tactoがデザインを担当した丸亀製麺の店舗向け「ハピカンダッシュボード」が2026年度グッドデザイン賞を受賞

数値管理を"感情の体験"へ再定義する、本ダッシュビードのビジュアルアイデンティティとUI/UXデザインを担当

tacto株式会社

tacto株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役:板倉 隼、以下、tacto)がデザインを担当した、株式会社トリドールホールディングス(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長 兼 CEO:粟田 貴也、以下、トリドールHD)と株式会社プレイド(本社:東京都中央区、代表取締役CEO:倉橋 健太、以下、プレイド)が共同開発した店舗向けダッシュボード「ハピカンダッシュボード」が、このたび2026年度グッドデザイン賞(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)を受賞しました。

本プロジェクトでは、プレイドが提供する「PLAID ALPHA」が、従業員の内発的動機を促す従業員体験(EX)設計からデータ統合・技術実装までを一気通貫で支援。tactoは、このうち本ダッシュビードのビジュアルアイデンティティとUI/UXデザインの設計・制作を担当いたしました。

ハピカンダッシュボードについて

「ハピカンダッシュボード」グッドデザイン賞詳細ページ
https://www.g-mark.org/gallery/winners/35511

「ハピカンダッシュボード」は、トリドールHDが掲げる経営思想「心的資本経営」のもと、株式会社丸亀製麺の全店舗で運用されている店舗向けダッシュボードです。 経営理念が現場の行動変容に結びつきにくいという課題に対し、従業員の「ハピネススコア」・顧客の「感動スコア」・店舗の「繁盛スコア」をひとつの画面に集約し、管理のための業務ツールではなく従業員が能動的に関わりたいと思える体験として設計することによって、店舗で働く一人ひとりの内発的動機を引き出した点が評価されました。2025年12月に丸亀製麺の国内全店舗(約900店舗)へ展開して以降、活用は継続的に広がっており、運用開始から約10か月、90%以上(※1)が継続的に活用しています。

※1:2026年9月5日~10月2日の期間「ハピカンダッシュボード」利用者アンケート(丸亀製麺実施、従業員888名対象)

ハピカンダッシュボード開発の背景

日本の外食産業は慢性的な労働力不足に直面し、自動化・効率化を優先する経営手法が広がりつつあります。しかしこの流れは、現場で働くスタッフをオペレーションコストとして捉える傾向を生み、エンゲージメントの低下や離職率の上昇といった構造的な課題を深めてきました。

トリドールHDが掲げる「心的資本経営」は、こうした潮流とは対極に立ち、従業員の幸福と顧客の感動を重要な経営資本と位置づける経営思想です。一方で、経営思想を掲げるだけでは現場の行動は変わらず、日々の業務のなかで従業員一人ひとりが実感できる仕組みに落とし込むことが課題となります。

ハピカンダッシュボードはこの課題に対して開発されました。テクノロジーを管理のためではなく、働く人を認め支えるために活用することで、従業員の働きがいと事業成果の双方を高めることを目指しています。

tactoが担当したデザイン領域

tactoは、人の“心”を経営資本ととらえる、店舗向けダッシュボードのビジュアルアイデンティティ、UI/UXのデザインを企画制作しました。デザインの核となったのは、数値管理という業務行為を「感情を感じる体験」へと転換することです。

感情を可視化し、内発的動機を生む体験設計

本ダッシュボードでは、売上などの数値だけでなく、お客様からの言葉や評価を「感動スコア」として可視化しました。「自分の接客が誰かを笑顔にした」という実感の積み重ねが、従業員の貢献実感とハピネスを育て、内発的動機につながっていきます。店長は、従業員の「ハピネススコア」を通じて、一人ひとりの心の状態に触れることができます。ダッシュボードを通じて感情を捉え、従業員一人ひとりの内発的動機を生み出し、お客様に届ける食の感動の質を深化させていくことを、デザインの軸としました。

心と心が交わる、その瞬間をかたちに

ロゴでは、テクノロジーを通じて可視化された、お客様の「心の感動」と従業員の「心の幸せ」。そのふたつの想いが出会い、共感・共鳴し合う瞬間を、交差する2本の線によるハートのかたちで表現しました。交差する中心部分にはグラデーションを施し、色がやわらかく溶け合うことで、感情が影響し合いながら広がり、共感が循環し、共鳴していくイメージを表現しています。

ロゴタイプには、細長くすっきりとしたフォルムの書体をベースに採用し、データやテクノロジーを扱うダッシュボードとしての信頼感と先進性を表現。一方で文字の角にはやわらかな丸みを残し、人の温度や親しみやすさを感じられるバランスに整えました。カタカナの「はらい」には有機的なラインを取り入れ、人の感情や行動の自然な流れも表現しています。

数値管理を"感情の体験"へ再定義するUI

本ダッシュボードのUIは、「明るさが生む、日常のポジティブ体験」を中核に設計しました。目的は業務指標を可視化することだけではなく、数値管理という行為そのものを「感情を感じる体験」へと転換することです。冷たい数字と直線的なグラフから脱却し、働く従業員の気持ちやお客様の感動が自然に伝わるインターフェースを目指しました。

