市民協主催「集え！次世代の介護人材！リーダーズ研修2024」開催レポート

９月１８・１９日、市民協主催「集え！次世代の介護人材！リーダーズ研修2024」開催。数年ぶりとなりましたが遠方からの参加する団体もあり参加者は３０名。介護系NPOの創業者や次世代リーダーが集いました。

市民協

2024年11月5日 09時00分

認定特定非営利活動法人市民福祉団体全国協議会主催「集え！次世代の介護人材！リーダーズ研修2024」参加者集合写真

介護系NPO1000団体の会員を有し、身近な地域での助け合い・支え合い、優しい福祉のある地域社会づくりを推進している認定特定非営利活動法人市民福祉団体全国協議会（本社：東京都新宿区、代表理事：鷲尾公子・村居多美子・とよしま亮介、以下「市民協」）は、９月１８日・１９日に渡り、認定特定非営利活動法人市民福祉団体全国協議会主催「集え！次世代の介護人材！リーダーズ研修2024」を開催しました。

今回の参加者は３０名。

コロナ禍もあり、数年ぶりの開催となりましたが

遠方からの参加する団体もあり、

介護系NPO創業者ならびに次世代リーダーが揃う研修会となりました。

【９月１８日（水）】

１日目は、高崎地域で２５年もの間、地域福祉を支え続ける

「認定NPO法人じゃんけんぽん」の施設見学（現地研修）からスタートしました。

●見学１：認知症対応型共同生活介護、GH共用型認知症通所介護

・グループホームじゃんけんぽん群馬町（群馬県高崎市足門町1525）

・グループホームあいあいえす（群馬県高崎市足門町1525）

→それぞれ別の場所で開所していたグループホームが建物の老朽化に伴い、令和４年に現在の場所に移転。建物の入口は共通だが、中で完全に分かれており、それぞれ特色のあるグループホームになっている。

●見学２：企業主導型保育

・い～ね保育園（群馬県高崎市棟高町220-1）

→じゃんけんぽん職員を対象にした内閣府所管の企業主導型保育を2018年に開所。0歳児から預かる小規模保育事業のため、現状は0-3歳児の利用が多い。現在は周辺住民（一般利用）も受け入れ対象として運営中。

●見学３：看護小規模多機能型居宅介護（複合型サービス）

・複合型サービスじゃんけんぽん観音寺（群馬県高崎市棟高町220-1）

→市営ゲートボール場跡地に企業主導型保育い～ね保育園と同地に開業。屋外交流拠点「つながる農園」、い～ね保育園と併設しており、多様な交流も特徴の一つ。

●昼食

じゃんけんぽん事業本部のあるコミュニティーカフェ「近隣大家族」（群馬県高崎市棟高町954-8）に集合し、配食サービスに使用している同じお弁当を頂きました。

→この日のコミュニティーカフェ「近隣大家族」に市民協メンバーが一堂に介した光景はまさに「大家族」そのものでした。志を同じくする者同士（近隣）、そして、一堂に大家族、「近隣大家族」万歳！

その後は、高崎市市民活動センター・ソシアス（群馬県高崎市足門町1669-2）にて研修会を実施しました。

●テーマ１：人材育成と地域づくり

＜題名＞群馬発！じゃんけんぽん２５年の軌跡。事業はその先へ。

＜講師＞認定NPO法人じゃんけんぽん井上氏/大佐古氏/菊池氏/佐塚氏

＜紹介＞1999年設立。群馬県高崎市を中心に子どもからお年寄りまで、誰もが安心して暮らせる地域づくり・居場所づくりを行う。フォーマル事業（介護保険・医療保険・障害者総合支援）、インフォーマル事業（NPO活動）を数々手がけ、2021年7月から高崎市認知症伴走型支援事業「もの忘れお気軽相談所 CAFEあんじゃ～ない」を受託運営。設立当初より、持続可能なまちづくりや地域包括ケアシステム構築に向けて取り組んでいる。

