女性獣医師のための臨床復職プロジェクト「Revet」が始動。10/11国際ガールズ・デーに合わせ、第1期生の募集を開始
出産・育児で動物病院から離れた女性獣医師の復職を支援。慢性的な人材不足に悩む動物病院業界の活路へ

動物病院の事業承継を支援するXM&A and COMPANYおよび株式会社THE JUICY(いずれも本社:東京都世田谷区、CEO:小川篤志・獣医師)は、国連が定める国際ガールズ・デーに合わせ、女性獣医師の臨床復職を支援するプロジェクト「Revet(リヴェット)」を始動します。
このプロジェクトは、結婚・出産・育児を機に、動物病院勤務から離れざるを得なかった女性獣医師への復職支援を目的とし、慢性的な人材不足が課題となっている動物病院業界に貢献するための社会活動プロジェクトです。
開催体制
主催:XM&A and COMPANY、株式会社THE JUICY
協力企業:日本全薬工業株式会社、株式会社VETS TECH、ゾエティス・ジャパン株式会社、ロイヤルカナンジャポン合同会社、TRIPECT lab.

プロジェクト「Revet」発足の背景
人材不足に喘ぐ動物病院
動物病院業界では、近年の働き方改革に伴い、雇用すべき従業員数が増えたことを皮切りに「人材不足」が近年最大の問題の一つとなっています。
少ない人員をカバーするためには、院長が長時間勤務せざるを得ず、過労やメンタルヘルスの問題も顕在化しはじめています。
獣医学部学生の過半数が女性。「なりたい職業」でも女子では常にトップ10。動物病院は、女性が主役の時代へ
麻布大学の調査によると、獣医学部学生の男女比率は近年大きく変化しており、令和4年度には女性比率が56.8%にまで上昇しました。日本FP協会によると、小学生の「将来なりたい職業」ランキングトップ10では、女子では「獣医師」が過去10年間常にランクインするも、男子では一度しか登場していません。今後、動物病院では女性獣医師がさらに主役となっていく時代に入ります。
一方、女性獣医師の就業率は、逆スラッシュ(\)。女性医師よりも20pt低い

しかしながら、女性獣医師の就業率は、医師や女性一般の統計に比べても低い傾向があります。特に子育て世代では顕著で、30代で就業率は70%を下回り、以降一度も上昇することがありません。一般的に、出産・育児に伴い一時的に就業率が下がりながらも40代で上昇するカーブを「M字カーブ」と言いますが、獣医師の場合はそれがなく、「逆スラッシュ( \ )」で下降し続けています。
出産、育児を通じて就業から離れるも戻りづらい、という構造的な課題がありそうです。
※出典:獣医師を育成する研究教育機関としての取組(麻布大学)、日本の医師需給の実証的調査研究(厚生労働科学研究)、獣医師の需給見通しについて(農林水産省)、令和4年労働力調査(総務省統計局)
出産、育児からの休職。現場に戻りづらい理由は「不安さ」
子育て中の複数の女性獣医師にインタビューを行なったところ、復職しづらい理由には「一度臨床を離れた自分が現場に戻れるのだろうか」という不安があることがわかりました。
<出産等を経た女性獣医師が臨床に戻りづらい理由>
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最新知識のキャッチアップやスキル低下への懸念
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急な休み等で、職場に迷惑をかけるのではという不安
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以前のように、勉強に時間を割くことができるのか自信がない
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病院の営業時間と保育園の時間が合わず申し訳ない
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ブランクが許される場所ではないと感じる
やりがいを感じる仕事ではあるものの、常に命と対峙する現場(医師も同様だが、動物病院は総合診療が主流であり、多くの病院で日々命と向き合うこととなる)であるがゆえにブランクへの懸念や、働き方に関する不安が挙がります。
獣医師 Aさん(45歳、子供:14歳、11歳)
1人目の妊娠を機に退職。上の子が小学校に上がる頃に復職しようと思ったがすぐには学校になじめず計画通りにはいかなかった。近隣の動物病院に実習を申し込んだが学生でもない元臨床医の実習は受け入れてもらえずそのままブランクが開いてしまった。いまさら臨床現場に戻っても浦島太郎状態で何の役にも立たないだろうと思う。
獣医師 Bさん(40歳。子供:4歳)
結婚と夫の転勤をきっかけに退職。幼稚園も夕方まで預けることができるので臨床に復帰したいが、動物病院の午後の診療が始まる頃に帰宅させてもらうような働き方は現実的ではなく、結局動けずにいる。獣医師として働いていないことへの焦りと負い目がある。
獣医師 Cさん(43歳。子供:9歳)
妊娠を機に退職。子どもが小さい頃は子どもの体調が安定せず復職は難しかった。親になって初めて飼い主さんの気持ちが本当に理解できたと感じることが多々あり、今なら以前より飼い主さんに寄り添った診療ができるのではという気持ちもあるが、それ以上に10年近くも臨床医としてのブランクがあることが怖い。
出産・育児で臨床を離れた女性獣医師が、安心して戻れる環境整備を

