医療業界におけるRPA活用の実績について検証 570床の病院内で、診療ネットワーク環境へのRPA導入により年間約2,453時間の業務時間削減 368万円の費用対効果により、さらなる導入&効果拡大へ期待
~医療現場の労働環境改善を促進する“ダブル・タスク・シフティング”の発展に向けて~
RPAで医療従事者の負担軽減、働き方改革の推進と、勤務環境の改善、医療の安全・質の向上を図る、一般社団法人メディカルRPA協会(代表:石黒直樹、以下:メディカルRPA協会)では、医師・看護師を含む医療従事者の、過重労働の現状を解決すべく導入したRPAの効果を検証するために、2018年からRPA導入の取り組みを開始している東京歯科大学市川総合病院へ「医療機関におけるRPA活用に関する実績検証」を行い、年間で約2,453時間の業務時間削減、及び約368万円の費用対効果見込み※という結果が出たことを発表いたします。
※メディカルRPA協会調べ
コロナ禍における医療現場の実態
コロナ患者による病床の逼迫 、感染を恐れて受診を控える患者の増加による減収、予定入院・予定手術の延期、また医療従事者の減少、希望する人材不足等、今年5月に緊急事態宣言が解除されたあとも影響は大きく、病院や医療現場における問題が表面化してきており、医療従事者一人あたりの業務量が劇的に増加しています。
また、2020年5月に実施された全国の病院(4,332病院)を対象としたメール調査※によると、病院の外来患者・入院患者共に大幅に減少しており、特に新型コロナウイルス感染患者の入院を受入れた病院では、経営状況の悪化は深刻でした。また、病棟閉鎖せざるをえなかった病院の悪化傾向は顕著で、これらの病院への緊急的な助成がなければ、今後の新型コロナウイルス感染症への適切な対応は不可能となり、地域での医療崩壊が強く危惧されます。
※(一社)日本病院会 2020年5月:新型コロナウイルス感染拡大による病院経営状況緊急調査(最終報告)
そういった背景を受けて、医療現場の労働環境改善、及び医療の質を向上させるために、ITテクノロジーの活用が急務となっています。
その中でも、RPA(Robotic Process Automation)というデジタルレイバー(ソフトウェア型ロボット)にタスクをシフトする動き「ダブル・タスク・シフティング」によって、自動化可能な業務はRPAに移行し、人にしかできない医療行為等の業務に費やす時間を増やす動きが出てきています。「ダブル・タスク・シフティング」によって、事務部門にRPAを導入して効率化・省力化を図り、その上で医師が担っている書類作成といった作業を事務部門に移管することで、医療現場の労働環境改善を目指し、医師が医療行為に従事できる体制を構築できるといった効果を見込んでいます。
課題解決のためにRPAを導入している
ここ数年、医療現場・病院経営には多くのITテクノロジーが導入されており、医療技術は飛躍的に上がり、誤診の減少や受診時間の短縮など、病院側にも患者側にも大きなメリットを与えています。その中で、ここ数年多様な企業間で導入が加速しているRPAに、病院も注目をしています。
RPAは、業務を代行・自動化するソフトウェア型ロボット(デジタルレイバー)で、カルテの確認、CT検査を受けた患者の検査結果の自動確認といった診療の領域に加え、院内における関係書類の作成や印刷などの事務処理といった領域をフォローできることでも期待されており、新型コロナウイルスの第二波・第三波が来る前に、RPAを活用した業務効率化を希望する病院が増えてきています。
医療現場へのRPAの導入は、まだ序章であり、検証段階の導入事例も多くありますが、今後は事務作業などの単純作業に留まらず、AIなどと連携し、診療の現場でも活躍するRPAが増えていくことで、今以上の労働環境改善と、更なる経済効果が期待されています。
【東京歯科大学市川総合病院 実績】
■導入概要
東京歯科大学市川総合病院では、人力だけの継続実現が難しかった領域に踏み込むべく、新たな医療の質と安全の向上を目的として、早い段階からITテクノロジーを医療の現場に導入し、業務の効率化と医療の質向上を図っています。2018年11月よりRPA(BizRobo!)との連携を実施し、看護日誌の統計や入退院患者の管理、また院外処方箋の受付作業など、これまでは現場の人間が毎日ルーティン的に行っていた業務をRPAに代替させることで、従来かなりの時間を割いて対応していた業務の削減に成功するとともに、見落し確認のストレスから解放され、“やるべき医療”に注力することが可能になりました。
RPAの特徴として、指定したルールに則り、一定のテンポで休むこと無く稼働することが挙げられます。このことにより、人間が作業するうえで避けることの難しい「感情の波・効率の波・速度の波」を排除することができ、さらに業務の効率をあげ、労働時間を削減することが可能になります。
