フリーランス志向が正社員志向を上回る──派遣エンジニア「ならでは」のキャリア観とは？

MARKEDELIC株式会社

2025年6月26日 10時02分

MARKEDELIC株式会社は、派遣就業経験のあるエンジニア・プログラマー418名を対象にWebアンケート調査を実施しました。

【調査の背景とサマリー】

副業の一般化、リスキリング需要の高まりなど、近年の労働市場における「キャリア」の概念は大きく変容しています。特にエンジニアのような専門職においては、スキル習得や働き方の柔軟性・自律性といった観点を軸に構築される、多様かつ流動的なキャリア形成の志向性が顕著です。

本調査の結果、派遣エンジニアならではのキャリア観が浮き彫りとなりました。特徴的なのは、正社員志向を上回る「フリーランス志向」、そして「まずは派遣でスキルを身につけたい」という段階的なキャリア設計です。エンジニアという専門職において、キャリアの複線化が進んでいる実態が明らかになりました。

「正社員志向」を「フリーランス志向」が上回る

「今後どのようなキャリアプランを考えていますか？」という設問（単一回答形式）に対し、「専門性を高めてフリーランスを目指したい」（21%）と回答した人が、「正社員として安定した職を得たい」（18%）を上回る結果となりました。

また、「当面は派遣エンジニアとして多様なスキルを身に着けたい」（23%）を選んだ層が最多となっており、キャリアを段階的に構築していくという意識の広がりが読み取れます。

案件選定でも重視される、スキルアップの意識

「派遣先企業や案件を選ぶ際に特に重視しているポイントは？」（複数回答形式）という設問では、「新しいスキルや業務経験を獲得できる」（45％）が最多、そして「保有スキルと業務内容の合致」（42%）が続きました。

一方、「正社員登用の可能性」（6%）、「派遣先企業の知名度」（6%）といった項目は下位に留まっており、この結果は、正社員志向の低さ、そしてフリーランス志向の強さとも一致します。「成長や経験を通じて市場価値を高めたい」という姿勢が読み取れます。

ソフトスキルの成長も──フリーランス志向を支える「人脈」「対話力」

「派遣就業において、どのような点で成長を感じましたか？」という設問（複数回答形式）では、「新しい技術を学ぶ機会が多かった」（49％）、「多様なプロジェクトに携われた」（44％）といった技術面の回答に加えて、「新たな人脈を獲得できた」（31％）、「コミュニケーションスキルが向上した」（29％）といったソフトスキル面の評価も高い水準にありました。

これらの結果は、フリーランスや独立を視野に入れる人にとって不可欠な「対人関係力」や「職場適応力」の習得が、派遣という働き方を通じて実現されていることを示唆しています。

定年を決めない一方で「転換意識」も根強く

「エンジニア・プログラマーとして何歳くらいまで働きたいですか？」という設問（単一回答形式）では、最多は「できるだけ働き続けたい」（42％）でした。「プログラミングは年齢を問わず活躍できる分野であり、知識や経験を積み重ねるほどに仕事の幅も広がる」「年齢に関係なく、可能な限り長く現役として働きたい」といった声も寄せられ、知識蓄積型の専門職ならではの特性が表れていると考えられます。