン・マイニング装置を実装したコンテナ型データセンターと再エネ電源とを組み合わせることにより、系統増強前の「連系待ち」や連系後の「出力制御」が発生した場合においても、コンテナ型データセンターで再エネ電力を自家消費することで、発電資産を最大限活用可能となります。
コンテナ型データセンター(アジャイルエナジーX・TRIPLE-1)
太陽光発電施設(東京電力RP)
■デジタル社会を支える「再エネ×分散コンピューティング」への発展
「太陽光発電追従型コンテナ型データセンター」は、ビットコイン・マイニングに留まらず、AI/ディープラーニングやグラフィックのためのレンダリング処理など、様々な分散コンピューティング技術を再エネと掛け合わせて制御する、未来のデジタル社会を支えるテクノロジー基盤となります。
今後もアジャイルエナジーXは、エネルギーに関する社会課題を解決するソリューション・インテグレーターとして革新的な取り組みを進め、理想的な未来のエネルギー基盤の構築へ貢献してまいります。
別紙:「株式会社アジャイルエナジーX(エックス)」について
<別 紙>
「株式会社アジャイルエナジーX(エックス)」について
1. 事業概要
アジャイルエナジーXは、「分散コンピューティング」を主軸とした先端技術の融合により、電力から「デジタル価値」や「環境価値」等を生み出すことで、再エネ導入量の最大化と電力系統の最適化をはじめとする、エネルギーに関する社会課題を解決する「ソリューション・インテグレーター」です。
アジャイルエナジーXでは、分散コンピューティングの中でも最も時間的・空間的に柔軟に電力需要を創出可能なソリューションである、ビットコイン・マイニングに着目しました。
ビットコイン・マイニングとは、仮想通貨(暗号資産)のなかでも最大の時価総額を有し、かつ理論的裏付けも高度に確立しているビットコインを支えるインフラ技術のことです。プルーフ・オブ・ワークと呼ばれる仕組みを用いて、ブロックチェーンに書き込まれるビットコインの取引データが改ざんされないことを担保するため、膨大な量の暗号計算を実施しますが、この過程で大量の電力を消費します。
ビットコイン・マイニングは、コンピューターの稼働・停止を自由に制御可能であるため需要創出の柔軟性が極めて高いほか、大容量・低遅延の通信回線が不要であることや、空調設備等の付帯設備は簡素なものしか必要としない等、設置の柔軟性も高いというメリットも有します。このため、再エネが大量に連系された電力系統に対して、極めて有効なDERフレキシビリティーを提供することが可能です。
アジャイルエナジーⅩは、俊敏・柔軟・果敢(Agile)に、エネルギー産業(Energy)の変革(Transformation=X)を、強力に推進するという決意に基づき、時間的・空間的に柔軟に電力需要を創出可能でかつスケーラブルなソリューションを組み合わせることで、高いリアルオプション価値を生み出しながら、アンチ・フラジャイルな(逆境で強くなる)エネルギー基盤を日本に構築してまいります。
2. 具体的なステークホルダー向けソリューション提供イメ―ジ
① 自治体
【再エネ導入支援】
脱炭素を推進する自治体が導入する再エネの余剰電力を買い取り、分散コンピューティング等に利用。生じたデジタル価値や環境価値等による利益の一部を自治体に還元する。脱炭素のまちづくりや、エネルギー地産地消、地域経済活性化の促進に貢献。
② 再エネ事業者
【余剰電力買取・系統連系促進】
再エネ事業者から余剰電力を買い取り、分散コンピューティング等に利用。再エネ事業者は、余剰電力の買取り先が確保できることで事業採算性が向上。追加的な再エネ導入の促進も期待。
③ 一般送配電事業者/配電事業者
【上げDR(デマンドレスポンス)による系統混雑緩和】
系統混雑エリアで分散コンピューティング等による需要を創出し(上げDR)、分散エネルギー取引市場を介して、一般送配電事業者や配電事業者に対し調整力を提供。エネルギー地産地消の促進によるレジリエンス向上にも貢献。
<事業スキーム概略図>
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