「あなたは、“血縁”について考えたことがありますか?」――晃洋書房創立60周年記念「すごい博論大賞」受賞作『血のつながりと家族のかたち』11月30日発売
学術出版社社員が読ませたい「すごい」博士論文。“血縁”が当たり前でなくなった時代だからこそ、“血縁”とは何かを問う。
京都の学術出版社・晃洋書房は、2021年に創業60年を迎えました。その創業記念企画として「すごい博論大賞」(公募)を実施し、このたび大賞作『血のつながりと家族のかたち』が刊行されました。
普段の生活の中で“血縁”について考えたことはあるだろうか。
恐らく、多くの人が何らかのライフイベントを迎えるまで、“血縁”というものを意識しないのではないだろうか。
だが、いざ「血縁を考えさせられる出来事(ステップファミリーの形成、不妊治療、養子縁組等)」に遭遇した時に、いきなりこの重要なテーマについて考えようと思っても、自分の抱える問題と距離を取れず、困難なことがある。
だからこそ、生殖補助医療、ステップファミリー等、血縁をめぐる様々なアプローチを通して、本書をきっかけに“血縁”について、一度考えてみてはどうだろうか?
- 本書より抜粋
――技術の進歩や社会状況の変化によって、家族の多様化がひろがり、家族に対する人びとの意識も変化してきていると思われる。しかし、ステップファミリーの増加や特別養子縁組に見られるように、親子関係における血縁からの距離化が図られている一方で、生殖補助医療の現場では血縁に対するこだわりが見られる。この相反するような血縁に対する意識のひろがりは、今後の家族観にさまざまな問題を提起するだろう。親子関係における血縁が当たり前でなくなりつつある現代社会において、親子にとって血縁とはなにかを問う必要があるのではないか。(はじめに)
- 目次
はじめに
第1章 問題の所在――家族の変遷と新たな問題
第2章 家族と血縁――先行研究の検討と本書の分析視点
第3章 「公/私」的実践としての非血縁親子(養育)関係における血縁
第4章 血縁意識と家族――大学生アンケート調査より
第5章 シングルマザーからみる親子関係における血縁意識
第6章 子ども虐待と血縁
第7章 人びとの血縁意識とは――考察
第8章 親子にとって血縁とはなにか――結論
あとがき
- 著者紹介
久保原 大(くぼはら まさる)
1967年生まれ。首都大学東京大学院博士後期課程修了、博士(社会学)。東京都立大学非常勤講師 博士研究員。児童養護施設でのボランティアを継続しながら、美容師として、そして研究者として活動している。
- 「すごい博論」大賞とは
■「すごい博論大賞」詳細ページ(現在新たな応募は受け付けておりません。)
http://www.koyoshobo.co.jp/book/b498418.html
- 書誌情報
久保原 大 著『血のつながりと家族のかたち――わたしたちが血縁を意識するとき』
四六判、上製、縦組、300頁
2021年11月30日発行
ISBN 978-4-7710-3552-2
定価 2,970円(税込)
http://www.koyoshobo.co.jp/book/b592551.html
出版社:
株式会社 晃洋書房
〒615-0026 京都市右京区西院北矢掛町7番地
TEL 075(312)0788(営業部)
075(312)0790(編集部)
FAX 075(312)7447
http://www.koyoshobo.co.jp/
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