高知大学が提案した『SAWACHI型健康社会共創拠点』がJST 共創の場形成支援プログラムに採択されました
2021年11月9日
高知大学が提案した『SAWACHI型健康社会共創拠点』が
JST 共創の場形成支援プログラムに採択されました
高知県の産学官が結集し、少子高齢時代の健康社会を共創します
室戸・高知を、HealthTechの世界拠点に!
高知大学 (高知県高知市, 学長 櫻井 克年) を代表機関として、高知県立大学などの学術機関、株式会社Psychic VR Labなどの企業、室戸市、高知県が科学技術振興機構 (JST) の「共創の場形成支援プログラム (COI-NEXT)」に共同提案した『SAWACHI型健康社会共創拠点』 (以下、「本拠点」と記載) が、「地域共創分野 (育成型)」として採択されました。高知大学 医学部が高知市内中心部に設置したオープンイノベーション拠点MEDi*と室戸市を舞台に、アカデミア・企業の最新の知を結集してデジタル治療薬*などを中心とした研究開発を推進し、健康社会の実現に向けた地域の課題解決に取り組みます。
採択を受けて、菅沼 成文プロジェクトリーダー (医学部長) や県内国公立大学・高専の学長・校長、室戸市の植田 壯一郎市長、高知県の井上 浩之副知事、(株)Psychic VR Labの山口 征浩代表取締役の各氏が出席して、2021年10月15日にMEDiで記者会見を開催しました。
拠点の概要
本拠点では、「デジタル治療薬×室戸 → SAWACHIパーク ―― 「知」が隆起するまち」をビジョンに掲げ、「デジタル治療薬」開発を突破口とした健康社会の共創を目指します。ビジョンの実現に向け、「地域レジリエントなプライマリケア・エコシステムの構築」「新しいヘルスケア・低侵襲検診システムの実現」「流行の兆しを掴む感染症警戒システムの構築」の3点をターゲットに設定し、産学官共創による社会実装に向けた研究開発を実施します。
高知大学を中心とした「地域アカデミアの知」と、HealthTech系スタートアップなど「失敗を恐れない挑戦者」を、高知大学 医学部オープンイノベーション拠点MEDi, 同 室戸サテライト, VRサテライトから成る地域共創実践の場である「SAWACHIパーク」に結集し、少子高齢化が著しい地域における健康生活の維持を実現します。
また、本拠点の取り組みを通じて、「世界一健康づくりの楽しいまち」づくりを推進する室戸市にHealthTech企業を集積するなど、「学び続け、働き続けられる」地域の形成を目指します。高知県は、室戸市での取り組みを先行事例として、県内の他の自治体への実装支援や国内外など県外への「室戸・高知発の健康社会モデル」の普及に協力します。
本事業期間では、こうした構想を実現する上で特に重要度の高い研究開発課題を優先して実施するともに、安全・安心な社会の実現に繋がる技術について、社会実装の可能性や市場性を検証します。また、高知県の産学官が協力して、持続可能な地域共創の場の整備に取り組みます。
提案の背景
高知県の東部に位置する人口約12,000人の室戸市は、高齢化率が県内の市で最も高い自治体であり (53.1%, 2021.8推計)、全国の市の中でも非常に高齢化が進んでいます。また、救急出動の要請から病院収容までの所用時間が1時間を超えるのは、高知県内では室戸市のみとなっています。こうしたことから、室戸市はこれから世界が直面する健康社会を維持する上での課題が既に集積していると考えられます。
2021年2月、室戸市が子育て世代や中高生を対象としたアンケートによると、住民は地域の豊かな自然環境や人間関係の良さ、落ち着いた雰囲気を評価する一方、医療リソースの不足や、教育・就業の選択肢が少ないことを課題と考えており、「住み続けたいけれど、住み続けるのが難しい」地域と認識していることが明らかとなりました。一般病床を有する医療機関がなくなるなど、現地での医療リソースの維持が既に困難である現実を直視した高知大学医学部と室戸市は、2021年3月に医療体制の充実や地域包括ケアシステムの構築に資する覚書を交わし、限られたリソースで効果的な医療システムを提供するために、室戸市が建設中の一般病床を有する診療所を拠点として、医療・健康データの電子化と遠隔での検査・診断・治療技術の開発を行うことで合意しました。
プロジェクトリーダーらが医療従事者として東日本大震災などの被災地支援に出向いた経験から、PHR/PLR*の充実は平時のみならず災害時にこそ威力を発揮すると強く実感しています。今、直面している高齢化・人口減少の進展と、近い将来に迫る大規模災害の双方に対応しうるヘルスケアやPHR/PLRのあり方を検討するにあたって、室戸市は最適であると考えています。
表1 採択事業の概要
お問い合わせ先
〒783-8505 高知県南国市岡豊町小蓮
〒160-0022 東京都新宿区新宿1丁目34-2 MORIAURA 2F
E-Mail: info@psychic-vr-lab.com
〒781-7185 高知県室戸市領家87(室戸市保健福祉センターやすらぎ内)
E-Mail: mr-010700@city.muroto.lg.jp
電話: 0887-22-2727
〒780-8570 高知県高知市丸ノ内1丁目2番20号
E-Mail:131301@ken.pref.kochi.lg.jp
電話: 088-823-9625
高知大学が提案した『SAWACHI型健康社会共創拠点』が
JST 共創の場形成支援プログラムに採択されました
高知県の産学官が結集し、少子高齢時代の健康社会を共創します
室戸・高知を、HealthTechの世界拠点に!
