NISTがBTQ社の耐量子計算機暗号のデジタル署名方式「Preon」をPQC標準化プロセス第1ラウンド(追加署名)で選定
ゼロ知識証明に基づいて構築された堅牢で効率的な耐量子署名方式
[概要]
BTQ Technologies Corp.の耐量子計算機暗号(PQC)のデジタル署名方式「Preon」が、米国国立標準技術研究所(NIST)のPQC標準化プロセスにおける検討対象として、第1ラウンド(追加署名)で選定された
Preonは、堅牢で効率的な耐量子署名方式であり、鍵サイズが小さい、迅速な鍵生成、最小限の仮定、機能の柔軟性などの特徴があります。これにより、古典コンピュータと量子コンピュータの両方からの潜在的な脅威に耐えることができる
BTQの量子セキュアな暗号方式の開発が評価されPreonが選定されたことにより、当社は引き続き潜在的な量子の脅威からデジタルインフラを保護することへ注力していく
Preonの共著者には、台湾の鴻海精密工業(Hon Hai Precision Industry Company Ltd, 通称フォックスコン)の研究部門であるHon Hai Research Instituteが含まれている
※本報道資料は、BTQ Technologies Corp.が2023年7月27日にCISION PRNewswireで配信したプレスリリースの抄訳です
[2023年7月27日付 CISION PRNewswire、カナダのブリティッシュコロンビア州バンクーバー]
ネットワークセキュリティを専門領域とするグローバル量子技術スタートアップのBTQ Technologies Corp.(「当社」または「BTQ」)(NEO:BTQ)(FSE:NG3)(OTCQX:BTQQF)は、BTQの耐量子計算機暗号(PQC)のデジタル署名方式「Preon(プリオン)」が米国立標準技術研究所(National Institute of Standards and Technology:以下、NIST)のPQC標準化プロセスの第1ラウンド(追加署名)で選定されたことを発表した。
この発表は、現在進行中のPQC標準化プロセスの第4ラウンドの中で行われたもので、BIKE、Classic McEliece、HQCを含むいくつかのKey Encapsulation Mechanisms(KEM)が現在も評価中である。
2016年12月以来、NISTは量子コンピューティングの急速な進歩がもたらす脅威に対抗するため、標準化に向けた耐量子公開鍵暗号アルゴリズムを選定する公開プロセスに従事してきた。これまでに、公開鍵カプセル化メカニズム(KEM)のCRYSTALS-KYBERやデジタル署名のCRYSTALS-Dilithium、FALCON、SPHINCS+など、いくつかのアルゴリズムが標準化されている。SPHINCS+を除き、これらの選定された方式はすべて計算量的困難性に基づく安全性である。
Preonは耐量子署名方式であり、古典および量子的な攻撃に対して耐性がある。最小限の仮定を必要とする一般的な証明システムに基づいて動作する。このシステムは本質的に、検証者が証明者の秘密情報を確信できるようにするプロトコルであり、署名方式の基礎となるものである。
Preonの特徴は、鍵のサイズが小さいことで、秘密鍵と公開鍵の両方に必要なサイズはわずか数十バイトであり、他の署名方式に比べて大幅に少ない。鍵の生成プロセスは迅速で、最新のコンピュータ・ハードウェアでサポートされている1つないし2つのAES暗号化を採用している。このシステムは、衝突に強いハッシュ関数の必要性だけを想定しており、より少ない障害点でセキュリティを強化している。また、ゼロ知識証明に基づいて構築されているため、選択的暴露や閾値署名などのさまざまな機能をサポートし、柔軟な機能を備えている
BTQ Technologies社 CEO オリヴィエ・ルッシー・ニュートンのコメント
「PQC標準化プロセスにおけるPreonの選定は、当社が革新的で研究に長けていることを示していると考えます。Preonのコンパクトな鍵サイズ、高速生成、柔軟な機能は、潜在的な量子コンピュータの脅威に対する強力なツールとなり、世界中のデジタルインフラを保護するという当社の取り組みの本気度がお分かりになると思います。」
オリジナルの記事(英語)はこちら:
BTQ's Preon, a Unique Quantum-Secure Signature Technology, Selected by NIST as Candidate for the Post-Quantum Cryptography Standardization Process – CISION PRNewswire
■ Preon(プリオン)
耐量子計算機暗号のデジタル署名方式。NISTのPQC標準化プロセスにおいて第4ラウンドの追加候補を検討する第1ラウンド(追加署名)でNISTにより選定された(2023年7月現在)
■ 企業概要
BTQ Technologies Corp.
2021年に創業したカナダの上場企業。現在はカナダ・日本・オーストラリア・台湾で研究およびビジネスを展開中。耐量子計算機暗号ソリューションを開発提供する企業です。ソフトウエアアプリケーションからハードウェア(チップ)まで幅広いレイヤーでサービスを提供します。
https://www.btq.com/
本社: 25th Floor, 700 West Georgia Street, Vancouver, BC, V7Y 1B3, CANADA
■ お問合せ先
BTQ Technologies 日本統括責任者:田中香織
email:desk@btq.com (御名前と所属を明記の上、日本語でお問合せください)
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