CM総合研究所が2017年度のCM好感度No.1企業『ベスト・アドバタイザー』を発表
前年度からCM好感度の順位を飛躍的に伸ばした「躍進企業」の顔ぶれも
CM総合研究所(東京都港区 代表・関根心太郎)は、2017年度(2017年4月度~2018年3月度)のCM好感度No.1企業を『ベスト・アドバタイザー』として発表するとともに、企業別CM好感度ランキング上位の顔ぶれをレポートいたします。合わせて、前年度からCM好感度の順位を飛躍的に伸ばした「躍進企業」の顔ぶれも発表いたします。
「三太郎」シリーズでKDDIが4連覇。新キャラクターが原動力に
KDDIが4年連続でベスト・アドバタイザーに輝いた。『au』の「三太郎」シリーズを軸に12カ月中10カ月でナンバーワンと年間を通して他を圧倒した。7月にはデータ利用量に応じて自動的に定額料金が変動する『auピタットプラン』の提供開始に伴い、新キャラクター・織姫(川栄李奈)が登場。姉の乙姫(菜々緒)のもとでバイトをしたり、正月の餅つきなどを経て金太郎(濱田岳)とカップルになったりと、ストーリーがさらに自由な広がりを見せ、人気シリーズに弾みをつけた。
2018年に入って学割訴求が始まると、鬼(菅田将暉)の長男“赤鬼”役として鈴木福が新たに出演。父子で思いを通わせる二人旅や寺子屋の入学式、通学の道中で鬼が“子煩悩”な一面を垣間見せるなど、二人を介して「親子で笑おう」というコンセプトを印象づけた。
携帯キャリア3社が初めてトップ3に、日清食品とリクルートは自己最高スコアを更新
第2位は、『SoftBank』『ワイモバイル』を擁するソフトバンクだ。『SoftBank』では「白戸家」シリーズ10周年を機に古田新太と竹内涼真、杉咲花が“新しい家族”として白戸家の前に現れ、シリーズ終了を思わせる仕掛けが話題を誘った。1月からは竹内演じる“リョウマ先生”を中心に、対象に先生も追加された2018年の学割キャンペーン『学割先生』を訴求するシリーズを展開中だ。また『ワイモバイル』でも昨年12月に「ワイモバ学園」シリーズを開始し、「双子ダンス部」など部活を題材としたCMが若年女子に的中。2月には韓国のアイドルグループ・TWICEが転校生役で登場してさらにCM好感度を押し上げた。
続く3位のNTTドコモは7年ぶりのトップ3入りを果たした。通信大手キャリア3社が3位までにそろうのは本年度が初めてとなる。堤真一らが「得ダネ」を追う新聞記者を演じるシリーズのうち、高畑充希がブルゾンちえみになりきる作品が大ヒット。ブルゾンちえみを綾野剛の妹役に、その母親役にはコシノジュンコを据え、さらには加藤一二三を新聞社の会長役で起用するなど絶妙なキャスティングが光った。また、営業開始25周年を記念したMr.Children、安室奈美恵とのコラボレーションCMなどでコミュニケーションに厚みを持たせた。
日清食品は自己最高のCM好感度で前年の7位から4位にランクアップ。国民的人気アニメ作品を題材に“青春”を描く『カップヌードル』の「HUNGRY DAYS」シリーズ、星野源と“どんぎつね”役の吉岡里帆が織りなす不思議なストーリーを描く『どん兵衛』が柱となった。『チキンラーメン』では“ひよこちゃん”とアキタの卵『きよら』がコラボレーションし、チャレンジングな取り組みで消費者を楽しませた。
7位のリクルートは2年連続でCM好感度の自己最高値を更新。さまざまな職業に扮した松本人志が「バイトするなら、タウンワーク。」「バイトアプリは、タウンワーク。」とアピールするフレームが引き続き好評だ。松本がオーディション番組の審査員、渡辺直美が参加者として圧巻のパフォーマンスを披露するCMや、松本がロックバンド・WANIMAに加入するCMで票を伸ばした。
定番シリーズ、定番フレームのCMを継続している企業が上位に多く並ぶ結果となったが、消費者の心を離さないためには『SoftBank』の「新・白戸家」に象徴されるように、ブランドの資産を継承しつつもニュースを盛り込む工夫は必須だ。多くの情報に囲まれて耳目の肥えた現代の消費者を相手に振り向かせ、期待を超え続け、選ばれた企業といえよう。
Indeed Japanが700ランク以上アップ! 躍進企業No.1に輝く
躍進企業25社のトップはIndeed Japanで、前年度から700ランク以上を引き上げた。斎藤工と泉里香がさまざまな職業に扮し、『幸せなら手をたたこう』のメロディーに乗せて「♪仕事さがしはIndeed」「♪バイトさがしはIndeed」とサービス名を繰り返し歌うシリーズを7月にスタート。以降、クリスマスや年末年始、バレンタインデーなど季節感ある新作を矢継ぎ早にオンエアし、ランキング上位の常連となった。前年度からCM好感度を飛躍的に伸ばし、2017年度に最も存在感を増した企業に選ばれた。
