「ヨガ安全指導員」制度、2018年1月スタート
ヨガでケガをした人が7割。事故にそなえるヨガインストラクター向け保険の提供開始
2回目以降は、毎回100名を超えるインストラクターが集い、安全な指導方法やヨガ指導者の役割、業務範囲(ヨガと医療行為の違い)などを議論してきました。今後はSAFE YOGA STUDYを発展させ、2018年1月より、ヨガの安全講習会とヨガインストラクター向け賠償責任保険の加入を組み合わせた「ヨガ安全指導員」制度を開始します。5年間で全国に約1万名の指導員を育成し、安全にヨガを実践できる環境づくりを全国に拡げていきます。第1回目の「ヨガ安全指導員」安全講習会は、2018年1月29日(月)に東京で開催し、賠償責任保険の引き受けは三井住友海上火災保険株式会社が担当します。
「ヨガ安全指導員」制度、開始の背景 - ヨガでケガをした人が7割
2017年11月10日に実施した「ヨガ練習中のケガに関する調査2017」によると、約7割の方がヨガの練習中にケガをした経験があり、そのケガの原因が「ヨガインストラクターの不適切な指導」との回答が約2割でした。
「ヨガ練習中のケガに関する調査2017」サマリー (2017年11月10日実施、有効回答数89名)
- ヨガでケガをしたことがある人の割合 67.4%
- ヨガでケガをしやすい三大部位 1位:手首 2位:首 3位:膝
- ヨガでケガをしやすい三大アーサナ(ポーズ)1位:バックベンド系 2位:前屈系 3位:坐法系
- ケガの原因 「インストラクターの不適切な指導」15.0%
- ヨガの事故にそなえた保険に入っている人の割合「入っている」10.4%、「入っていない」88.3%
■ヨガ資格スクールの急増
日本では2006年から、世界最大のヨガ資格認定団体「ヨガアライアンス」(登録メンバー数約7万名)の基準に準拠したプログラムがBe Yoga ジャパン(東京)でスタートしました。その後、綿本ヨーガスタジオ、アンダーザライト ヨガスクール(以上、2007年)、YogaJaya(2008年)、スタジオヨギー(2009年)などが登録し、2017年現在で約130校がヨガアライアンスに登録し、プログラム(主に200時間の内容)を提供しています。ここ3年で登録スクールが急増し、5割程度が登録3年未満のスクールです。
■ヨガマーケットの拡大(インストラクターの急増)
また、日本でのヨガアライアンス認定者をはじめとするヨガインストラクターは近年急増しており、ヨガジャーナル日本版が日本のメディアとしてはじめて行った「日本のヨガマーケット調査2017」において、日本のヨガ人口は770万人と発表されました。
■日本では保険に加入しているインストラクターは1割
「ヨガ練習中のケガに関する調査2017」によると、ヨガの事故に対応した何らかの保険に加入している人は、10.4%しかいませんでした。
「ヨガ練習中のケガに関する調査2017」
ヨガ練習中にケガをしたことはありますか?
身体のどこをケガしましたか?(複数回答可)
どのようなアーサナ(ポーズ)でケガをしましたか?
なぜケガが起きたと思いますか?(複数回答可)
ヨガクラス中の事故に対応した賠償責任保険に加入していますか?
「ヨガ安全指導員」制度の概要
1.「ヨガ安全指導員」制度とは?
「ヨガ安全指導員」制度とは、(1)安全講習会と、(2)賠償責任保険の2つで構成されています。
(1) 「ヨガ安全指導員」安全講習会 受講時間:3時間程度
ヨガの知識を有する者(概ねヨガアライアンスのRYT200程度)がヨガのレッスンを安全に行うたの知識を学ぶことはもちろん、いざという時のための応急手当や救命措置の基礎知識を身につける講習会です。修了者には、IDカード(指導員証)を発行します。知識として「知っている」からと言って、アクシデント時に「とっさにできる」とはかぎらず、定期的な研修と日々の訓練が大切です。(最低年1回はアップデートの講習会受講が必須)
内容)
- ヨガ練習中のケガについての統計データ
- 安全なクラス実施のための大切な準備
- セイフティガイドライン for YOGA
- 代表的な起こりやすいケガ一覧
- 安全なヨガ指導者として心掛けること
- クラスに参加して、”被害者”にならないために心掛けること
- ヨガについての歴史とルーツとなる経典を理解しているか?
