アリックスパートナーズ、「ディスラプション・インデックス 2026 年版」を発表
ディスラプションが常態化する中、変化に対応できていないと考える CEO が増加 うち 85%が専門サポートを求め、約半数が失職を懸念
グローバル・コンサルティング・ファームのアリックスパートナーズ(本社:米国ニューヨーク、日本:東京都千代田区、代表:植地卓郎、以下、当社)は、今回で 7 回目となる「ディスラプション・インデックス2026 年版」(以下、本調査)を発表しました。本調査は、世界 11 カ国の 3,200 名の CEO を含む経営幹部を対象に実施、経営上の最大の懸念事象や「ディスラプション(ビジネス、市場、ビジネスモデルを変えてしまうような破壊的な経営環境の変化と定義)」が組織に与える影響を考察しています。本調査のハイライトは以下の通りです。
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継続するインフレへの懸念: 経営幹部の半数が、過去 1 年間で自社のビジネスに影響を与えたディスラプションの大きな要因の一つとしてインフレを指摘。
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不安定化する経営トップの立場: CEO の 40%が「役割に対する不安の増大」を回答し、72%が「優先対処事項の判断の難化」を実感している。さらに 45%が自らの職を失う可能性を不安視するなど、かつてないほど不安定化している実態。
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経営層内における危機感の「温度差」: 強くディスラプションを実感する割合が、CEO の 70%に対し、他の経営層では 39%にとどまるという認識の乖離。
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AI への楽観と人員削減の予想: CEO の 80%が AI の影響を楽観視する一方、44%が AI による大規模な人員削減を予想。
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AI 先行企業ほど高いリスク意識: 変革の最前線に立ち AI 活用で先行する経営層ほど、不安とディスラプション認識が高いという、経営リスクへの強い意識。
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成長の分水嶺となる地政学・産業政策対応: 高成長企業の 8 割超が、関税や米中関係、規制強化を織り込んだ戦略を策定。これらへの経営推進が成長の分岐点に。
孤立する CEO、その他経営層とのディスラプションへの危機感に大きなギャップ
CEO が抱える不安は他の幹部層には十分に理解されていないのが実情で、本調査からも、経営幹部の間の認識のギャップが広がっていることが明らかになっています。CEO の 70%が「ディスラプションを強く感じている」と回答している一方で、同様に感じている CEO 以外の幹部層は 39%にとどまっています。また、CEO の半数以上が「自社には変化に効果的に対応する俊敏性が不足している」と考えており、「企業全体として変化への適応スピードが十分ではない」と懸念しています。
ディスラプションや不安が一層強まる中、CEO の 85%が専門家や個人的なサポートが必要と感じています。また、45%の CEO は知識やスキルの面で時代に後れを取っていると認識しています。CEO は大きなプレッシャーにさらされ、その責任を一人で背負っている状況に置かれています。
アリックスパートナーズの共同 CEO であるデイビッド・ガーフィールド(David Garfield)は、次のように述べています。
「CEO は、絶え間なく続くマクロ経済の逆風と市場のボラティリティに翻弄される中でのかじ取りを強いられています。このような環境では、俊敏性や的確な判断力は、生き残るために不可欠な要素です。プレッシャーを一人で抱え込むのではなく、CEO は経営幹部チーム全体に危機感と方向性の共有を促す必要があります。これは、現代のリーダーシップにおける重要な課題であり、持続的な成長を左右する最も重要な要因の一つとなっています。」
AI 革命: スピードは競争優位性となるのか?