(例)前日入院患者の帳票印刷 (例)退院患者アセスメントシートチェック
(例)RPAの一日の稼働スケジュール
■導入の効果
医療情報システムから放射線科に至るまで、院内では現在、全9ロボットが稼働しており、年間の業務削減時間は合計で約2,453時間という結果となりました。また、各業務を医療事務員の平均時給に換算した場合、削減時間で計算すると、約368万円の費用対効果があることもわかっています。
今後は、部署間でのRPA連携や、診療場面での運用による医療の質向上、また病院間での連携も検討されており、さらなる経済効果の拡大が見込まれています。
事務職員の業務RPA に任せ、医師事務補助の範囲を拡大することで、すべての医療従事者を支援するだけでなく、 医師の見落とし等による医療ミスを防ぎ、医師の働き方改革に貢献しています 。今後は医師等診療部門、看護部門およびコメディカル部門などの部門を「RPA」を通じて蜜に連携し “チーム医療”を実現 させていくことで、医療の質と安全の向上を目指します 。
また、病院および医療の安全性が確保されることで、新型コロナウイルスの感染を恐れて受診を控える患者を病院へ呼び戻し、逼迫する病院経営を救う助け舟になることが期待されています。
■運用に向けて調整進行中のロボット
患者カルテのスキャン登録
【概要】
患者カルテのスキャンのみを事前に済ませ、OCR(光学文字認識)で患者カルテ上のバーコードをスキャンし読み込んだ情報を、RPAが患者ID照合しながら電子カルテに登録するシステムを構築中です。
(カルテ情報:①患者ID②入外区分③診療科④入院の場合は病棟⑤文書種別⑥書類枚数⑦回転角度)
【期待される効果】
通常のオペレーションでは、患者のカルテを開く→スキャン→登録を繰り返すのですが、スキャンのみを事前に済ませ、残りのオペレーションをRPA(+OCR)に任せることで、複数の患者のスキャンデータを自動で振り分けながら登録することができ、作業時間が大幅に短縮されます。
■東京歯科大学市川総合病院 医療情報システム管理課 課長 西河知也氏
医療現場において、「忘れやすい」、「間違いやすい」がために今まで踏み込んで継続できなかった業務をRPAに任せることで、RPAが行ってくれたアウトプットを確認する業務からスタートできるようになりました。
現状のRPAの稼働は、1人分のパート労働に相当しますが、今後の展望のロボットが運用できれば、RPAのランニングコスト以上の導入効果が出ると考えています。
■一般社団法人メディカルRPA協会 理事 村山 典久氏
今回、東京歯科大学市川総合病院様の事例は、入院患者シート印刷、診療情報管理士向けアセスメントチェック等、どこの病院でも必ず行う業務です。9つのロボットの運用で既に2,453時間の業務効率化を体現され、今後とも着実に成果を出していかれるものと拝察致します。
今、私が担当させて頂いている医療機関では、事務職員の皆様に加え、医師、看護師、リハビリ、薬剤師等多職種の方々から140を超えるロボットのアイデアを頂いております。昨今、医療従事者の働き方改革が求められる中、RPAはその救世主になるのではないかと期待しております。
今後とも、メディカルRPA協会を軸に、医療機関がワンチームとなり共通ロボを共有しながら、効率的なRPAの推進に尽力して参ります。
【事業体概要】
■一般社団法人メディカルRPA協会について(https://rpa-medical.com)
・名称 : 一般社団法人メディカルRPA協会
・設立 : 2019年9月6日
・代表者: 理事長 石黒直樹 (愛知県医療療育総合センター総長)
・所在地: 〒105-6390 東京都港区虎ノ門1-23-1 虎ノ門ヒルズ 森タワー8F
■学校法人 東京歯科大学 市川総合病院について(http://www.tdc.ac.jp/hospital/igh/)
・所在地: 千葉県市川市菅野5-11-13
・病院長: 西田 次郎
・病床数: 一般570床、歯科診療台数22台
・診療科: 内科、呼吸器内科、循環器内科、消化器内科、腎臓内科、神経内科、外科、呼吸器外科、
心臓血管外科、消化器外科、整形外科、脳神経外科、形成外科、麻酔科、精神科、小児科、皮膚科、
泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科
歯科・口腔外科、病理診断科
・診療センター: 角膜センター、リプロダクションセンター、口腔がんセンター、脊椎・脊髄病センター、
糖尿病・内分泌センター、心臓病センター、 脳卒中センター、透析センター、
腎不全治療センター
※メディカルRPA協会調べ
コロナ禍における医療現場の実態
