事業承継研究会が卸売業の未来について議論。話題の“M&A税制”を活用した事業の付加価値創造を提言
税理士 神谷保宏氏
現在、研究会が注目している業界のひとつは“卸売業界”。インターネットを利用したメーカーによる直売の形態も広まりつつあるなか、事業を承継していくためにも、自社の新たな付加価値の創造を模索する企業は少なくありません。こうした状況に対して、税理士の神谷保宏さんからM&Aによる新たな付加価値創造の事例が紹介されました。
「この2、3年の卸売事業者のトレンドとして、ただ商材を仕入れて販売するだけでなく、お客様のニーズに合うものは自分たちで作ってしまおうと、製造部門を新たに設ける動きがみられます。その中で、社内でゼロから整備するのではなく、製造業界の企業とのM&Aが目論まれるんです。卸売業界からすれば、直接的な自社の承継の話ではなく、事業の買い手となるパターンですが、これも生き残っていくための一手。相手になる製造業者にとっても、販売力が高まるなどのメリットがあります。卸売業界に限らず、後継者不足も事業承継を考える多くの企業の悩みです。まだ現経営者が元気で、企業に余力もあるうちにM&Aなどで力を高めたり、上場を目指して自社の魅力を向上させたりすることは、後継者を見つけるきっかけにもなりえます」。
「経営資源集約化税制」の活用
経営資源集約化税制、いわゆる“M&A税制”は、2020年末に発表された制度。これはM&Aを行った場合、買い手側に税の優遇措置をとるものです。10億円以下で最大7割、つまり7億円まで経費として処理できるようになります。
「企業の買い渋りに一石を投じ、事業をM&Aによって第三者に受け継いでもらいたいと考える経営者にとってもありがたい制度です。私たちも、この優遇措置の活用も含めて、提案をしていくべきでしょう」と神谷さん。
自社の事業を未来へとつないでいくために、後継者不足を嘆くだけでなく、さまざまな道が考えられます。そのチャレンジを後押しする制度も整えられつつあり、研究会では、詳細が世に広まっていない税制の提案に注力する方針が確認されました。
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザーログイン既に登録済みの方はこちら
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像
- 種類
- その他
- ビジネスカテゴリ
- 経営・コンサルティング
- 関連リンク
- https://wfgc.jp/
- ダウンロード