「介護関連サービス事業協会 設立式およびカンファレンス」を行いました
生活支援サービスや配食サービスをはじめ、介護保険給付の対象とはならない多様なニーズに対応する介護保険外サービス事業等を展開する企業10社が業種の垣根を超えて集まり、2025年2月27日に「介護関連サービス事業協会(英文表記:Care-related Service Business Association)」設立式およびカンファレンスを行いました。
「介護関連サービス事業協会」は、介護保険外サービスの社会的認知度の向上、適切なサービス選択ができる環境づくり、介護保険外サービスへの信頼を獲得できる仕組みづくりに向けて、様々な事業を推進します。
「介護関連サービス事業協会 設立式およびカンファレンス」実施概要
【日 時】 2025年2月27日(木曜日)15:00~17:15
【ご招待】 ・ 介護保険外サービス提供事業者さま
・ 介護事業者さま・ケアマネジャーの皆さま
・ 自治体・地域包括支援センター職員等の行政関係者の皆さま
・ 本協会への関心の高い個人・団体、企業の皆さま
・ メディア関係者さま など
【会 場】 ベルサール虎ノ門
【プログラム】
第1部 設立式
■ 代表理事挨拶 イチロウ株式会社 水野 友喜 代表取締役
■ 来賓挨拶
― 経済産業省 竹内 真二 経済産業大臣政務官
― 厚生労働省 吉田 修 大臣官房審議官(老健、障害保健福祉担当)
■ 参画企業によるフォトセッション
■ 分科会のご紹介
― 生活支援サービス分科会:株式会社ツクイ 原 優実 リレーションシップ推進本部 執行役員
― 配食サービス分科会:ワタミ株式会社 肱岡 彰彦 専務執行役員
第2部 カンファレンス
■ 代表理事挨拶 イチロウ株式会社 水野 友喜 代表取締役
■ パネルディスカッション
― 介護保険外サービスの活用促進に向けた課題について
― 課題への対応・認証制度の必要性について
― 介護保険外サービスの今後の展望について
■ 入会のご案内
参画企業・出席者

イチロウ株式会社 水野 友喜 代表取締役
株式会社クラウドケア 小嶋 潤一 代表取締役CEO
株式会社シニアライフクリエイト 髙橋 洋 代表取締役
株式会社シルバーライフ 清水 貴久 代表取締役社長
SOMPOケア株式会社 薄 一臣 執行役員CMO
株式会社ダスキン 福島 剛 執行役員 訪販グループ営業本部長
株式会社チェンジウェーブグループ 佐々木 裕子 代表取締役社長
株式会社ツクイ 原 優実 リレーションシップ推進本部 執行役員
株式会社やさしい手 藤宮 貫太 取締役 副社長執行役員
ワタミ株式会社 肱岡彰彦 専務執行役員
※企業名の五十音順、アルファベット順で表記しています。
設立式およびカンファレンスの様子
代表理事挨拶
イチロウ株式会社 水野 友喜 代表取締役

2025年2月27日、介護保険外サービス事業を展開する10社は「介護関連サービス事業協会」を設立する。協会設立の目的として、介護保険外サービス産業の発展を通じて、介護者の負担軽減や高齢者の健康寿命の延伸を目指す。協会は、生活支援サービスや配食サービスなど介護に関連する様々なサービスを提供する事業者を会員に迎え、業界ガイドラインや認証制度を策定する方針である。
私自身、介護業界で長年の経験を持ち、介護保険サービスだけでは在宅介護環境を整えるのが難しいことを実感している。また、介護保険外サービスの認知不足を感じており、その重要性を広めたいと考えている。介護保険外サービスが利用者にとっての「当たり前の選択肢」になることを目指している。
2025年には、生活支援サービスや配食サービスを対象とした業種別ガイドラインと「100年人生サポート認証」の導入を予定し、介護保険外サービスの認知度向上を図るとともに、行政機関や研究機関との連携も模索していく予定である。
来賓挨拶
経済産業省 竹内 真二 経済産業大臣政務官

日本では高齢社会の進展に伴い、仕事をしながら家族介護を行う者が増加している。このような状況で、介護による労働総量や生産性の減少が甚大な経済損失を引き起こしている。2020年には、仕事と介護を両立する者が約318万人に達し、その経済損失は約9兆円と試算されている。
こうした社会的背景を踏まえ、経済産業省では、介護保険外サービスの振興や、企業における仕事と介護の両立支援に向けた取組の充実などに取り組んでいる。高齢者が地域で自立した生活を続けることで間接的に働く家族介護者の負担も軽減されるため、介護保険外サービスを充実させ、地域資源を活用することは、特に重要であると考えている。しかし現在、介護保険外サービスの品質や安全性に関する問題があり、高齢者や家族、福祉関係者が安心して利用できる環境が整っていないことが課題となっている。
本団体の設立は、このような社会ニーズに応えるための重要な取組であると認識している。また、仕事と介護を両立させるために、利用者が必要な情報やサービスにアクセスできる環境を整備することも重要である。今後は、業界の枠を越えて企業を巻き込み、介護保険外サービスの選択肢の充実と認知度向上を目指していくことを期待したい。経済産業省は、厚生労働省と連携し、介護関連サービス事業協会や産業界の皆様と協力しながら、高齢者・介護関連サービス産業の振興を推進していく。
来賓挨拶
厚生労働省 吉田 修 大臣官房審議官(老健、障害保健福祉担当)