従業員の幸福という抽象的な概念は、スマイルの3Dモチーフとして中央に配置し、立体的な存在感を持たせることで、「数値を見る」から「状態を感じる」体験へと変換しています。顧客の感動は、ハートをモチーフにした立体グラフィックで表現。グラデーションや微細な形状変化によって感情の充足度を視覚化し、数値とビジュアルを一体化させることで、単なるスコアではなく「誰かの心が動いた」という実感が伝わる体験へと昇華させました。

冷たいデータから、触れたくなる存在へ

ダッシュボードを、日常に寄り添う存在にすること。事務的な印象を排し、温度を感じるカラーパレットと余白設計、親しみやすいタイポグラフィを採用することで、忙しい現場でも心理的負担を生まず、むしろ自然と触れたくなる感覚を目指しました。

数値の増減そのものを強調するのではなく、その背後にある「状態の変化」を、やわらかな揺らぎとしてモーションで表現。軽やかなバウンス感が店舗の活気と呼応し、画面を開いた瞬間に「今、この店は生きている」という感覚が立ち上がるようなモーションデザインを構築しています。

デザイナー

板倉 隼(tacto株式会社 代表取締役/ Creative Director)

20年間、アメリカのシアトルで生活。アメリカではシアトルに本社を持つ、Deloitte DigitalのCreative Directorとして、様々なビッグクライアントのデジタルトランスフォーメーションを手掛ける。日本のデザインを変えるべく、2017年に帰国、2020年にtacto inc.設立。

坂本 和哉(tacto株式会社 Designer)

Visual Designer / UX Designerとして、情報設計からビジュアルデザイン、モーションデザインまで一貫して担当。2018年より博報堂アイ・スタジオでアプリ・WEBデザインに約3年半従事。2021年にtactoへ入社し、現在はブランドサイトやアプリ・サービス開発、パッケージデザインなど幅広いブランディング案件を手掛ける。

反保 聖志瑠(tacto株式会社 Designer)

札幌のブランディング会社に新卒入社後、3年勤務したのち、2023年にtactoへ入社。WEBデザインやグラフィックデザイン、CI・VIデザイン、イラストなどを手がける。クライアントの個性を引き出せるようなコミュニケーションを心がけている。

審査委員の評価

株式会社丸亀製麺の思想「ハピネス、感動、繁盛」が体現されたダッシュボードである点が高く評価された。パーパスとビジネスを切り分けずに、ひとつにつなぐシステムにした新しい挑戦。従業員の内発的動機づけやハピネスにAIエージェントを使っている点にオリジナリティがある。 UIも、従業員、顧客、ビジネスの3つを可視化し、アクションを提示する、という設計がきちんとされており、また、色々なインターフェースに対応していて完成度が高く、わかりやすく使いやすい。

グッドデザイン賞とは

グッドデザイン賞は、1957 年創設の、⽇本で唯⼀の総合的なデザイン評価・推奨のしくみです。製品、建築、サービス、システム、地域の取り組みなど、有形無形を問わず、さまざまなものごとを対象としています。受賞のシンボル「Gマーク」は、よいデザインを社会に広げるマークとして親しまれています。2026 年度は第 70 回の節⽬にあたります。

https://www.g-mark.org/

tacto株式会社について

tactoはストーリーのある体験をつくるエクスペリエンスデザインファームです。

ブランドやサービスが何のために存在し、人の生活や社会をどう変えるのかを言説化・可視化し、プロジェクトに明確な意志を宿らせる。それを軸に、プロダクトやOMOのUI/UX、アプリやWEBサイトの企画制作、ブランドコミュニケーション開発などをトータルでサポートしています。凝り固まった視点をほどき、あらゆる行きづまりや閉塞感を乗りこえること。それがtactoの存在意義です。日本のデザインを変え、世界における日本のデザインの立ち位置を高めていくことを目指しています。
https://tacto-inc.com/

株式会社トリドールホールディングスについて

「食の感動で、この星を満たせ。」をスローガンに掲げ、さまざまな業態の飲食チェーンを展開し、味覚だけでなく五感が揺さぶられる、本能が歓ぶほどの感動を探求し続けています。
トリドールグループは「心的資本経営」を原動力に、従業員の“心の幸せ”とお客さまの“心の感動”を生み出し、持続的な事業成長を目指しています。

今後も「食の感動体験」をどこまでも追求し、世界中で唯一無二の日本発グローバルフードカンパニーを目指して、予測不能な進化を遂げるため、国内のみならず海外での展開を積極的に推進してまいります。

https://www.toridoll.com/

株式会社プレイドについて

プレイドは「データによって人の価値を最大化する」をミッションに、データを起点に企業価値の最大化を支援する企業です。膨大な顧客行動をリアルタイムに解析するデータ基盤とその文脈(コンテクスト)までを構造化する技術をもとに、データ×AIのプロダクト群と専門人材による伴走を提供しています。企業の顧客中心経営の実現を支えることで、持続的な事業成長とその先にいる生活者一人ひとりへの価値創出に貢献します。
https://plaid.co.jp/

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会社概要

tacto株式会社

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URL
https://tacto-inc.com/
業種
サービス業
本社所在地
上大崎四丁目5番28号 MEGUROHAUS 601
電話番号
03-6303-9044
代表者名
中島琢郎 / 板倉隼
上場
未上場
資本金
300万円
設立
2020年08月