仮想通貨詐欺の調査会社が、手口14類型を公開。接触・送金・出金・被害後の4フェーズで整理し注意喚起
SNS型ロマンス詐欺では被害総額の48.6%が実質的に暗号資産で交付されている(警察庁・令和7年確定値)。接触から被害後までの4フェーズに沿って、14の手口とその兆候を整理しました。
株式会社ベスト(本社:鹿児島県鹿児島市、代表取締役:小野田 泰久)は、仮想通貨(暗号資産)を用いた詐欺被害の増加を受け、被害の進み方に沿って手口を整理した注意喚起情報を公開します。
仮想通貨詐欺の手口は無数にあるように見えますが、被害者の資金がどう動くかで並べ直すと、「接触」→「送金・接続」→「出金」→「被害後」の4フェーズに整理できます。そして被害額が大きく膨らむのは、多くの場合いちばん最初の投資ではなく、3番目の「出金フェーズ」です。
■ 背景:暗号資産が関わる被害は過去最悪の水準
警察庁が2026年6月に公表した確定値によると、2025年(令和7年)のSNS型投資詐欺の認知件数は9,523件(前年比+48.5%)・被害額1,288.0億円(同+47.9%)、SNS型ロマンス詐欺は5,645件(同+47.6%)・被害額546.4億円(同+36.3%)で、いずれも前年から大幅に増加しました。
とりわけSNS型ロマンス詐欺では、暗号資産送信型が2,177件(前年比+177.0%)・247.7億円(同+189.7%)と突出した伸びを示しています。振込型における暗号資産振込と合わせると、一次的な主な被害金等の交付形態が実質的に暗号資産であったものは、認知件数の40.4%、被害総額の48.6%を占めます。
出典:警察庁「令和7年における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について(確定値)」(2026年6月5日公表)
■ 仮想通貨詐欺の手口14類型(4フェーズ別)
【フェーズ1|接触】まだ1円も送金していない段階
ここで気づければ、被害は発生しません。
①SNS型投資詐欺(グループ勧誘)
X・Instagram・Facebook・LINEのダイレクトメッセージや、動画サイト・投資情報サイトのバナー広告から、投資グループや「講師」の個人LINEへ誘導されます。
兆候:元本保証・「必ず儲かる」をうたう/最初に少額の利益が出たように見せてから増額を促される
②著名人・実在企業のなりすまし広告
実在の投資家・経営者・アナウンサーの画像や動画を無断で使った広告から勧誘されます。実在の証券会社や取引所のロゴを流用した偽サイトへ誘導されることもあります。
兆候:本人が公式に発信していない/広告の遷移先が公式ドメインではない
③国際ロマンス投資詐欺
マッチングアプリやSNSで恋愛・友人関係を築いたうえで「一緒に投資をしよう」と持ちかけられます。海外在住を名乗ることが多い手口です。
兆候:ビデオ通話と直接会うことを避け続ける/数週間〜数か月かけてから投資の話になる
④副業・タスク詐欺
「スマホひとつで高収入」「いいねを押すだけ」等の広告から副業サイトへ誘導され、報酬を出金するには保証金や追加入金が必要と説明されます。
兆候:作業内容に対して報酬が異常に高い/始める前に入金を求められる
⑤間違いメッセージ・誤送金を装う接触
「〇〇さんですよね?」という誤送信を装ったメッセージから会話が始まり、雑談を重ねたうえで投資へ誘導されます。暗号資産を「誤って送ってしまったので返してほしい」と持ちかける型もあります。
兆候:見知らぬ相手からの誤送信を装ったメッセージ/会話が自然に投資へ向かう
【フェーズ2|送金・接続】資産が実際に動く段階
ここから先は、記録の保全が最優先になります。
⑥偽の取引所アプリ・偽の投資プラットフォーム
公式アプリストアに存在しない専用アプリや、Webの「マイページ」へ入金させます。画面上の残高は、運営側が自由に書き換えられる数字にすぎません。
兆候:アプリストア外からのインストールを指示される/金融庁の登録業者一覧に名前がない
⑦フィッシング(偽ログイン・シードフレーズ詐取)
取引所やウォレットの公式を装ったサイトで、ログイン情報や秘密鍵・シードフレーズ(リカバリーフレーズ)を入力させます。
兆候:URLが公式と数文字違う/サポートを名乗る相手がシードフレーズを尋ねてくる
⑧ウォレット接続・承認(approve)詐欺
偽のDApp(分散型アプリ)にウォレットを接続させ、トークンの引き出し権限を無制限に承認させます。自分で送金操作をしていないのに、後日まとめて抜き取られます。
兆候:内容が読めない署名を急かされる/「接続するだけ」と説明される
⑨アドレスポイズニング(取引履歴の汚染)
過去に送金したアドレスと先頭・末尾の数文字だけを一致させた偽アドレスから、極小額を送りつけて取引履歴を汚染します。次の送金時に履歴からアドレスをコピーさせ、誤送金を誘発する手口です。
兆候:身に覚えのない極小額の入金がある/履歴によく似たアドレスが並んでいる
⑩偽エアドロップ・無価値トークンの押し付け
「無料配布の対象になりました」と称して受け取りサイトへ誘導し、ガス代名目の送金やウォレット接続をさせます。
兆候:覚えのない配布通知/受け取るために先に送金や署名が必要とされる
【フェーズ3|出金】被害額が跳ね上がるのはここ
当初の投資額よりも、この段階で積み上がった追加送金のほうが大きくなるケースは珍しくありません。共通するのは「出金するために、さらに送金してください」という構造です。
⑪出金手数料・保証金の前払い要求
画面上は利益が出ている状態で出金を申請すると、「出金手数料」「保証金」「アカウントのアップグレード費用」を先に入金するよう求められます。支払うと、次の名目が現れます。
