不妊治療の保険適用「回数制限」の見直しを求める署名が1万筆に到達
~2028年度の診療報酬改定を見据え、当事者団体・生殖医療専門家・産業界が協働~

当事者団体・生殖医療専門家・産業界が協働する「社会で支える不妊治療共創会議」(以下、本会議)は、2026年10月22日より開始した、不妊治療の保険適用における回数制限の見直しなどを国に求める署名活動について、11月6日に署名数が1万筆に到達したことをお知らせいたします。
2022年の保険適用開始により、不妊治療に伴う患者の経済的負担は一定程度軽減されました。一方で、生殖補助医療における胚移植の保険適用には回数制限があり、経済的な負担や制度上の制約が、治療継続の判断に影響する場合があります。
本署名活動には、開始から約2週間で1万筆の賛同が集まるとともに、保険適用の回数制限によって治療を続けるかどうかの判断に悩む方や、上限に達した後も自費で治療を続けた方などから、体験談やメッセージが寄せられています。
本会議は、2028年度の診療報酬改定を見据え、保険適用開始後の実臨床データや医学的知見、当事者の実態を踏まえた制度の見直しを目指しています。その一環として、本署名活動を通じて当事者・支援者の声を集め、国に届けます。
署名ページ: http://Change.org/funin-2026shomei
署名活動に寄せられた当事者・支援者の声
本会議では、署名活動とあわせて、不妊治療に関する体験談や、治療を望む人への応援メッセージを募集しています。
これまでに、回数制限によって治療継続の判断を迫られる方や、保険適用の上限に達した後も自費で治療を続けた方などから、さまざまな声が寄せられています。その一部をご紹介します。
■「保険移植がラスト1回。授からなければ治療をやめます」
「2020年から体外受精をしています。子どもは何人でも授かればほしいですが、保険でカバーされる移植がラスト1回です。もしあと1回で授からなければ治療をやめます。もし保険適用の回数が増える、もしくは撤廃されれば治療を再開し授かるまで頑張りたいです。」
■「10回目の移植で妊娠・出産しました」
「2022年から2026年にかけて不妊治療を行い、17回の採卵と10回目の移植で妊娠・出産しました。保険適用の6回では結果が出ませんでしたが、自治体の助成金があったため、自費で治療を続けることができました。私のようにトライアンドエラーを繰り返す人もいます。」
■「第二子を望んで500万円以上。制度が変わらない以上、諦めざるを得ません」
「保険適用の6回では授からず、自由診療で移植しても授かりませんでした。第二子を望んで500万円以上使いましたが、もう限界です。制度が変わらない以上、諦めざるを得ません。6回で妊娠できない人はきっとわたし以外にもたくさんいると思います。子どもを望む人を応援する制度に期待しています。」
※本内容は個人の経験に基づくものであり、すべての方に当てはまるものではありません。
※掲載しているコメントは、原文の趣旨を損なわない範囲で一部を抜粋・編集しています。また、プライバシー保護の観点から個人が特定されないよう配慮しています。
社会で支える不妊治療共創会議 代表/NPO法人Fine 理事長
野曽原 誉枝 コメント
署名活動の開始から短期間で1万筆もの賛同が寄せられたことを、大変心強く感じています。また、お寄せいただいた体験談からは、保険適用の回数制限や経済的な負担によって、治療を続けたくても諦めざるを得ない方々の切実な思いが伝わってきます。
不妊治療の保険適用は当事者にとって大きくありがたい前進でした。しかし子どもを望む人が納得して選択できる制度にしていくためには、まだ課題が残されています。今後も当事者や応援してくださる方の声を集め、医学的知見や実臨床データも踏まえながら、2028年度の診療報酬改定を見据えた政策提言につなげていきたいと考えています。
署名活動を通じて国に届けたい声
本会議は、不妊治療を望む人が、制度上の制約や経済的な事情によって選択肢を狭められることなく、納得して治療を選べる環境を目指しています。本署名活動を通じて、以下の2点を国に求めます。
1.保険で受けられる不妊治療(胚移植)の回数を増やしてください
2.子どもを望む人の選択を支える、医療保険制度と社会環境を整えてください
署名活動開始の背景:保険適用における「回数制限」の課題
現行制度では、体外受精・顕微授精において、保険適用となる胚移植の回数は、治療開始時の女性の年齢が40歳未満の場合は1子につき6回まで、40歳以上43歳未満の場合は1子につき3回までとされています。
この上限に達すると、その後の治療は原則として全額自己負担となります。費用の壁によって治療を続けたくても諦めざるを得ない人がいます。また、回数に上限があることで、当事者は「あと何回」を数えながら治療に臨み、続けるかどうかの判断も、制度上の回数と経済的な事情に左右されています。
本会議は、こうした当事者の負担を踏まえ、保険適用開始後に蓄積された実臨床データや医学的知見に基づき、現行の回数制限の妥当性を改めて検証する必要があると考えています。治療の有効性・安全性や医療保険制度の持続可能性も考慮しながら、治療を望む人が納得して選択できる制度の実現を目指します。
署名活動概要
●署名への参加方法
オンライン署名サイト「Change.org」、または不妊治療を実施する医療機関などに設置された署名用紙からご参加いただけます。署名は、お一人につきいずれか一方の方法で1回のみお願いいたします。
署名ページ:http://Change.org/funin-2026shomei
署名活動期間:2026年10月22日(木)〜2027年1月17日(日)
集まった署名は、2028年度の診療報酬改定を見据えた政策提言に活用し、国の関係機関に届ける予定です。今後の活動については、本会議のウェブサイト等を通じてお知らせします。
●不妊治療の体験談・応援メッセージ募集中
本会議では、署名活動とあわせて、不妊治療に関する体験談や、治療を望む人への応援メッセージを募集しています。治療費の負担、制度や職場環境に関する困りごとなど、皆さまの声をお寄せください。
お寄せいただいた体験談やメッセージは、今後の活動や政策提言を検討する際の参考として活用します。ウェブサイトや広報資料等で紹介する場合には、事前にご本人の同意を得たうえで、プライバシーに十分配慮して取り扱います。
「社会で支える不妊治療共創会議」について
「社会で支える不妊治療共創会議」は、子どもを望むすべての人を社会全体で支える仕組みづくりを目的に、2026年3月16日に発足しました。当事者団体・生殖医療専門家・産業界が協働し、不妊治療を持続可能な形で支える制度や社会環境の整備に取り組んでいます。
立場の異なるステークホルダーがそれぞれの強みを持ち寄り、対等な立場で議論を深める「共創」の枠組みを特徴としています。当事者団体が示す生活や治療上の課題・ニーズを起点に、生殖医療専門家が医学的見地から参画し、産業界が具体的な制度設計の提言や、社会への実装を伴う環境整備を推進することで、実効性のある解決策を導き出していきます。
2028年度の診療報酬改定を見据えた政策提言に加え、企業における治療と仕事の両立支援の好事例の普及、不妊治療への理解促進やプレコンセプションケアの普及に向けた取り組みを進めていきます。
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発足:2026年3月16日
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代表: NPO法人Fine 理事長 野曽原 誉枝
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コアメンバー
JISART(日本生殖補助医療標準化機関)理事長/医療法人絹谷産婦人科 院長 絹谷 正之
医療法人 蔵本ウイメンズクリニック 理事長/院長 蔵本 武志
医療法人社団 英ウィメンズクリニック 理事長 塩谷 雅英
メルクバイオファーマ株式会社
ヴィトロライフ株式会社
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主な活動:不妊治療に係る政策提言、企業における「治療と仕事の両立支援制度」のモデルケースの普及、啓発活動。
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