動物病院経営者からは、子育て中のママだから雇用しない、という声はほとんど聞かれず、むしろ「ブランクはなんとかなるし時短勤務でもいいから、助けてほしい」という声は根強く、という声は根強く、このギャップにこそ糸口がありそうです。
人材不足が叫ばれる動物病院業界において、女性が中心となっていく時代において、女性獣医師が出産育児から戻りづらい構造的課題の解決は急務です。この一助として「Revet」を始動します。
女性獣医師復職支援プログラム「Revet」について
臨床復職のための準備を行う女性獣医師向けプログラム「Revet」では、お子様がいる元臨床医の女性獣医師10名を対象とし、5日間のプログラムを通じて臨床復帰のための学び直しの機会を提供します。今回は第1期生の募集です。

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対象者 : 女性獣医師
動物病院への臨床復帰を考え中で、お子様がいる元臨床医の女性獣医師。ご本人・お子様のご年齢は問わず、ブランクは何年あっても構いません。 -
募集期間 : 2025年10月11日〜11月9日
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お申し込みフォーム:こちら
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定員 : 10名
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プログラム日程
座学:11/15(土)、11/19(水)、12/6(土)
実習:11/25〜12/5のうち希望の日時・病院で実習(最大2日) -
受講料 : 33,000円(税込)
※講師への謝礼、会場費等の実費に充当させていただきます -
プログラム内容
動物病院実習(2日間)、よく見る病気総復習、クライアントコミュニケーション、症例検討ワークショップなど
ポイント1:最前線で活躍する講師が座学を担当
Revetの魅力の一つ目は、豪華な講師陣による講義です。各種学会やセミナーの最前線で活躍する獣医師による講義を受講できます。
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塗木貴臣(TRVA動物医療センター 院長):救急・総合医療担当
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石川勇一(犬と猫の動物診療&外科サポート 代表):総合診療担当
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溝口俊太 (ワラビー動物病院グループ 代表):予防医療担当
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田中翔(近畿動物医療センター):麻酔学担当
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井上舞(ロイヤルカナンジャポン):栄養学担当
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田舞理央(日本全薬工業):医薬品担当
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宮下めぐみ(東京都獣医師会 理事):キャリアプランニング担当
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伊藤優真(有明動物病院):医療コミュニケーション担当
ほか
ポイント2:都内近郊30病院以上から実習先を選べる。就職のご相談もOK

Revetでは、動物病院での研修プログラムを用意しています。都内有数の動物病院を中心に、本プロジェクトに賛同してくださった30以上の病院からお選びいただくことができます。
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日本動物医療センターグループ(東京都渋谷区、港区)
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小滝橋動物病院グループ(東京都新宿区、港区、目黒区、練馬区、杉並区ほか)
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ワラビー動物病院グループ(埼玉県蕨市、川口市)
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成城こばやし動物病院(東京都世田谷区)
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Pet Clinic アニホス(東京都板橋区)
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赤坂動物病院(東京都港区)
ほか
ポイント3:同期と一緒に学んで過ごせる

同じ境遇の仲間と一緒にプログラムを受講することで、復職への第一歩を踏み出しやすくなります。一人では不安なことも、みんなで話し合い、励まし合うことができるからこそ、挑戦が楽しくなります。
その他の嬉しいポイント
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VETS TECHのアーカイブ動画が視聴可
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ランチ会、お子様連れOKの懇親会など楽しみもたくさん
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お弁当は、協力企業より支給あり
プロジェクトリーダー

三宅亜希(獣医師)
1児の母。TRIPECT lab.代表。XM&A and COMPANY 所属。日本大学 卒業後、都内の動物病院で臨床経験を積む。2009年より飼い主向け電話相談サービス「アニクリ24」院長に就任。獣医師向けの講演・研修・執筆実績多数。2025年よりXM&Aのコミュニケーションオフィサーとして活躍。その他、東京都獣医師会 広報委員。
メッセージ
今、獣医師として働いていない。この状況に申し訳なさや焦燥感を抱えている女性獣医師がたくさんいます。女性獣医師の復職を妨げる要因は様々で、職場環境や家庭のサポートも当然関与していますが、「戻っていいのだろうか」という本人の葛藤も大きく影響します。彼女たちに、子育てを通じて得たものがキャリアにとってプラスになること、そのようなお母さん獣医師を求めている動物病院がたくさんあることを知ってもらい、仲間とともに自信を付けてほしいと考えています。「Revet」を通じて女性獣医師の背中を押すことが、ひいては動物病院業界のプラスになることを願っています。

XM&A and COMPANY
XM&A and COMPANYは、獣医師の獣医師による獣医師のためのM&A・事業承継支援サービスを提供しています。詳細は、当社公式ウェブサイトをご覧ください。
https://xma.vet/
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