今後、65歳以上の高齢者数は増加し、2043年には約39,530千人に達する見込みである。介護保険の要介護認定率は85歳以上で60%近くになり、団塊世代が85歳以上となる10年後には介護需要が増大することが予想されている。
これに対応するため、厚生労働省では地域包括ケアシステムを推進し、深化させることが重要と考えている。このシステムを支える土台として、介護保険サービスの定着と、地域の高齢者の多様なニーズに対応するため、介護に関連するサービスの創出による高齢者の選択肢の拡大が期待されている。特に、認知症や身寄りのない高齢者が増える中で、課題が複雑化・複合化していくため、民間事業者がその力を発揮することが求められる。
また、介護分野においては、ISO基準の策定が進んでおり、経済産業省とも協力して取り組んでいる。基準が整えば、認証制度が導入されると考えられており、タイや中国などアジア各国への進出が期待される分野でもある。この協会設立を契機に、さまざまな方面へのチャレンジが進むことを期待する。
生活支援サービス分科会のご紹介
株式会社ツクイ 原 優実 リレーションシップ推進本部 執行役員

生活支援サービスの課題は2つある。まず、利用者の多くが判断能力の低下している高齢者であるため、利用者保護への配慮が必要である点。次に、事業者が増加し、サービス内容や価格、品質が異なるため、高齢者やその家族が適切な事業者やサービスを選択することが難しい点である。これらの課題に対応するため、当分科会では生活支援サービスガイドラインを作成し、公表する。
ガイドラインは3つの項目から構成されている。第1に、契約締結時の留意事項があり、契約内容を確認し、契約者の判断能力を確認すること、また、不当な集客を禁止することが盛り込まれている。第2に、サービス提供時の留意事項があり、利用者の要望や満足度を把握し、サービスの質の改善を行うことが求められている。第3に、事業者の運営管理体制に関する注意事項があり、事業者情報の公開、研修・訓練の確保、安全管理や個人情報保護の体制が必要とされている。
私自身も、約4年間、働きながら家族の介護を行っている。介護保険サービスや生活支援サービスを活用することで、仕事と介護の両立ができていると確信している。親の介護は、経験しないとその現実を理解しづらいものであり、私たちにはまだ多くの課題が残されている。協会設立はその一歩であり、生活支援サービスと介護保険外サービスのさらなる発展に向けて、今後も取り組んでいきたい。
<生活支援サービス分科会 参画企業>

イチロウ株式会社 |
株式会社クラウドケア |
SOMPOケア株式会社 |
株式会社ダスキン |
株式会社ツクイ |
株式会社やさしい手 |
※企業名の五十音順、アルファベット順で表記しています。
配食サービス分科会のご紹介
ワタミ株式会社 肱岡彰彦 専務執行役員

配食サービス分科会は、ガイドラインの策定に向けた取組みを行ってきた。配食サービスは高齢者の健康管理において重要な役割を果たすため、安心して利用できるサービスの提供が求められる。そのため、ガイドラインでは契約時にサービス内容を確認できるよう配慮し、事業の継続的な運営体制を確保することが盛り込まれている。また、高齢者の低栄養状態や一人暮らしの方への対応も重要視されている。
ガイドラインは3つの項目に分かれており、1つ目は契約に関する事項で、サービス内容の明示や不当な集客手法の禁止について述べている。2つ目は事業者の運営管理体制に関する事項で、災害対策や事故防止、苦情対応などが重要である。3つ目はサービス提供に関する事項で、栄養管理や衛生管理、調理の重要性が強調されている。職員の教育や研修も必須であり、見守りサービスの提供やサービス改善の取り組みが求められている。
現在、3社がガイドライン案を取りまとめており、今後他の事業者にも参考にしてもらえる内容となることを目指している。
<配食サービス分科会 参画企業>

株式会社シニアライフクリエイト |
株式会社シルバーライフ |
ワタミ株式会社 |
※企業名の五十音順、アルファベット順で表記しています。
パネルディスカッション
<パネリスト>

イチロウ株式会社 水野 友喜 代表取締役 |
国際医療福祉大学大学院 石山 麗子 教授 |
松戸市 福祉長寿部 高齢者支援課 菊池 一 様 |
日本介護支援専門員協会 七種 秀樹 副会長 |
豊明市 市民生活部 共生社会課 松本 小牧 様 |
<ファシリテーター>

株式会社チェンジウェーブグループ 佐々木 裕子 代表取締役社長 |
※ ディスカッション内容は後日掲載いたします。
入会のご案内
介護関連サービス事業協会では2025年4月中旬よりご入会募集を開始いたします。
詳細は以下の参考資料および介護関連サービス事業協会ウェブサイトをご確認ください。
参考資料:【介護関連サービス事業協会】団体概要および入会のご案内
介護関連サービス事業協会ウェブサイト:https://csba.jp/
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