国際マウンテンツーリズムの新たな旅路に向けて手を携え、IMTA年次総会2024が成功裏に開催

9月26日、IMTA年次総会2024が貴州省興義市で開幕しました。「包摂、相互学習、革新—新たな生産力で持続可能なマウンテンツーリズムを支える」をテーマに掲げた本会議は、業界全体から知恵と力を結集し、新時代における高品質で持続可能なマウンテンツーリズムの革新的な発展の道を探るとともに、新たな生産力を通じてこの分野を強化することに重点を置いて議論と共有が行われました。

 

時代に後押しされ、マウンテンツーリズムが新たな姿を見せる

 

「国際マウンテンツーリズム連盟（IMTA）の年次総会は、会員にとっての盛大なイベントであるだけでなく、会員とマウンテンツーリズム業界にとって重要な交流と協力のプラットフォームでもあります」と、IMTA会長ドミニク・ド・ヴィルパン氏は、イベントの開幕を告げるビデオメッセージで述べました。

 

IMTAの発展は常に時代のテーマと市場の需要に密接に結びついています。観光業の回復が加速し、「新たな生産力」というコンセプトが提案・実施される中、「包摂、相互学習、革新」の原則が、グローバルな持続可能な観光発展の核心的な推進力となっています。特に、マウンテンツーリズムは新たな成長機会を迎えており、連盟の活動に対して新たな課題と期待が生まれています。

 

ド・ヴィルパン氏は、2024年が観光業にとって回復から持続的繁栄への転換期であることを強調しました。これに伴い、マウンテンツーリズムには新たな特徴が見られます。インテリジェントツーリズムへの需要の拡大、レジャーツーリズムの顕著な特徴、そして新たなビジネス形態を生む深い統合です。未来の変革や課題に直面するためには、業界のトレンドを多角的かつ深く分析することが必要であり、それによって今後の課題により効果的に対応できると提案しました。政府、企業、各界が協力し、政策を精査し、環境を整備し、サービスを向上させることが、国際観光が直面している現状の課題を解決するために不可欠です。この取り組みは、IMTAが創設した国際的な対話の場であるIMTA年次総会、国際マウンテンツーリズムデー、アジアマウンテンツーリズム促進会議とも一致しています。

 

IMTA副会長兼事務総長である何亜非氏は、国連世界観光機関（UNWTO）のデータに基づき、2023年の世界観光収入が1.6兆ドルに達し、国際観光客数は2019年の90％まで回復したと指摘しました。新時代は、世界の観光業に新たな風景を形作っています。IMTAは、開かれた包括的な姿勢を取り、さまざまな文明と文化の相互学習と尊重を促進しています。文化、教育、科学、観光の統合を加速させることで、IMTAは引き続き革新を進め、世界のマウンテンツーリズムにおける新しいモデルの持続可能な発展を推進しています。

 

過去1年間、IMTAはマウンテンツーリズムをテーマにした活動を継続的に組織し、マウンテンツーリズムの発展機会とトレンドを探るための強固なプラットフォームを創出してきました。これらの取り組みにより、会員、政府、業界関係者間の交流と協力が促進され、広く認められる成果が得られました。

 

IMTA副会長の潘詠萍氏は、気候変動の影響が生態環境に与える影響の強化、世界的なサプライチェーンの再編、技術進歩の加速が人々の生活様式や産業構造を変化させていると述べました。その結果、持続可能なマウンテンツーリズムの発展を推進することは、経済成長の新たな原動力を発見するだけでなく、環境保護の社会的責任を果たし、文化交流を促進し、地域経済の活性化を推進することも重要になっています。IMTAは設立以来、「生態優先、グリーン発展、団結と協力、相互利益とウィンウィン」という理念を掲げ、強固な会員ネットワークと業界資源を活用して、山岳資源の革新的な活用、文化遺産の保護、地域経済の発展を積極的に推進し、世界観光業の持続可能な発展に貢献しています。

 

継続的な革新：IMTAは豊かな成果を達成

 

IMTA副会長兼常務事務総長の傅英春氏は、2024年におけるIMTAの成果を総括し、2025年の主要目標を概説しました。彼は、新たな発展環境の下で、IMTAは今年初めから専門的な強みとプラットフォームの優位性を活かし、会員や業界パートナーとの緊密な連携を図り、マウンテンツーリズムガバナンスの枠組みに統合されてきたと述べました。国際的な評判と影響力は着実に高まり、ビジネス協力の機会が拡大し、全体的な運営において新たな成果を上げました。

 

 

IMTAが創設した「統合型マウンテンツーリズム」プラットフォームシステムは、着実な成長軌道を維持しています。3つの主要なプラットフォーム、すなわち「国際マウンテンツーリズムデー」、「年次総会フォーラム」、および「アジアマウンテンツーリズム促進会議」のそれぞれが、新たな活力とダイナミズムを示しています。

 

イベントの中で、何亜非氏は「国際マウンテンツーリズムデー2025」の開催都市としてスペインのグラン・カナリアを正式に発表しました。グラン・カナリアはビーチ、快適な気候、日差し、そして自然の風景で観光客を魅了する著名な観光地です。近年、マウンテンツーリズムの台頭に伴い、この島は豊富な山岳観光のオファリングを発展させ、観光交流と協力の国際的な拠点としての地位をさらに強化しています。山と海が出会うことで、来年の「国際マウンテンツーリズムデー」には新たな興奮が加わることでしょう。

