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新型大型3Dプリンター「Prusa CORE One L」を発表、Prusa Research ― 製造・研究現場向けに「大型化・高精度・汎用性」を一台で実現

Prusa Research a.s.

2025年11月7日 11時14分

オープンソース3Dプリンターのリーディングカンパニーである Prusa Research a.s.（チェコ・プラハ）は、CoreXY構造を採用した最新機種「Prusa CORE One L」を正式発表しました。
同社の高精度プリンター「CORE One」の技術をベースに、造形領域の拡大と温度安定性を両立したプロフェッショナル向けモデルです。

■ 産業・研究用途にも対応する“スケーラブルな高剛性構造”
Prusa CORE One Lは、300 × 300 × 330 mm のビルドボリュームを実現しつつ、本体サイズは従来機の約110％に抑制。スチールフレームとアルミパネルによる高剛性エクソスケルトン構造により、振動を最小限に抑え、静粛性と寸法精度を維持します。
また、CoreXYメカニズムと独自の高精度モーション制御により、大型造形でも高い再現性と安定した品質を実現します。

■ 新開発 ACコンベクションヒートベッド ― 温度ムラ±2℃以内の高精度制御

新開発のACコンベクションヒートベッドは、厚肉アルミ鋳造ブロックとデュアルファンによる強制対流構造を採用。99 %の表面で温度差±2 ℃以内という均一加熱を実現し、ABS・ナイロン・PCなど熱収縮の大きい素材でも反りを最小化します。
さらに、最大60 °Cまで制御可能な密閉チャンバーを備え、HVACや外部フィルタとの接続にも対応。
クリーンルームや研究施設など高精度環境下での運用にも最適です。

■ 高速・高精度を両立 ― Bondtech CHTノズル × 高剛性CoreXY構造

エクストルーダーには高流量Bondtech CHTノズルを標準装備し、最大0.8 mmノズルまで対応。
高出力樹脂やエンプラ素材も安定して押出でき、Input Shaper制御と金属製CoreXY構造により高速移動時の振動を低減。

また、Prusa Slicer用に社内でチューニングされた200種類以上の最適化済みフィラメントプロファイルにより、試作から量産・研究開発まで幅広く活用可能です。

■ プロダクション環境を見据えた高い運用性

Prusa CORE One Lは出荷時に完全キャリブレーション済みで、開梱後わずか数分で初回プリントが可能。Prusa Connect／Prusa Appによる遠隔監視・制御機能を標準搭載し、内蔵1080pナイトビジョンカメラで状態をリアルタイムに確認できます。ノズル交換30秒、ホットエンド交換1分の構造でダウンタイムを最小化。
さらに、オープンソースファームウェア＋クラウド非依存設計により、セキュリティ要件の高い環境でも安心して導入可能です。

■ セキュリティ・ガバナンス対応 ― Critical Infrastructure Edition

企業・公共機関・研究施設などの高セキュリティ環境向けに、「Critical Infrastructure Edition」を用意。Wi-Fiモジュールを着脱式とし、完全オフライン運用が可能です。
暗号化USBドライブと認証証明書付きマザーボードを標準搭載し、ネットワークを介さない安全なデータ管理を実現。全ファームウェアはオープンソース化されており、監査・検証可能なセキュリティ設計を採用しています。
政府機関、医療施設、防衛・教育・研究分野など、高いコンプライアンス基準を求める環境でも安心して導入できる構成となっています。

■ 技術者の声から生まれた「ちょうど良い大型機」

Prusa CORE One L は、単なる大型化モデルではありません。エンジニア、製造技術者、研究者など、「試作から製品レベルまでを1台で完結させたい」という現場の声に応えるための設計です。
ワークショップや中小企業、教育・研究機関など、多様な開発現場で活躍する「次世代の実用機」として位置づけられています。