高知大学 (高知県高知市, 学長 櫻井 克年) を代表機関として、高知県立大学などの学術機関、株式会社Psychic VR Labなどの企業、室戸市、高知県が科学技術振興機構 (JST) の「共創の場形成支援プログラム (COI-NEXT)」に共同提案した『SAWACHI型健康社会共創拠点』 (以下、「本拠点」と記載) が、「地域共創分野 (育成型)」として採択されました。高知大学 医学部が高知市内中心部に設置したオープンイノベーション拠点MEDi*と室戸市を舞台に、アカデミア・企業の最新の知を結集してデジタル治療薬*などを中心とした研究開発を推進し、健康社会の実現に向けた地域の課題解決に取り組みます。
採択を受けて、菅沼 成文プロジェクトリーダー (医学部長) や県内国公立大学・高専の学長・校長、室戸市の植田 壯一郎市長、高知県の井上 浩之副知事、(株)Psychic VR Labの山口 征浩代表取締役の各氏が出席して、2021年10月15日にMEDiで記者会見を開催しました。
拠点の概要
本拠点では、「デジタル治療薬×室戸 → SAWACHIパーク ―― 「知」が隆起するまち」をビジョンに掲げ、「デジタル治療薬」開発を突破口とした健康社会の共創を目指します。ビジョンの実現に向け、「地域レジリエントなプライマリケア・エコシステムの構築」「新しいヘルスケア・低侵襲検診システムの実現」「流行の兆しを掴む感染症警戒システムの構築」の3点をターゲットに設定し、産学官共創による社会実装に向けた研究開発を実施します。
高知大学を中心とした「地域アカデミアの知」と、HealthTech系スタートアップなど「失敗を恐れない挑戦者」を、高知大学 医学部オープンイノベーション拠点MEDi, 同 室戸サテライト, VRサテライトから成る地域共創実践の場である「SAWACHIパーク」に結集し、少子高齢化が著しい地域における健康生活の維持を実現します。
また、本拠点の取り組みを通じて、「世界一健康づくりの楽しいまち」づくりを推進する室戸市にHealthTech企業を集積するなど、「学び続け、働き続けられる」地域の形成を目指します。高知県は、室戸市での取り組みを先行事例として、県内の他の自治体への実装支援や国内外など県外への「室戸・高知発の健康社会モデル」の普及に協力します。
本事業期間では、こうした構想を実現する上で特に重要度の高い研究開発課題を優先して実施するともに、安全・安心な社会の実現に繋がる技術について、社会実装の可能性や市場性を検証します。また、高知県の産学官が協力して、持続可能な地域共創の場の整備に取り組みます。
提案の背景
高知県の東部に位置する人口約12,000人の室戸市は、高齢化率が県内の市で最も高い自治体であり (53.1%, 2021.8推計)、全国の市の中でも非常に高齢化が進んでいます。また、救急出動の要請から病院収容までの所用時間が1時間を超えるのは、高知県内では室戸市のみとなっています。こうしたことから、室戸市はこれから世界が直面する健康社会を維持する上での課題が既に集積していると考えられます。
2021年2月、室戸市が子育て世代や中高生を対象としたアンケートによると、住民は地域の豊かな自然環境や人間関係の良さ、落ち着いた雰囲気を評価する一方、医療リソースの不足や、教育・就業の選択肢が少ないことを課題と考えており、「住み続けたいけれど、住み続けるのが難しい」地域と認識していることが明らかとなりました。一般病床を有する医療機関がなくなるなど、現地での医療リソースの維持が既に困難である現実を直視した高知大学医学部と室戸市は、2021年3月に医療体制の充実や地域包括ケアシステムの構築に資する覚書を交わし、限られたリソースで効果的な医療システムを提供するために、室戸市が建設中の一般病床を有する診療所を拠点として、医療・健康データの電子化と遠隔での検査・診断・治療技術の開発を行うことで合意しました。
プロジェクトリーダーらが医療従事者として東日本大震災などの被災地支援に出向いた経験から、PHR/PLR*の充実は平時のみならず災害時にこそ威力を発揮すると強く実感しています。今、直面している高齢化・人口減少の進展と、近い将来に迫る大規模災害の双方に対応しうるヘルスケアやPHR/PLRのあり方を検討するにあたって、室戸市は最適であると考えています。
表1 採択事業の概要
拠点名称 | SAWACHI型健康社会共創拠点 |
代表機関 | 国立大学法人高知大学 |
プロジェクトリーダー | 菅沼 成文 (国立大学法人高知大学 医学部長) |
副プロジェクトリーダー | 山口 征浩 (株式会社Psychic VR Lab 代表取締役) |
プロジェクトリーダー補佐 | 植田 壯一郎 (室戸市長) 宮地 洋雄 (高知県・医療政策課 課長補佐) |
