PoC倒れを越えるために ─ Wakka Inc.開発14年の知見から『AI統合型システム開発』の実装フェーズを読み解く─

150名超の開発組織を運営するWakka Inc.が、生成AIの業務実装フェーズを現場視点で考察

株式会社Wakka Inc.

DX推進・システム開発を手がける株式会社Wakka Inc.(本社:東京都千代田区、代表取締役:平野宏幸、以下「Wakka Inc.」)は、生成AIの業務導入を検討・推進する日本企業に向けて、自社の開発現場で得た知見をまとめました。

本考察は、市場動向を網羅的に整理した調査資料ではなく、150名超の開発組織を運営するWakka Inc.が、Webシステム・業務システム・DX支援の開発経験、および近年急増している生成AIを既存システムに組み込む「AI統合型」案件の実装現場で得た知見をもとに、生成AI活用の現在地を独自の視点で論じるものです。

一部、公開統計を参照していますが、見解や課題認識はあくまで弊社の現場経験に基づくものであり、業界全体を代表するものではない点をあらかじめお断りいたします。

■ サマリー

  • 生成AI市場は国内外で急速に拡大し、企業活用は「試験導入」から「実装・運用」フェーズへ移行している。

  • 生成AIの役割は「個人が使うツール」から「業務システムに組み込まれた業務基盤」へと変化している。

  • AI統合型システム開発では、PoC設計・社内データ連携・セキュリティ・運用設計が成否を分ける要素になっている。

■ 1. 市場動向:生成AI市場は急速な拡大期にある

生成AI市場は国内外で急速に成長しています。

富士キメラ総研の調査によれば、日本の生成AI市場は2028年度に1兆7000億円強規模へ拡大する見込みです。

また総務省「令和7年版 情報通信白書」(IDC Japan調査)では、日本のAIシステム市場全体について、次のような数値が示されています。

  • 2024年:1兆3,412億円

  • 2029年:4兆1,873億円(予測)

世界市場でも生成AIは高い成長を続けており、2024年の361億ドル(AI市場全体の19.6%)から、2030年には3,561億ドル(同43.1%)へ拡大すると見込まれています。

企業のDX推進、人手不足への対応、業務効率化といった構造的な要因が、生成AI導入を強く後押ししている状況です。

■ 2. 企業活用の変化:「個人ツール」から「業務基盤」へ

生成AIの企業利用は、この1〜2年で大きく変化しています。

導入初期では、社員が生成AIを個別に利用する「個人の業務効率化」が中心でした。

  • 議事録作成

  • 文章生成

  • 翻訳

  • アイデア出し

しかし現在は、生成AIを業務システムの中に組み込む形での導入が増えています。

当社がお客様からご相談いただく案件でも、主な活用領域は次のとおりです。

  • カスタマーサポート:問い合わせ対応チャットボット

  • コンテンツ制作:マーケティング文章や資料の自動生成

  • ソフトウェア開発:コード生成、レビュー、テスト支援

  • データ分析:顧客行動分析やレポート生成

生成AIは、「個人が使うツール」から、企業の業務基盤の一部へと役割を広げています。

システム開発の現場でも、生成AIをプロジェクトに組み込む前提でアーキテクチャを設計するケースが一般的になりつつあります。

関連記事:生成AIをシステム開発に活用できる?メリットと企業事例を徹底解説

https://wakka-inc.com/blog/20625/ 

■ 3. 開発現場の変化:AI統合型システム開発の台頭

こうした企業活用の変化に伴い、システム開発の現場でも生成AIの位置づけが変わっています。

最近の特徴は、AIを単体で導入するのではなく、既存システムと連携させる形で実装するケースが増えている点です。

当社の開発現場で手がける案件でも、次のような実装パターンが増加しています。

  • 社内ナレッジ検索AI(RAG型)

  • 問い合わせ対応AI

  • 営業支援AI

  • 文書作成・要約システム

この背景にはAI API(AI機能を自社システムに組み込むための仕組み)の普及があり、企業はAIモデルをゼロから開発することなく、自社システムにAI機能を統合できるようになりました。

一方で、生成AIを組み込んだシステム開発は、従来のWebシステム開発とは根本的に異なる特性を持ちます。

出力が非決定論的であり、データ品質が成果物の精度を左右するため、企画・PoC・実装・運用の各フェーズで従来とは異なる設計思想が求められます。

また近年は、企業固有のデータを活用したカスタマイズ型AIへの需要も拡大しています。

その結果、生成AI時代のシステム開発では、次の4点が設計上の重要テーマになっています。

  • 社内データとの連携(データ整備・権限設計・検索精度)

  • セキュリティ設計(入出力マスキング・ログ管理・利用ポリシー)

  • 業務フローへの統合(既存システム連携・UI/UX設計)

  • AI運用管理(精度監視・モデル更新・評価サイクル)

