一般社団法人NeuroPiano 『ミュージック・エクセレンス・トレーニングセンター』を始動
~音楽家のための心身サポートと熟達支援を提供する身体教育サービスの提供開始~
一般社団法人NeuroPiano(代表理事:古屋晋一 以下、NeuroPiano)は、音楽家のための心身サポートと熟達支援を提供する教育プラットフォーム『ミュージック・エクセレンス・トレーニングセンター』(以下、本トレセン)を立ち上げ、音楽家を目指す学習者や、演奏者、学校・企業を対象とした身体教育サービスの提供を開始します。音楽表現の高みを追求し、音楽家の技術と精神両面の持続的向上につなげる包括的な身体教育サービスの提供は、従来の音楽教育では見られなかった新たな取り組みです。
本トレセンでは、音楽表現を支える心身の基盤を育むカリキュラム「PEAC(Physical Education for Artists Curriculum)」に基づき、身体教育サービスを提供します。学習者には表現の選択肢を広げる基礎力の習得を、演奏者には身体の使い方を通じた“見かけの限界”の突破と理想の演奏の実現を、学校・企業には身体教育の導入による教育・指導の質向上の実現を支援します。第一弾として学習者向けサービスを開始するにあたり、都内に本トレセン専門施設を開設予定です。7月より受講者の募集を開始しますので、サービス詳細はパンフレットを、募集要項はこちらをご参照ください。

音作りのための身体の基盤習得に特化した教育カリキュラム「PEAC (Physical Education for Artists Curriculum)」は、株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所(以下、ソニーCSL)の研究員でもある古屋晋一が進める音楽家の熟達支援と故障予防のための研究・開発である「ダイナフォーミックス」の成果と、ジュニアピアニストに対する「Music Excellence Academy」や国内外の音楽教育機関等で培われた指導知を元に体系化されています。本トレセンでは「PEAC」に基づく身体教育サービスの提供により、音楽家が心身の問題から解放されて、音楽表現を具現化し、選択できるようになるための基盤を習得し、音楽表現の探求に専念できるようになることを目指します。
スポーツ分野では、ジュニアからトップ選手まで、体系的なトレーニングや心身サポートを受ける仕組みが整備されており、ナショナルトレーニングセンターはその好例です。音楽家も、幼少期から膨大な練習を重ね、演奏家としてのキャリアはアスリートよりも長いとされている一方、アスリート同様の心身サポートや学びに相当する支援を受けられる仕組みは、数世紀に渡り世界中で整備されてきませんでした。その結果、練習しても上達しなかったり、問題を解決できなかったりする「学びの停滞」に苦しみ、自身の能力を最大限に発揮できない“見かけの限界”に苦しむ人や、膨大な練習の過程で身体を痛める人、心理不安に伴い演奏活動の継続が困難となる人が、古今東西を問わず少なくありません。NeuroPianoは、本トレセンの開設により、音楽家が生涯に渡り、心身健やかに成長するための基盤づくりや、できないことができるようになる喜びの創出を通じて、個々の音楽家が本来の表現力を十分に発揮できる環境を広げることで、文化が持続的に発展する社会の実現に貢献します。

本トレセンのコンセプト
本トレセンでは、音楽家が演奏時に心身の問題から解放されて、音楽表現を具現化し、選択できるようになることをゴールに据えています。そのためには、音楽を構成する様々な“音型”(スケール、オクターブ、トリルなど)と、その音型を生み出す多彩な“表現”(レガート、スタッカート、響きの芯の有無など)を自在に組合せられる術を習得する必要があります。その習得の過程で、腕が力んだり肩が上がったり楽器を押し付けたりといった「誤った身体の使い方のクセ」が定着することや、自分は体格や筋力などに恵まれていないために限界だと思い込んで諦めてしまうことを回避し、様々な音型で多彩な表現を生み出すための適切な学びの道筋をガイドします。表現の選択そのものは、音楽指導者の方々やアーティスト自らに委ねられるものであり、本トレセンは干渉しません。むしろ、指導者やアーティスト自身の目指す音作り(What)を、どのようにして習得するか(How)をサポートすること、ひいては指導者やアーティストと手を取り合って共創し、相乗効果を生み出すことを、本トレセンは目指しています。

