「LLMから見えている地域」を問い直す。
合同会社KAORU、感情検索エンジン「SHUN」と地域キャリア研究エンジン「TOKI」を発表 NEXCO西日本との地域共創や自治体での実践を背景に、AI時代の新たな地域価値発見と情報発信の仕組みを展開
2026年10月8日
合同会社KAORU(長崎県新上五島町 代表:山下清子)は、生成AI・大規模言語モデル(LLM)を活用し、地域の歴史、文化、産業、人々の営み、そして旅行者の感情から地域との新たな関係を発見する2つのAIエンジン、感情検索エンジン「SHUN(旬)」と地域キャリア研究エンジン「TOKI(時)」を発表します。
当社は、西日本高速道路株式会社(NEXCO西日本)との地域共創事業をはじめ、九州の自治体との契約に基づく事業展開、大学・有識者との連携などを通じ、AI技術を地域社会の実践に接続する取り組みを進めています。
今回発表する2つのエンジンは、従来の観光情報検索や地域紹介とは異なり、「AIは地域をどのように認識しているのか」「地域に蓄積された時間や価値を、どのように読み解くことができるのか」という問いを出発点としています。

1.LLMから見えている地域とは
生成AIの普及により、人々が地域を知る方法は大きく変わろうとしています。
これまでは検索エンジンや自治体の公式サイト、観光情報サイトなどを通じて地域情報を探すことが一般的でした。しかし、今後はAIに「どのような地域なのか」「自分に合う場所はどこか」と問いかけ、その回答を通じて地域を理解する機会が増えていくと考えられます。
一方、LLMが認識・表現する地域像は、必ずしも現実の地域の姿を十分に反映しているとは限りません。
地域には、インターネット上に十分掲載されていない歴史や文化、地域産業の技術、住民の経験、企業間の関係、長い時間をかけて形成されてきた社会的な価値が存在します。
また、AIが参照する情報の不足や偏り、名称や組織の誤認によって、地域の特性が適切に伝わらない可能性もあります。
合同会社KAORUは、この「LLMから見えている地域」と「実際に存在する地域の姿」との関係に着目しました。
地域を一方的に評価するのではなく、AIを通じて新たな問いを生み出し、地域の情報や可能性を読み解くことを目指しています。
2.感情から地域との出会いを生み出す「SHUN」

SHUNは、地名や観光スポットを検索する従来型の旅行検索とは異なり、利用者の感情や旅に求める意味を起点に、日本各地との出会いを提案する感情検索エンジンです。
例えば、「少し疲れている」「静かな場所で過ごしたい」「旅を通じて新しい発見をしたい」といった気持ちから、旅先の探索を始めます。
利用者が入力した感情や希望をLLMが解釈し、自然、文化、食、暮らし、季節、地域の物語などの要素と関連付けながら、複数の地域や旅の方向性を提示します。
SHUNが重視するのは、人気観光地への誘導や地域の順位付けではありません。
「どこに行きたいか」よりも先に、「どんな気持ちで旅をしたいか」を問いかける。
その人の感情と地域が持つ特徴との間に、新しい接点をつくることを目指します。
海外から日本を訪れる旅行者への展開も視野に、多言語による地域との出会いを支援します。
3.土地が経験した時間を読み解く「TOKI」

TOKIは、地域の歴史、自然、産業、文化、人口動態、人々の活動などを、時間の積み重なりとして読み解く地域キャリア研究エンジンです。
人口の増減や経済指標など、現在の数値だけで地域を評価するのではなく、その土地がどのような時間を経験し、何を継承し、何を失い、何を新たに生み出してきたのかを探ります。
そのうえで、地域の人々や企業、技術、文化の関係を分析し、地域の特徴を理解するための仮説や問いを生成します。
TOKIには、地域の一次研究に加え、公的資料との照合、地域の物語化、人や企業と地域特性の関係の研究、地域価値の発見に向けた分析機能を段階的に整備しています。
研究結果は、AIが生成した解釈と確認可能な根拠を区別しながら扱い、必要に応じて追加検証を行うことを基本としています。
「この土地は、どんな時間を生きてきたのか。」
TOKIは、地域を採点するためのAIではなく、地域について人が考え、議論し、新たな問いを見つけるための研究基盤です。
TOKIから生まれたTOKISTORY 例
熊本県津奈木町STORY
4.AIに正しく認識される地域へ ― Entityの重要性
合同会社KAORUでは、生成AIによる地域情報の活用と並行し、AIが地域や企業、施設、活動をどのような存在として識別しているのかにも着目しています。
この考え方の中心となるのが「Entity(エンティティ)」です。
エンティティとは、企業、自治体、施設、人物、地域資源など、他と区別して認識される対象を指します。
例えば、地域に優れた技術を持つ企業や、独自の文化活動が存在していても、その名称や活動内容、地域との関係がデジタル情報として十分整理されていなければ、AIによる回答に適切に反映されない可能性があります。
当社では、AIによる認識状況の観測、情報の整合性の検証、公式情報の構造化などを通じ、地域の実態とAI上の認識との差異を明らかにする取り組みも進めています。
目指しているのは、AIの回答を恣意的に操作することではありません。
地域や企業に関する信頼できる情報を、AIにも人にも理解しやすい形で届けることです。
5.九州自治体での実践と海外への地域情報発信