＜メモ＞リレー形式で４名の講師にお話し頂きました。

・理事長　井上謙一氏直感で始めた独自の宅老所が創業のきっかけ。介護保険が始まり、必要とされた事業を次々と展開し現在の形に。

・事務局　大佐古恵氏コーチングの経験を活かした人材育成と評価システムの構築。NPO活動継続に向けて広報力の強化を検討。

・管理者　菊池友樹氏管理者就任をきっかけに素直な行動を心がける。失敗が大事。現管理のグループホームを紹介。

・副理事長　佐塚昌史氏インフォーマル事業を重視。ごちゃまぜを見える化し、超高齢社会の課題解決を目指す。

●テーマ２：地域づくりと住まい

＜題名＞市民活動３３年から見えた目指すべき地域像から今を考える。

＜講師＞特定非営利活動法人ゆいの会松下典子氏

＜紹介＞1991年、女性の自立と介護の社会化を目指し住民互助在宅サービス団体設立、99年、法人化。2002退任。知多半島の活動ネットワークづくりや学習会を重ねNPOの中間組織「地域福祉サポートちた」を立ち上げ1999年法人化。知多地域成年後見センター設立、大学とNPOの協働学習新設。2025年の地域包括ケアシステムに関わり常設の「居場所」を核に住民自治力等、近未来の人と組織の基盤づくりをしている。

＜メモ＞この社会は生きにくい。学習を重ね仲間を作る。これからはNPO・市民のいる地域を育てるべき。

●テーマ３：経営改革と報酬制度

＜題名＞介護人材３０万人不足の時代へ！事業所がすべき改革と対策
＜講師＞一般社団法人地域ケア総合研究所竹重俊文氏
＜紹介＞1974年長野県東御市（旧北御牧村）入庁、1983年保健係で終末期の高額な老人医療費に出会う。1998年民間法人にて地域包括ケアシステムの先駆けとなる在宅医療・介護の連携を実践。2010年地域ケア総合研究所設立。行政、海外視察、現場経験から「三者（国民・事業者・行政）の自覚と覚悟・あるべき姿（気づいて頂くための活動）」を推進し、24年間の地方行政での勤務経験を活かした介護事業経営のポイント解説も好評。

＜メモ＞自分たちの基幹事業は何か見定める。インフォーマルを支えるフォーマル事業は何か、そこに選択と集中。

●情報提供①：実務者研修制度について

＜提供＞三幸学園グループ・株式会社日本教育クリエイト

【９月１９日（木）】

２日目は、全体研修は数年ぶりの実施でもあり、市民協学会準備会を開催しました。

●テーマ１、市民協の理念について

●テーマ２、市民協のミッションと存在意義

●テーマ３、市民協の目指すべき未来

＜内容＞参加者全員が車座になり、市民協学会の在り方について沿って自由討議を行いました。

＜意見＞

知ってもらう機会が必要。助け合い・学び合う・育ち合う。フォーラム・分科会なども考えられる。有識者を招き入れる必要がある。調査研究・検証事業ができるようになると良い。ブランド力をあげる。一堂に介することができる場が必要。学会に賛成、市民協って一言で答えられない、今こそ力を結集して仲間と理念を知らしめる。中間は必要・中間支援の学習の機会を作る。現場につながったシンクタンクが必要、データ取りと分析が必要・市民協しかない。NPOは便利屋、勉強会を続けてほしい。自分たちの団体活動をフォーマルと考え、市民協の活動をインフォーマルと捉え支えて欲しい。ブランド力をつける→存在を知ってもらう、集まる機会を作る→学会を立ち上げる、歴史を知る→沿革など市民協を語る会

＜方向性＞「知る・繋ぐ・作る」を市民協のこれからの３つの活動（以下参照）と定め、今後、市民協準備会を立ち上げることを確認。同準備会委員として、代表理事に牧野理事・井上理事・松下理事を加え、話し合いを進めることになりました。

市民協主催リーダーズ研修２０２４宣言

～市民協、これからの３つの活動～

【知る】

・存在を知ってもらう：内部発信、外部発信を積極的に行う

・知ることで高め合う：語る会、勉強会、学会を開催する

・目指すべき姿：ブランド力をつけ、存在感を高める

【繋ぐ】

・仲間を繋ぐ：語る会、勉強会、学会を開催する

・活動を繋ぐ：団体継続のための勉強会やコンサルを実施する

・目指すべき姿：中間支援力をつけ、市民協と会員の未来へ繋ぐ

【作る】