ゴミ屋敷清掃業者のYouTube「イーブイ片付けチャンネル」が登録者数15万人、総再生数7,000万回を突破。活動の裏側にある強い想いとは
ゴミ屋敷を日々片付ける彼らが大切にしている価値観、現場密着動画を投稿し続ける理由
株式会社ウインドクリエイティブ(本社:大阪府大阪市、代表取締役:二見 文直)が運営するYouTubeチャンネル「イーブイ片付けチャンネル」の登録者数が15万人、総再生数7,000万回を突破しました。
彼らがYouTubeを開始したのは2016年、これまでに投稿した動画はのべ430本以上。なぜ彼らは現場密着動画を投稿し続けるのか。裏側にある強い想いについて迫ります。
社会的に目を背けたくなるトピックを、あえてYouTubeで発信する理由
ーまずは事業内容とYouTubeチャンネルについて伺えますでしょうか?
二見
「私たちは大阪市を中心に活動している『ゴミ屋敷清掃』『遺品整理』『不用品回収』『特殊清掃』の専門業者です。YouTubeチャンネルでは主に、私たちが行っているゴミ屋敷清掃の現場に密着し、実際の片付けの様子や依頼者の方へのインタビュー等を配信しています」
ーゴミ屋敷や遺品整理は、ある意味社会的には目を背けたくなるようなトピックですよね。なぜそのような動画をアップし続けているのでしょうか?
二見
「理由は大きく2つあります。1つは、依頼者の方に頼ってもらいやすくすること。動画では片付ける際の様子だけでなく、その裏側にある依頼者の葛藤も、包み隠さずお伝えしています。だからこそ、同じような悩みを持っている方にも『自分だけじゃないんだ』と安心してもらえ、より頼りやすい環境を作れるのではと思っています」
ー社会的に触れにくいトピックをあえて包み隠さずオープンにすることで、同じ悩みを持っている方に安心感を与えられるのではないかということですね。
二見
「以前、シングルマザーの女性からゴミ屋敷清掃のご依頼をいただいたことがありました。その片付けの様子を動画配信したところ、同じように一人でお子さんを育てている女性の方たちからご相談をいただくようになりました。
彼女たちは同じ悩み、同じ境遇の人が頑張っている姿を見て、私たちに連絡する勇気が出たと言います。私たちは、ゴミ屋敷の様子を興味本位で見たい人ではなく、片付けができなくて悩んでいる人たちのために配信しています。その想いが報われた瞬間でもありました」
同じ悩みを持つ方がいるという事実を知ることが、誰かを頼る勇気に繫がる。娯楽の側面が強いYouTubeだが、このように誰かの人生を救っている一面もあるのだ。
作業風景を包み隠さず配信する目的は「安心感」
ーもう1つの理由はどのようなものがあるのでしょうか。
二見
「もう1つの理由は、依頼者の方に作業風景を見てもらうことで、より安心して依頼できるようにするためです。『ゴミ屋敷』といっても、実際に住まれている方にとって全てが”ゴミ”というわけではありません。通帳や印鑑などの貴重品はもちろん、写真やアルバムなどの思い出の品、そしてゴミの中に埋もれてしまった大切な物もあるのです」
ゴミかどうかを決めるのは第三者ではなく、あくまでご本人。第三者からは想像も付かない、大切な想いが宿っている場合もある。
二見
「私たちはお客様が『必要なもの』と判断した物を捨てることは絶対にしません。そのために細かくヒアリングを行い、現場スタッフ全員にもその内容を徹底的に共有しています。私たちがどんな工程、どんな様子で片付けているのかを動画で見ることができれば、依頼時の安心感に繋がるのではないかと考えています」
依頼者に対して、心を添わせ続ける。それが彼らの根底にある大切な価値観だ。
「ゴミ屋敷に住んでいる人=だらしない」という世間の認識を変える
ー今後、イーブイチャンネルで目指したい未来はありますか。
二見
「私たちは動画を通じて、世間が抱く『ゴミ屋敷に住んでいる人はだらしない』という認識を変えたいと思っています。なぜならこれまでのべ1,000件以上のゴミ屋敷清掃に関わる中で、その認識が間違っていることを痛感させられたからです。
世間のイメージでは、ゴミ屋敷になってしまう人はだらしなく見えているかもしれませんが、実際は全くそんなことはありません。むしろ仕事を頑張りすぎてしまうあまり、自分の私生活が著しくおろそかになってしまう方が多い印象です」
何かを頑張りすぎているから、ほかのことに意識が向かなくなる。これは誰しもが経験したことのある感覚ではないだろうか。
二見
「ほかにも、不規則な生活を強いられる職業でゴミ出しの時間が合わなかったり、神経質な性格ゆえにゴミ出しルールを気にしすぎて出せなくなったりと、様々なケースがあります。つまりゴミ屋敷になる理由は、だらしないの一言で片付けられるものではないのです。
100人いれば100通りのご事情があり、本当に強く悩まれています。だからこそYouTubeで発信し、『1人じゃない、頼って大丈夫だよ』と伝え続けていきたいと思っています」
社会問題であるトピックを、包み隠さず発信するイーブイ片付けチャンネル。彼らの想い描く未来が実現する日が来ることを、願ってやまない。
聞き手・文/政所 温也
【イーブイ公式HP】
【イーブイ片付けYouTubeチャンネル】
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