デジタルテクノロジーと行動分析学を掛け合わせた小学校「さやか星小学校」開校 学習・評価・対人関係といった教育の「あたりまえ」を変える環境を提供
「さやか星小学校」はテクノロジーを駆使して一人ひとりの学習進度に合わせた個別プログラムの提供と行動分析学を用いた、他の公立・私立学校にはない教育を受けられる小学校です。様々な観点から、子どもたちを見つめ、点数だけでは見えない自分らしい軸を大事にしながらも他者の軸も尊重し、変化の時代を生き抜く人を育てます。
開校に合わせて第一期生として新一年生から新四年生まで計22人が4月9日(火)に入学いたします。
■さやか星小学校について
現在の我が国の教育は「成績が良い子」「勉強が良くできて頭が賢い子」など高偏差値な子どもが評価されやすい、ひとつの”ものさし”で測られことが多いです。しかし、本当に子どものたちのためになる教育とは、ひとつのものさしで評価せず、それぞれの強みを伸ばすことに注力することであり、多様なものさしで自分の可能性を発見できる、そんな「マルチものさし」の考え方が当たり前となる教育を当校では目指しています。
同じ目標と方法による授業を受け、一律の評価をされるあたりまえや、子ども同士の人間関係のトラブルを子どもの自主性に任せるというあたりまえ。こうしたあたりまえは学校が多様性ある学びや子どもの安心・安全にコミットしてこなかったこととして終わらせるべきであると考え、さやか星小学校ではまったく新しい教育方針と方法で自分や他者の軸を尊重する人を育てます。
■さやか星小学校の教育方針
さやか星小学校では学習・評価・対人関係と3つの「あたりまえ」を、もう一度見直してひとつずつ解決策を探っていきます。
① 学習のあたりまえ
さやか星小学校では同じ教室の中でも一人ひとりの学習速度に応じた授業を提供し、能力を伸ばしていく授業を実現。
② 評価のあたりまえ
さやか星小学校では「問題行動」を取り締まってやめさせる指導ではなく、望ましい行動を身に付けるポジティブな支援を実施。
③ 子どもの対人関係構築のあたりまえ
さやか星小学校では対人関係について学校で教わるべき学びの1つとしてとらえることで、他者との適切な関わり方を教職員や親が導く。
■具体的な施策について
さやか星小学校ではすべての子どもたちの共生を実現するために3つの「あたりまえ」に対する教育を実施。学校生活に悩む子どもを生み出すのは、自分自身ではなく、環境にあるという考えのもと、今まで学校教育としてあたりまえとされてきたことを見直し、行動分析学とデジタルを駆使した先進的な教育を行っていきます。
【一律評価・授業ではなく自分のペースで得意を伸ばして学ぶ】 | 【問題行動を減らすのでなく、望ましい行動を増やす】 | 【子どもの人間関係に大人が積極的に関わる】 |
独自に開発したデジタル学習支援ツールを用いて、一人ひとりに合わせたパーソナライズ学習を実現 | 「スクールワイドPBS*1」を導入して、目標となる行動を可視化し、望ましい行動を積極的に行うことが賞賛される | 教職員と親が一緒になって取り組み、安心・安全な学校風土づくりのための「いじめ防止の3Rプログラム*2」を日本で初導入し、継続的改善を行う |
*1 スクールワイドPBS:子どもに望ましい行動を具体的に設定して、その行動ができた際に賞賛・承認をすること、そして目標として行動が起こりやすい環境を整えることで、望ましい行動を身に付けることを目指す教育メソッド
*2 いじめ防止の3R:いじめの問題を大人の問題として捉え、未然に防ぐために大人がとるべき行動の「3R:Recognize(認識)、 Respond(対応)、 Report(報告)」を浸透させるべく、すべての教職員・保護者向けに提供されるプログラム
また、さやか星小学校では通常の学校カリキュラムに加えて、自主的な心を育む農業クラブや働くことを考える産学協同カフェなど、子どもが能動的に学び、多面的な興味を得る特別な授業体験を準備。
■カリキュラムについて
さやか星小学校のカリキュラムには、行動分析学を専門とし、生徒や教職員向けの教材事業で指導アドバイスを行っている法政大学文学部心理学科の島宗理教授が参画しています。島宗教授と当校においては、行動分析学の方法や哲学、学習者の最適な学びのために、デジタルテクノロジーを駆使して実現するプログラムなどについて協議・協業し、教育カリキュラムと、教職員の働き方を改善するための校務支援システムを開発してきました。
■学校の設備について
・2023年に廃校となった学校をさやか星小学校の校舎として活用
・子どもたちが自分らしくのびのび育っていく、多様な”ものさし”のあり方を表現した学習環境
多様性にあふれた子どもの個性や才能が伸ばせる学校であることを表現したく、形状・長さ・太さ・色が異なる様々な線が自由に伸びていくロゴ/デザインにしています。行動分析学で用いられる折れ線グラフで、右肩上がりに伸びやかに成長していく様子もイメージされています。
■さやか星とアクセンチュアの関わりについて
さやか星小学校の設立にあたっては、総合コンサルティング企業のアクセンチュアが一人ひとりの個性を伸ばし尊重しながら次世代人材を育成するという理念に賛同し、社会貢献活動の一環として約3年前から支援をしてきました。小学校のコンセプト開発や事業計画策定、校舎・許認可取得に向けた自治体との交渉などのほか、児童の成長を測るためのデジタルツールの構想や開発者開拓、さらには学校の特長を伝えるためのロゴや映像の制作、校舎設計などクリエイティブ支援も行っています。
■アクセンチュア ビジネスコンサルティング本部 サステナビリティグループ 兼 コーポレート シチズンシップ日本統括 海老原 城一 様 コメント