コロナ患者による病床の逼迫 、感染を恐れて受診を控える患者の増加による減収、予定入院・予定手術の延期、また医療従事者の減少、希望する人材不足等、今年5月に緊急事態宣言が解除されたあとも影響は大きく、病院や医療現場における問題が表面化してきており、医療従事者一人あたりの業務量が劇的に増加しています。
また、2020年5月に実施された全国の病院(4,332病院)を対象としたメール調査※によると、病院の外来患者・入院患者共に大幅に減少しており、特に新型コロナウイルス感染患者の入院を受入れた病院では、経営状況の悪化は深刻でした。また、病棟閉鎖せざるをえなかった病院の悪化傾向は顕著で、これらの病院への緊急的な助成がなければ、今後の新型コロナウイルス感染症への適切な対応は不可能となり、地域での医療崩壊が強く危惧されます。
※(一社)日本病院会 2020年5月:新型コロナウイルス感染拡大による病院経営状況緊急調査(最終報告)
そういった背景を受けて、医療現場の労働環境改善、及び医療の質を向上させるために、ITテクノロジーの活用が急務となっています。
その中でも、RPA(Robotic Process Automation)というデジタルレイバー(ソフトウェア型ロボット)にタスクをシフトする動き「ダブル・タスク・シフティング」によって、自動化可能な業務はRPAに移行し、人にしかできない医療行為等の業務に費やす時間を増やす動きが出てきています。「ダブル・タスク・シフティング」によって、事務部門にRPAを導入して効率化・省力化を図り、その上で医師が担っている書類作成といった作業を事務部門に移管することで、医療現場の労働環境改善を目指し、医師が医療行為に従事できる体制を構築できるといった効果を見込んでいます。
課題解決のためにRPAを導入している
ここ数年、医療現場・病院経営には多くのITテクノロジーが導入されており、医療技術は飛躍的に上がり、誤診の減少や受診時間の短縮など、病院側にも患者側にも大きなメリットを与えています。その中で、ここ数年多様な企業間で導入が加速しているRPAに、病院も注目をしています。
RPAは、業務を代行・自動化するソフトウェア型ロボット(デジタルレイバー)で、カルテの確認、CT検査を受けた患者の検査結果の自動確認といった診療の領域に加え、院内における関係書類の作成や印刷などの事務処理といった領域をフォローできることでも期待されており、新型コロナウイルスの第二波・第三波が来る前に、RPAを活用した業務効率化を希望する病院が増えてきています。
医療現場へのRPAの導入は、まだ序章であり、検証段階の導入事例も多くありますが、今後は事務作業などの単純作業に留まらず、AIなどと連携し、診療の現場でも活躍するRPAが増えていくことで、今以上の労働環境改善と、更なる経済効果が期待されています。
【東京歯科大学市川総合病院 実績】
■導入概要
東京歯科大学市川総合病院では、人力だけの継続実現が難しかった領域に踏み込むべく、新たな医療の質と安全の向上を目的として、早い段階からITテクノロジーを医療の現場に導入し、業務の効率化と医療の質向上を図っています。2018年11月よりRPA(BizRobo!)との連携を実施し、看護日誌の統計や入退院患者の管理、また院外処方箋の受付作業など、これまでは現場の人間が毎日ルーティン的に行っていた業務をRPAに代替させることで、従来かなりの時間を割いて対応していた業務の削減に成功するとともに、見落し確認のストレスから解放され、“やるべき医療”に注力することが可能になりました。
RPAの特徴として、指定したルールに則り、一定のテンポで休むこと無く稼働することが挙げられます。このことにより、人間が作業するうえで避けることの難しい「感情の波・効率の波・速度の波」を排除することができ、さらに業務の効率をあげ、労働時間を削減することが可能になります。
(例)前日入院患者の帳票印刷 (例)退院患者アセスメントシートチェック
(例)RPAの一日の稼働スケジュール
■導入の効果
医療情報システムから放射線科に至るまで、院内では現在、全9ロボットが稼働しており、年間の業務削減時間は合計で約2,453時間という結果となりました。また、各業務を医療事務員の平均時給に換算した場合、削減時間で計算すると、約368万円の費用対効果があることもわかっています。
今後は、部署間でのRPA連携や、診療場面での運用による医療の質向上、また病院間での連携も検討されており、さらなる経済効果の拡大が見込まれています。
業務名(ロボット名) | 部署名 | 年間業務 削減時間 |
単位 |
入院患者シート印刷ロボット | 医事課入院係 | 390.0 | 時間 |
診療情報管理士向けアセスメント チェックロボット |
診療情報 | 520.0 | 時間 |