- 知らぬ間に、医療行為をしていないか?
- 生徒の感情をゆさぶらない、依存させない
- ヨガスタジオが大切にすべきこと
- 「ヨガ安全指導員」制度について etc
(2) 「ヨガ安全指導員」賠償責任保険(全員加入)
ヨガインストラクターとして働く方たちの9割以上が業務委託で複数スタジオに勤務しています。また、近年のヨガブームにより、経験の浅いインストラクターが無保険で活動しているのが現状です。ヨガインストラクターを賠償事故から守り、より安心して業務に専念できるよう、「ヨガ安全指導員 賠償責任保険」を設けます。講習会受講後、一般社団法人 日本ホリスティックヘルスケア協会(以下、協会)に入会していただくと、自動的に補償がスタートします。なお、対象となる事故は、法律上の損害賠償責任を負った場合に限ります。(*今後は要望の多い長期所得補償保険も導入を検討していきます)
なお、賠償責任保険の引き受けは、三井住友海上火災保険株式会社が担当します。
2.協会会費、受講費等
(1) 入会金 5,500円 *IDカード発行料含む。
(2) 安全講習会受講費 19,500円 *年度会費、賠償責任保険料、ハンドブックを含む。
3.ハンドブック(毎年更新)
安全講習会で配布するハンドブックは毎年アップデートします。(初版「ヨガ安全指導員ハンドブック 2018」)
4.サポートの仕組み
会員専用のQ&Aサイトをオープンし、「ヨガと安全」にまつわる情報をアーカイブしていきます。
5.名称の表示ならびに記載
安全講習会を受講し、協会正会員への入会手続きと併せて、賠償責任保険に加入(全員加入)いただくことで、プロフィール等に「ヨガ安全指導員」と記載したり、ロゴの使用が可能となります。
6.指導体制(「パートナー講師」の概要)
監修者(プログラム監修、ハンドブックの制作)、本部講師(5名程度)と外部のパートナー講師で講習会の指導にあたります。パートナー講師は、ヨガスタジオ等を経営する法人(特にRYT200開催スタジオ)の代表者や大手フィットネスクラブの担当者が担い手となる見込みです。また、所定の講習(約6時間)を受講し、試験に合格する必要があります。
7.開催告知の方法
公式ウェブサイト(www.yoga-anzen.com)にて、全国の開催情報を発信します。
そのほか、開催場所となるヨガスタジオ、フィットネスクラブ等によるウェブサイト、SNSでの告知、ポスター掲示などを行います。
8.安全講習会プログラムならびにハンドブック監修者
中村尚人(理学療法士) タクトエイト代表、ヨガ解剖学講師、ベストセラー「YOGAアナトミー」監訳者
医療、介護業界を12年間経験。その後、予防医学を実現させるためヨガ・ピラティススタジオを八王子に立ち上げる。病気になる前の方達に健康法を届ける為に、予防理学療法研究会立ち上げ、その後(株)P3を設立、(社)日本ヘルスファウンデーション協会を設立し、公的な立場としても、予防医学の啓蒙を行っている。「ヨガの解剖学」、「ヨガの生理学」(BABジャパン)など著書多数。アンダーザライト ヨガスクールではヨガ解剖学を担当。
http://www.takt8.com
http://www.yobou-pt.com
9.「ヨガ安全指導員」プロジェクト事務局
東京都渋谷区代々木に設置します。
10. 運営主体
協会が主体となり、協会活動の一部として運営していきます。実際の講習会での指導などは、「アンダーザライ トヨガスクール(株式会社アンダーザライト)」の講師が中心となり行なっていく予定です。
「一般社団法人 日本ホリスティックヘルスケア協会」について
2010年7月設立。ホリスティックな視点で、整体・ボディワーク(ヨガ含む)の普及に関する事業を行い、人々の健康増進に寄与することを目的とするとともに、その目的に資するため、次の事業を行っています。
(1) 整体・ボディワークに関する資格発行
(2) 資格認定講座の企画運営
(3) その他この法人の目的を達成するために必要な事業
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