東京・西多摩の中小企業が、学生40名とAIで業務改善に挑んだ産学官金連携。9月19日に成果発表会、8市町村の首長と地域金融機関5団体が審査

AIに仕事を奪われると言われる世代が、使う側に回った。22の大学・専門学校から文系・理系を問わず、18チームが17業種61の課題に取り組んだ

青梅法人会

公益社団法人青梅法人会(所在地:東京都青梅市河辺町5丁目14-2、会長:菊池一夫、以下「青梅法人会」)は、創立75周年記念事業「省人化・省力化チャレンジプロジェクト」の成果発表会を、2026年9月19日(土)にプリモホールゆとろぎ(東京都羽村市)で開催します。22の大学・専門学校から集まった学生40名・18チームが、西多摩地域の企業・団体が寄せた17業種61の業務課題のなかから選んだテーマにAIで取り組み、当日はそのうち17チームが成果を発表します。審査は西多摩8市町村の首長と地域金融機関の理事長らが務め、AIの高度さではなく、地域の企業が同じ方法で省人化・省力化に取り組めるかという再現性と、地域・社会への意義を重視します。

17業種61課題から、22校の学生40名・18チームが取り組んでいる

省人化・省力化チャレンジプロジェクトは、西多摩地域の中小企業が抱える業務課題に対し、学生がAIを活用して解決に取り組む産学官金連携のPBL(課題解決型学習)です。企業、大学・専門学校、自治体、地域金融機関の4者が参画しています。人手をかけずに回る仕組みをつくること(省人化)と、一つひとつの作業にかかる手間を軽くすること(省力化)の二つを実践します。大規模なシステム導入ではなく、身近な業務の困りごとを一つ選んで小さく試し、改善を重ねる「小さなDX」として進めます。

プロジェクト全体では18組のチャレンジチームが動いています。内訳は、5月に始まったスプリング・セッションが7組、8月に始まったサマー・セッションが11組です。参加校は22の大学・専門学校にわたり、文系・理系を問わず参加しています。受け入れる企業・団体の業種は、布地印刷・加工業、食品製造販売業、ガス供給・販売業、建設業、社会福祉サービス、農業協同組合、観光振興団体、行政機関などです。

企業の現場に入り込み、課題の整理から成果物の制作までを担うこの動き方は、海外でフォワードデプロイドエンジニア(FDE、Forward Deployed Engineer)と呼ばれる職種の働き方に重なります。学生は学内の演習ではなく、事業所の業務そのものに関与しています。

青梅法人会は、全国440の法人会組織のなかでも例の少ない産学官金連携によるDX支援として本事業を実施し、成果を会員企業約2,600社に還元することを目指しています。

現場で起きていること

建設会社の社長の目の前で、数時間かかっていた作業をAIが数分で片づけた。

奥多摩町に本社を置く佐久間建設株式会社が学生に依頼したのは、東京都の電子調達システムに公表される公共工事の発注情報を、自動で収集して通知する仕組みです。担当する学生は、企業との打ち合わせの場でAIを実際に動かして見せました。これまで数時間を要していた作業が、その場で数分のうちに片づきました。社長はその様子を目の前で見ていました。

わさび加工メーカーの海外向け広報発信を、文学部1年の学生がAIエージェントを使って担当する。

青梅市でわさびの加工を手がけるカネク株式会社は、アジアとオーストラリアを中心に海外展開を検討しているものの、海外向けのマーケティングはほとんど手つかずで、取引先に示せる発信の手段がない状況にありました。担当するのは文学部哲学科1年の学生です。生成AIを使ったアプリやWebサイトの制作を重ねてきた経験と語学力を活かし、AIエージェントを使ってSNS投稿の企画づくりと海外向けの広報発信に取り組みます。

生成AIに接続できないJAの会議録を、学生2名がデータ化する。

JA西東京農業協同組合は金融事業を担うため、組合のネットワークは生成AIのサービスや動画サイトに接続できないなど、外部との通信が厳しく制限されています。担当する2名の学生は、この制約のなかで会議録の作成をデータで効率化することに取り組みます。接続制限のなかで目的に合う手段を選ぶ取組は、金融機関や行政機関など、同じ制約を抱える組織にも参考になります。

