市民参加型の地域課題解決アイデアコンテスト「チャレンジ!!オープンガバナンス2016」を開催
自治体による地域課題と関連データの公募を開始
東京大学公共政策大学院 科学技術政策ユニットは、同ユニット「行政と情報通信技術」研究プログラム(PadIT)が主催、東京大学ソーシャルICTグローバル・クリエイティブリーダー育成プログラム(GCL)が共催、アクセンチュア株式会社がコーポレート・シチズンシップ・パートナーとして支援する、データを活用した地域課題解決のための市民参加型アイデアと連携体制のコンテスト「チャレンジ!!オープンガバナンス2016」を開催することを発表します。
主催:東京大学公共政策大学院 「行政と情報通信技術」研究プログラム(PadIT)
共催:東京大学ソーシャルICTグローバル・クリエイティブリーダー育成プログラム(GCL)
コーポレート・シチズンシップ・パートナー:アクセンチュア株式会社
【東京発:2016年5月25日】東京大学公共政策大学院 科学技術政策ユニット(東京都文京区、ユニット長:城山英明、以下SciTePP)は、同ユニット「行政と情報通信技術」研究プログラム(PadIT)が主催、東京大学ソーシャルICTグローバル・クリエイティブリーダー育成プログラム(GCL)が共催、アクセンチュア株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:江川 昌史、以下アクセンチュア)がコーポレート・シチズンシップ・パートナーとして支援する、データを活用した地域課題解決のための市民参加型アイデアと連携体制のコンテスト「チャレンジ!!オープンガバナンス2016」を開催することを発表します。
「チャレンジ!!オープンガバナンス2016」とは、市民と自治体がオープンな姿勢で公開データを活用し、協働しながら地域の課題に取り組んでいくオープンガバナンスを応援するコンテストです。第一ステップとして6月1日より、本コンテストに参加を希望する、オープンガバナンスの推進に積極的な自治体の公募を開始します。また、6月25日には、オープンガバナンスの取り組みと、意見交換を行うシンポジウムを開催し、応募を後方より支援します。(シンポジウムの詳細は確定次第東京大学公共政策大学院のサイトに掲載されます。http://www.pp.u-tokyo.ac.jp/)
「チャレンジ!!オープンガバナンス2016」では、現実に求められる行政と市民の協働を意識して、二段階で募集を行うことを特徴としています。第一ステップでは、市民/学生と共に地域の課題解決を目指し、関連するデータ(*1)公開に積極的な自治体を公募します。次いで第二ステップでは、そのデータを活用したその地域が抱える課題に対する解決策のアイデアを、地元在住など地域に根差した市民・在学の学生から募集します。優れたアイデアと、それを支える連携の仕組みを表彰することで、アイデア立案から実行まで公共を担う人材の育成、ならびにオープンガバナンスの普及を図ります。なお、このアイデアコンテストは、公共政策学における国際的な研究教育機関の一つであるハーバード大学ケネディスクールアッシュセンター(*2)と連携しており、同センターが公共政策でのイノベーションの推進を目的として行っているガバメントイノベーターズネットワークに、この度初めて日本が参画するプログラムとして位置づけられます。
6月1日より公募を開始するのは、①高齢化・介護・医療・健康 ②子育て・家族・教育 ③地域・交通 ④環境・エネルギー ⑤防災 ⑥産業振興(1次、2次、3次) ⑦その他(オープンデータの取り組み方法など) などの分野における地域の課題の提示とそれに関連するデータ・情報を公開している自治体が対象です。地域課題で市民/学生と協働し、公開データの扱いについてのサポートや追加データの要望に応える体制にあるかどうかなどの点を考慮した上で、参加自治体が公開されます。
その後、参加自治体が提示した地域の課題と公開データを基に、地域課題の解決策に向けたアイデア(*3)を、市民/学生から募集します。地域課題解決に対するアイデアの効果、革新性や展開性、実現性などに優れたチームが2017年3月12日(予定)に行われる公開審査の場で最終発表を行います。最終審査では、アイデアの評価とともに市民/学生と自治体との連携の状況も評価の上、受賞者を決定します。さらに、最終審査に残ったアイデアと連携体制には、実現に向けた改善アドバイスが審査委員会より提供される予定です。