出川哲朗・本田翼が踊る日本瓦斯、「割れない刑事」コンビ躍動の富士通はともにスコアが10倍に
3番手は富士通で、昨年12月開始の『arrows』の新シリーズ「割れない刑事」が順位を押し上げた。CM初共演となる小栗旬と山田孝之が刑事役で登場。最新機種でありながらも “画面の割れにくさ”のみを印象づけるストーリー構成が評価され、CM好感度は前年度の10倍に達した。
WOWOWは柳楽優弥が有村架純の前で「♪フフフフーンに入ろっかな やっぱりやめよっかな」と『幸せなら手をたたこう』のメロディーで歌うシリーズがスコアを牽引した。放送回数は前年度の1.3倍も、CM好感度は6倍以上に伸張し、シリーズの切り替えに成功した。
企業からのメッセージを絞った訴求は赤城乳業も巧みだ。“ソフトクリームの上だけ”という『ソフ』の商品特徴をアピールするために、顔がおじさんで、体が女性という“なぜか上だけおっさんガール”を使いコミカルに印象づけてみせた。また、エースコックではローラが「♪モッチッチ モチッチモッチッチ」と歌い踊って『焼きそばモッチッチ』の“モチモチ食感”をかわいらしく表現した。
メナード化粧品は“4代目ビューネくん”として竹内涼真を『薬用ビューネ』に起用。6月のCM開始時には「みんなで選ぶ ビューネくん 2017」と題したウェブ投票を実施し、消費者とのコミュニケーションを図った。
ランキングの10社はいずれも出稿量の増加率以上にCM好感度を伸ばしている。消費者の心をつかむ手法は各社さまざまだが、企業からの一方通行的な発信ではなく、情報の取捨選択や分かりやすさなど、受け手側の視点に立ったコミュニケーションが受け入れられていることが見て取れる。
【調査概要】
・2017年度のCM展開:全2474社(東京キー5局)。
集計期間:2017年4月度~2018年3月度(2017年3月20日~2018年3月19日)
・関東一都六県在住の一般モニター男女3000人の「月例CM好感度調査」の12カ月分より集計
※データ使用の際は「CM総合研究所調べ」の明記をお願いします
KDDIが4年連続でベスト・アドバタイザーに輝いた。『au』の「三太郎」シリーズを軸に12カ月中10カ月でナンバーワンと年間を通して他を圧倒した。7月にはデータ利用量に応じて自動的に定額料金が変動する『auピタットプラン』の提供開始に伴い、新キャラクター・織姫(川栄李奈)が登場。姉の乙姫(菜々緒)のもとでバイトをしたり、正月の餅つきなどを経て金太郎(濱田岳)とカップルになったりと、ストーリーがさらに自由な広がりを見せ、人気シリーズに弾みをつけた。
2018年に入って学割訴求が始まると、鬼(菅田将暉)の長男“赤鬼”役として鈴木福が新たに出演。父子で思いを通わせる二人旅や寺子屋の入学式、通学の道中で鬼が“子煩悩”な一面を垣間見せるなど、二人を介して「親子で笑おう」というコンセプトを印象づけた。
KDDI/au「三太郎シリーズ:auピタットプラン・織姫、登場」篇
携帯キャリア3社が初めてトップ3に、日清食品とリクルートは自己最高スコアを更新
第2位は、『SoftBank』『ワイモバイル』を擁するソフトバンクだ。『SoftBank』では「白戸家」シリーズ10周年を機に古田新太と竹内涼真、杉咲花が“新しい家族”として白戸家の前に現れ、シリーズ終了を思わせる仕掛けが話題を誘った。1月からは竹内演じる“リョウマ先生”を中心に、対象に先生も追加された2018年の学割キャンペーン『学割先生』を訴求するシリーズを展開中だ。また『ワイモバイル』でも昨年12月に「ワイモバ学園」シリーズを開始し、「双子ダンス部」など部活を題材としたCMが若年女子に的中。2月には韓国のアイドルグループ・TWICEが転校生役で登場してさらにCM好感度を押し上げた。
続く3位のNTTドコモは7年ぶりのトップ3入りを果たした。通信大手キャリア3社が3位までにそろうのは本年度が初めてとなる。堤真一らが「得ダネ」を追う新聞記者を演じるシリーズのうち、高畑充希がブルゾンちえみになりきる作品が大ヒット。ブルゾンちえみを綾野剛の妹役に、その母親役にはコシノジュンコを据え、さらには加藤一二三を新聞社の会長役で起用するなど絶妙なキャスティングが光った。また、営業開始25周年を記念したMr.Children、安室奈美恵とのコラボレーションCMなどでコミュニケーションに厚みを持たせた。
