文化財の古畳を再び文化財へ 「畳REBIRTH」が2026年度グッドデザイン賞を受賞
「守る文化財から、関わる文化財へ。」地域資源の循環を通じて、文化財の新たな価値を創造
一般社団法人SAMURAI REBIRTH(代表理事:立花健太郎)が推進する文化財資源循環プロジェクト「畳REBIRTH」が、2026年度グッドデザイン賞(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)を受賞しました。

畳REBIRTHは、文化財の維持・保存に伴い生じる古畳や落葉などの文化財廃材を資源循環させ、再び文化財へと還す取り組みです。
さらに、その循環に地域の生産者や企業、生活者が関わることで、文化財を単に「守る対象」から、多様な人々が主体的に「関わる存在」へと転換していく、新たな文化財継承のあり方を提示しています。
今回の受賞を契機に、寺社仏閣や他地域への展開を通じて、「関わる文化財」という新たな文化財継承のモデルを広げてまいります。
※私たちが取り組む文化財の対象は、歴史的建造物や日本庭園です。
文化財は誰が守るのか。― 畳REBIRTH誕生の背景

本件は、福岡県柳川市にある「柳川藩主立花邸 御花」を舞台にしたプロジェクトです。
※当該施設は、旧柳川藩主立花家の邸宅と庭園で、7,000坪の敷地全体が国指定名勝「立花氏庭園」に指定されています。
歴史ある建築や庭園を未来へ継承するためには、修復工事だけでなく、日々の維持管理が欠かせません。
しかし、民間所有の文化財では、日常の維持管理にかかる費用負担や担い手不足など、継承に向けた多くの課題を抱えています。
また、文化財に関心を持つ人々が、その保全や活用に主体的に関わる機会は必ずしも多くありません。
「文化財は誰が守るのか。」
文化財を所有者だけが守り続けるのではなく、地域社会の資産として、多様な人々が関わりながら次世代へつなぐことはできないか。
その問いを出発点として生まれたのが、畳REBIRTHです。
資源の循環と、人の関わりの循環をデザイン

畳REBIRTHでは、文化財の維持管理に伴って生じる使用済みの古畳や庭園の落葉を主な資源として活用します。
古畳や落葉などを混ぜ合わせ堆肥化し、その堆肥を使って地域の生産者がい草を栽培。収穫されたい草から新たな畳を製作し、再び文化財へと還します。
これは単なる廃材の再利用ではありません。
資源を循環させる過程に、生産者や企業、生活者など、多様な人々が参加する機会を生み出すことを重視しています。
その一つが、畳のオーナー制度「Joshu(畳主)」です。
文化財に敷設する畳のオーナーとなることで、文化財の保全と継承を資金面から支えるとともに、文化財との継続的な関わりを育む仕組みです。
こうした関わりを通じて、文化財を自分たちの未来につながる存在として捉える『文化財のジブンゴト化』を目指しています。
資源が循環し、人が関わり、その関わりが新たな共感を生み出す。
畳REBIRTHは、文化財の保全と持続可能性を両立させるための、新しい循環のあり方を提案しています。
取り組みの成果 ― 文化財から生まれた循環が、再び文化財へ
2023年10月から2026年1月までの取り組みを通じて、以下の成果が生まれています。
<資源循環実装の取り組みと成果>
・古畳30枚/落葉1,400Lなどの廃材利用
文化財で使用されていた古畳を新たな資源として活用
・堆肥約800Lを生成
庭園の落葉、もみ殻、米ぬか、鶏糞、赤土などを配合
・い草栽培面積約900㎡
熊本県八代市のい草生産者(エコファーマー)と連携
・再生畳80枚を製造敷設
柳川藩主立花邸 御花の大広間(100畳間)へ敷設
・Joshu「畳オーナー」申込80名
全国各地から文化財継承への参加が広がる