市民生活がこれまでになく多様化する中においては、地方自治が抱えている課題解決の役割は行政機関だけが担うものではありません。市民や学生も自分の問題としてアイデアを出し合い、よりよい地域を創造していく、「オープンガバナンス」への理解と積極的な参加が求められています。一方、行政自体がそのプラットフォームとして機能していくためには、その知識と経験を生かして市民とともに地域の課題の解決に一緒に取り組む姿勢と、データをオープン化して社会全体で活用できる体制を築くことが必要不可欠です。また、その深化には、公共課題の持つニーズの多面性や財源・人材など供給面の課題を理解すると共に、デジタル化とオープン化によるデータ活用に対する市民や学生のデータリテラシー向上やファクトベースアプローチの施策提案を担う人材の育成も急務です。
東京大学公共政策大学院・大学院法学政治学研究科教授で「チャレンジ!!オープンガバナンス2016」の審査委員長を務める城山 英明は次のように述べています。「今回の『チャレンジ!!オープンガバナンス2016』コンテストでは、まさに市民や学生が主体となってデータや情報を活用して、地域課題の解決策の実のあるアイデアを考案していくことを期待しています。その際行政は、必要なデータ公開に応じたり、市民/学生を専門家として側面から支えたり、市民/学生とのオープンなコミュニケーションを充実して、地域の公共のプラットフォームになっていくことが望まれます。日本における市民参加型オープンガバナンスの先駆的活動の第一歩として、成功することを願っています。」
アクセンチュア株式会社 コーポレート・シチズンシップ活動を統括するマネジング・ディレクターの伊佐治 光男は次のように述べています。「アクセンチュアでは、『Skills to Succeed(スキルによる発展)』という社会貢献テーマのもと、2020会計年度末までに世界中で300万人に就業や起業に関わるスキル構築の機会を提供することを目指し、各国で継続的に活動を行っています。取り組むべきスキル課題の一つとして、これからさらに求められていくであろうSTEM(科学、テクノロジー、エンジニアリング、数学の能力に優れた)人材にも注目しており、事業活動を通して培った知見やノウハウを生かしながら、イノベーションを創出しゆく人材の育成に取り組んでいます。今回はその一環として、地域変革のプロフェッショナル育成につながるコンテストを支援できることを大変嬉しく思います。」
*1 データにはオープンデータに限定せず、公開データ・資料を含みます
*2 Roy and Lila Ash Center for Democratic Governance (the Ash Center) at the John F. Kennedy School of Government at Harvard University
*3募集するアイデアは、関連のデータ・資料を基にした解決策です。ただし、考案されたアイデアの中にデータを利用するアプリが手段として副次的に含まれることは考えられます
「チャレンジ!!オープンガバナンス2016」募集要項概要
【第一ステップ 自治体公募】
公募対象: 地域の抱える課題(課題分野参照)について、市民/学生とともに地域の課題を考え解決策を探りたい意欲のある自治体関連部署
公募内容: 地域の抱える課題の提示と関連するデータ(*1)
*1データにはオープンデータに限定せず、公開データ・資料を含みます。
課題分野: ①高齢化・介護・医療・健康 ②子育て・家族・教育 ③地域・交通 ④環境・エネルギー ⑤防災 ⑥産業振興(1次、2次、3次) ⑦その他(オープンデータの取り組み方法など)
【第二ステップ アイデア公募】
公募対象: コンテスト参加自治体に在住、在学、もしくは課題解決に強い熱意があるなど、何らかの形で地域に縁を持ち、地域課題の解決に貢献したいと考える市民/学生のグループ
公募内容: ①地域が抱える課題の具体化 ②公開データを活用した課題解決策のアイデア(*3)
*3募集するアイデアは、関連のデータ・資料を基にした解決策です。ただし、考案されたアイデアの中にデータを利用するアプリが手段として副次的に含まれることは考えられます。