アクセンチュアでは人材課題の解決こそがその国を豊かにするという考え方のもと、Skills to Succeed という世界共通のテーマで人々のスキルアップを支援する活動に取り組んでいます。さやか星小学校の設立にあたっては、アクセンチュアの戦略コンサルタントからデジタルの専門家、クリエイティブ人材まで、幅広い社員が支援をさせていただきました。デジタルと行動分析学で児童一人ひとりの成長に寄り添うさやか星小学校の設立を喜び、ともにインクルーシブな未来の創造に取り組んでまいります。
■今後の展開について
さやか星小学校は、行動分析学の哲学とも言える"Organism is always right"を大切にしています。この言葉の意味ですが、少し意訳すれば「学習者は常に正しい」となります。この立場をとると、次のようなあたりまえが大きく崩れます。算数の九九がどうしても覚えられなくて何度も間違ってしまう子どもがいるとします。通常、教師や親はこのように「間違ってしまう子ども」と考えてしまうのですが、行動分析学ではそう考えません。「学習者は常に正しい」はずですから、どうやら「その子が覚えられない今の指導方法のほうが間違っている」と本気で考えます。そうすると、指導や支援方法、あるいは目標の見直しなどを当然のように行います。学びにおいて「教師や大人が常に正しい」ということはないのです。こうした行動分析学の哲学に基づいた学校は、世界中でもわずかしかありません。
今後、さやか星小学校では、こうした行動分析学の哲学に基づいた教育実践を行いつつ、継続的改善を続けていきます。同時に、デジタル教材や校務支援システムを使用しながら、関係機関や企業と協業して開発を進めていきます。これらの方法について、情報公開の機会を多く持つようにし、他の公立学校や私立学校でも利用可能なコンテンツを提供できるようにしたいと考えています。社会人の学びのための「越境学習」や、さやか星小学校を都会に住む子女たちが体験できる「疎開学校」などを計画しています。
■学校法人西軽井沢学園 創立者・理事長 奥田健次
兵庫県西宮市出身。専門行動療法士、臨床心理士。桜花学園大学大学院客員教授。法政大学 大学院、愛知大学、早稲田大学など非常勤講師を歴任。日本子ども健康科学会理事、日本緘黙研究会常任理事(副会長)。一般社団法人日本行動分析学会理事などを歴任。WCBCT2004国際会議総務委員、第8回ABAI国際会議招待講演者、ABAI日本支部コンタクトパーソン(2019-2023)。教育相談のために、全国各地からの支援要請に応えている心理臨床家。日本国内だけでなく、世界各地から招かれる国際的セラピスト。行動上のあらゆる問題を解決に導くための洗練された技術と、子ども一人ひとりに合わせて完全にオーダーメイド化された奇抜でユニークなアイデア、指導プログラムの緻密さについて、国内外の関係者から絶賛されている。これらの臨床活動は、しばしばドキュメンタリー番組などで紹介されている。各地で学校コンサルテーション活動を行い、徳島県では25年以上、学校支援を継続している。1999年、内山記念賞(日本行動療法学会)を受賞。2003年、日本教育実践学会研究奨励賞受賞。2008年、第4回日本行動分析学会学会賞(論文賞)を受賞し、行動科学系の二大学会で初のダブル受賞者となった。2012年に大学を早期退職し、私財を投じて長野県に学校法人西軽井沢学園を創立。同法人初代理事長として、2018年4月に日本初の行動分析学を用いたインクルーシブ教育を行うサムエル幼稚園を開園。著書に『叱りゼロで「自分からやる子」に育てる本』(だいわ文庫)、『世界に1つだけの子育ての教科書』(ダイヤモンド社)、『メリットの法則−行動分析学・実践編』(集英社)などロングセラー多数。臨床活動を描いたマンガも出版されている。
■さやか星小学校概要
住所:長野県佐久市入澤152-1
教室数:5学級(1年生〜4年生および専修学級)
全校生徒数:22人(4月9日入学時点)
■学校法人西軽井沢学園について
〒389-0201
長野県北佐久郡御代田町塩野3180-558
TEL/FAX: 0267-32-0541
Website: https://sayakaboshi.jp/
Mail : info@sayakaboshi.jp
Twitter: https://twitter.com/sayakaboshi
Instagram: https://www.instagram.com/sayakaboshi/
Facebook: https://www.facebook.com/sayakaboshi/
Note: https://note.com/sayakaboshi/
■アクセンチュアの社会貢献活動について
アクセンチュアは、より持続可能で責任ある世界経済の実現に向け、クライアントやパートナー、地域コミュニティと協力しながら社会的課題の解決に取り組んでいます。なかでも事業活動を通じて培った「人材のスキル発揮を高めるノウハウ」を活かし、企業市民活動において全世界でSkills to Succeed(スキルによる発展)と呼ぶ統一テーマに取り組んでいます。高い実行力を持ったNPO団体等と協力して、 各国・地域固有の実情に合わせて選択した“人材スキル向上”に関わる諸テーマを推進し、2023年度は世界各地の約430万人に対してスキル向上の機会を提供しました。活動にあたっては社員の直接参加を重視しており、取り組みの企画から実行まで、多様な専門知識をもった多くの社員が主体的に参画しています。社員の「時間とスキル」の積極的な提供を通じて、標準化、IT活用、定量的管理、継続的改善といったさまざまなビジネスの手法を社会課題解決の領域に持ち込み、社会的インパクトを最大化することが私たちのミッションであると考えています。アクセンチュアの社会貢献活動については https://www.accenture.com/jp-ja/about/corporate-citizenship/skills-succeed をご覧ください。
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