日清食品は自己最高のCM好感度で前年の7位から4位にランクアップ。国民的人気アニメ作品を題材に“青春”を描く『カップヌードル』の「HUNGRY DAYS」シリーズ、星野源と“どんぎつね”役の吉岡里帆が織りなす不思議なストーリーを描く『どん兵衛』が柱となった。『チキンラーメン』では“ひよこちゃん”とアキタの卵『きよら』がコラボレーションし、チャレンジングな取り組みで消費者を楽しませた。
7位のリクルートは2年連続でCM好感度の自己最高値を更新。さまざまな職業に扮した松本人志が「バイトするなら、タウンワーク。」「バイトアプリは、タウンワーク。」とアピールするフレームが引き続き好評だ。松本がオーディション番組の審査員、渡辺直美が参加者として圧巻のパフォーマンスを披露するCMや、松本がロックバンド・WANIMAに加入するCMで票を伸ばした。
定番シリーズ、定番フレームのCMを継続している企業が上位に多く並ぶ結果となったが、消費者の心を離さないためには『SoftBank』の「新・白戸家」に象徴されるように、ブランドの資産を継承しつつもニュースを盛り込む工夫は必須だ。多くの情報に囲まれて耳目の肥えた現代の消費者を相手に振り向かせ、期待を超え続け、選ばれた企業といえよう。
Indeed Japanが700ランク以上アップ! 躍進企業No.1に輝く
躍進企業25社のトップはIndeed Japanで、前年度から700ランク以上を引き上げた。斎藤工と泉里香がさまざまな職業に扮し、『幸せなら手をたたこう』のメロディーに乗せて「♪仕事さがしはIndeed」「♪バイトさがしはIndeed」とサービス名を繰り返し歌うシリーズを7月にスタート。以降、クリスマスや年末年始、バレンタインデーなど季節感ある新作を矢継ぎ早にオンエアし、ランキング上位の常連となった。前年度からCM好感度を飛躍的に伸ばし、2017年度に最も存在感を増した企業に選ばれた。
Indeed Japan/Indeed「仕事もバイトも」篇
出川哲朗・本田翼が踊る日本瓦斯、「割れない刑事」コンビ躍動の富士通はともにスコアが10倍に
次点には日本瓦斯が続いた。昨年2月より出川哲朗が王様のような出で立ちのキャラクター“ニチガス・ニ・スルーノ三世”に扮するCMを開始した。ガス自由化が始まった2017年4月度には本田翼を共演者として起用し、月間で初めてのCM好感度トップ10入りを達成。「ニチガスにするの、賛成です!」と踊るダンスやふたりの掛け合いがフックとなり、年間スコアは前年度の10倍に迫った。
3番手は富士通で、昨年12月開始の『arrows』の新シリーズ「割れない刑事」が順位を押し上げた。CM初共演となる小栗旬と山田孝之が刑事役で登場。最新機種でありながらも “画面の割れにくさ”のみを印象づけるストーリー構成が評価され、CM好感度は前年度の10倍に達した。
WOWOWは柳楽優弥が有村架純の前で「♪フフフフーンに入ろっかな やっぱりやめよっかな」と『幸せなら手をたたこう』のメロディーで歌うシリーズがスコアを牽引した。放送回数は前年度の1.3倍も、CM好感度は6倍以上に伸張し、シリーズの切り替えに成功した。
企業からのメッセージを絞った訴求は赤城乳業も巧みだ。“ソフトクリームの上だけ”という『ソフ』の商品特徴をアピールするために、顔がおじさんで、体が女性という“なぜか上だけおっさんガール”を使いコミカルに印象づけてみせた。また、エースコックではローラが「♪モッチッチ モチッチモッチッチ」と歌い踊って『焼きそばモッチッチ』の“モチモチ食感”をかわいらしく表現した。
メナード化粧品は“4代目ビューネくん”として竹内涼真を『薬用ビューネ』に起用。6月のCM開始時には「みんなで選ぶ ビューネくん 2017」と題したウェブ投票を実施し、消費者とのコミュニケーションを図った。
ランキングの10社はいずれも出稿量の増加率以上にCM好感度を伸ばしている。消費者の心をつかむ手法は各社さまざまだが、企業からの一方通行的な発信ではなく、情報の取捨選択や分かりやすさなど、受け手側の視点に立ったコミュニケーションが受け入れられていることが見て取れる。
【調査概要】
・2017年度のCM展開:全2474社(東京キー5局)。
集計期間:2017年4月度~2018年3月度(2017年3月20日~2018年3月19日)
・関東一都六県在住の一般モニター男女3000人の「月例CM好感度調査」の12カ月分より集計
※データ使用の際は「CM総合研究所調べ」の明記をお願いします
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