大分県津久見市で実施
合同会社KAORUは、NEXCO西日本との地域共創事業や九州の自治体との取り組みを通じ、地域情報の多言語発信、観光コンテンツの提供、デジタル技術による地域体験の創出などを進めています。
その一環として、大分県津久見市における地域情報発信の取り組みや、海外に向けた情報接点の構築にも取り組んでいます。
また、地域で生成されたコンテンツを海外の広告媒体やデジタルサイネージなどに展開し、そこから多言語の地域案内へ接続する「FuruAd(ふるさとの広告)」の構想・実証準備も進めています。
韓国の主要都市や空港鉄道などを想定した情報発信経路の開拓を通じて、海外の生活者と日本の地域との新たな接点をつくることを目指します。
SHUNによる感情を起点とした地域探索、TOKIによる地域の理解、そして多言語コンテンツや海外メディアを通じた情報発信。
これらを個別の技術としてではなく、地域の価値を発見し、伝え、人との関係につなげる一連の仕組みとして発展させていきます。
6.今後の展開 ― 地域価値を発見する学びと実践へ
今後、合同会社KAORUは、自治体、大学、研究者、企業、地域の実践者などとの連携を広げながら、AIによる地域理解と価値発見をテーマとする勉強会や研究活動を計画しています。
特に、LLMが描く地域像と実際の地域の姿を照らし合わせ、そこから生まれる仮説や問いを人間が検証していくプロセスを重視します。
また、地域の歴史や産業、人材、企業の関係から、これまで十分に認識されていなかった価値や新たな可能性を探索していきます。
AIが地域の未来を決めるのではなく、AIによって生まれた問いを、地域に関わる人々が考え、確かめ、次の行動へつなげていく。
合同会社KAORUは、こうした人とAIの協働を通じ、地域が自らの価値を発見し、発信していくための技術と実践の両面から取り組みを進めてまいります。
7.共同研究・業務提携および実証参加自治体の募集
合同会社KAORUでは、今回発表する「SHUN」「TOKI」をはじめとする地域AI技術群を活用し、地域の新たな価値発見と社会実装を共に進める自治体、大学・研究機関、企業、地域団体等との連携を広く募集します。
技術の提供だけを目的とするのではなく、それぞれの地域や組織が持つ知識、経験、課題意識を持ち寄り、AIと人が協働して新たな可能性を探索する取り組みを目指します。
① 共同研究・業務提携パートナー
地域の価値発見、生成AIによる地域認識、観光・文化・産業振興、地域経済循環、地域情報の国内外への発信などをテーマに、共同研究や事業開発に取り組むパートナーを募集します。
大学・研究機関との学術的な検証、民間企業との技術・事業連携、自治体との地域課題に即した実践など、各組織の専門性やフィールドに応じた連携を想定しています。
② 勉強会への参加・実証検証自治体
生成AI時代の地域情報発信や、LLMによる地域認識、地域価値の発見をテーマとする勉強会への参加自治体を募集します。
併せて、SHUN・TOKIをはじめとする地域AIツール群を実際の地域で試用し、その有効性や課題を共に検証する自治体も募集します。
実証では、地域の歴史・産業・文化・人材等の読み解き、AIが認識する地域像の検証、新しい観光・地域情報発信の可能性などをテーマとし、各自治体の関心や状況に応じて検証内容を協議します。
なお、勉強会への参加とツールの実証検証は、それぞれ独立した参加形態として受け付けます。
AIが地域を決めるのではなく、地域がAIを使いこなすために。
合同会社KAORUは、地域を一方的に評価したり、AIの分析結果を唯一の正解として提示したりするのではなく、地域に関わる人々が自らの地域を理解し、問いを生み出し、新たな可能性を発見できる環境づくりを目指しています。
今回の募集を通じて、多様な地域や専門分野の知見を取り入れながら、地域AI技術の検証と社会実装を進めてまいります。
【参加・連携に関するお問い合わせ】
共同研究・業務提携、勉強会参加、自治体実証検証については、下記窓口よりお問い合わせください。
お問い合わせ先:[専用フォームURL]
※各取り組みの内容、実施時期、参加条件等は個別に協議・調整いたします。
合同会社KAORUについて
合同会社KAORUは、AI・デジタル技術を活用した地域共創、地域情報発信、地域研究エンジンの開発などに取り組む企業です。
NEXCO西日本との地域共創事業や自治体との実践を通じて、地域の情報や価値を発見し、国内外の人々との新たな関係をつくる仕組みの開発を進めています。
所在地:長崎県南松浦郡新上五島町
公式サイト:[https://kaoru-narao.com/]
お問い合わせ: 担当:山下・[専用フォームURL]
※本発表は合同会社KAORUによる独自の技術・事業発表です。
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