Intent Exchange、ドローン航路を実証し、国際業界団体にてタスクフォースを立ち上げ

Intent Exchange株式会社

令和8年6月3日

Intent Exchange株式会社

Intent Exchange株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役 CEO:中台 慎二、以下「Intent Exchange」)は、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)「デジタルライフライン整備事業/ドローン航路の実証」の一環として、秩父市でのドローン航路の構築と運用に関する実証を行い、国際業界団体GUTMAにおいてタスクフォースを設立しました。実証の成果をもとに国内での河川等でのドローン航路構築を推進するとともに、培った地上リスク管理技術の国際展開を推進してまいります。

背景

 経済産業省は、人口減少下でもドローンなどのデジタル技術を全国津々浦々に行き渡らせる「デジタルライフライン全国総合整備計画」においてアーリーハーベストプロジェクトを策定しており、そのもとでNEDO事業としてドローン航路の開発と整備が進められています。ドローン航路は、ドローン運航者の代わりに、ドローン航路運営者が飛行経路下の立入管理や近隣との調整を担います(注1)。今回構築したドローン航路システムを、ドローン航路運営者とドローン運航者が利用することで、ドローン運航者は、無人地帯での目視外運航(レベル3)が容易になります。

 Intent Exchange株式会社は、2024年度、2025年度とドローン航路システムの開発に参画し、特に、航路画定、UTMとの接続、航路の乗り入れ等を担いました。

 なお、ドローン航路に関する航路運営者向けガイドライン、運航事業者向けガイドライン、及び各種付属書の案は、NEDOデジタルライフライン整備事業にて公開されています(注2)。

概要

1.    ドローン航路の実証に成功

Intent Exchangeは、2026年3月に秩父市においてドローン航路の一連の機能を、実際のドローン運航を伴って検証いたしました。特に、地上リスク管理を担う航路画定、複数の航路運営者を跨いだ予約、UTMによる運航、事業者間・LLM連携を支えるOpen Data Spaces活用の検証を行いました。

(ア)  複雑な地形でも、航路画定の有効性を検証

カテゴリーⅡ(レベル3)でのドローン運航を行う際には、飛行経路からの落下分散範囲を立入管理する必要があります。しかし、この落下分散の計算には、風速や地形、空気抵抗などを考慮することが必要となっています(注3)。

 そこで、機体ごとの落下分散を考慮した上で、飛行計画を簡単に作成することができる航路画定という機能を開発し、複雑な地形や気象条件であっても有効に機能することを検証しました。この航路画定の利用では、通常の「飛行計画をしてから、その落下分散を計算する」という手順ではなく、先に立入管理区画を定めます(図1)。システムは、風や高低差を考慮して、自動で飛行計画を設定できる空間を計算します。

図1 通常のリスク評価と航路画定の利用手順の違い

この検証のため、住宅地に近いダム上の飛行経路で実証しました。先に立入管理区画を策定し、利用機体と断面を指定すると、飛行計画を設定できる空間(図2の波線で囲まれた白枠)が表示されます。ドローン航路運営者が、その内側に航路の断面を指定し、これを複数繋げることで航路を作成できることを検証しました。

図2 検証した航路画定の手順

(イ)  航路の乗り入れを実証

ドローン運航者の代わりに立入管理や地域調整を行うドローン航路運営者は、送電線や河川などの管理者といった地域に根差した事業者を想定しています。さらに、そのドローン航路運営者が航路を相互に接続させることで、航路が網目状に構成され、ドローン運航者は航路を跨いで継続的に飛行できるような利用方法を想定しています。

 秩父市の実証では、グリッドスカイウェイ有限責任事業組合が送電線航路を運営し、Intent Exchangeが河川(ダム)航路を運営し、この航路を跨いでドローンが運航できることを実証いたしました。

図3 航路の乗り入れによる全国展開と、秩父市での乗り入れ実証

(ウ)ドローン運航管理(UTM)とドローン航路の連携

乗り入れ実証では、UTMを活用したドローン運航も同時に検証しました。UTMは、空中リスクを低減するための情報システムであり、ドローン同士あるいは有人機との衝突回避などを目的に国際的に標準化・導入が進んでいます。日本でも2026年3月にUSP(UTMサービスプロバイダ)制度が開始されています(注4)。

 実証では、UTMを利用したドローン運航者がドローン航路運営者に位置情報を提供しました。これにより、航路運営者が機体の位置、逸脱等を管理できるようになります。また、乗り入れの前後で提供先のドローン航路を切り替える動作などの検証も行いました。