参画機関 (学術機関) | 高知大学 (代表機関・幹事機関), 高知県立大学 (幹事機関), 高知工科大学, 東京工業大学, 大阪大学, 岡山大学, 高知工業高等専門学校 |
(企業) | (株)Psychic VR Lab (幹事機関), (株)パシフィックメディカル, (株)シーメック, (株)BiPSEE, ファイテン(株), (株)アルファドライブ高知 |
(自治体) | 室戸市 (幹事機関), 高知県 (幹事機関) |
JSTによる支援期間 | 2021, 2022年度 |
用語の説明
- 高知大学医学部オープンイノベーション拠点 MEDi
- 2021年6月、高知大学医学部は、ビジョン・ターゲット・目標を共有する産学官の関係者が部局や所属機関の垣根を越えて、パートナーとして研究開発成果の検証・社会実装、イノベーションマインドの醸成などを実践することができる「地域共創の場」として、「高知大学医学部オープンイノベーション拠点 MEDi」を高知市内中心部に開設しました。また、2021年8月27日には、高知県副知事、室戸市長、宿毛市長、高知県議会議員らが参列の下、オンラインにて開所式を執り行いました。
- MEDiでは、行政と住民が抱える医療・ヘルスケア領域の課題を把握し、本拠点に関わるメンバーが産学官連携で解決し、社会実装を実現します。行政が抱えるマクロな地域課題は、災害医療・コロナ対策・オンライン診療などから抽出し、地域のケア課題など住民が抱えるミクロな地域課題は、フィールドワークでまとめた住民の声の中から抽出します。行政と住民の間にMEDiのメンバーが関わることで、持続可能な解決策を見出します。
- また、MEDiでは、事業化を目指す入居企業の技術シーズや事業アイデアについて、実際に事業化を図る過程で想定されるリスクを考慮し、様々なパートナー企業とPoCを行う場を提供します。
- 地域から世界へ、世界から地域へ。大学と入居企業が有するシーズを出し合い、課題解決〜社会実装した成果によって、国際的課題の解決を目指します。また、国際的な地方創生として、新しい地域社会を創造します。
- デジタル治療薬 (Digital Therapeutics)
- デジタル治療薬は、スマートフォンのアプリなどデジタル技術を活用して、医師の管理下で疾病の予防・診断・治療を行う際に用いる治療薬です。わが国では、禁煙治療用のスマートフォンアプリが2020年8月に初めて厚生労働省の製造販売承認を受けました。
- 従来の医薬品と比較して、開発コストを圧倒的に低く抑えられるとともに、化合物などの異物を体内に取り込む必要がないことから副作用が少ないなどの特徴があります。本研究では、VR機器を用いた精神疾患に対するデジタル治療薬を開発します。
- デジタル治療薬は、医薬品、医療機器に次ぐ「第3の新しい治療法」として注目されており、2024年には約1200億ドルの市場規模になると予測されています。
- PHR (Personal Health Record) /PLR (Personal Life Record)
- PHRは、健康・医療・介護に関するデータなど、個人の健康に関するデータのことを指します。また、PLRは、PHRに加えて日常生活などで発生する個人のデータも含めた、個人データの集合体のことを指します。
お問い合わせ先
- 本拠点の取組に関するお問い合わせ
〒783-8505 高知県南国市岡豊町小蓮
- E-mail:is22@kochi-u.ac.jp
- 株式会社Psychic VR Labに関するお問い合わせ
〒160-0022 東京都新宿区新宿1丁目34-2 MORIAURA 2F
E-Mail: info@psychic-vr-lab.com
- 室戸市に関するお問い合わせ
〒781-7185 高知県室戸市領家87(室戸市保健福祉センターやすらぎ内)
E-Mail: mr-010700@city.muroto.lg.jp
電話: 0887-22-2727
- 高知県に関するお問い合わせ
〒780-8570 高知県高知市丸ノ内1丁目2番20号
E-Mail:131301@ken.pref.kochi.lg.jp
電話: 088-823-9625
- 共創の場形成支援プログラム (COI-NEXT) および国立研究開発法人科学技術振興機構 (JST) に関するお問い合わせ
- 国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)イノベーション拠点推進部 共創の場グループ
- 〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K's 五番町
- E-mail:platform@jst.go.jp
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