採血せず約2秒で牛の代謝状態をアプリ表示「牛の代謝情報プラットフォーム」の事業化プロジェクトを開始
総務省「ICTスタートアップリーグ」2026年度採択「数頭の採血」から「100頭のデータ管理」へ、2027年春のサービス提供を目指す
北里大学発ベンチャーのライブストックジャパン株式会社(本社:青森県十和田市、代表取締役CEO:鍋西 久)は、マルチスペクトルカメラとAIを活用し、採血せずに牛の代謝状態を推定・管理する「牛の代謝情報プラットフォーム」の事業化プロジェクトを開始しました。本プロジェクトは、総務省「ICTスタートアップリーグ」2026年度採択事業として進めるとともに、青森みちのく銀行「プロクレア CO-CREATE CHALLENGE」による事業化支援も受けながら、2027年4月の第一弾サービス提供を目指します。

計測開始から約200波長の分光データ取得、AI解析を経て、代謝状態の推定結果がアプリ画面に表示されるまでの時間は約2秒です。採血を伴わないため、これまで数頭のサンプル確認にとどまりやすかった牛群管理を、100頭全体を継続的に確認できる運用へ発展させることを目指します。
本プロジェクトの3つのポイント
• 約2秒:計測開始からAI解析を経て、代謝状態の推定結果がアプリ画面に表示されるまで
• 非侵襲:採血、血液処理、検体搬送、分析作業を伴わず、牛と作業者の負担軽減を目指す
• 数頭から100頭へ:一部のサンプル確認から、牛群全体を日常的に確認する管理への転換を目指す

社会背景|少ない人員で、より多くの牛を管理する時代へ
国内の酪農・畜産現場では、飼養戸数が減少する一方、1戸当たりの飼養頭数は増加しています。農林水産省の資料では、酪農経営体数は近年、年率3~5%程度減少しており、現場では少ない人員で多数の牛を管理する必要性が高まっています。また、新卒獣医師の就業先は小動物診療が約45%を占める一方、産業動物診療は約10%にとどまり、地域によっては産業動物獣医療を支える人材確保も課題です。
さらに、猛暑は乳量や繁殖成績の低下などにつながる可能性があり、牛の体内で起きている変化を早期に把握するためのデータ活用が重要になっています。
現場課題|100頭を飼育していても、採血できるのは数頭
牛の栄養・代謝状態を把握する血液検査には、牛の保定、採血、検体管理・搬送、分析などの作業が必要です。当社の現場ヒアリングでは、100頭規模の牛群を管理していても、時間・費用・作業負担から、採血検査は数頭のサンプルにとどまる例が確認されています。
この場合、検査した数頭の結果から牛群全体の状態を推測することになり、個体ごとの小さな変化を日常的に捉えることは容易ではありません。本技術により、採血を前提としない短時間の確認を実現し、「点の検査」から「牛群全体の継続管理」への転換を目指します。
獣医師を対象とした事前アンケート(n=44)では、「採血が不要であること」「その場で結果を確認できること」「繁殖管理や代謝プロファイルテストへの活用が期待できること」が高く評価され、現場ニーズの高さが確認されました。

開発技術|約200波長をAI解析し、約2秒でアプリ表示
本技術は、牛の尾静脈付近をマルチスペクトルカメラで計測し、約200波長の分光データから特徴量を取得してAIで解析するものです。計測開始からAI解析を経て、牛の代謝状態の推定結果がアプリ画面に表示されるまで約2秒で完了します。
北里大学獣医学部と東京理科大学先進工学部の研究グループは、グルコース、コレステロール、ビタミンAなど、牛の飼養管理上重要な血液生化学成分12項目について、いずれも80%以上の予測精度を確認しています。ライブストックジャパンは、この研究成果を農場で日常的に活用できるサービスへ発展させます。

期待する経済的インパクト
本技術が日常的なスクリーニングとして活用されることで、注射針・採血管等の消耗品、牛の保定や採血、検体管理・搬送に伴う作業時間の削減が期待されます。また、獣医師が詳しく確認すべき牛を絞り込みやすくなることで、限られた診療時間を必要性の高い個体に振り向けられる可能性があります。
さらに、牛の代謝状態を可視化するだけでなく、個体・牛群ごとのデータとして蓄積・分析することで、生産者や獣医師などのデータに基づく意思決定を支援し、繁殖管理、栄養管理、健康管理、生産性向上につなげることを目指します。飼料設計や健康管理に活用することで、乳量、繁殖、肥育などの生産性改善につながる可能性があります。削減時間や費用、生産性への効果は、今後の実証試験で定量化します。
事業化計画と今後の展望
今後は、ICTスタートアップリーグとプロクレア CO-CREATE CHALLENGEの支援も活用しながら、AIアルゴリズムの高度化、クラウドプラットフォームの構築、アプリケーション開発、農場での実証試験および事業化準備を進め、2027年4月に第一弾サービスの提供開始を予定しています。
実証試験では、計測条件、総作業時間、有効測定率、経済効果などを検証します。牛の健康状態の変化を早期に把握できる環境を整えることで、畜産現場の省力化、生産性向上、繁殖・飼養管理の高度化、アニマルウェルフェアの向上に貢献することを目指します。
本技術は北里大学と東京理科大学の共同特許に基づく技術です。現在、日本を含む主要7か国・地域において権利化を進めています。日本発の畜産DX技術として、国内の畜産現場への普及と、海外パートナーとの事業連携を進めてまいります。
実証・事業連携パートナーを募集
本プラットフォームはAPI連携も前提として設計しており、既存の畜産ICTサービスとの連携も進めます。畜産農場・牧場、獣医師・NOSAI、大学・研究機関をはじめ、飼料、畜産設備、保険・金融、商社、IT・クラウド事業者との実証・事業連携を募集します。農場実証で計測条件、総作業時間、有効測定率、経済効果を検証し、データ連携や事業化モデルを共同検討します。
代表取締役CEO 鍋西 久 コメント
これまで牛の体内状態は、採血をしなければ分かりませんでした。私たちは、その“見えなかった情報”を、いつでも・すぐに・簡単に見える化し、生産者や獣医師の意思決定を支える『牛の代謝情報プラットフォーム』の実現を目指しています。牛への負担と現場の重労働を減らし、日本の畜産DXを支える情報基盤へ育ててまいります。
代表者プロフィール
1973年生まれ。宮崎県出身。北里大学大学院を修了後、2001年宮崎県庁入庁。農業改良普及センター、畜産試験場などを経て、2016年3月北里大学に着任。これまで、受精卵移植技術、家畜に及ぼす熱環境の影響評価と対策技術の開発、ICTを活用した繁殖性向上技術に関する研究に従事。研究成果の社会実装によって畜産農家の経営向上に寄与すべく、2020年8月に大学発ベンチャー“ライブストックジャパン合同会社”を設立、CEOに就任。農学博士。
会社概要

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会社名 |
ライブストックジャパン株式会社 |
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所在地 |
青森県十和田市西十一番町21-1 |
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代表者 |
代表取締役CEO 鍋西 久 |
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Webサイト |
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報道関係お問い合わせ |
Mail: livestock@ozzio.jp Tel: 090-3367-2525 |
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