AIエージェントの日米比較調査を発表。日本のSaaSは高品質な日本語対応の一方で、価格と機能の多様性に課題か 〜AIエージェントの導入サポートの「Agentools」が最新動向を分析〜
中小企業向けAI活用をサポートする「Agentools(エージェントゥールズ)」(運営:グロース合同会社)は、議事録作成など主要カテゴリーのAIエージェントの日米比較調査を実施いたしました。
■調査結果のサマリー
品質面: 日本のサービスは日本語の文字起こし精度など、国内のニーズに特化した機能で高い品質を示しました。一方、海外サービスは最新AI(LLM)との連携が進んでおり、要約やアクション抽出といった応用機能の豊富さで先行している傾向が見られました。
価格面: カスタマーサポートやMAツールなどの分野で、日本のサービスは初期費用や月額料金が高価格帯に集中する傾向がありました。海外では、高機能なものから手頃な価格帯まで多様な選択肢が存在します。
全体傾向: 日本のAIエージェント市場は、日本語への最適化を強みとする反面、機能の網羅性や価格競争力の面で改善の余地があることが示唆されました。現時点では、機能性とコストパフォーマンスを両立する海外サービスが、多くの場面で有力な選択肢となり得ると考えられます。
■各分野における日米比較の詳細
1. 議事録作成AI 海外の主要サービス(Otter.ai, Fireflies.aiなど)は、高精度な文字起こしに加え、決定事項のリスト化やアクションアイテムの自動抽出といった機能が充実しています。一方、日本のサービス(AIGIJIROKU, Nottaなど)は、日本語の文字起こし精度では優位性があるものの、応用機能の実用化はこれからの段階です。そのため、多くのユーザーがツールで文字起こしをした後、ChatGPTなどで議事録を成形する二手間をかけている現状があります。
2. ライティングAI 日本の草分け的サービスはポイント制が多く、生成できる文章量に限りがある場合があります。対して海外の有力サービス(Jasper, Copy.aiなど)は、多言語に対応し、文字数無制限のプランを手頃な価格から提供しており、コストパフォーマンスの高さが際立ちます。
3. スケジュール調整AI 海外では「Calendly」がデファクトスタンダードとして広く利用されており、グローバルなビジネスシーンでは必須ツールとなっています。日本国内では「TimeRex」などが普及していますが、海外との連携を考慮するとCalendlyに軍配が上がります。
4. SNS運用AI この分野では海外製ツールが市場を席巻しています。高機能で知られる「Hootsuite」や「Sprout Social」は高価格帯ですが、近年は「Statusbrew」や「Buffer」といった、日本語にも対応しつつ価格を抑えたツールが人気を集めています。
5. マーケティングオートメーション(MA)AI 海外では「Salesforce」や「HubSpot」、「Zoho」が企業の規模やニーズに応じて広く普及しており、月額数千円から利用可能です。日本の主要サービスは高機能ですが、価格帯が高く、機能面でも海外ツールで代替可能と考えられるケースが多く見られます。
6. カスタマーサポートAI 海外では「Intercom」や「Zendesk」に加え、AIを前面に押し出した新興企業「Sierra」などが登場しています。多くの海外サービスが月額数千円から利用できるのに対し、日本のサービスは初期費用が高額になる傾向があります。ただし、「ChatPlus」や「KARAKURI」など、プランによっては低価格で導入できるサービスも存在します。
7. 人事関連AI 海外の「Workday」や「Oracle」が提供するサービスは、従業員一人当たりの価格体系が明確です。日本のサービスも単体では高額ではありませんが、付随機能を追加していくと結果的にコストが嵩む価格設定が目立ちます。国を跨いだ給与支払いを効率化する「Deel」のような、グローバル対応ツールも注目されています。
8. デザインAI 手軽にデザインを始められる海外の「Canva」や「Gamma」が広く評価されています。一方、日本ではWeb制作と連携した「STUDIO」が独自のポジションを築き、定額制で提供されていることから国内で高い人気を誇ります。この分野では、日本のサービスが独自の強みで健闘しています。
9. Web制作AI 海外では「Wix」が広く普及しているほか、WordPressサイトを自動生成する「10Web」や、コーディング不要でLPを制作できる「Durable」など、新しいサービスが次々と登場しています。日本のサービスも高品質ですが、海外の最新トレンドと比較すると、機能面でのアップデートが期待されます。
10. SEO対策AI ライティングツールがSEO機能を兼ね備えていることが多く、オールインワンで利用できるのが強みです。日本の専門ツールは高機能ですが、初期コストが高く、導入のハードルが高い傾向があります。
■総括・今後の展望
今回の調査から、日本のAIエージェントは、日本語処理能力や国内の商習慣への適合という点で独自の価値を持つ一方、グローバル市場では標準となりつつある最新AI(LLM)との連携や、機能の網羅性、価格競争力の面で改善の余地があることが示唆されました。
今後、日本のサービスがこれらの課題を克服し、独自の強みをさらに伸ばしていくことで、国内市場における利用がさらに拡大していくと期待されます。
■Agentoolsについて
Agentoolsは、中小企業のAI活用をサポートしています。個々のニーズに最適なAI SAASをレコメンドするなど、少ない投資で生成AI活用ができるようにするサポートサービスです。AgentoolsはこのようなAIエージェントの調査をノウハウとして、顧客の生成AI導入に貢献します。
https://agentools.io/landing-page-0620/

■運営会社概要
会社名: グロース合同会社
所在地: 福岡県福岡市中央区小笹5-10-11
代表者: 代表社員 村田信一
設立: 2024年7月
事業内容: 投資事業、新規事業開発支援、コンサルティング
URL: https://growthllc.carrd.co/
■開発会社概要
会社名: Devnagri AI Pvt. Ltd.
所在地: Plot No. 1, Tower-Bgr, Third, Film City, Sector 16A, Noida, Uttar Pradesh 201301
代表者: Nakul Kundra, Himanshu Sharma
設立: 2021年 事業内容: AIプラットフォーム開発・提供、AIコンサルティング
■本件に関するお問い合わせ先
企業名: アイベリー株式会社 (Agentools広報担当)
担当者名: 村田大
Email: dai.murata@aiberry.co.jp
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