東京都内こどもの居場所が一堂に会する初の大会、3月に開催。渋谷区のNPOが発案。

令和６年３月２日（土）「こどもの居場所大会in東京」と題し、中央区にあるサイボウズ東京オフィスを会場にして行われる。活動を知りたい人は無料で参加出来る。

フリースクールまいまい　"いるか家"

2024年2月5日 08時00分

こどもにまつわる施策の最先端では現代の子どもの育ちを支えるために「第三の居場所が必要」と叫ばれています。
「一人一人が大切にされ、自分と他者との違いを知り、比較ではなく許容しあうような程よい距離感や境界線を学ぶことが出来る」そのような空間として、フリースクールやオルタナティブスクール、無料塾、こども食堂、などさまざまな形での活動が展開されています。多様な居場所団体が集合するこの大会は、子どもが主役の社会を作り上げる大きなうねりの一歩となることでしょう。

NPO法人フリースクールまいまい（所在地：渋谷区、代表：鴻池友江。以下、フリースクールまいまい）は、2024年3月2日（土）10時～16時30分の終日でサイボウズ東京オフィス（中央区日本橋２－７－１　東京日本橋タワー27階）にて開催されるイベント「こどもの居場所大会in東京」を企画する実行委員の統括をしています。

この大会について、鴻池より主旨や概要などをご案内いたします。

＜背景＞

　文部科学省の発表によると、現状の「不登校児童生徒」の数は全国で30万人に手が届くとのことです。（＊１）

30万は不登校の話ですが、登校が出来ていれば良いかという話にはならず、一人ひとりのこどもの「何気なく過ごしている」ように見えるその水面下で、人知れず悩んでいることがある、という心の危うさに例外は無いと考えても良いのかもしれません。

　人は誰も同じでは無いのに、現代の社会は「普通」かそうでないか、という線引きが悪気なくあるいは無意識に、あらゆる場所で行われています。幼少期から「無難」を要求されて育った世代が大人になり、子育てをする時、親は「我が子の幸せのために」「社会が要求する普通」を養育に取り込みます。これも無意識のうちに行われており社会の大多数の先人が作ってきた結果が今の世の中なのですから、今「親」をしている人々が責められることではありません。

　その他大勢に馴染まない人がいる時、大勢の側の内側に起こりやすいのは「排除」という動きです。個性豊かな子、あるいは集団の中にいるのが怖い子、一定の刺激によって疲労が大きくなる子、心の傷を懸命に隠して「普通」の社会に馴染もうとして心を削っている子・・・。本人はどれほど大変な思いを抱えながら日々を過ごしているでしょう。保護者視点で見てみれば、本人の大変さに寄り添いこどもの尊厳を守りたいのに、こどもを取り巻く環境に理解を求めるのはとてもエネルギーの要ることで、一人奮闘して疲弊してしまう保護者もいます。また、本人が「普通」のほうに馴染む努力をもっとして欲しい、と願う保護者もいるでしょう。

＜大会主旨＞

　上に挙げた話は現代社会でこどもとその周辺に起きているほんの一握りの例かもしれません。しかし上記のような苦いこども時代を通り抜けて、年齢は大人になってしまったものの、こども時代に経験した出来事の影響に引きずられてずっと生きづらさを抱えているのは、もしかしたら私たち誰もが思い当たることなのかもしれません。

　このようなことを考えた時、「理由を問わずそこに居させてもらえる場を知っている」とか「普段、本当の自分を覆うようにかぶっている鎧や仮面を脱げる場を持っている」ということは、大人にとってもこどもにとっても、気持ちが楽になり「また明日のために眠ろう」と思えるきっかけになるかもしれません。居場所活動をしている団体は、活動内容や対象者はそれぞれですが、どこも上記のような社会の構造に課題意識を持ち、自分には何が出来るだろうか、と考えている人々だと考えています。

　しかし、このような地道な活動は人も金も集まりにくく、多くの団体が運営に苦労しているというのが現状のようです。目の前の運営に奔走していると、ニーズのある人々へ繋がるための行動には手が回りません。この度この大会開催を決めたのは、まさに活動団体と居場所を知りたい方々が出会える機会を作る、というのが1つ目の理由です。

　２つ目の理由は行政からの資金面や制度面のバックアップを零細団体にも行き届くようにしたり、団体同士の連携を作り、人材の行き来が出来るようにすること。３つ目には、行政からも居場所の存在を紹介しやすくするため、また、家の中に居ても各団体の雰囲気が分かり、行きたい場所を探し出せるように多数団体の居場所mapを作るためです。

＜企画概要＞

日時：2024年3月2日（土）　10時～16時30分

場所：サイボウズ株式会社　東京オフィス（東京日本橋タワー27階）

内容：

①参加団体がそれぞれの活動自慢を発表する。

②居場所卒業生が居場所に求める要素について語る。

③運営のためのシステムの在り方や、国の方向性について、などの講演を聞く。

会場には行政関係者や親子さんなどに多くご来所いただき、活発な意見交換が出来るよう告知している。

詳細ページ：https://irukayainfo1.wixsite.com/home/contact-6

　こどもの居場所大会実行委員会としては、この大会を通じてたくさんの方の出会いがあり、それぞれの前進への一歩が始まる一日になることを願っています。

＊１→令和5年度の調査にて。病気等の理由でない30日以上の欠席、という「不登校の定義」に当てはまる数だけでこれだけの数が挙がるが、校長采配で「フリースクールへ通えば出席扱い」となることもあり、カウントされた数の示す所が何なのか、という議論にもなる。

＜団体の情報＞