横浜キャピタルから第三者割当増資により資金調達を実施
各位
2023年11月30日
株式会社PURMX Therapeutics
代表取締役社長 田原 栄俊
問い合わせ先:IR@mirx.jp
株式会社PURMX Therapeutics(パームエックス・セラピューティックス、本社:広島市、代表取締役社長:田原栄俊、以下「当社」)は、Yokohama Next 投資事業有限責任組合を引受先とする第三者割当増資を行ったことを報告いたします。
当社は、天然型マイクロRNAを有効成分とする核酸医薬の開発パイプラインを複数有する広島大学発の創薬ベンチャーです。リードパイプラインであるMIRX002に関しては、現在、悪性胸膜中皮腫の患者を対象にした第Ⅰ相臨床試験を広島大学が医師主導治験(責任医師 呼吸器外科 岡田守人教授)として進行中です。
現時点までに、マイクロRNAを有効成分とする核酸医薬について臨床試験のフェーズまで開発を進めている例は世界的にも限られており、日本においては、当社のMIRX002が、マイクロRNAを有効成分とする核酸医薬開発品としてファーストインヒューマン治験を実施した初めての例になります。
当社のMIRX002は、広島大学が有する独自のスクリーニングプラットフォームにより見いだされた強力な抗腫瘍効果を有するマイクロRNAと、株式会社スリー・ディー・マトリックスが独自に構築したA6Kという担体を組み合わせることで、革新的でユニークな新規モダリティの開発パイプラインとして創出されました。MIRX002はこのまま順調に開発が進めば、マイクロRNA医薬品として世界で第一号の薬事承認を取得する可能性も有しています。
今後は、MIRX002に関して悪性胸膜中皮腫以外のがん種に対する臨床試験を実施して適応拡大を目指します。また既にパイプライン化しているその他のマイクロRNAについても開発を進めていくことに加えて、さらに、独自のスクリーニングプラットフォームを活かして新規のRNAシーズを創出していくことで、マイクロRNA創薬の分野で世界的なリーディングカンパニーとなることを目指します。
今後は調達した資金を用いて、MIRX002の悪性胸膜中皮腫に対する単回投与・反復投与医師主導治験、MIRX002の悪性胸膜中皮腫以外のがん種に対する臨床試験、適応拡大などの研究開発の促進、他の開発パイプラインの拡充のための研究開発、並びに、より幅広い適応疾患に応用できる新規製剤の研究開発を進めて参ります。
■投資家のコメント
横浜キャピタル株式会社 投資部 部長 小島 秀和 様
老化誘導マイクロRNAをがん細胞に誘導して、がんに老化のスイッチをいれるという革新的な取り組みは世界でも類例をみないユニークなプロダクトであります。対象疾患である悪性胸膜皮腫は有効な治療法に乏しく、本シーズが上市された際の社会的なインパクトも非常に大きいものと考えました。核酸医薬のパイオニアとして広島、ひいては日本を代表する大学発ベンチャーとなることを期待させていただきます。
【MIRX002について】
MIRX002は、ヒトの体内の細胞で作られる核酸の一種であるRNAのうち「マイクロRNA」を薬効成分とする核酸医薬で、「天然型」であることから、副作用が少ない抗がん剤となる可能性が期待できます。マイクロRNAを生体内で保護し、細胞に輸送する担体として「A6K」を添加しています。悪性胸膜中皮腫のモデルマウスを用いた動物実験では、胸腔内に1回〜3回投与を行うことにより顕著な腫瘍の縮小と生存率の大幅な延長が認められました。また、今までに得られたデータから「がん幹細胞」を死滅させ、がんの再発を抑える可能性も示唆されております。
【悪性胸膜中皮腫について】
アスベスト(石綿)の曝露が原因となることが明らかになっている癌です。アスベスト曝露開始から発症までの潜伏期間が25~50 年とされており、今後も患者数は増加することが予想されています。全国がん(成人病)センター協議会の生存率共同調査(2018 年2 月集計)による病期別5 年生存率は,Ⅰ期14.6%(n=48),Ⅱ期4.5%(n=22),Ⅲ期8.0%(n=50),Ⅳ期0.0%(n=70)といずれも予後不良であることが報告されている一方で、治療についてのエビデンス構築は不十分であり、アンメットメディカルニーズの高い癌の一つとされています。
【株式会社PURMX Therapeuticsについて】
広島大学大学院医系科学研究科・細胞分子生物学研究室 田原栄俊教授が、新たに広島大学発のベンチャーとして、株式会社PURMX Therapeutics(パームエックス・セラピューティックス)を2021年1月27日に設立しました。今後、MIRX002はもちろん、それ以外の微小核酸についても医薬品開発を推進していく予定です。
【広島大学について】
広島大学大学院医系科学研究科・細胞分子生物学研究室 田原栄俊教授が長年に渡り、老化に関わるマイクロRNAの研究を行い、その成果としてMIRX002の創出につながりました。また今回の第一相試験に関しては、広島大学原爆放射線医科学研究所 腫瘍外科 岡田守人教授が治験責任医師として、医師主導治験を行います。
【株式会社スリー・ディー・マトリックスについて】
米国マサチューセッツ工科大学(MIT)により発見された自己組織化ペプチドをコア技術とし、医療製品開発を行う企業です(東証JASDAQ 7777)。自己組織化ペプチドの一種であるA6Kは、マイクロRNAを含む核酸を生体内での分解から保護して細胞内への輸送を行うことを臨床試験で示しています。当社はA6Kの応用に関するライセンス契約を締結し、MIRX002の核酸保護・輸送担体として使用しています。
【用語解説】
(注1) マイクロRNA
生体内に存在する20~25塩基からなる微小なRNAであり、他の遺伝子の発現を調節することで様々な生命現象を制御する分子です。これは、人の体内で合成される核酸で、判明しているだけでも約2600種類のマイクロRNAが存在しています。
(注2) 核酸医薬
核酸医薬とは、異常な遺伝子の働きに対し、それを抑制するように作用する新しい医薬品です。様々な遺伝子に対する核酸医薬が注目されていますが、現在のところ悪性胸膜中皮腫に対する治療薬として承認されている核酸医薬はなく、新たな開発が期待されております。マイクロRNAは、人の細胞で合成される核酸の一種であることから、「天然型」の核酸と呼ばれています。
(注3) 第Ⅰ臨床相試験
新しい薬をはじめて患者に投与する試験。少数の患者さんで、投与量を段階的に増やしていき、薬の安全性と適切な投与量、投与方法を調べます。癌患者を対象とした第I相臨床試験では、通常、標準的治療法のないがん患者さんが対象となります。
本件に対するお問合せ
株式会社PURMX Therapeutics
電話:082-257-5290
FAX:082-257-5294
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