経営者が自作して行き詰まったシステムを、データサイエンス専攻の学生3名が引き継ぐ。

奥多摩町で弁当惣菜専門店と配達弁当工場、ケータリング事業を展開する株式会社くら蔵では、社長が生成AIを使って管理システムの試作版を自力で制作していました。ただし、試作から先へは進まず、そこで手が止まっていました。

ビジネスデータサイエンスを専攻する学生3名が、この試作を引き継ぎました。現金出納帳の数字管理を一元化し、損益まで自動集計する仕組みを目指します。

西多摩8市町村の観光情報を、留学生3名が多言語で発信する。

 西多摩地域の8市町村で構成される西多摩地域広域行政圏協議会は、公式サイトとInstagramで観光情報を発信していますが、海外からのアクセスが年々減っています。専門学校に在籍する留学生3名が、届けたい国をAIで見きわめ、多言語の記事で発信することに取り組みます。同じ協議会の課題には、別の4名が国内向けの記事拡充で並行して取り組んでいます。

受け入れた企業の声

佐久間建設株式会社(建設業)

担当の学生(末松さん)がAIを動かして見せたその日のうちに、佐久間社長はプロジェクトのコミュニティチャットへこう書き込んでいます。

「末松さんよりご説明いただいた、AIに関する諸々のことにただただ驚くばかりでした。そして、未だに震えております。」

あわせて、依頼した課題以外の業務にもAIで解決できるものがあると述べており、話は社内の他の業務へ広がっています。

株式会社くら蔵(弁当製造・ケータリング業)

「かなり前からこういうアプリを作りたいと思っていて、友人のプログラマーなどに相談していました。しかし予算の問題などで断念してきました。」

費用の面で一度は断念した仕組みを、ビジネスデータサイエンスを専攻する学生が引き継ぎ、現場で使える形に仕上げます。

株式会社タマプリント(デザイン・印刷業)

30〜40代の経営者に向けた広報誌のデザイン案を学生が提出し、社内で検討したうえでこう伝えています。

「関係者一同、期待以上の成果が得られとても喜んでいます。」

参加した学生の声

就職活動をする学生のあいだでは、AIに仕事や役割を奪われることを指す「ギュられる」という言葉が広まっています(※1)。このプロジェクトに参加した学生は、AIに仕事を奪われる側ではなく、企業の現場にAIを持ち込む側に立っています。

橋田 琳太朗(上智大学 文学部哲学科・1年/担当:カネク株式会社)

「大学では、AI時代にこれから人に残るものは何かを、古代ギリシャに立ち戻って考えたいと思い、哲学を学んでいます。企業の皆様と、本質的な課題を解決できればと思います。」

清水 結芽(立正大学 地球環境科学部 環境システム学科・3年/担当:一般社団法人 青梅市観光協会)

「授業では主にPythonとUbuntuを使ってプログラミングを学んでいます。チームで唯一の青梅市在住なので、課題を解決しながら青梅の魅力を伝えられたらと思っています。」

松永 崇我(バンタンクリエイターアカデミー クリエーターコース・2年次/担当:株式会社桝屋)

「AIを本格的に扱うのは今回が初めてですが、企画の壁打ちや編集に使った経験はあります。新しい知識を学びながら、企業の皆様と一緒に課題を解決していけたらと思います。」

鈴木 涼斗(中央大学 法学部 政治学科・2年/担当:西多摩地域広域行政圏協議会)

「議員事務所のインターンで、広報用の動画やインフォグラフの作成に対話型AIを使ってきました。その経験を、記事の読みやすさを高める作り方に応用したいと考えています。」

中島 智哉(電気通信大学 I類・3年/担当:株式会社ホッタ晴信堂薬局)

「販売実績データをもとに、取り扱い停止の推奨と欠品対策を提示する在庫管理支援システムの試作を終えました。これから企業への導入と効果検証を行い、実際の運用データにもとづいて評価を報告したいと考えています。」