関連記事:生成AIによる開発プロセスの完全マニュアル|企画から運用までを徹底解説

https://wakka-inc.com/blog/29093/ 

関連記事:生成AIによる自社データの活用|学習方法や業務活用事例などを解説

https://wakka-inc.com/blog/29262/ 

■ 4. 実装現場で直面する課題

AIを活用したシステム開発のご依頼をくださるクライアントにヒアリングをする中で、次のような課題に直面されているケースが増えている実感があります。

【PoCから本番運用への移行が難しい】

検証環境では動くものの、既存システムとの接続・権限設計・運用体制が未整備のまま止まる、いわゆる「PoC倒れ」が頻発しています。

PoCの段階からビジネス課題とKPIを明確にし、本番運用を前提にした検証設計を行うことが重要です。

【社内データ整備がボトルネックになる】

RAGを前提とした実装では、ドキュメントの整備状況と権限管理の設計が、そのまま回答精度に直結します。

「AIを入れればすぐ答えが出る」わけではなく、データ側の整備が成否を分けます。

【評価・改善サイクルの設計が不足する】

生成AIは一度作って終わりではなく、プロンプト・モデル・データを継続的に改善する前提での運用設計が必要です。

精度監視の仕組みを開発初期から組み込むことが欠かせません。

【開発リソースの確保が難しい】

AI統合型システム開発は従来のWeb開発とは異なるスキルセットを求められる領域であり、国内エンジニアの確保が難しい傾向にあります。

ラボ型開発などの柔軟な開発体制の活用が現実的な選択肢となるケースも増えています。

関連記事:生成AI導入に伴うPoCの進め方|成果を出す検証結果と継続判断の基準を解説

https://wakka-inc.com/blog/29268/ 

関連サービス:Wakka Inc. PoC/MVP開発 ── AIを活用した新規事業・プロダクト開発の検証から事業化まで一貫支援

https://wakka-inc.com/service/mvp/ 

■ 5. 今後の展望:AI市場の3つのトレンド

今後のAI市場において、弊社は次の3つのトレンドが重要になると考えています。

【1. AIの「業務組み込み」の本格化】

企業は生成AIを単体ツールとして使うだけでなく、業務システムやサービスへ統合する形で活用する動きが一層広がると見られています。

開発現場では、目的に合ったモデル・ツールの選定と、既存システムとの接続設計の巧拙が、プロジェクトの成果を大きく左右するようになっています。

【2. AIエージェントの普及】

人が設定した目標に基づき、複数のタスクを自律的に実行するAIエージェントへの注目が高まっています。

問い合わせ対応や情報収集など、業務自動化の新たな手段として期待されています。

【3. マルチモーダルAIの進化】

テキスト・画像・音声を統合して処理するマルチモーダルAIの進化により、コンテンツ生成やデータ分析の高度化が進むと見られています。

関連記事:生成AIシステム開発ツール13選!ツール選定のポイントから最新トレンドまで解説

https://wakka-inc.com/blog/26061/ 

■ 関連資料のご案内|ホワイトペーパー無料ダウンロード

Wakka Inc.では、本レポートの内容をより実務で活用いただくために、生成AI導入の検討に役立つホワイトペーパーを無償で公開しています。

▼『生成AIのPoC事例集』

大手企業における生成AIの実際の導入目的から、PoC(概念実証)の検証ポイントまでを解説した実務資料です。

こんな方におすすめです

  • 生成AIの導入を検討している経営層・マネージャーの方

  • 新規事業で生成AI活用を検討されているプロジェクト責任者の方

  • PoC実施時の注意点や判断基準を学びたいご担当者の方

ダウンロードはこちらhttps://wakka-inc.com/document/20505/ 

■ 担当者コメント

生成AIに関する情報は数多く存在しますが、モデル・API・関連制度は短いサイクルで変化し、業界や業務ごとに「正解」も大きく異なります。

表面的な情報だけでは、PoCから本番運用へ進めずに止まってしまうプロジェクトが少なくありません。

私たちは約20年にわたり、Webシステム・業務システム・DX支援など、開発現場の最前線に携わってきました。

近年はその延長線上で、生成AIを既存システムに組み込むAI統合型のご相談を受けることが増加し、PoCを中心にご依頼を頂いてきました。

今回の考察は、そうした開発現場で得た実装フェーズで本当に必要だった知識を整理したものです。

当社ではPoC/MVP開発サービスやホワイトペーパー『生成AIのPoC事例集』を通じて、AIを活用した新規事業・プロダクト開発の検証から事業化までをご支援しています。

これから生成AI活用を本格化される企業にとって、実践的な参考情報となれば幸いです。

■ 株式会社Wakka Inc. について

「ITリソースの最適化で、企業の可能性を解き放つ」をミッションに掲げ、システム開発、ラボ型開発、AI統合型システム開発、PoC/MVP開発、DX支援を展開。

150名超の開発組織を運営する実務直結型のITパートナーです。

■ 会社情報

社名:株式会社Wakka Inc.

代表者:代表取締役 平野 宏幸

設立:2008年

所在地:〒102-0084 東京都千代田区二番町12番3号 グレイス麹町8階

TEL:03-6327-3011(代表)

事業内容:システム開発、ラボ型開発、AI統合型システム開発、PoC/MVP開発、DX推進コンサルティング

URL:https://wakka-inc.com/ 

■ 本件に関するお問い合わせ先

株式会社Wakka Inc. 公式サイト:https://wakka-inc.com/ 

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会社概要

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業種
情報通信
本社所在地
東京都千代田区二番町12番3号 グレイス麹町8階
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代表者名
平野 宏幸
上場
未上場
資本金
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設立
2008年01月