清水正己 カルチャー誌デザイン展 “されど雑誌たち” 開催決定【入場無料】
1980年代の躍動から現代の混沌まで。300冊を超える雑誌からの触発。
スパイラルガーデン(東京・青山)にて2024年3月27日(水)〜4月2日(火)開催決定。
STUDIO VOICE 、X-MEN 、CUT、ROCKIN’ON JAPAN 、an、新潮社月刊シリーズ、FILT、WE /など展示予定。
昭和・平成・令和と時代をまたぎ、1980年代から現在まで。アートディレクター清水正己が制作に関わってきた雑誌の数々を300冊以上展示します。
STUDIO VOICE 、X-MEN 、CUT、ROCKIN’ON JAPAN 、anから、新潮社月刊シリーズ、FILT、WE /など、その時代のカルチャーシーンを鋭く切り取ってきた雑誌の数々が勢揃い。 いま改めて、「ネオ・カルチャー」という再解釈がたち上がります。
●開催日:2024年3月27日(水)〜4月2日(火):入場無料
3月26日(火)17:00〜20:00 オープニング・レセプション
●開催場所:スパイラルガーデン(スパイラル1F)
〒107-0062 東京都港区南青山5-6-23
https://www.spiral.co.jp/access
●開催時間:11:00〜20:00
最終日4月2日(火)は~19:00までとなります。
展覧会の企画は、ある日とつぜん、清水正己がアートディレクションしてきた数多くの雑誌が眠る書庫について話している時にはじまった。
STUDIO VOICE、X-MEN、CUT、ROCKIN’ON JAPAN、an 、新潮社月刊シリーズ、FILT、WE/、東京手仕事…。1980年代から発信してきたこの雑誌たちをこのまま眠らせたまま、やがて静かに整理されていってしまっていいのか。清水正己と時代をともに駆け抜けた世代はもちろんだが、新時代の感覚をつくりだしている新しい世代にも、紙という素材に定着したこの雑誌たちを、そのデザインをあらためて眺めてみてもらいたい。ほとんどの情報が、そしてカルチャーがデジタルに置き換わりつつあるいま、それはどんなふうに受け取られるのだろうか。
そんな想いから、誰もがふと立ち寄りやすいスパイラルガーデン(東京・青山)を第1回の展覧会の場所と決め、入場はもちろん無料とし、来場者が自由奔放に刺激を受けられるような展示をめざした。一見単純にみえるその展示方法に、細部までリアルにこだわる、アートディレクター清水正己の本気が宿る。
“デジタル時代のいまこそ、若い世代と共有したい。
「ネオ・カルチャー」という再解釈。(清水正己)”
デザインという仕事に関わった時からサムネイル(thumbnail)を作るのが好きだった。親指サイズの小さな画ですべてここから始めていた。この小さなスペースで手を動かし続け考えて作ってきた。エディトリアルと広告という2つの領域のアートディレクションを1970年代後半からやり始め現在に至っている。
今回の展示は雑誌デザインと共に時代を歩んできたカルチャー誌をメインに、時代の流れがわかるようにしてみた。1979年タブロイド版『STUDIO VOICE』から始まってA4サイズまでの変遷。1984年創刊の男性ファッション誌『X-MEN』。1986年にフリーになって始めた『ROCKIN’ON JAPAN』、そして一番かっこいいインタヴューマガジンを作ろうと1988年に創刊した『CUT』。1998年から12年続けた新潮社『月刊シリーズ』は、新しいグラビア誌、写真集の新提案だった。その後もフリーペーパー『FILT』『WE/』などを作ってきた。
80年代、90年代、2000年代、現代に至るデザインの軌跡をいま改めてメタフィクション的に捉えた時、そこに「ネオ・カルチャー」という新旧を貫く概念がデジャヴュのように浮かびあがってくる。
清水正己カルチャー誌デザイン展運営チーム
取材等に関するお問い合わせはこちらまでお願いします。
tenrankai@shimizu-design.co.jp
担当:土本真紀、山本久美子、今岡雅依子
清水正己、あの頃のカルチャー誌デザインへの思い。
(過去に受けたインタビューからの抜粋・原文ママ)
「想像力でガンガンいきます」
「本質とか、精神とかが奥にある表現に挑んでみたい。カッコよい、きれい、アートっぽい、ではもう感じない」
『デザインの現場』(1987)
「表紙が顔だとしたら、目次にはその本の性格の善し悪しが出てきます」
「エディトリアルのオーガニックな部分は、もっと広告にも反映していいでしょう」
「ヴィジュアルが象だとしたら、エディトリアルの文字組は蟻んこみたいなものです(中略)
しかし我々デザイナーは、文字を制しない限りヴィジュアルも作れません。
“文字の気持ち”は絵にも勝ると思って、これからもやっていきたいと考えています」
『たて組ヨコ組』(1989)
「表現するときのあの手この手の方法論でスタイルや変化を求めるものより、直球でズバッと行く方がこの混雑な現在には
伝わります。そこには小手先の“ワザ”はいりません」
『AXIS』(1987)
「将来こうしようとかは考えていません。ただ、いいものをつくっていきたいと思っています。
いいものをつくった時の快感が一番ですからね」