9月19日、成果発表会を開催する

スプリング・セッションとサマー・セッションのチャレンジチームが一堂に会し、17チームが活動の成果を発表します。

日  時:2026年9月19日(土)13:00〜16:00

会  場:プリモホールゆとろぎ(羽村市生涯学習センター)東京都羽村市緑ヶ丘1-11-5

交  通:JR青梅線「羽村駅」東口から徒歩8分

審 査 員:青梅法人会 会長、西多摩地域8市町村の首長、協賛する地域金融機関5団体の理事長・役員、青梅IT事業者協同組合(計15名・下記)

表  彰:最優秀賞、優秀賞、テクニカル賞、アイデア賞、努力賞、チャレンジ賞(AI研究活動補助金として総額75万円)

審査員(15名)

青梅法人会 会長 菊池  一夫

日の出町長 東 亨

青梅IT事業者協同組合 山脇 弘成

檜原村長 吉村 昴二

青梅市長 大勢待 利明

青梅信用金庫 理事長 平岡 治房

福生市長 加藤 育男

西武信用金庫 事業支援部長 小西 睦人

羽村市長 橋本 弘山

多摩信用金庫 理事長 金井  雅彦

あきる野市長 臼井 建

飯能信用金庫 常務理事 金山 範夫

奥多摩町長 師岡 伸公

西東京農業協同組合 代表理事組合長 松永 重徳

瑞穂町長 山﨑 栄

プロジェクト概要

プロジェクト名:青梅法人会 創立75周年記念事業『省人化・省力化チャレンジプロジェクト』

主  催:公益社団法人 青梅法人会

規  模:17業種61課題・参加校22校・学生40名・18チーム(スプリング7、サマー11)

実践期間:スプリング・セッション(5月〜6月)、サマー・セッション(8月〜9月)

成果発表会:2026年9月19日(土)プリモホールゆとろぎ(東京都羽村市)

後  援:東京都、青梅市、福生市、羽村市、あきる野市、奥多摩町、瑞穂町、日の出町、檜原村

協  賛:青梅信用金庫、西武信用金庫、多摩信用金庫、飯能信用金庫、西東京農業協同組合

技術協力:青梅IT事業者協同組合、株式会社MARKK

協  力:文部科学省・経済産業省共同事業 JET-ALL、株式会社ワークアカデミー、株式会社キャンパスクリエイト

特設サイト:https://www.ome-hojinkai.or.jp/challenge/

各チームの活動記録

チームごとの取り組みは、特設サイトの活動レポートで公開しています。企業訪問の様子、課題の決まり方、成果物ができるまでの過程を掲載しています。

活動レポート#01:企業の現場へ。スプリング・セッション、始動。

活動レポート#02:課題のヒアリングから、動くものへ。スプリング・セッション、7チームの現在地。

活動レポート#03:企業や団体、自治体の現場へ。サマー・セッション、始動。


出典

※1 「ギュられる」はシンギュラリティの「ギュ」に受け身の「られる」を付けた語。ITmedia「AI『ギュ』時代 プログラミングも文系就活も“ギュられる”って本当?」(2026年4月27日)。語の背景と学生の意識調査は、当プロジェクトのコラム「『ギュられる』とは何か」で解説しています。

https://www.ome-hojinkai.or.jp/challenge/column/gyurareru-toha/

本件に関するお問い合わせ

成果発表会(9月19日)当日の取材・撮影、および発表会に先立つ企業の現場での取材を受け付けています。詳細は下記の運営事務局までお問い合わせください。

公益社団法人 青梅法人会 省人化・省力化チャレンジプロジェクト 運営事務局

担当:小町、斎藤

TEL:0428-24-8863

MAIL:dxpj2026@ome-hojinkai.or.jp

特設サイト:https://www.ome-hojinkai.or.jp/challenge/

省人化・省人化チャレンジプロジェクトキービジュアル
コンセプトはAI×DX×PBL、産官学金連携プロジェクト
企業の課題とAIスキルを持つ学生をマッチング
東京の西部、西多摩最大の経済団体「公益社団法人 青梅法人会」

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会社概要

公益社団法人青梅法人会

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業種
財団法人・社団法人・宗教法人
本社所在地
東京都青梅市河辺町5-14-2
電話番号
0428-24-8863
代表者名
菊池一夫
上場
未上場
資本金
-
設立
2012年04月