2026年1月には、再生された畳80枚が御花の大広間に敷設され、文化財を起点とした資源循環が、一つの形となりました。
また、資金面から取り組みを支えるJoshuだけでなく、生産者や福祉関係者、学生など、実践を担う多様な人々との関わりも生まれています。
2026年度グッドデザイン賞 審査委員による評価
今回の受賞では、資源循環の仕組みに加えて、文化財と地域社会との新たな関係性を生み出す取り組みが評価されました。
<グッドデザイン賞審査委員による評価コメント>
文化財を守り継ぐ難しさと、資源循環、地域との関係を一つの問いとして捉え、廃畳を堆肥、い草、新たな畳へと循環させ、「畳主」という参加の仕組みまで実現した。評価したいのは、その独創性とともに、文化財を地域に開かれた生きた資産として捉え、試行錯誤しながら実践を重ねる姿勢である。地域と文化に対して自らがどうあるべきかを問い続け、その知見を他地域へも開こうとする。時代に応じて人と文化財の関係を更新しながら、次代へと継承していく、力強く示唆に富む実践である。
<受賞概要>
受賞対象名:畳REBIRTH
受賞対象の概要:文化財廃材を活用した資源循環型デザイン
英語名称:Circular Design Using Cultural Heritage Materials
主催:公益財団法人日本デザイン振興会
グッドデザイン賞公式サイト:https://www.g-mark.org/
<GOOD DESIGN EXHIBITION 2026 開催>
2026 年 10 ⽉ 31 ⽇(⼟)〜11 ⽉ 4 ⽇(⽔)の間、東京ミッドタウンにおいて開催される「2026 年度グッドデザイン賞」の全受賞対象を紹介するイベント「GOOD DESIGN EXHIBITION 2026」にて本プロジェクトの概要を展⽰いたします。
守る文化財から、関わる文化財へ。― 今後の展開
畳REBIRTHが目指しているのは、文化財を単に保存するだけでなく、多様な人々が主体的に関わり、新たな価値を生み出しながら次世代へ継承していく仕組みです。
今後は、柳川藩主立花邸 御花での実践を起点に、寺社仏閣や他地域への展開、再生畳の活用機会の拡大を図るとともに、地域や企業との連携を深め、文化財や資源循環をテーマとした教育・体験プログラムの充実にも取り組んでまいります。
さらに、実践を通じて得られた知見を活かし、文化財の持続可能な継承に向けた調査研究や社会への提言にも活動領域を広げてまいります。
文化財を所有者だけが守るのではなく、多様な人々が関わり、共に未来へつないでいく。
そのような「関わる文化財」のモデルを、地域から社会へと広げてまいります。
Joshu(畳オーナー制度)について
畳REBIRTHでは、文化財の保全と継承を共に支える仲間として、畳オーナー「Joshu(畳主)」を募集しています。
ご好評につき、新たに畳の提供枠を設けました。
文化財の未来を、共につくる一員として。
この取り組みにご関心のある皆様のご参加をお待ちしております。
Joshuの詳細・お申し込みはこちら

・名入り畳
畳の裏面にシリアルナンバーを刻印。ご自身のお名前・メッセー
ジを記載可能。文化財の一部を所有する誇りを体感。
・Joshu認定書
Joshu認定書を発行し、正式な畳オーナーとしての証をご提供。
・入館無料パス
無料パスカードを発行(4名様までご同伴可)。御花の大広間を
ご自身の目で確かめ、歴史と伝統を体感できます。
※入館無料パスは2030年12月31日まで有効
下記素材は、2026年1月、再生畳が敷設された当時の模様です。

Joshu第一号
記念に大広間で対談を行いました

再生畳
目の詰まったハリツヤのある畳に仕上がりました

畳の感触
トレースタグを読み込むと生産者情報に行き着く仕掛け

畳格納式典
Joshuと関係者が集まり式典を開催しました
一般社団法人SAMURAI REBIRTHについて
文化財を起点に、地域資源の循環と多様な人々の参加を通じて、新たな文化財継承のあり方を模索する団体です。
「畳REBIRTH」をはじめ、文化財を地域社会に開かれた資産として未来へつないでいく取り組みを推進しています。
<本件に関するお問い合わせ>

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