本トレセンの学びのプログラムの構成
本トレセンは、主に以下のプログラムを提供します。
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スキル診断:スケールやアルペジオ、トリルをはじめとする音楽の基盤となるスキルを独自のセンシングシステムとデータ解析アルゴリズムで計測・評価し、学習者が気づかない演奏の癖や課題や伸びしろを発見します。
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コーチング:コーチと学習者が1対1となり、理想の音作りを具現化する身体の使い方や注意の向け方や練習方法を学習者が習得することを、PEACメソッド*を通してサポートします。
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トレーニング:ダイナフォーミックスの研究を通して効果が示された運動や感覚の機能のトレーニングを通して、音作りと関連する心身の機能を向上します。指先のタッチや音の聴き分けなどの感覚機能や、動きの俊敏性や正確性や操作性などの運動機能などを対象とします。
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コンディショニング:心身のコンディションの揺らぎを整えたり不調を改善したりするためのコンディショニングやストレッチを理学療法士が指導し、良い心身の状態で演奏・練習できることを目指します。
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レクチャー動画:脳・心・身体に関する研究を通して得られた知見を体系的に学べるPEACオンラインレクチャーを提供します。内容は、暗譜・アガリ・力み・怪我の予防・身体の仕組みなど多岐に渡ります。
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リモートサポート:自宅や練習室等での学習者の学び(独習)を、独自のAIレッスン解析技術やアプリを用いて支援し、本トレセン外での学びの促進や定着をサポートします。
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独習支援:学習者自らが本トレセンの独自のセンサーや可視化システムを用いて楽器を練習することで、普段の練習では気づかないクセや伸びしろを発見し、定着させることをサポートします。
* PEACメソッド
楽器を用いて身体の使い方を伝えるコーチングは、古屋が考案し、体系化した身体教育カリキュラム「PEAC」に基づいて進められます。学び手が解決したい音作りの問題に対して、関連する身体の使い方の問題を現象と原因に分けて分類し、原因となる全身の姿勢や動きを適切な方向に導きます。姿勢を矯正したり、無駄な力みの脱力を促したりといった従来の身体教育やトレーニングメソッドと一線を画します。

身体教育のサービス
本トレセンでは、上記のプログラムを柔軟に組み合わせて、主に以下のコースを提供します。学習者向けのカリキュラムコースは2026年 7月 1日より順次募集を開始します。コースの内容・応募に関する詳細はパンフレットを、募集要項はこちらを参照ください。
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カリキュラムコース:半年間を1つの期間としたコースで、力みや姿勢などの誤った身体の使い方のクセをつけず、適切な姿勢と動きで音作りの基盤を習得することを、スケールやアルペジオ、和音や跳躍といった音楽を構成する基本的な音型を用いて目指します。
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短期集中コース:限られた回数のコーチングを通して、特定の課題や心身の問題を解決に導くサポートを提供します。医学的な問題に対しては医療機関と連携を取りながら進めます。
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自習コース:タッチや姿勢、身体の動きなどを可視化したデータと、独自のAIシステムが提示するアドバイスを手掛かりに、理想的な身体の使い方の習得と定着を効率的に促します。
*身体教育サービス提供メンバー(敬称略)
オーガナイザー : 古屋 晋一
チーフコーチ : 塩木 ももこ
トレーナー : 汐谷 祥子
アーティストサポート : 山本 有宗
お問い合わせはこちらからお願いします:
https://www.neuropiano.org/jp/contact/agree
古屋 晋一 代表理事のコメント
音楽家の方々のためのトレーニングセンターを世界に先駆けて開設することは、私の長年の悲願でした。およそ四半世紀に渡り私が共同研究者らと取り組んできた音楽家のための研究や教育を、ソニーCSLで開発したハードウェアやソフトウェアなどの成果と、5年間に渡るピアノアカデミーで培った知見を融合させて、サイエンスとテクノロジーを駆動力とした包括的な教育プログラムを開発しました。世界の音楽教育のデファクトスタンダードを日本から発信し、「未来の当たり前」を少しでも多くの音楽家の方々が享受できることで、音楽家が表現を具現化する上で限界だと思っていた壁を突破できる喜びに溢れた社会の実現を、本トレセンでは目指しています。
古屋晋一について
大阪大学 基礎工学部卒業後、同大学大学院 人間科学研究科、医学系研究科を経て、博士(医学)を取得。ミネソタ大学 神経科学部、ハノーファー音楽演劇メディア大学 音楽生理学・音楽家医学研究所を経て、上智大学 理工学部 准教授および同大学 音楽医科学研究センター センター長として勤務した後、現在はソニーCSL リサーチディレクターおよび一般社団法人NeuroPiano代表理事を務める。また、ハノーファー音楽演劇メディア大学 客員教授、東京音楽大学 特任教授、京都市立芸術大学および桐朋学園大学にて非常勤講師を兼務。日本学術振興会 特別研究員および海外特別研究員、フンボルト財団ポストドクトラルフェロー、ドイツ研究振興会(DFG)ハイゼンベルグフェロー、文部科学省 卓越研究員、クラインフォーゲルバッハ賞受賞、日本学術振興会賞受賞。主なピアノ演奏歴に、KOBE国際音楽コンクール入賞、 Ernest Bloch音楽祭(アメリカ)出演、兵庫県立美術館ソロリサイタルなど。
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