兆候:利益の中から差し引くのではなく、必ず追加入金を求められる
⑫「納税が先」型(税金の前払い)
「利益に対する税金を先に納めないと出金できない」と説明され、指定のアドレスへ送金させられます。日本の税制上、暗号資産の利益に対する所得税を取引プラットフォームへ事前送金して納める仕組みは存在しません。
兆候:納付先が税務署ではなく、プラットフォームや担当者が指定するアドレス
⑬口座凍結・マネーロンダリング疑いを装う解除料
「あなたの口座がマネーロンダリングの疑いで凍結された」「解除には保証金が必要」と告げ、さらなる送金を迫ります。海外の当局名や取引所名を出すこともあります。
兆候:凍結を告げる連絡が、公式のサポート経路ではなくDMやチャットで届く
【フェーズ4|被害後】詐欺は気づいた後にも続く
⑭資金回収・返金保証をうたう業者
被害について検索した人や、SNSで被害を投稿した人に対して「資金を回収します」「必ず取り戻せます」と接触してきます。着手金や成功報酬の前払いを求められるのが典型です。
兆候:回収・返金・口座凍結を「保証」する/着手金を先に求める/連絡先が個人のSNSアカウントのみ
なお、取引所口座の凍結は捜査機関の要請等によって行われるものであり、民間の事業者が独自に凍結・回収することはできません。依頼先を検討される際は、運営者情報・料金体系・調査の範囲が明記されているかをご確認ください。
■ 被害に気づいたとき、最初にやる3つのこと

①追加の送金を止める
出金のために追加送金を求められている場合、それ以上支払っても出金できる見込みはほとんどありません。支払うたびに、次の名目が現れます。
②記録を保全する
送金時のトランザクションID(TXID)、送金先アドレス、送金日時と数量、相手とのやり取りの画面、サイトやアプリのURL。相手側が消せない情報(ブロックチェーン上の記録)と、消せる情報(チャット・サイト・アプリ)に分かれます。消せる情報から先にスクリーンショットを取ってください。
③調査会社に連絡する
②の記録が残っていれば、資金がどこへ流れたかは時間が経ってからでも追跡できます。送金先の追跡は、専門の調査会社に依頼できます。依頼先を選ぶ際は、次の3点を基準にしてください。
・「必ず回収します」「口座を凍結します」とうたう業者は避ける
・実際のトランザクションID(TXID)を明記した、第三者が検証できる報告書を出す
・費用と納期が、依頼する前に確定している
受け取った報告書は、警察へ被害届を出す際の参考資料になります。
■ 参考(公的機関の一次情報)
・警察庁「令和7年における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について(確定値)」
・金融庁「暗号資産の利用者のみなさまへ」
・金融庁「違法な金融業者にご注意!」(無登録業者に関する注意喚起)
・国民生活センター「全国の消費生活センター等」
■ 被害者向け無料コンテンツ「仮想通貨詐欺 被害者ガイド」
当社は、依頼の有無にかかわらず利用できる無料の解説コンテンツを公開しています。本リリースで触れた各手口の見分け方、TXIDの確認方法、警察への被害届の準備についても解説しています。
・仮想通貨詐欺の被害に遭ったら、まず何をすべきか
・仮想通貨詐欺の主な手口一覧と見分け方
・送金先はどうやって追跡できる? ブロックチェーンの基礎知識
・警察への被害届の出し方と必要な準備
・取引所別 トランザクションID・送金先アドレスの確認方法
・仮想通貨詐欺の調査会社ランキングは信用できる? 選び方の注意点
▼ 被害者ガイド(無料)
https://cryptotracer.jp/guide/
■ 代表コメント
「ご相談の中でも目立つのが、フェーズ3の『出金しようとしたら追加の送金を求められた』という段階です。ここで踏みとどまれるかどうかで、被害額が何倍も変わります。そしてもう一つお伝えしたいのが、被害に気づいた後のフェーズ4です。『必ず回収できます』という言葉は、被害に遭った直後の方にとって最も断りにくい言葉ですが、回収や凍結を保証できる民間事業者は存在しません。私たちにできるのも、資金がどこへ行ったのかを、誰でも検証できる形で明らかにすることまでです。まずは追加の送金を止めて、記録を残していただくこと。それが一番お伝えしたいことです。」(代表取締役 小野田 泰久)
■ 当社について
株式会社ベストは、暗号資産の追跡調査サービス「CryptoTracer(クリプトトレーサー)」を運営しています。公開されているブロックチェーン情報のみを用いて資金の移動経路を追跡し、実際のトランザクションハッシュを明記した報告書を発行するサービスです(1トランザクションあたり9,800円・税込)。報告書は捜査機関へ相談する際の参考資料であり、資金の回収や口座の凍結を行うサービスではありません。また、返金や資金回収をお約束するものでもありません。
サービスサイト:https://cryptotracer.jp/
■ 会社概要
会社名:株式会社ベスト
所在地:〒892-0838 鹿児島県鹿児島市新屋敷町26番1号701号
代表者:代表取締役 小野田 泰久
電話:099-221-0916(平日10:00〜17:00)
メール:info@online-best.com
事業内容:システム開発、Webサービス開発、AI・業務自動化、広告代理業
コーポレートサイト:https://online-best.com/
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