「僕が絵を描く場合は、空白のときである。そこで、ジッと念じておまじないをする。どうか、ペンギンになってくれ、と」
『写研69』(1987)
「デザイナーとしてのちょっと違った筋肉をつかう手作業を絶対残してなきゃいけないと思うんだ」
『モノ・マガジン』(1989)
「いま、自分は新鮮である、と思うことにしている。いろいろとタメ込んでいる、ちょっと違う世界のことをどう出してやろうかな、
小出しにしようかな、でもまあいいか、その場その場の思いつきで出してしまおうと」
「何があっても、どこかでいつもこだわり続けていたいのが、アートである」
「ゴミゴミとした机の上で、いじいじやっていても、ヌケたものはできないなあ。やっぱり日本は小さい」
「いくつもの雑誌が登場し、消えて行った。その中でのADというのは、縁の下の力持ちである。各種事情は別にして、
しっかりADが参加しないと、ますます雑誌は、違う方向へ行ってしまう」
「いま、やりたいのは、本質であり、事実であり、直球である。早くそういうものがよしとされる時期になって欲しいものである」
『コマーシャル・フォト』(1987)
「横尾さんにはいわゆるデザインっていうものがあるとしたら、非デザインということを勉強させてもらったんですよ」
『ブレーン』(1993)
「ADって結構、冷酷なんですよ(笑)いろいろなセレクションができますからね。いつも新しいネタを探してる」
『GAN』(1993)
「アートディレクターというのは雑誌の性格によって、強く出ることもできるし、縁の下の力持ちでいることもできる。
でも僕はどちらかというと、アートディレクションを強く出せるような本じゃないと、やりたいと思わないんです」
「編集者と広告の世界の人というのはどこか違う。接している時に使う脳の筋肉も何か違う感じがします」
「長い間、雑誌の仕事に携わってきたなかで、新しい雑誌を創刊する際のコンセプトづくりから
フォーマット作成、そしてその雑誌に一つのスタイル、顔ができるまで育てていくという仕事をやらせてもらう機会が多かった」
「『月刊シリーズ』はこれまでのグラビア雑誌や写真集とはコンセプトがまったく異なる雑誌でした」
『編集会議』(2003)
「人を楽しませたり、わくわくさせたり、きれいにさせるため、どんなビジュアル的アイデアが出せるか。
誰も考え付かないことができるかどうか。それが勝負の分かれ目ですね」
「手足に使われる仕事は受けない。デザイン面の主導権は持つ」
「広告も雑誌も、自分を主張していかないと、消えてしまう」
『信濃毎日新聞』(2005)
清水正己 SHIMIZU MASAMI プロフィール
クリエイティブディレクター・アートディレクター
1953年長野県生まれ
1975年多摩美術大学デザイン科卒業
1979年流行通信社入社
1986年流行通信社退社・清水正己デザイン事務所設立
賞歴
『スタジオ・ボイス』エディトリアルデザイン ADC賞/『注文の多い写真館』ポスター ADC賞/『RUN RUN RUN』エディトリアルデザイン ADC賞/『注文の多い写真館』ポスター NY ADC賞MERIT AWARD/サントリーオールド雑誌広告シリーズ「このくらい贅沢がいい」クリオ賞・ファイナリスト賞/サントリーオールド雑誌広告シリーズ「このくらい贅沢がいい」日本雑誌広告賞・金賞/資生堂「ミネラルウォーターシャンプー」パッケージ 通産大臣賞/オンワード「23区」雑誌広告 日本雑誌広告賞・金賞/日立家電事業広告「デジクマシリーズ」読売広告賞・特別賞/日立家電事業広告「動物シリーズ」読売広告賞・金賞/ヒュンダイ雑誌広告 日経トレンディー広告賞・優秀賞/新日本石油企業広告 新聞広告「赤いシリーズ」日経広告賞・優秀賞/新日本石油企業広告 新聞広告「赤いシリーズ」朝日新聞広告賞・優秀賞/新日本石油企業広告 新聞広告「サルファフリー」日経広告賞・優秀賞/住友林業「コンセプトブック」経済産業省商務情報政策局長賞/住友林業「企業広告」雑誌広告シリーズ 日本雑誌広告賞・銀賞/住友林業「企業広告」新聞広告シリーズ 日経広告賞「環境広告賞・環境大臣賞」/長谷工コーポレーション「美しい現場」雑誌広告 日本雑誌広告賞「部門賞金賞」/東京手仕事「ブランドブック」造本装幀コンクール 日本印刷産業連合会会長賞
広告
POLA/花王/住友林業/東京都中小企業振興公社/環境省/オンワード樫山/新日本石油/日本信販/HITACHI/NTT-ME/キリン/サッポロ/サントリー/資生堂/日産自動車/日本テレコム/PARCO/VIVRE等多数
エディトリアルなど
STUDIO VOICE/X-MEN /CUT /ROCKIN’ON JAPAN/an/新潮社月刊シリーズ /FILT /東京手仕事/WE/など
主催:117 PRESS
協力:株式会社 INFASパブリケーションズ/株式会社ロッキング・オン/パーソルキャリア株式会社/株式会社新潮社/株式会社リョウマ/株式会社ポーラ
取材等に関するお問い合わせはこちらまでお願いします。
tenrankai@shimizu-design.co.jp
清水正己カルチャー誌デザイン展 運営担当:土本真紀・山本久美子・今岡雅依子
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