成人男性の約1割が関連症状を抱える、知られざる『慢性前立腺炎』/医療機関を渡り歩く孤独な“治療難民”に、衝撃波治療という新たな選択肢

国内初※の査読付き原著論文を報告 「慢性前立腺炎への衝撃波治療の臨床成績」――大阪梅田紳士クリニック  ※当院調べ(2026年10月3日時点)

医療法人奏仁会

【座れない、仕事に集中できない、眠れない――休職に至る患者も】

 慢性前立腺炎/慢性骨盤痛症候群(CP/CPPS)という疾患をご存知でしょうか。 この疾患は、会陰部や下腹部の痛み、排尿時の不快感などが昼夜を問わず続き、人によっては数年以上にわたることもあります。

 症状が強いと、デスクに座って仕事を続けることさえ困難となり、慢性的な痛みや先の見えない不安から、不眠やうつ、不安などの心理的問題を抱えることもあります。実際に、過去の研究でも、CP/CPPSとうつ・不安・ストレスなどの心理社会的問題との関連は、世界的にも繰り返し報告されており、中には、症状に悩まされるあまり、働き盛りでありながら、うつを発症したり、休職を余儀なくされる患者もいます。

 さらに厄介なのは、これほど強い症状があっても、尿検査や画像検査などで明らかな異常が見つからないことが多く、患者の苦しみや生活への支障が見過ごされてしまうこともある点です。

 そのため、泌尿器科だけでなく、心療内科やペインクリニックなど複数の診療科を受診しても、明確な診断や症状を改善する治療にたどり着けず、長期間にわたって医療機関を転々とする患者もいます。

 こうして、本人には確かな痛みや不快感があるにもかかわらず、家族や職場、時には医療者にすらその深刻さを十分に理解されないまま、孤独な“治療難民”となってしまうことがあるのです。

 前立腺炎関連症状を有する男性の割合は、海外の疫学レビューによると全体の8.2%と報告され、その頻度は虚血性心疾患や糖尿病と同程度とされています。こうした身近な疾患と同じくらい多くの男性が症状を抱えているにもかかわらず、そのつらさは十分に知られていません。

 それに加えて、慢性前立腺炎/慢性骨盤痛症候群は病態が複雑で、すべての患者に有効な単一の治療法は確立されていません。従来治療で十分な改善が得られず、長期間症状に苦しむ患者も多く、そう考えると、慢性前立腺炎が、いかに「ありふれた、知られざる厄介な病気」であるのかが分かります。そのため、この慢性前立腺炎に対する新たな治療選択肢が求められているのです。

【海外ではガイドラインにも掲載、日本人患者の実臨床データは限られる】

 現在、世界的に難治性慢性前立腺炎に対する新たな治療法として注目されているのが、「低強度体外衝撃波治療(Li-ESWT)」です。

 Li-ESWTについては、海外ですでに複数の無作為化比較試験(RCT)やメタ解析が報告されています。2025年に発表された米国泌尿器科学会(AUA)の男性慢性骨盤痛ガイドラインでは、低強度体外衝撃波治療が、CP/CPPS患者に提示する治療選択肢として位置づけられています(Moderate Recommendation、Evidence Level Grade A)。

 一方、日本人患者、とりわけ難治例に対する実臨床データは、ほとんど存在しないのが実情です。※当院調べ(2026年10月3日時点)

【難治性慢性前立腺炎/慢性骨盤痛症候群の日本人患者19名を対象に検討した臨床研究の結果】

 そこで、大阪梅田 紳士クリニックでは、半年以上にわたり従来治療を受けても症状が続いていた、いわゆる難治性の慢性前立腺炎/慢性骨盤痛症候群の日本人患者19名を対象に、低強度体外衝撃波治療(Li-ESWT)を行い、治療前後の症状変化を検討しました。

 なお、本研究は、倫理審査委員会の承認を経て実施した臨床研究です。

 [低強度体外衝撃波治療前後の症状スコアの変化(19名]
 患者ごとの症状スコア(NIH-CPSI)の変化を示しています。マイナスの値は症状の改善を表し、19名中16名でスコアが低下、うち6名では6点以上の改善が認められました。

 その結果、慢性前立腺炎の国際的な症状評価指標であるNIH-CPSIの総スコアは、

25.9 ± 5.4 → 21.6 ± 7.5

と有意に改善しました。

 特に、

疼痛スコア:11.5 ± 3.2 → 9.2 ± 3.5
QOLスコア:10.1 ± 1.4 → 8.5 ± 2.7

と、「痛み」と「生活の質(QOL)」の両方で有意な改善が確認されました。

 また、19名中16名(84.2%)ではNIH-CPSI総スコアに何らかの改善がみられ、6名(31.6%)では6点以上の改善が認められました。重篤な有害事象は認められませんでした。

【日本人におけるLi-ESWTの有効性を示唆する貴重な実臨床データ】

 今回、半年以上にわたり従来治療を受けても症状が続いていた患者群において、疼痛およびQOLを含む症状改善が確認されたことは、日本人の難治性慢性前立腺炎に対するLi-ESWTの有効性を示唆する貴重な実臨床データと考えられます。

 本研究は19例を対象とした単施設・後ろ向き観察研究であり、今後さらに大規模な検証が必要ですが、日本国内における慢性前立腺炎の治療選択肢を考えるうえで重要な知見となります。

 本研究が、従来治療では十分な改善が得られず、痛みや生活上の支障に悩む患者さんに、新たな治療選択肢を届ける一歩となることを期待しています。

 研究成果は、国際医学誌「Translational Andrology and Urology」にOriginal Articleとして掲載されました。

研究責任者コメント

大阪梅田 紳士クリニック
理事長 平山 尚

「慢性前立腺炎は、命に直接かかわる疾患ではありません。しかし患者さんによっては、座っていることすらつらい、仕事ができない、夜も眠れないといった状態にまで追い込まれることがあります。

さらに、症状が強くても検査では明らかな異常が見つからないことが多く、周囲や医療者にそのつらさを理解してもらえないまま、泌尿器科、心療内科、ペインクリニックなど複数の医療機関を受診し続けている患者さんもいます。

今回、従来治療で改善しなかった日本人患者において、特に疼痛とQOLの改善を確認できたことは、こうした難治性慢性前立腺炎の患者さんに新たな治療選択肢を示すうえで、意義のある結果と考えています。」

大阪梅田 紳士クリニックについて

大阪梅田 紳士クリニックでは、泌尿器科専門医が尿道炎・前立腺炎を年間1,000例以上診療し、難治性慢性前立腺炎を含む男性泌尿器疾患の専門診療と臨床研究に取り組んでいます。

論文情報

論文タイトル
Low-intensity extracorporeal shockwave therapy for chronic prostatitis/chronic pelvic pain syndrome: a retrospective single-center observational study in Japan

掲載誌
Translational Andrology and Urology

論文種別
Original Article

DOI
https://doi.org/10.21037/tau-2026-0381

取材・お問い合わせ

医療法人奏仁会
大阪梅田 紳士クリニック
研究責任者:平山 尚

〒530-0012
大阪市北区芝田2-1-18 西阪急ビルB1F

TEL:06-6373-0404
E-mail:hirayama@gents-clinic.com
Web:https://gents-clinic.com/

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業種
医療・福祉
本社所在地
大阪府大阪市北区芝田2-1-18 西阪急ビルB1F
電話番号
06-6373-0404
代表者名
平山尚
上場
未上場
資本金
-
設立
2015年12月