看護サマリチェックロボット | 診療情報 | 450.7 | 時間 |
造影剤CT/MRI検査前eGFR値チェックロボット | 放射線科 | 260.0 | 時間 |
院外処方箋受付ロボット | 薬剤部 | 18.3 | 時間 |
看護日誌統計実行ロボット | 医療情報システム | 30.4 | 時間 |
看護必要度実行ロボット | 医療情報システム | 30.4 | 時間 |
掲示板書き込みロボット | 全般 | 25.6 | 時間 |
退院サマリ未作成抽出・集計・掲示ロボット | 診療情報 | 730 | 時間 |
RPAの活用により各医療現場で削減を見込んでいる労働時間一覧(2020年8月末現在)
事務職員の業務RPA に任せ、医師事務補助の範囲を拡大することで、すべての医療従事者を支援するだけでなく、 医師の見落とし等による医療ミスを防ぎ、医師の働き方改革に貢献しています 。今後は医師等診療部門、看護部門およびコメディカル部門などの部門を「RPA」を通じて蜜に連携し “チーム医療”を実現 させていくことで、医療の質と安全の向上を目指します 。
また、病院および医療の安全性が確保されることで、新型コロナウイルスの感染を恐れて受診を控える患者を病院へ呼び戻し、逼迫する病院経営を救う助け舟になることが期待されています。
■運用に向けて調整進行中のロボット
患者カルテのスキャン登録
【概要】
患者カルテのスキャンのみを事前に済ませ、OCR(光学文字認識)で患者カルテ上のバーコードをスキャンし読み込んだ情報を、RPAが患者ID照合しながら電子カルテに登録するシステムを構築中です。
(カルテ情報:①患者ID②入外区分③診療科④入院の場合は病棟⑤文書種別⑥書類枚数⑦回転角度)
【期待される効果】
通常のオペレーションでは、患者のカルテを開く→スキャン→登録を繰り返すのですが、スキャンのみを事前に済ませ、残りのオペレーションをRPA(+OCR)に任せることで、複数の患者のスキャンデータを自動で振り分けながら登録することができ、作業時間が大幅に短縮されます。
■東京歯科大学市川総合病院 医療情報システム管理課 課長 西河知也氏
医療現場において、「忘れやすい」、「間違いやすい」がために今まで踏み込んで継続できなかった業務をRPAに任せることで、RPAが行ってくれたアウトプットを確認する業務からスタートできるようになりました。
現状のRPAの稼働は、1人分のパート労働に相当しますが、今後の展望のロボットが運用できれば、RPAのランニングコスト以上の導入効果が出ると考えています。
■一般社団法人メディカルRPA協会 理事 村山 典久氏
今回、東京歯科大学市川総合病院様の事例は、入院患者シート印刷、診療情報管理士向けアセスメントチェック等、どこの病院でも必ず行う業務です。9つのロボットの運用で既に2,453時間の業務効率化を体現され、今後とも着実に成果を出していかれるものと拝察致します。
今、私が担当させて頂いている医療機関では、事務職員の皆様に加え、医師、看護師、リハビリ、薬剤師等多職種の方々から140を超えるロボットのアイデアを頂いております。昨今、医療従事者の働き方改革が求められる中、RPAはその救世主になるのではないかと期待しております。
今後とも、メディカルRPA協会を軸に、医療機関がワンチームとなり共通ロボを共有しながら、効率的なRPAの推進に尽力して参ります。
【事業体概要】
■一般社団法人メディカルRPA協会について(https://rpa-medical.com)
・名称 : 一般社団法人メディカルRPA協会
・設立 : 2019年9月6日
・代表者: 理事長 石黒直樹 (愛知県医療療育総合センター総長)
・所在地: 〒105-6390 東京都港区虎ノ門1-23-1 虎ノ門ヒルズ 森タワー8F
■学校法人 東京歯科大学 市川総合病院について(http://www.tdc.ac.jp/hospital/igh/)
・所在地: 千葉県市川市菅野5-11-13
・病院長: 西田 次郎
・病床数: 一般570床、歯科診療台数22台
・診療科: 内科、呼吸器内科、循環器内科、消化器内科、腎臓内科、神経内科、外科、呼吸器外科、
心臓血管外科、消化器外科、整形外科、脳神経外科、形成外科、麻酔科、精神科、小児科、皮膚科、
泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科
歯科・口腔外科、病理診断科
・診療センター: 角膜センター、リプロダクションセンター、口腔がんセンター、脊椎・脊髄病センター、
糖尿病・内分泌センター、心臓病センター、 脳卒中センター、透析センター、
腎不全治療センター
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