図4 UTM利用によるドローン航路の乗り入れ検証

(エ)Open Data Spaces(ODS)活用の実証

ドローン航路は、他のデジタルライフライン整備事業とともに、データスペースの技術コンセプトであるOpen Data Spaces(ODS)に基づくアーキテクチャ(注5)で設計をしています。Intent Exchangeは、ODSの中で宛先と意味の問題を解決するセマンティックスレイヤに関する開発も担当しました。

ODSでは、各サービスが関係する他のサービスにリンクすることで、サービス利用者あるいはそのエージェントが、複数のサービスを辿れるようにしています。これは、Webページが他のWebページにリンクすることで、人がWebページを辿れるようになっていることに相当します。また、Webページにおいて、リンクを辿って目的とするWebページに辿り着く代わりに、検索エンジンを利用するのと同様、ディスカバリーサービスを用いて、興味のあるサービスに直接アクセスできるようにもなっています。ディスカバリーサービスは、緯度・経度など特定の属性の条件から、サービスへの宛先を解決するインデックス機能を提供します。

図5 ODSに基づく分散アーキテクチャ

ドローン航路では、鉄道網のように異なる航路運営者が相互に接続しあうことを想定しています。そこで、ODSに基づき航路運営者同士が宛先をリンクし合うことで、運航者は個々のサービスの宛先を探す必要がなくなり、また最初の宛先もディスカバリーサービスが解決することで、必要な情報は属性情報のみとなります。秩父市の実証では、ドローン運航者が保有する端末の位置情報を使い、最寄りの航路運営者を自動で発見し、さらに隣接する航路運営者も自動でアクセスし、航路やドローンポートを一括で予約できることを確認しました(図6)。

さらに、ODSではサービスのセマンティクス(意味)を定義する枠組みがあり、これとMCP(Model Context Protocol)を活用して、チャット画面からサービスの発見やサービスの利用(予約等)ができることを検証しました(図6)。MCPは、外部サービスとLLM(Large Language Model)を接続する標準プロトコルですが、LLMにハルシネーションの問題があるため、サービスのセマンティクスをSAMM(Semantic Aspect Meta Model)と呼ばれるRDF(Resource Description Framework)に基づく定義を用いることで、この問題を緩和しています。秩父での実証では、ドローン航路用のディスカバリーサービスや、ドローン航路サービスに対してこれらを定義し、分散的な宛先解決と意味解決を実現しました。

図6 ODSに基づくドローン航路の概要と、チャットからのサービス利用

2.    国際業界団体GUTMAでのタスクフォースの設立

Intent Exchangeは、UTMの国際業界団体であるGUTMA(Global UTM Association)(注6)において、Ground Risk Assessment Task Forceを設立しました。このタスクフォースでは、ドローン航路、及びそこで培った知見の国際展開の他に、落下分散に関わる標準化の検討も行います。落下分散は、機体メーカ毎に異なるモデルが存在し得るため、この情報のやり取りを標準化することが期待されています。

 

今後

Intent Exchangeは、ドローン航路の国内外への展開とともに、本事業で培ったリスク評価手法をレベル4(有人地帯での目視外運航)向け、及びリスク評価の国際標準SORA(Specific Operations Risk Assessment)(注7)適用に向けて展開して参ります。また、空中リスクを担うUTM事業とともに、ドローン前提社会の実現に貢献して参ります。

本件に関するお問い合わせ先

Intent Exchange株式会社

Email:info@intent-exchange.com

(注1)   経済産業省 ドローン航路政策(UAS Lines Policy)(https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/digital_architecture/uaslines.html

(注2)       NEDO デジタルライフライン整備事業/ドローン航路(https://www.nedo.go.jp/activities/ZZJP_100332.html

(注3)        「カテゴリーII(レベル3)飛行の許可・承認申請に関する説明会」、国土交通省 航空局 無人航空機安全課、令和5年9月(https://www.mlit.go.jp/common/001632469.pdf

(注4)        USP制度(https://www.mlit.go.jp/koku/usp.html

(注5)        Open Data Spaces(https://www.ipa.go.jp/digital/opendataspaces/

(注6)        GUTMA(https://gutma.org

(注7)        JARUS SORA (http://jarus-rpas.org/publications/

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会社概要

Intent Exchange株式会社

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URL
https://intent-exchange.com
業種
情報通信
本社所在地
東京都文京区向丘二丁目3番10号 東大前HiRAKU GATE
電話番号
050-3091-8642
代表者名
中台慎二
上場
未上場
資本金
500万円
設立
2023年02月