【第三ステップ 審査・表彰・改善アドバイス】
審査基準: ①応募アイデアの地域課題解決に対する効果、革新性や展開性、実現性
②アイデアをめぐっての市民/学生と自治体との連携の状況(最終公開審査時)
一次審査: 書類審査を経て、最終審査出場チームを決定します
最終審査: 最終発表の公開審査を経て、受賞者を決定します
表彰:
オープンガバナンス総合賞(市民/学生と自治体の組み合わせ対象)
アイデア賞(市民/学生対象)
連携体制賞(自治体対象)
Accenture Citizen First Youth賞
改善アドバイス: 審査委員会より、最終審査に出場したチームに対し、アイデアの実現に向けた改善アドバイスが提供される予定です
■スケジュール
自治体の公募期間 2016年6月1日~8月31日
市民/学生によるアイデア募集期間 2016年9月中旬~12月末
書類審査・最終審査出場チームの決定 2017年2月上旬
最終公開審査・受賞者決定 2017年3月12日(予定)
アイデア実現に向けた改善アドバイス 2017年4月(予定)
■審査委員会
審査委員長:
城山英明 東京大学公共政策大学院・大学院法学政治学研究科教授
審査委員:(50音順)
宇野重規 東京大学社会科学研究所教授
大橋 弘 東京大学大学院経済学研究科教授
川島宏一 筑波大学システム情報系社会工学域教授
国谷裕子 元NHKクローズアップ現代キャスター
坂井修一 東京大学大学院情報理工学系研究科教授
庄司昌彦 国際大学GLOCOM准教授
関本義秀 東京大学生産技術研究所 人間・社会系部門 准教授
林 千晶 マサチューセッツ工科大学メディアラボ 所長補佐
渡辺美智子 慶応大学大学院健康マネジメント研究科教授(専門:統計科学)
運営コーディネーター:
奥村裕一 東京大学公共政策大学院客員教授
■応募方法 詳細は、「チャレンジ!!オープンガバナンス2016」のウェブサイトをご参照ください。
http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/padit/cog2016/
東京大学公共政策大学院 科学技術政策ユニット「行政と情報通信技術」研究プログラムについて
東京大学公共政策大学院科学技術政策ユニット「行政と情報通信技術」研究プログラムは、デジタル社会の公共空間に与える様々な影響に関する実際的な研究と教育を通じて、行政の近代化とデモクラシーの深化を目指しています。このため、(1)デジタル技術がもたらす行政活動の変容に関する研究、(2)行政における情報システムのマネジメントに関する研究、(3)市民参加型オープンガバナンス社会の研究を行うとともに、その成果を公共政策大学院の教育に生かしている。その際、可能な限り米国などの諸外国との比較研究を念頭におくとともに、仮想政府シンポジウムの開催などを通じて、内外の英知を集めています。また、それらの成果を活用するため、実務家や政策専門家向けのサイトを公開していますが、さらに公共サービスのイノベーションの奨励のためのアワードの創設などによる活動の強化を図っています。
アクセンチュアの社会貢献活動について
アクセンチュアは、事業活動を通じて培った「人材のスキルを高めるノウハウ」を生かし、Skills to Succeed(スキルによる発展)と呼ぶ全世界共通の社会貢献テーマに取り組んでいます。「2020会計年度末までに世界中で300万人に就業や起業に関わるスキル構築の機会を提供すること」を目標に掲げ、高い実行力を持ったNPO法人と協力して、国や地域の実情に合わせて選択した「人材スキルの向上」に関わる様々な活動を推進しています。日本においては、グローバル化や少子高齢化、労働人口の減少などの社会の構造的な変化の中で経済を持続的に発展させていくためには、働く意欲のある全ての人々に経済活動へ参加機会を提供し、スキルの向上を通してより高いレベルでの能力発揮を支援していくことが欠かせない、という課題認識のもと、個人の能力を生かして経済発展に貢献できる環境づくりを促進しています。その一環として、理工系専門性を育成しつつ、ほか領域の知見を融合させることによる「イノベーション創出型STEM人材の育成」に取り組んでいます。
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