経営幹部の約 80%は AI が長期的にもたらす影響に対して楽観的な見方を示しています。一方で、本調査は、急速に進化するこの技術の導入をめぐり、経営層の対応や取り組み姿勢に明確な差が生じていることを浮き彫りにしています。
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AI 導入で業界をリードしていると回答した企業の経営幹部ほど、同業他社の幹部に比べて不安感が強い傾向にある。また、ディスラプションをより強く認識している点でも、高いスコアを示している。
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エージェント型 AI の導入が急速に進展している。高成長企業の経営幹部の 51%がすでに広く実装しているのに対し、成長が鈍化している企業の実装はわずか 14%にとどまっている。
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CEO の 44%は、AI の影響で今後 5 年以内に従業員の 10%以上が削減されると見込んでいる。また、5年後には業務の 55%が少なくとも一部で AI と統合されると予想しており、特にカスタマーサービスやオペレーション分野でその傾向が顕著になると考えられている。これは、生産性や業務パフォーマンスの向上を引き続き重視する動きを反映している
アリックスパートナーズの共同 CEO であるロブ・ホーンビー(Rob Hornby)は以下のように述べています。
「AI の活用を巡る期待は、幹部の経営アジェンダそのものを再定義しつつあります。しかし、AI を収益化し、実際に目に見える成果につなげるには、より明確な焦点設定と優先順位付けが不可欠です。産業革命からドットコム・バブルの時代に至るまでの歴史が示しているように、技術的ディスラプションは最終的に雇用を生み出し、新たな価値を創出してきました。同時にその歴史は、『いち早く取り組む』以上に、『正しく取り組む』の方が重要であることも教えています。」
ビジネスモデルを変革していく上で最大の障壁として挙げられているのは、文化的抵抗(43%)、予算の制約(41%)、明確な方針や合意の欠如(39%)、そして人材不足(31%)です。特に注目すべき点として、AI に対する楽観度は企業規模が大きくなるほど高まる傾向があり、大企業ほど自信を持って AI 活用に取り組んでいることが示されています。
高成長企業を率いるリーダーのプレイブック
本調査によると、現在最も急成長している企業は、先行き不透明な経済環境の中でも大胆かつ戦略的に行動することで、他社との差別化を図っています。安定や時代遅れの戦略に依拠するのではなく、ディスラプションは常態的なものだと認識し、長期的に競争の優位性を確保するために迅速かつ果断に行動しています。
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関税への対応として、すでに 73%の成長企業が仕入先や取引先のネットワークを多様化。一方で、成長が鈍い企業では、既存条件の再交渉に注力しているのは 34%にとどまっており、対応姿勢に大きな差が生じている。
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高成長企業のリーダーは、世界的な不確実性への耐性を高めるための投資を加速している。具体的には、55%が設備投資や事業拡大計画を拡大している。
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ディスラプション指数によると、高成長企業のリーダーは製品ポートフォリオを進化させるとともに、リスク管理や規制対応に向けた投資を拡大している。具体的には、59%がコンプライアンス関連の支出を増やしているほか、78%が米中関係を踏まえて戦略を見直すという対応をしており、対応力に劣る競合他社を大きく上回る水準にある。
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83%の高成長企業が新たに導入・変化する産業政策への対応戦略を策定している。一方、成長が鈍い企業では、こうした対応を進めているのは 5 社のうち 1 社にとどまる。変化を受け入れ、迅速に行動することで、これらの企業は不確実性を乗り越えるだけでなく、急速に変化するグローバル環境の中で持続的な成長に向けたポジションを確立しつつある。
アリックスパートナーズ日本共同代表である植地卓郎は以下のように述べています。
「ディスラプション・インデックスが始まってからの過去 7 年間、一貫して変わらない原則があります。それは、最も成長している企業のリーダーは、変化に追いついているだけではなく、その都度『戦い方』そのものを書き換えているということです。事業の国内回帰(リショアリング)を進め、コンプライアンスを強化し、地政学的変化に対応するといった課題に直面しながらも、成長企業のリーダーたちは、断固とした変革が単なる不確実性への対処ではなく、持続的な成功の基盤であることを示しています。」
「ディスラプション・インデックス2026年版」(英語)の詳細ははこちらよりダウンロード頂けます。
※本内容は2026年1月14日に米国・英国で発表された内容をもとに作成されたものです。
アリックスパートナーズについて
1981 年設立。ニューヨークに本社を構える結果重視型のグローバルコンサルティング会社。企業再生案件や緊急性が高く複雑な課題の解決支援を強みとしている。民間企業に加え、法律事務所、投資銀行、プライベートエクイティなど多岐にわたるクライアントを持つ。世界 27 都市に事務所を展開。日本オフィスの設立は 2005 年。日本語ウェブサイトは https://www.alixpartners.com/jp/
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