医療用ラジオアイソトープ製造を目指し独自の超伝導加速器を開発する株式会社NovAccelが、シードラウンドで2億円の資金調達を実施
超伝導電子加速器「RiSA」の加速空洞の成膜性能試験に着手

株式会社NovAccel(本社:茨城県つくば市花畑3-20-5 D102、代表取締役:織田 聡)は、医療用ラジオアイソトープ(RI)の製造を目的とした超伝導電子加速器「RiSA」の開発を加速させるため、シードラウンドにおいて総額2億円の資金調達を実施したことをお知らせいたします。
本ラウンドで調達した資金により、RiSAの心臓部分にあたる加速空洞の成膜性能試験の実行が可能となりました。
■ RiSAとは
RiSA(Radio-isotope production Superconducting Accelerator)は、株式会社NovAccelが独自に開発を進める小型超伝導電子加速器であり、医療用RIの製造専用に設計されています。特に、現在注目を集める放射性治療用同位元素アクチニウム225(Ac-225)の製造を目指しています。Ac-225は、がん治療において高い治療効果が期待されており、次世代の標的型放射線治療(TAT: Targeted Alpha Therapy)の中核を担う重要な元素とされています。
■ RiSAの特長
・RiSAは、加速勾配(加速能力)やエミッタンス(ビーム品質)といった汎用加速器の性能を追求せず、RI製造に必要な小型化と安定運転を重視した専用設計となっています。この設計により、安価で省電力、さらに容易に増設可能な加速器が実現可能です。
・4K冷却技術と2.6GHz空洞技術の採用により、画期的な小型化を目指した設計を行っています。
■ 今回の資金調達の目的
今回調達した2億円は、RiSAのコア技術である加速空洞の成膜性能試験に活用します。本試験は2025年5月頃から実施予定で、これによりRiSAの実用化に向けた重要なステップが進展します。
■加速空洞の成膜性能試験とは
加速空洞は内部の電場により荷電粒子を加速する空洞です。超伝導加速器では消費電力を低く抑えるため、この加速空洞をNbで製造し極低温に冷却し超伝導状態を維持する必要があります。RiSAではその加速空洞の内面にNb3Sn膜を形成し、小型冷凍器の温度域においても加速性能を得る設計をしています。 加速空洞の成膜性能試験では、この加速空洞の加速性能を評価する試験となり、超伝導加速器の性能を決定づける重要な試験となります。
■ 株式会社NovAccelについて
株式会社NovAccelは、最先端の超伝導加速技術を活用し、医療用RIの安定供給を目指すディープテック企業です。独自の技術力を活かし、がん治療をはじめとする医療分野における革新を推進してまいります。
【会社概要】
会社名:株式会社NovAccel
所在地:茨城県つくば市花畑3-20-5 D102
代表者:織田 聡
設立:2024年6月
事業内容:医療用超伝導加速器の研究・開発
【本件に関するお問い合わせ】
株式会社NovAccel 広報担当 下記フォームからお問い合わせください
https://novaccel.jp/contact
すべての画像