 

「国際マウンテンツーリズムデー」は、IMTAのブランド構築において顕著な成果を挙げており、2024年5月にはフランスのニース（アルプ＝マリティーム県）で開催されました。これは、同連盟が欧州で初めて開催した国際イベントであり、持続可能な発展という世界的な潮流に即し、「共に未来を築くマウンテンツーリズムコミュニティ」のテーマと響き合い、業界から大きな注目を集めました。特に「気候変動とマウンテンツーリズムへの対応」をテーマとしたフォーラムが注目され、気候変動が山岳および氷雪観光に及ぼす課題と、持続可能な観光と気候変動への対応戦略について、参加者が深い議論を交わし、先見的かつ指導的な意見と解決策を提示しました。これに基づき、フォーラムでは「気候変動に対応する山岳観光地」レポートが作成され、国際マウンテンツーリズム・アウトドアスポーツ会議の開会式で発表されました。

 

レポートの発表に際し、UNWTO（国連世界観光機関）の名誉事務総長でありIMTA理事であるフランチェスコ・フランジアリ氏は、この技術的出版物が科学的証拠と観光専門家や山岳コミュニティの実践的経験を組み合わせたものであることを強調しました。この研究を通じて、IMTAは国連の持続可能な開発目標（SDGs）2030の達成に貢献しています。

 

開会式では、「世界有数の観光名山」認定基準も発表されました。最初の14カ所の認定地には、スイスのユングフラウ、ネパールのアンナプルナ、南アフリカのテーブルマウンテン、中国の長白山などが「世界有数の観光名山」として認定されました。IMTAの専門家であり、レクリエーション・観光研究センターの主任を務める武必湖氏は、これらの世界有数の山々の認定が、山岳観光資源の保護と活用をさらに促進し、世界的な山岳観光ガバナンスシステムの構築に積極的に寄与するだろうと述べました。また、同連盟の基準と評価システムの発展が大きく前進したことも指摘されました。

 

イベントでは、新たに認定された「IMTA国際山岳ハイキングデモンストレーションルート」として、湖南省の衡山、山西省の恒山、河南省の嵩山が認定され、五岳のハイキングルートの一部として表彰されました。「国際山岳ハイキング観光ガイド」はIMTAの専門家によって編纂され、欧州ランブラー協会、フランスハイキング連盟、イタリアハイキング連盟の支援を受けました。このガイドはリリース以来、業界から高く評価され広く認知されています。このガイドに基づき、IMTAは世界中から19のハイキングルートを選定し、世界クラスのハイキング観光製品の設計と開発を促進し、ハイキング観光の高品質な発展のためのベンチマークを設定しています。

 

力を結集し、持続的な繁栄を目指して

 

イベントでは、IMTA評議会が興義市にIMTA連絡事務所を設立することを決定しました。黔西南布依族苗族自治州党委常任委員で副知事を務める銭正浩氏と、IMTA副会長兼常務事務総長の傅英春氏が共同で興義市のIMTA連絡事務所の開所式を行いました。興義市は、豊富な山岳観光資源と優れた地理的・文化的利点を有し、国際会議の開催経験も豊富です。IMTA発祥の地であるこの都市に連絡事務所が設立されることで、発展の勢いを集め、連盟の結束力を強化することが期待されます。

 

業界の知恵を結集し、マウンテンツーリズムのトレンドを科学的に把握するため、2020年にはIMTA専門家委員会が正式に設立されました。24人の専門家と学者で構成され、豊富な学術知識と業界経験を有しています。イベントでは、元世界旅行ツーリズム協議会（WTTC）会長であり、元UNWTO事務次長であるジェフリー・リップマン氏、中国交通運輸協会統合発展支部常務副会長であり、元文化観光部国際交流協力局副局長である張希竜氏、中国社会科学院観光研究センターの秘書長である金準氏、元日中平和旅行株式会社の会長である森谷隆氏、中国社会科学院観光研究センターの特別研究員である王小瑜氏、ジュネーブ大学元社会科学部長で教授のベルナール・デバービュー氏、元ペルー外貿観光副大臣であり観光文化大臣を務めたロジャース・バレンシア・エスピノサ氏、国際ノルディックウォーキング連盟（INWA）の中国代表である肖剛氏などが、IMTA専門家委員会に加わりました。彼らの貢献により、山岳観光の将来の発展に向けた知的および技術的支援が提供されるでしょう。

 

IMTAはまた、今年新たに加盟した11の会員に証明書を授与しました。これには、韓国の忠清南道観光協会、ネパールのトレッキング代理店協会、スペインのアラゴン観光局が含まれています。これにより、業界のつながりが強化され、IMTAの「国際的なファミリー」がさらに拡大しました。現在、IMTAには、国内会員118名、国際会員81名を含む合計199名の法人および個人会員がいます。

 

IMTAは設立以来、7年間の歩みを成功裏に進めており、世界の山岳観光の持続可能な発展に貢献し推進する上で、独自の役割を果たしてきました。2024年は、観光業が回復から持続的な繁栄へと移行する重要な年となります。この背景のもと、2024年の年次総会は、「包摂、相互学習、革新」の原則を通じて、高品質で持続可能な山岳観光の発展に新たな推進力を提供することを目指しています。