公益財団法人豊田理化学研究所より寄付を受領し、日本の研究基盤エコシステム構築に向けた新たな事業を開始します。

一般社団法人研究基盤協議会は、公益財団法人豊田理化学研究所との連携によりテクニシャン育成の取り組みを強化します。

　一般社団法人研究基盤協議会（代表理事：江端　新吾）は、令和5年１月の設立以来、研究基盤に関する知見を我が国全体で蓄積・共有・展開することにより、自立したサステナブルな研究基盤エコシステム構築へ貢献すべく活動を行ってきました。

　本協議会の活動も、国公私立大学の会員27団体、民間企業の賛助会員３社と順調に会員を増やし、「研究基盤EXPO」というシンポジウムなどの研究・情報発信活動を続けてきました。最近では、研究力向上のため研究基盤に対する重要性の理解は高まりつつあり、本協議会の調査・提言をもとに、文部科学省などの政府においても様々な議論が行われるようになりました。

　しかしながら、日本の大学等研究機関は物価高騰などの影響で財政的な余力を失いつつあり、研究設備やそれを支える研究支援人材への投資がままならないのが現状です 。その結果、研究設備の老朽化や技術人材の高齢化など、研究基盤の脆弱化が進んでいます 。

　こうした現状に危機感を抱いていた公益財団法人豊田理化学研究所が、本協議会の研究支援人材の育成に対する様々な取り組みに共感していただき、令和7年3月に1,000万円の寄付をお寄せいただきました。

　

　この寄付をいただいたことを契機に、本協議会において「豊田理研アカデミアテクニシャン育成基金」を立ち上げ、両者で連携しながら、各大学等の研究機関におけるテクニシャン育成のための支援事業を開始いたします。

　具体的な連携の取組の第一歩として、以下の事業を立ち上げ、各大学等研究機関の研究基盤発展に向けた活動をスタートいたします 。

　・大学等の研究機関に対するテクニシャン育成に対する表彰事業

　・将来テクニシャンを目指す各大学の学生に対する活動支援事業

　本協議会では、今後も様々な大学等研究機関や企業・政府等と連携し、日本の研究基盤の発展に貢献し、ひいては日本の大学の研究力向上のため取り組んでまいります。

【公益財団法人豊田理化学研究所　常務理事　菊池　昇】

　弊財団は従来より、「次世代の新たな豊田佐吉、豊田喜一郎を生み出す」を合言葉に、科学技術の分野で活躍が期待される若手研究者の人材の育成に注力するとともに、研究者向けの研究助成などの支援を行ってまいりました。海外の大学では、研究者だけではなく、研究基盤の拠点校を中心とした研究設備やテクニシャンなどの研究支援人材が研究の発展を支えていることを目の当たりにしてきました。今、日本の大学に必要なことは、研究基盤を支える支援人材の育成であり、一般社団法人研究基盤協議会の趣意に賛同し寄付をさせていただきました。今後両者が連携し、日本の研究基盤に対する支援を行いたいと考えております。
（関連リンク：https://www.toyotariken.jp/）

【一般社団法人研究基盤協議会　会長・代表理事　江端　新吾】

　本協議会は、自立したサステナブルな研究基盤エコシステム構築への貢献を目的に活動を発展してまいりました。最近では、本協議会の研究設備の共用化や技術職員などの人材育成といった活動成果が政府の研究基盤戦略などにも活用されつつあります。一方、今後はこれらの課題を大学以外の方々にも認知していただくことが重要であり、ご支援くださる豊田理化学研究所様の存在は大変ありがたく、心より感謝申し上げます。今後両者が連携し、日本の研究力向上に貢献したいと考えております。

（関連リンク：https://www.jcore2023.jp/）

【一般社団法人研究基盤協議会　会員大学一覧】

（団体正会員）27団体
大阪大学、大阪公立大学、岡山大学、沖縄科学技術大学院大学、金沢大学、九州工業大学、群馬大学、高知大学、信州大学、千葉大学、筑波大学、東海国立大学機構、東海大学、東京科学大学、東京農工大学、東北大学、鳥取大学、長岡技術科学大学、名古屋工業大学、名古屋市立大学、新潟大学、広島大学、北海道大学、宮崎大学、山口大学、琉球大学、早稲田大学

（特別賛助会員）3団体

株式会社島津製作所、日本電子株式会社、株式会社日立ハイテク