世界が注目するブルゴーニュの音楽とワイン祭:クロ・ド・ヴージョ音楽祭2025

GEN DE ART 現地取材｜Musique & Vin au Clos Vougeot 2025

【ヴォーヌ・ロマネ発｜2025年6月25日】
世界的ワインの聖地、ブルゴーニュ地方のクロ・ド・ヴージョにて、今年で17回目を迎える文化祭典 「クロ・ド・ヴージョ音楽祭2025 (Musique & Vin au Clos Vougeot 2025)」が、2025年6月22日から29日までの8日間にわたり開催されている。

このフェスティバルは、クラシック音楽とブルゴーニュワインという二つの芸術を融合させ、世界的な演奏家と地元のワイン生産者が一堂に会する特別な空間を創出している。

音楽とワインを通じてブルゴーニュの文化の奥深さを体感できると同時に、若手音楽家の育成を支援することを目的としており、地域文化と国際芸術の架け橋として世界中の注目を集めている。

2008年に創設、ブルゴーニュから世界へ

本フェスティバルは、オベール・ド・ヴィレーヌ（Aubert de Villaine）氏（Domaine de la Romanée-Conti 共同経営者）と、ディレクターであるベルナール・エルヴェ（Bernard Hervet）氏によって2008年に創設された。創設以来、音楽とワインを通じて若手音楽家の支援を使命とし、音楽奨学金や弦楽器提供などの活動を続けている。これまでにフェスティバルを通じて支給された弦楽器は29本に及ぶ。

右：オベール・ド・ヴィレーヌ（Aubert de Villaine／音楽祭 名誉会長、／ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ元共同経営者）｜左：ベルナール・エルヴェ（Bernard Hervet／音楽祭 ディレクター）　Photo by GEN DE ART

世界的演奏家と若き才能が共演する豪華プログラム

2025年のプログラムには、世界的ピアニストのユジャ・ワン（Yuja Wang）、ジャン＝イヴ・ティボーデ（Jean-Yves Thibaudet）をはじめ、チェリストのゴーティエ・カプソン（Gautier Capuçon）、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のメンバーなど、一流演奏家たちが名を連ねている。

ジャン＝イヴ・ティボーデとゴーティエ・カプソンの両名は、本音楽祭の音楽監督（Directeurs artistiques）も務めており、プログラムの選定から若手音楽家の育成まで、多岐にわたりフェスティバルを牽引している。

初日6月22日には、「Jeunes Talents（若き才能）」によるコンサートが開催され、ドイツ・ダルムシュタット出身のメゾソプラノマルレン・ビーバー（Marlen Bieber）と、ロサンゼルス出身のフルート奏者マーサ・チャン（Martha Chan）が登場。オーケストラ・ディジョン・ブルゴーニュ（Orchestre Dijon Bourgogne）と共演し、ジョゼフ・バスティオン（Joseph Bastian）の指揮で、ベートーヴェンの交響曲第6番《田園》を演奏した。

オーケストラ・ディジョン・ブルゴーニュ（Orchestre Dijon Bourgogne）とジョゼフ・バスティオン（Joseph Bastian） Photo by GEN DE ART

音楽祭音楽監督 ゴーティエ・カプソン（Gautier Capuçon）、GEN DE ART編集長 オリビア・マツモト（Olivia Matsumoto）、音楽祭音楽監督 ジャン＝イヴ・ティボーデ（Jean‑Yves Thibaudet）　※ 左から右　　Photo by GEN DE ART

ブルゴーニュ60以上のドメーヌが参加するワイン試飲会

フェスティバル期間中には、クロ・ド・ヴージョ（Clos de Vougeot）およびシャトー・ド・ムルソー（Château de Meursault）にて、ブルゴーニュ地方を代表する60以上のワインドメーヌによるテイスティングイベントが開催されている。

参加者は、グラン・クリュをはじめとする希少なワインを味わいながら、音楽とワインの繊細な調和を体感できる絶好の機会を得ている。

ブリス・ド・ラ・モランドィエール（Brice de La Morandière）｜Domaine Leflaive 当主（代表）　Photo by GEN DE ART

ドメーヌ・シモン・ビーズ（Domaine Simon Bize）｜サヴィニ・レ・ボーヌを代表する日本人当主千砂さんが率いる名門ワイナリー　Photo by GEN DE ART

ナディーヌ・ギュブラン（Nadine Gublin）｜                                                                                                          ドメーヌ・ジャック・プリウール（Domaine Jacques Prieur）醸造責任者　　Photo by GEN DE ART

          2025年6月23日、クロ・ド・ヴージョ城にて開催されたワイン試飲会場の様子　Photo by GEN DE ART

若手支援のためのチャリティ・オークションも開催中

フェスティバルの大きな柱のひとつが、若手音楽家支援のためのワイン・チャリティ・オークションである。2025年のオークションは、Bonhams Cornette de Saint Cyrが運営し、オンライン形式で6月18日から7月2日まで実施される。

ワインは参加各ドメーヌからの寄付によるもので、収益は全額、フェスティバルの若手支援事業（楽器提供・奨学金）に充てられる。特に、ガラ・ディナー当日に実施されるライブオークションは、音楽とワインが文化支援の場を共有する象徴的なイベントとして注目されている。

GEN DE ART Magazine

コンセプト｜Concept
芸術的生活を讃え、文化の継承者たちを世界へ
Honouring living art and the art of living

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Based in Japan, GEN DE ART is a bilingual international magazine exploring excellence in art, wine, and gastronomy. Through thoughtful storytelling, it bridges cultures and honours the vision of exceptional creators around the world.

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